文字の大きさ
大
中
小
126 / 148
狭間世界編
第二十話:パトルティアノーストでの攻防
大陸融合によって遥か北の海まで移動してしまった白い月が、ぼんやりと照らし出すカルツィオの大地。そろそろ深夜に差し掛かろうかという刻。
ガゼッタの首都パトルティアノーストの中枢塔、空中庭園にある神議堂にて。
リーンランプの明かりの下、コウが持ち帰った資料を基にガゼッタ領に点在する栄耀同盟の拠点や武器保管庫の位置を確認する作業が夜通し進められていた。
「ふーむ、全体的に南の山岳地帯に寄っておるな」
「これは……やはり南側から海を回り込んで来たという事か」
アユウカスの指摘に、地図を見下ろすシンハが栄耀同盟の侵入経路を推察する。
ポルヴァーティア大陸は、カルツィオ大陸の北側の海を越えた先にある。パトルティアノーストの位置はカルツィオでも最南端。
フォンクランク領を横断するとは流石に考えられず、ブルガーデン方面から西回りでガゼッタ領に入る場合も、陸上をかなりの距離移動する事になるので、何処かで見つかるリスクが高い。
トレントリエッタ方面から船で海の端ギリギリを回り込めば、気付かれずに上陸する事も可能だろう。その場合、トレントリエッタの首都リーンヴァールの直ぐ傍を通る事になるが――
「まぁ、あやつら岸壁の下の海なぞ警戒しとらんじゃろうからな」
夜の闇に紛れて通り抜けたり、潜水艇を使えば尚更見つからない。地図上にはトレントリエッタの首都近郊の岩山と、樹海が伸びる海岸線に点々とした小さな拠点を示す印がある。
「これは恐らく港じゃな。潜水艇の補給基地というところか」
「こうして見ると、相当な距離を移動しているな」
ポルヴァーティアから栄耀同盟の工作員が乗って来た船は、拠点の材料に使われていると聞いた。恐らくは、何度も行き来したのではなく、最初の一回で大勢運んで、そのまま解体したのだろう。
後は潜水艇でちまちま海底の沈没船から資材を回収していたと思われる。
「港の調査はトレントリエッタ側に促すとして、まずは栄耀同盟じゃ。撤退するなら南の海岸線に向かうところじゃろうが……」
「機動甲冑を複数所有しているなら、撤退は無いだろうな」
パトルティアノーストから逃げ出した者達と、コウが強奪した拠点から追い出された者達が合流していれば、結構な大所帯になっている筈。
点在する規模の小さい拠点や保管庫に分散して潜伏しても、ジリ貧になるのは確実。時間が経てば経つほど身動きが取れなくなり、彼等のガゼッタ乗っ取り計画は破綻する。
「となれば……やはりここ数日の内に強襲を仕掛けて来ると――」
その時、ズズンという地響きのような重い音と共に中枢塔が揺れた。
「……どうやら、向こうの指揮官は思い切りの良い決断を下せるようじゃな」
「ふっ、望むところだ」
仕掛けて来おったぞと、短く息を吐くアユウカスに、シンハは久方ぶりに野性味あふれる笑みを浮かべながら闘争心を滾らせた。
空中庭園を散歩していたコウは、足元に地震のような振動を感じた後、庭園の外周部分を掠めるように空へと昇って行く複数の白い魔力の塊を見た。
直ぐに、それが塔の下から飛んで来た攻撃魔法のようなモノだと気付く。魔力の塊が掠めた場所まで走ったコウは、身を乗り出して下を覗き込んだ。
「橋がこわれてる」
中枢塔と城塞部分を繋ぐ橋が、下からの攻撃で落とされていた。底の方からは白い土煙が上がっており、落とされた橋の周辺では騒ぎが起きている。
見張りに立っていた衛兵が何人か巻き込まれたらしく、城塞側と中枢塔側の兵達が、橋の落ちた空間を挟んで、大声で何か話し合っている。
それから間もなく、空中庭園に上がって来た伝令が神議堂に駆け込んでいた。栄耀同盟の本格的な攻撃が始まったようだ。
