文字の大きさ
大
中
小
136 / 2,093
剣鬼 闘技祭準備編
雪月花の真の力
「仕方ないわね……貴方の力を開放する時が来たわ」
「シズネ殿?」
「下がっていなさい。巻き込まれたくなかったらね」
シズネは雪月花を握りしめ、彼女の言葉と気迫を感じ取ったレナ達は即座にその場を離れる。土竜も異変を感じ取ったのか、シズネに標的を変えて押し潰そうと接近する。
「オァアアアッ!!」
「無駄よ……氷装」
接近する土竜に対し、シズネは雪月花を構えると刀身に冷気を迸らせ、更に彼女が掌を刃に構えた瞬間、刃が凍り付き、まるでレナの「氷装剣」のように氷の刃へと変化を果たす。氷の刃と化した雪月花を握りしめ、シズネは土竜に向けて剣を地面に振り下ろす。
「極寒」
「オアアッ……!?」
刃が地面に突き刺された瞬間、シズネの足元を中心に周囲の地面が凍り付き、彼女を押し潰そうとしていた土竜は氷の大地に足を滑らせて転倒する。更に彼女は刃を引き抜くのと同時に剣をしたから振り払った瞬間、大地から氷山を想像させる氷塊が土竜の足場から出現した。
「喰らいなさいっ!!」
「アガァッ!?」
「浮き上げた!?」
土竜の肉体が地面から出現した棘のように尖った氷山に押し返され、体勢を完全に反転されて完全に倒れこむ。土竜は亀の様に四肢をもたつかせて反転した身体を起き上げようとしたが、背中の甲羅型の岩石が仇となり、凍り付いた地面に突き刺さって上手く身動きが取れない。
「滑稽ね……氷牙斬!!」
「グガァッ!?」
動けない土竜に対してシズネが雪月花を突き出した瞬間、まるで獣の牙のように歪な形をした氷柱が誕生し、土竜の肉体に叩きつけられる。水属性の魔法攻撃を受けた土竜は悲鳴を上げ、氷柱が突き刺さった外殻に亀裂が生じ、徐々に頑丈なはずの岩石の外殻が泥のように崩れ落ちていく。それを確認したレナも彼女の援護のために動き出し、退魔刀に掌を構えて魔法剣を発動させる。
「付与強化……それと氷装剣!!」
退魔刀に刻まれた魔術痕に水属性の魔力を送り込み、更に反対側の腕に氷の大剣を作り出したレナは土竜のがら空きの腹部に向けて飛び込み、頭上から切り付ける。
「加速剣撃……兜割り!!」
「グガァッ!?」
退魔刀を握りしめる掌に重撃剣を発動させ、空中から土竜の腹部に勢いよく叩きこむ。水属性の魔力の効果なのか切り付けられた箇所は変色し、泥と化して崩れ落ちて岩石の外殻に覆いこまれていた土竜本体の灰色の皮膚が露わになる。隙を逃さず、レナは氷装剣を叩きこむ。
「刺突!!」
「ウガァッ……!?」
氷の大剣が胸元部分に突き刺さり、事前に超振動を引き起こしていた氷の刃が土竜の肉体に食い込み、血飛沫が舞う。いくら外見が岩人形に近いといっても、あくまでも中身は生身の生物である事は間違いなく、外殻を破壊すれば内部に存在する本体に損傷を与える事は出来る。
「離れなさい!!避けないと貴方も押し潰すわよ!!」
「うわっ!?」
頭上からシズネの声が響き渡り、咄嗟にレナは土竜の上から離れると、彼女は上空から雪月花を構え、刀身を輝かせながら振り下ろす。
「月光斬!!」
刀身が振り下ろされた瞬間、その斬撃の形状が三日月を想像させ、土竜の胸元に突き刺さったレナの氷装剣ごと切り裂く。あまりの威力に罅割れが生じていた土竜の外殻が崩れ去り、激しい血飛沫が舞い上がった。
――オガァアアアアアアアッ……!?
