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第34話 スライムクラッシャー
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「おりゃあっ!」
俺は飛び掛かってきたスライムをなぎ払った。
壁に当たったスライムは石畳にべたんと倒れ泡のように消えていく。
「天使の靴にも慣れたみたいですね、マツイさん」
ククリが宙を飛びながら言う。
「ああ、ククリのおかげでな」
地面から一センチばかり浮くことの出来るアイテム天使の靴は意外と慣れるまでに時間がかかった。
浮くだけなら簡単だったが歩くとなると浮いているので地面を蹴ることが出来ず初めは戸惑った。
ククリに宙での力のかけ方、バランスのとり方を教えてもらいつい先ほどやっと思い通りに動けるようになったところだ。
「もう一通りアイテムも取りつくしましたし地下二階層に下りましょうか」
「そうだな、そうするか」
天使の靴を手に入れてからアイテムをみつけるためフロアを探し回った。
その結果攻撃力+1のひのきの棒と防御力+1の目出し帽を見事ゲット、これらを装備した。
現在の所持アイテムは薬草と魔草とひのきの棒、そして目出し帽。
攻撃力+1なんてたかが知れているが元剣道部の俺からすれば充分武器として使える。
俺とククリは地下二階層へと続く階段のある部屋に向かった。
「確かこの先だったな階段は」
頭の中で完成させていたマップを思い浮かべながら高さと横幅が四、五メートルある通路を進んでいく。
と、
『ピキー!』
横道からスライムが飛び出てきた。
小さな体で俺を見上げている。
スライムは自分と俺の力量差がまるでわかっていないのか俺の顔面めがけ飛び掛かってきた。
俺は左腕で防御すると右手に持ったひのきの棒でスライムを地面に叩き落とした。
倒れたスライムが消滅するのを確認していると突然俺の目の前に文字が勝手に浮かび上がった。
【スライムクラッシャーを取得しました】
「ククリ、変なのが出て来たぞっ。スライムクラッシャーを取得しましたって出た」
わけもわからずククリに相談すると、
「わあっ、スキルを取得しましたねマツイさん! 運がいいですよっ」
ククリが拍手して喜ぶ。
「スキル?」
「忘れたんですか? モンスターを倒すと低い確率でスキルが手に入るんですよっ」
「あー、そういえばそうだったな」
じゃあこのスライムクラッシャーってのもスキルか。
あ……文字が消えた。
「スライムクラッシャーはスライムに与えるダメージが二倍になるんですっ」
とククリははしゃいでいるが、
「スライムなんて今さら与えるダメージが二倍になっても関係ないだろ」
スライムはスキルなんかなくても余裕で倒せる。
「えへへ~、それがそうでもないんですよ。スライムクラッシャーはスライムと名のつくモンスターすべてに効果があるんです」
「えっ、じゃあヒューマノイドスライムとかにも二倍のダメージを与えられるってことか?」
「その通りですっ」
ククリは大きくうなずいた。
「スライム系モンスターは種類が多いですからそのスキルはきっとこの先役に立ちますよ」
とククリ。
こうして俺は期せずしてスキル、スライムクラッシャーを手に入れたのだった。
俺は飛び掛かってきたスライムをなぎ払った。
壁に当たったスライムは石畳にべたんと倒れ泡のように消えていく。
「天使の靴にも慣れたみたいですね、マツイさん」
ククリが宙を飛びながら言う。
「ああ、ククリのおかげでな」
地面から一センチばかり浮くことの出来るアイテム天使の靴は意外と慣れるまでに時間がかかった。
浮くだけなら簡単だったが歩くとなると浮いているので地面を蹴ることが出来ず初めは戸惑った。
ククリに宙での力のかけ方、バランスのとり方を教えてもらいつい先ほどやっと思い通りに動けるようになったところだ。
「もう一通りアイテムも取りつくしましたし地下二階層に下りましょうか」
「そうだな、そうするか」
天使の靴を手に入れてからアイテムをみつけるためフロアを探し回った。
その結果攻撃力+1のひのきの棒と防御力+1の目出し帽を見事ゲット、これらを装備した。
現在の所持アイテムは薬草と魔草とひのきの棒、そして目出し帽。
攻撃力+1なんてたかが知れているが元剣道部の俺からすれば充分武器として使える。
俺とククリは地下二階層へと続く階段のある部屋に向かった。
「確かこの先だったな階段は」
頭の中で完成させていたマップを思い浮かべながら高さと横幅が四、五メートルある通路を進んでいく。
と、
『ピキー!』
横道からスライムが飛び出てきた。
小さな体で俺を見上げている。
スライムは自分と俺の力量差がまるでわかっていないのか俺の顔面めがけ飛び掛かってきた。
俺は左腕で防御すると右手に持ったひのきの棒でスライムを地面に叩き落とした。
倒れたスライムが消滅するのを確認していると突然俺の目の前に文字が勝手に浮かび上がった。
【スライムクラッシャーを取得しました】
「ククリ、変なのが出て来たぞっ。スライムクラッシャーを取得しましたって出た」
わけもわからずククリに相談すると、
「わあっ、スキルを取得しましたねマツイさん! 運がいいですよっ」
ククリが拍手して喜ぶ。
「スキル?」
「忘れたんですか? モンスターを倒すと低い確率でスキルが手に入るんですよっ」
「あー、そういえばそうだったな」
じゃあこのスライムクラッシャーってのもスキルか。
あ……文字が消えた。
「スライムクラッシャーはスライムに与えるダメージが二倍になるんですっ」
とククリははしゃいでいるが、
「スライムなんて今さら与えるダメージが二倍になっても関係ないだろ」
スライムはスキルなんかなくても余裕で倒せる。
「えへへ~、それがそうでもないんですよ。スライムクラッシャーはスライムと名のつくモンスターすべてに効果があるんです」
「えっ、じゃあヒューマノイドスライムとかにも二倍のダメージを与えられるってことか?」
「その通りですっ」
ククリは大きくうなずいた。
「スライム系モンスターは種類が多いですからそのスキルはきっとこの先役に立ちますよ」
とククリ。
こうして俺は期せずしてスキル、スライムクラッシャーを手に入れたのだった。
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