コウが神議堂にやって来ると、伝令の報告を受けたシンハ王達が迎撃と防衛の指示を出していた。
「地下の通路は隔壁を下ろして対処しろ、広い通路には出るな」
「向こうの狙いは中枢塔と街の分断か。収容施設が真っ先に狙われとるじゃろうな」
「ああ、だが最終的な狙いはここだ」
栄耀同盟側も、中枢塔を掌握すればパトルティアノースト全体を占拠出来る事を分かっている。機動甲冑を相手に正面からやり合うのは無謀なので、とにかく散兵戦で凌いで機動甲冑の活動限界まで時間を稼ぐ方針が取られる。
「とはいえ、アレはひとたび動かせば半日は休みなく戦えると聞くからのう」
拠点を潰されて即日侵攻とは、機を見たのやら後が無いのやらと肩を竦めて見せるアユウカスは、小手先でどこまで足止め出来るかと唸る。そしてふと、コウが来ている事に気付いた。
「バタバタしっ放しで済まぬのう」
「大丈夫。ボクも手伝うよ」
その為に来たのだからと、コウは迎撃に出るに当たって、作戦や担当地区があるなら教えておいて欲しいと要請する。
シンハ王を中心に、円卓を囲んでいる各方面の軍幹部や部隊長達のコウに対する認識は、異世界から来た凄腕の諜報員という事になっている。その為、コウには敵勢力の偵察や攪乱という働きが期待されていた。
一方でアユウカスは、悠介や朔耶からもコウについては色々と聞かされており、機動甲冑に対抗し得る程の直接戦闘力も持っているのではないかと考える。
「お主の力で、あの機動甲冑を抑え込めると思うかの?」
「前の戦いから性能が変わってなければ、よゆー」
コウの答えに、軍幹部や部隊長達から戸惑うようなざわめきが上がる。彼等の中にも、以前の戦いで機動甲冑と直接やりあった者がいた。あれ一体で、精鋭の戦士達を七人近く同時に相手取っても互角以上の戦いをするのだ。
神技攻撃にも強く、唯一対抗出来たのが闇神隊長の特殊神技だった。とてもでは無いが、こんな小さな少年にどうにか出来るとは思えない。
しかしコウは、そんな彼等の記憶情報も参考に鑑みた上で、複合体の敵ではないと判断していた。
「ふむ、では機動甲冑の対処には――」
アユウカスとシンハ王がコウの迎撃参加を認めようとしたその時、神議堂の外が騒がしくなった。直ぐに伝令が駆け込んで来て報告する。
「申し上げます! 敵の大型甲冑が中枢塔の外壁を登って来ています!」
空中庭園の外周部分にロープの付いたフックを掛けて、信じられないような跳躍をしながら登って来ているという。
「アレには滑空能力も付いておるからのう。どうやら初めからここ狙いの作戦じゃったか」
機動甲冑は拡張性が高く、空中仕様や水中仕様など、装備を変更して様々な作戦に対応できる。浮遊装置なども内蔵しており、継続しての自力飛行は無理だが、かなりの高さまで跳躍してからの滑空飛行が可能。今回の襲撃では、中枢塔の外から空中庭園に上がる為の装備を整えて来たのだろうとアユウカスは分析した。
塔の内部に侵入されても、総司令部である神議堂が無事なら全軍の指揮は維持出来るし、ここに繋がる道は狭い上に頑強な造りなので、そう簡単には辿り着けないようになっている。が、流石に外から直接乗り込んで来られると、対空設備の無い空中庭園と神議堂はあっさり制圧を許すだろう。
「ボク、いってくるね」
「済まぬが頼む。ここを落とされては一大事じゃからな。あとシンハは大人しゅうしておれ」
コウに空中庭園の防衛を頼んだアユウカスは、一緒に迎撃に出ようとするシンハ王を止める。
「登って来たところを叩き落とすくらいなら問題無いだろう」
「それで一緒に落ちて死んだら笑い話にもならんわ。ええから今は王の仕事を優先せい」
