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剣鬼 闘技祭準備編
第二王子
「一体何を隠しているの?教えなさい」
「う~んっ……誰にも言わない?」
「言わないわよ。それとも、自分の相棒を信じられないの?」
「わかったよ。別にいいよね?」
「まあ、シズネ殿なら信頼できるでござるが……」
結局、レナは自分の正体が王国の王子である事、そして氷雨のギルドマスターであるマリアが実の叔母である事を告げると、流石のシズネも彼の出生に驚きを隠せない。
「バルトロス王国の王子に……ヨツバ王国のハヅキ家の血筋でもあるの?とんでもないわね……」
「ちなみに俺の事は世間ではどんな風に広がっているの?」
「一般的には第一王子が死産したと広まっているでござる。アイラ殿に関しても王国を追放された事になっているでござる」
世間一般ではレナが誕生した事は知らされているが、表向きには子供は死産したと伝えられており、待望の男児だっただけに落胆した人間も少なくはなかったという。世継ぎが存在しなければ国として成り立たず、国王の身に万が一の危機が訪れた場合、国家が崩壊してしまう可能性もある。だらかこそ現在の王妃が王子を出産したときは国民の多くが喜んだ。
「というかそもそも今の王子はどんな子供なの?」
「それは拙者も知らないでござる。というより、王子は滅多に表舞台には姿を現さないでござる」
「一時期はあまりにも姿を出さないから死亡しているのかと疑われた事もあるわね」
「へえ……」
自分の腹違いの弟の評判が気になったレナだが、一般の間では王子の情報は制限されているらしく、本当に存在するのか疑われた事もあるらしい。しかし、闘技祭には国王と王妃の他に王子と王女が観戦に赴くという噂が流れているという。
「でもどうして王国の第一王子である貴方が冒険者なんてやっているのよ?」
「それは……まあ、家庭の事情という事で」
「どんな事情よ。いいから教えなさい」
レナは仕方なく自分が王国から追い出された理由、更にどうやって生き延びてきたのかを話し、父親から殺されかけたという話はシズネも衝撃を受けたように黙り込む。
「……実の父親が子供を殺そうとした?職業が不遇という理由だけで……信じられないわ」
「別に珍しい話でもないよ。よりにもよって覚えていた職業がとぢらも不遇職だった事が決め手だったのかもしれない」
「そう、ね……」
父親に愛されていたシズネだからこそ、レナが生まれた時点で父親から殺害されかけたという話を聞き、彼に憐れみの感情を抱く。しかし、レナ本人は父親に対して愛情や憎悪の感情を抱いた事はなく、実際の所は彼にとっての父親は地球で暮らしていたころに育ててくれた父親しか思い浮かばない。
(父さんと母さんはどうしてるかな、今度アイリスに聞いてみようかな)
地球で生活しているはずの両親の事を思い出し、前にアイリスから自分がいなくなった後の二人がどのように過ごしているのか尋ねようとした時もあったが、仮に聞いたところであの世界に戻れない事は変わりはない。それでもやはり地球で共に過ごしていた両親の事を忘れたことはなく、今度彼女に尋ねる事を決める。
「そういえば母上とも随分と会ってないな……今頃何してるんだろう」
「その、お母さんとは仲は良かったの?」
「良かったよ。俺が悪戯しても一度も怒らなかったし、勉強の時間を抜け出した時も匿ってくれたり、子供の頃は子守歌で寝かしつけてくれたりしてくれたよ。だけど……」
「だけど?」
レナは母親のアイラと同様に自分に愛情を抱いてくれた「アリア」を思い出し、彼にとってアリアは家族であり、姉や母親のような存在だった。結局、彼女が何を考えていたのか、どうして自分が殺されたときに笑いかけてくれたのかは分からなかったが、それでもレナにとってアリアは今でも大切な存在に変わりはない。
「……そういえば親父、いや国王は世間一般ではどんな風に言われてるの?なんか、マリア叔母様は嫌っているらしいけど」
「そうね……言っては悪いけど、先王と比べたら地味な印象は拭えないわね。少し前までは良い評判も悪い評判も効かなかったけど、腐敗竜の一件で民衆の評価を落としたのは間違いないわね」
「腐敗竜の件は拙者達も噂は耳にしていたでござるが、結局は駆けつける事が出来なかったのは申し訳ないでござる」
「まあ、それはしょうがないよね」
腐敗竜が冒険都市を襲撃した際、王都は軍隊を派遣せず、逆に王都の防衛に集中していた事は民衆も知っている。当然だが冒険都市周辺の民衆は王国の行動に憤慨し、税を納めているにも関わらずに竜種という存在から守ってくれなかった王国軍や国王を非難した。実際に冒険都市が救われたのは冒険者達と都市に駐在していた警備兵のお陰であり、逆に冒険者の評価が上昇した。