土竜の断末魔の悲鳴が響き渡り、胸元から血液を噴き出しながらやがて動かなくなり、完全に息絶えたのか目を見開いた状態で微動だにしなくなる。その光景にシズネは頬から汗を流しながらも雪月花を鞘に戻し、溜息を吐き出す。
「ふうっ……どうにかなったわね」
「す、凄い……」
「これが……青の剣聖か」
「格好いい……」
レナの助力もあったとはいえ、ほぼ単独で竜種を撃破した彼女に仲間達は戦慄するが、レナだけは彼女の最後の攻撃に興味を抱く。凄まじい破壊力であったことは事実だが、その精錬された動きが見事であり、とてもではないが今のレナには真似できない。正に本物の「剣聖」の一撃だった。
しかし、その一方でシズネは顔色が悪くなり、雪月花の力を解放した影響なのか体力と魔力を大分消耗している様子が見られ、彼女は額の汗を拭いながら他の人間に振り返る。
「さあ、今のうちに逃げるわよ。悠長に土竜の残骸を回収している暇はないわよ」
「えっ!?で、でも……」
「言い争っている暇はないわ!!もしも親が来たら私達は殺されるのよ!!」
有無を言わさぬシズネの言葉に全員が黙り込み、即座に狼車に乗り込む。子供とはいえ、土竜の死骸を放置するのは惜しいが、もしも子供の急変に「親」が気付いたら不味い事態になり、シズネの言葉通りに全員が殺されてしまう可能性がある。あくまでも今回倒したのは土竜の子供であり、完全に成熟した土竜に勝利出来る保証はない。
シズネの指示に従い、全員が狼車に乗り込むとウルが全速力で駆け抜ける。一刻も早く荒野を抜け出す必要があり、本物の荒野の主と遭遇する前に逃げ出す。
「シズネ殿?」
「下がっていなさい。巻き込まれたくなかったらね」
シズネは雪月花を握りしめ、彼女の言葉と気迫を感じ取ったレナ達は即座にその場を離れる。土竜も異変を感じ取ったのか、シズネに標的を変えて押し潰そうと接近する。
「オァアアアッ!!」
「無駄よ……氷装」
接近する土竜に対し、シズネは雪月花を構えると刀身に冷気を迸らせ、更に彼女が掌を刃に構えた瞬間、刃が凍り付き、まるでレナの「氷装剣」のように氷の刃へと変化を果たす。氷の刃と化した雪月花を握りしめ、シズネは土竜に向けて剣を地面に振り下ろす。
「極寒」
「オアアッ……!?」
刃が地面に突き刺された瞬間、シズネの足元を中心に周囲の地面が凍り付き、彼女を押し潰そうとしていた土竜は氷の大地に足を滑らせて転倒する。更に彼女は刃を引き抜くのと同時に剣をしたから振り払った瞬間、大地から氷山を想像させる氷塊が土竜の足場から出現した。
「喰らいなさいっ!!」
「アガァッ!?」
「浮き上げた!?」
土竜の肉体が地面から出現した棘のように尖った氷山に押し返され、体勢を完全に反転されて完全に倒れこむ。土竜は亀の様に四肢をもたつかせて反転した身体を起き上げようとしたが、背中の甲羅型の岩石が仇となり、凍り付いた地面に突き刺さって上手く身動きが取れない。
「滑稽ね……氷牙斬!!」
「グガァッ!?」
動けない土竜に対してシズネが雪月花を突き出した瞬間、まるで獣の牙のように歪な形をした氷柱が誕生し、土竜の肉体に叩きつけられる。水属性の魔法攻撃を受けた土竜は悲鳴を上げ、氷柱が突き刺さった外殻に亀裂が生じ、徐々に頑丈なはずの岩石の外殻が泥のように崩れ落ちていく。それを確認したレナも彼女の援護のために動き出し、退魔刀に掌を構えて魔法剣を発動させる。
「付与強化……それと氷装剣!!」
退魔刀に刻まれた魔術痕に水属性の魔力を送り込み、更に反対側の腕に氷の大剣を作り出したレナは土竜のがら空きの腹部に向けて飛び込み、頭上から切り付ける。
「加速剣撃……兜割り!!」
「グガァッ!?」
退魔刀を握りしめる掌に重撃剣を発動させ、空中から土竜の腹部に勢いよく叩きこむ。水属性の魔力の効果なのか切り付けられた箇所は変色し、泥と化して崩れ落ちて岩石の外殻に覆いこまれていた土竜本体の灰色の皮膚が露わになる。隙を逃さず、レナは氷装剣を叩きこむ。
「刺突!!」
「ウガァッ……!?」