このところ待機続きで大分フラストレーションが溜まっているらしく、戦って暴れたいシンハ王と、それを諫めるアユウカス。里巫女に叱られているガゼッタ王のやり取りを尻目に、コウは神議堂を飛び出した。
空中庭園の端の方にガゼッタ兵が集まっており、身を乗り出して下に矢を射掛けたり、石の塊を投げ付けたりしているが、効果は上がっていないようだ。
逆に攻撃性の光弾で反撃されて負傷する者も出ている。
「まずいっ、下がれ!」
「上がって来るぞ!」
やがて、外に大きく張り出した外周の床下部分に到達した機動甲冑部隊は、そこから斜め上空へと跳躍を行い、空中庭園に滑空降下して来た。
一番乗りを果たした機動甲冑の一機が空中庭園に降り立つ瞬間、庭園の一画に光が溢れる。
「なんだ!? この光は――」
それは機動甲冑の操縦者と、対峙するガゼッタの衛兵達、どちらの叫びだったのか。光が収まると、そこには白い甲冑姿にも似た巨体が佇んでいた。
異世界はフラキウル大陸に君臨する魔導文明王国、グランダールの誇る天才魔導技師アンダギー博士が、魔物の細胞や魔法生物の触媒を使い、採算度外視で造り上げた発迷品ワンオフゴーレム。『複合体』であった。
『機動甲冑だと!?』
『見た事の無い型だ、新型か?』
『いや、よく見ろ、武装スロットも拡張ラックも付いていない。多分、儀礼用のやつだろう』
『大神官が里巫女に融通したのかもしれんな』
次々と空中庭園に着陸する機動甲冑部隊。複合体を見た彼等は警戒しつつ外部スピーカー越しに会話をする。コウは早速、彼等の思考を読み取りに掛かった。
(ふむふむ、ここに上がって来たのは栄耀同盟の人達か~)
下で暴れているのは覇権主義派で構成された部隊で、三機編制の小隊が四部隊、それぞれ軍の収容施設に襲撃を仕掛けているらしい。
栄耀同盟の部隊が中枢塔を受け持ったのは、主に機動甲冑を操縦する技量の問題と、自分達が支配者である事を示すという意味合いもあるようだ。
栄耀同盟の機動甲冑はポルヴァーティア神聖軍時代のような華美な装飾は施されておらず、武骨で機能的な見た目をしている。一方、コウの複合体はシンプルで上品な金縁の入った装甲が儀礼用の甲冑にも感じられて、元々のゴツさを緩和していた。
コウが悠介達の記憶情報から得た機動甲冑には、腕に固定された光の矢を放つ短弓と、巨大な剣、それに大盾が装備されていたようだが、目の前の機動甲冑には腕の短弓しか武装は見当たらない。
背中に担いだバックパックらしき箱型からフック付きのロープがぶら下がっているので、恐らく中枢塔を登る為の装備に換装して来たのだろうと推察する。
栄耀同盟の機動甲冑部隊四機が空中庭園に降り立ち、コウの複合体が戦闘態勢を整え終えた頃、神議堂からもガゼッタの兵士が出て来た。
とりあえず、神議堂に被害が出ないうちにと、コウは機動甲冑部隊を片付けに掛かった。魔導輪を装着し、滑走態勢に入りつつ魔導槌も装備して攻撃推進用内燃魔導器に点火。
一気に加速した複合体コウは、機動甲冑部隊の正面中央に肉薄すると、横薙ぎに一回転して最初に着陸した機動甲冑とその隣に並んでいた機体の脚部を薙ぎ払った。
ゴゴンッガガンッという金属を叩く重い音がした後、二機の機動甲冑が前後に転倒する。
搭乗者の脚は機動甲冑の硬い装甲に護られているので、千切れるような事態には至らなかったが、複合体の魔導槌による強烈な攻撃をまともに受けた機体の脚部は、完全に破壊されていた。
当然ながら、搭乗者も相応の重症を負っている。
『な、なんだ今の動きは!』
『ちぃっ! 反撃しろ!』
残りの機動甲冑二機と、倒れた二機も短弓型魔導兵器を複合体に向けた。短弓に魔力が充填され、攻撃性の魔力の塊を引き延ばした光の矢を放とうとするが――
「ヴァヴァウ?」(遅くない?)