一応は腐敗竜の討伐後は王国側も被災者のために多額の資金は援助したが、腐敗竜の影響でいくつもの村や町が滅び、更に生態系が乱れた事で様々な問題が生じている。その問題の対処も王国軍だけではどうにも出来ず、冒険者の力を借りざるを得ない。だからこそ冒険者ギルドの中でも最大の勢力を誇るマリアの権力が一層に強まり、彼女を支持する民衆も増加の傾向にある。
「う~んっ……誰にも言わない?」
「言わないわよ。それとも、自分の相棒を信じられないの?」
「わかったよ。別にいいよね?」
「まあ、シズネ殿なら信頼できるでござるが……」
結局、レナは自分の正体が王国の王子である事、そして氷雨のギルドマスターであるマリアが実の叔母である事を告げると、流石のシズネも彼の出生に驚きを隠せない。
「バルトロス王国の王子に……ヨツバ王国のハヅキ家の血筋でもあるの?とんでもないわね……」
「ちなみに俺の事は世間ではどんな風に広がっているの?」
「一般的には第一王子が死産したと広まっているでござる。アイラ殿に関しても王国を追放された事になっているでござる」
世間一般ではレナが誕生した事は知らされているが、表向きには子供は死産したと伝えられており、待望の男児だっただけに落胆した人間も少なくはなかったという。世継ぎが存在しなければ国として成り立たず、国王の身に万が一の危機が訪れた場合、国家が崩壊してしまう可能性もある。だらかこそ現在の王妃が王子を出産したときは国民の多くが喜んだ。
「というかそもそも今の王子はどんな子供なの?」
「それは拙者も知らないでござる。というより、王子は滅多に表舞台には姿を現さないでござる」
「一時期はあまりにも姿を出さないから死亡しているのかと疑われた事もあるわね」
「へえ……」
自分の腹違いの弟の評判が気になったレナだが、一般の間では王子の情報は制限されているらしく、本当に存在するのか疑われた事もあるらしい。しかし、闘技祭には国王と王妃の他に王子と王女が観戦に赴くという噂が流れているという。
「でもどうして王国の第一王子である貴方が冒険者なんてやっているのよ?」
「それは……まあ、家庭の事情という事で」
「どんな事情よ。いいから教えなさい」
レナは仕方なく自分が王国から追い出された理由、更にどうやって生き延びてきたのかを話し、父親から殺されかけたという話はシズネも衝撃を受けたように黙り込む。
「……実の父親が子供を殺そうとした?職業が不遇という理由だけで……信じられないわ」
「別に珍しい話でもないよ。よりにもよって覚えていた職業がとぢらも不遇職だった事が決め手だったのかもしれない」
「そう、ね……」
父親に愛されていたシズネだからこそ、レナが生まれた時点で父親から殺害されかけたという話を聞き、彼に憐れみの感情を抱く。しかし、レナ本人は父親に対して愛情や憎悪の感情を抱いた事はなく、実際の所は彼にとっての父親は地球で暮らしていたころに育ててくれた父親しか思い浮かばない。
(父さんと母さんはどうしてるかな、今度アイリスに聞いてみようかな)
地球で生活しているはずの両親の事を思い出し、前にアイリスから自分がいなくなった後の二人がどのように過ごしているのか尋ねようとした時もあったが、仮に聞いたところであの世界に戻れない事は変わりはない。それでもやはり地球で共に過ごしていた両親の事を忘れたことはなく、今度彼女に尋ねる事を決める。
「そういえば母上とも随分と会ってないな……今頃何してるんだろう」
「その、お母さんとは仲は良かったの?」
「良かったよ。俺が悪戯しても一度も怒らなかったし、勉強の時間を抜け出した時も匿ってくれたり、子供の頃は子守歌で寝かしつけてくれたりしてくれたよ。だけど……」
「だけど?」
レナは母親のアイラと同様に自分に愛情を抱いてくれた「アリア」を思い出し、彼にとってアリアは家族であり、姉や母親のような存在だった。結局、彼女が何を考えていたのか、どうして自分が殺されたときに笑いかけてくれたのかは分からなかったが、それでもレナにとってアリアは今でも大切な存在に変わりはない。
「……そういえば親父、いや国王は世間一般ではどんな風に言われてるの?なんか、マリア叔母様は嫌っているらしいけど」
「そうね……言っては悪いけど、先王と比べたら地味な印象は拭えないわね。少し前までは良い評判も悪い評判も効かなかったけど、腐敗竜の一件で民衆の評価を落としたのは間違いないわね」
「腐敗竜の件は拙者達も噂は耳にしていたでござるが、結局は駆けつける事が出来なかったのは申し訳ないでござる」
「まあ、それはしょうがないよね」
腐敗竜が冒険都市を襲撃した際、王都は軍隊を派遣せず、逆に王都の防衛に集中していた事は民衆も知っている。当然だが冒険都市周辺の民衆は王国の行動に憤慨し、税を納めているにも関わらずに竜種という存在から守ってくれなかった王国軍や国王を非難した。実際に冒険都市が救われたのは冒険者達と都市に駐在していた警備兵のお陰であり、逆に冒険者の評価が上昇した。
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