氷の大剣が胸元部分に突き刺さり、事前に超振動を引き起こしていた氷の刃が土竜の肉体に食い込み、血飛沫が舞う。いくら外見が岩人形に近いといっても、あくまでも中身は生身の生物である事は間違いなく、外殻を破壊すれば内部に存在する本体に損傷を与える事は出来る。
「離れなさい!!避けないと貴方も押し潰すわよ!!」
「うわっ!?」
頭上からシズネの声が響き渡り、咄嗟にレナは土竜の上から離れると、彼女は上空から雪月花を構え、刀身を輝かせながら振り下ろす。
「月光斬!!」
刀身が振り下ろされた瞬間、その斬撃の形状が三日月を想像させ、土竜の胸元に突き刺さったレナの氷装剣ごと切り裂く。あまりの威力に罅割れが生じていた土竜の外殻が崩れ去り、激しい血飛沫が舞い上がった。
――オガァアアアアアアアッ……!?
土竜の断末魔の悲鳴が響き渡り、胸元から血液を噴き出しながらやがて動かなくなり、完全に息絶えたのか目を見開いた状態で微動だにしなくなる。その光景にシズネは頬から汗を流しながらも雪月花を鞘に戻し、溜息を吐き出す。
「ふうっ……どうにかなったわね」
「す、凄い……」
「これが……青の剣聖か」
「格好いい……」
レナの助力もあったとはいえ、ほぼ単独で竜種を撃破した彼女に仲間達は戦慄するが、レナだけは彼女の最後の攻撃に興味を抱く。凄まじい破壊力であったことは事実だが、その精錬された動きが見事であり、とてもではないが今のレナには真似できない。正に本物の「剣聖」の一撃だった。
しかし、その一方でシズネは顔色が悪くなり、雪月花の力を解放した影響なのか体力と魔力を大分消耗している様子が見られ、彼女は額の汗を拭いながら他の人間に振り返る。
「さあ、今のうちに逃げるわよ。悠長に土竜の残骸を回収している暇はないわよ」
「えっ!?で、でも……」
「言い争っている暇はないわ!!もしも親が来たら私達は殺されるのよ!!」
有無を言わさぬシズネの言葉に全員が黙り込み、即座に狼車に乗り込む。子供とはいえ、土竜の死骸を放置するのは惜しいが、もしも子供の急変に「親」が気付いたら不味い事態になり、シズネの言葉通りに全員が殺されてしまう可能性がある。あくまでも今回倒したのは土竜の子供であり、完全に成熟した土竜に勝利出来る保証はない。
シズネの指示に従い、全員が狼車に乗り込むとウルが全速力で駆け抜ける。一刻も早く荒野を抜け出す必要があり、本物の荒野の主と遭遇する前に逃げ出す。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ
異世界に召喚されたその日、巻き込まれた青年に俺が得るはずだったスキルを奪われた。
お詫びとしてチートスキルを授かった俺は、第二の人生くらい好きに生きようと旅に出る。
行き着いた先は、寂れた町の場末の酒場だ。
なぜか客は男ばかりだが、日雇い冒険者や恐妻家の肉屋たちとの気楽な毎日は悪くない。
……ただ一人、どう見ても貴族のような美青年がこの地味な酒場へ通ってくる理由だけは、さっぱりわからない。
「お前らツケはやめろ」
そんな穏やかな日々を送っていたはずなのに、ある日、酒場へ厄介な依頼が舞い込んできた――。
他サイトでも掲載しています。
不定期更新です。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
祝 書籍化決定!!
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
コミカライズ企画進行中です!!
3巻発売です!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&3巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(3巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
夏にはいよいよコミカライズ連載開始予定です!乞うご期待!!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)