発射されるまでのタイムラグが長過ぎるのでは? と突っ込みつつ、複合体コウは直ぐ傍で倒れた姿勢からこちらを狙っている機動甲冑の内、近い方の一機の短弓を魔導槌で叩き潰した。
ようやく発射された三本の光の矢をしゃがんで躱すと、倒れているもう一機の短弓も破壊。少し離れた場所で短弓を構える二機には魔導輪で距離を詰めて、スライディングキックを浴びせる。
片方は横方向への小さい跳躍で回避行動を取ったが、逃げ遅れたもう片方は脚を払われて転倒。投げ出された腕の短弓を複合体の拳で叩き壊し、追撃で脚部を破壊して行動不能にする。
残りは一機。
『何なんだこいつ!』
複合体コウの奇襲に反応出来ず、あっさり撃破された他の三機と比べて、この搭乗者は機動甲冑の扱いに長けているらしい。
小刻みな跳躍移動で距離を保って、光の矢で狙って来る。魔導輪で距離を詰めると、大きく跳躍して空に逃げつつ、滑空しながらの狙い撃ち。機体と武器の性能を熟知した戦い方に感じられた。
このまま追い回しても空中庭園が無駄に荒れるだけだ。そう判断したコウは、魔導槌を仕舞って内燃魔導兵器を取り出した。
「ヴァヴァー」(発射ー)
ヴヴヴヴヴという唸るような駆動音を響かせて、無数の火炎玉が射出される。アンダギー博士の発迷品である内燃魔導兵器は、狙いは荒く威力も微妙だが、火炎玉の量と勢いだけは凄まじい。
空中で大きく回避行動が取れない手練れの機動甲冑は、機体にビシバシ当たっては跳弾しまくる火炎玉によって、空中庭園の敷地外へと押し出された。
『くそっ、何て事だ! 新型の機動甲冑が配備されてるなんて、想定外だ』
機動甲冑に内蔵されている浮遊装置により、高所から飛び出してもただちに落下するような事は無いが、基本的に一度跳躍した後は降下する事しかできない。
中枢塔攻略班のリーダー格は、予定が大幅に狂ってしまった事を愚痴りながら、中枢塔の外壁に沿って地下部分まで下りて行く。
こうなっては一旦、覇権主義派の部隊と合流して仕切り直すしかない。頭数を揃えてから改めて中枢塔の制圧に乗り出す。そんな方針を組み上げていたその時――
「ヴァッヴォー」(やっほー)
『なっ!?』
ガコンッという衝突音が響いて機体に衝撃が走る。空中庭園から飛び降りた複合体が、機動甲冑に直撃したのだ。その衝撃でクライミング用のバックパックが外れて飛んでいった。
『何て事しやがる! は、放せ! うわああああ』
勢いよくぶつかってバランスが崩れた上に、重量オーバーで姿勢制御が効かず、きりもみ状態でもつれながら落ちていく。
中枢塔周辺には砂が敷いてある事もあってか、最下層まで落下した機動甲冑の搭乗員が潰れる様な事態には至らなかった。が、機体は耐えられても搭乗員に掛かる負荷は相当なものだったらしく、落下の衝撃とそれまでのきりもみ降下でリーダー格の搭乗員は目を回し、気絶していた。
コウは、動かなくなった機動甲冑から動力部分を抜いて、鉄の棺桶化する。飛び降りる前に上の三機にも同じ処置を施してある。
元々は、悠介の記憶情報にもあった『自爆装置』を抜き取るつもりで、それがある部分に精神体を突っ込んで機体の中を探ったのだが、それらしい部品は見つからなかった。
代わりに動力装置らしき部分を見つけたので、それを抜いて完全な無力化を図ったのだ。
(四機とも無力化した。さて、次は覇権主義派のひと達かな~)
このまま覇権主義派の機動甲冑部隊が暴れている現場に向かうか、空中庭園に戻ってアユウカスに指示を貰うか考えていると、周囲に覚えのある魔力が発生するのを感じた。
この付近一帯のみならず、恐らくはパトルティアノースト全域を包み込むような膨大な魔力だが、その流れは自然で穏やか。
人が魔法を行使する際に生じる、強い目的意識のような思念が交じっていない、無機質な魔力。
(これ、ユースケおにーさんの『カスタマイズ・クリエート』だ)
見上げれば、中枢塔と城塞部分を繋ぐ落ちた橋が、光のエフェクトと共に修復されていた。
感想 57
あなたにおすすめの小説
迎えに行ったら、すでに君は行方知れずになっていた
月山 歩孤児院で育った二人は彼が貴族の息子であることから、引き取られ離れ離れになる。好きだから、一緒に住むために準備を整え、迎えに行くと、少女はもういなくなっていた。事故に合い、行方知れずに。そして、時をかけて二人は再び巡り会う。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
落ちこぼれ公爵令息の真実
三木谷夜宵ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。
設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
投稿している他の作品との関連はありません。
カクヨムにも公開しています。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。