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第207話 ゴーレム
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地下十九階層。
「あ、ククリに訊くの忘れてた。このフロアはどんなモンスターが出るんだ?」
しあわせのアメをどうするかでもめていてククリに話を訊かないまま俺たちは地下十九階層に下りてしまっていた。
俺は階段を下りた部屋でククリに訊ねる。
「この階層にはゴーレムという魔法生物が出てきます。泥で出来たモンスターですが防御力がとても高いのが特徴です」
「ふーん」
「でもスラさんの灼熱の炎は有効なのでどんどん使っちゃって大丈夫ですよ」
とククリ。
「そうか。じゃあこのフロアもスラに協力してもらおうかな」
『いいよー。あたしに任せといてっ』
和気あいあいと話していると通路から石のブロックの集合体のようなモンスターが姿を見せた。
大きさは二メートルくらいだろうか。
「出ましたよっ。あれがゴーレムですっ」
「よし、まずは俺が行くからスラはここにいてくれ」
『オッケー』
スラを控えさせると俺はゴーレムに向かって駆け出した。
「おりゃあー」
バキンッ!
「なっ!? ぐえっ……!」
勢い込んでいったはいいが妖刀みつごろしがゴーレムの頭に当たって割れ、俺は腹を思いきり殴られた。
ミラクルアーマーの上からでも強い衝撃が伝わってきた。
俺は地面に倒れ込む。
「いってぇ……」
「マツイさん上っ!」
ククリの言葉で上を見た俺の目にはゴーレムの大きな足の裏が映った。
「ぐぬっ……」
『……』
ゴーレムは無言で俺を踏みつぶそうとしてくる。
「ぐぐ、このっ……」
その時、
ゴオォォォー!!!
炎がゴーレムを飲み込んだ。
俺も一緒に炎に包まれる。
「ぅわあっちぃー!!」
『……』
俺はすぐさま炎の中から逃げ出すと、
「スラっ、何やってんだ俺まで殺す気かっ!」
灼熱の炎を吐いているスラに向かって言った。
……ォォン。
『……ふぅー。あはは、ごめんねマツイさん。ピンチそうだったからつい』
ゴーレムは跡形もなくきれいさっぱり消えていた。
『でもマツイさんなら寒熱耐性があるからだいじょぶっしょ?』
「死なないってだけで熱いことには変わりはないんだからな、まったく」
まあ実際ピンチっぽく見えていたのは俺のせいかもしれないけど。
「それにしてもすごい硬さだな、ゴーレムって。妖刀みつごろしがおっ欠けちゃったぞ」
「言ったじゃないですか、防御力が高いって」
「まあそうだけど……」
俺は異次元袋から攻撃力+28のソードイーターという大きな剣を取り出す。
「仕方ないからここからはこの武器でいくか」
『マツイさん、あたしが全部やっつけてあげよっか』
スラは言うが、
「そんなに魔力草も残ってないだろ」
魔力がなければ灼熱の炎は使えないからスラにばっかりは頼れない。
「なあに、さっき踏みつぶされてわかったけど力は大したことはなさそうだからなんとかなるさ」
とちょっと強がってみせる。
俺はソードイーターを握り締めながら次こそは俺がゴーレムを倒すと心の中で決意した。
「あ、ククリに訊くの忘れてた。このフロアはどんなモンスターが出るんだ?」
しあわせのアメをどうするかでもめていてククリに話を訊かないまま俺たちは地下十九階層に下りてしまっていた。
俺は階段を下りた部屋でククリに訊ねる。
「この階層にはゴーレムという魔法生物が出てきます。泥で出来たモンスターですが防御力がとても高いのが特徴です」
「ふーん」
「でもスラさんの灼熱の炎は有効なのでどんどん使っちゃって大丈夫ですよ」
とククリ。
「そうか。じゃあこのフロアもスラに協力してもらおうかな」
『いいよー。あたしに任せといてっ』
和気あいあいと話していると通路から石のブロックの集合体のようなモンスターが姿を見せた。
大きさは二メートルくらいだろうか。
「出ましたよっ。あれがゴーレムですっ」
「よし、まずは俺が行くからスラはここにいてくれ」
『オッケー』
スラを控えさせると俺はゴーレムに向かって駆け出した。
「おりゃあー」
バキンッ!
「なっ!? ぐえっ……!」
勢い込んでいったはいいが妖刀みつごろしがゴーレムの頭に当たって割れ、俺は腹を思いきり殴られた。
ミラクルアーマーの上からでも強い衝撃が伝わってきた。
俺は地面に倒れ込む。
「いってぇ……」
「マツイさん上っ!」
ククリの言葉で上を見た俺の目にはゴーレムの大きな足の裏が映った。
「ぐぬっ……」
『……』
ゴーレムは無言で俺を踏みつぶそうとしてくる。
「ぐぐ、このっ……」
その時、
ゴオォォォー!!!
炎がゴーレムを飲み込んだ。
俺も一緒に炎に包まれる。
「ぅわあっちぃー!!」
『……』
俺はすぐさま炎の中から逃げ出すと、
「スラっ、何やってんだ俺まで殺す気かっ!」
灼熱の炎を吐いているスラに向かって言った。
……ォォン。
『……ふぅー。あはは、ごめんねマツイさん。ピンチそうだったからつい』
ゴーレムは跡形もなくきれいさっぱり消えていた。
『でもマツイさんなら寒熱耐性があるからだいじょぶっしょ?』
「死なないってだけで熱いことには変わりはないんだからな、まったく」
まあ実際ピンチっぽく見えていたのは俺のせいかもしれないけど。
「それにしてもすごい硬さだな、ゴーレムって。妖刀みつごろしがおっ欠けちゃったぞ」
「言ったじゃないですか、防御力が高いって」
「まあそうだけど……」
俺は異次元袋から攻撃力+28のソードイーターという大きな剣を取り出す。
「仕方ないからここからはこの武器でいくか」
『マツイさん、あたしが全部やっつけてあげよっか』
スラは言うが、
「そんなに魔力草も残ってないだろ」
魔力がなければ灼熱の炎は使えないからスラにばっかりは頼れない。
「なあに、さっき踏みつぶされてわかったけど力は大したことはなさそうだからなんとかなるさ」
とちょっと強がってみせる。
俺はソードイーターを握り締めながら次こそは俺がゴーレムを倒すと心の中で決意した。
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