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剣鬼 闘技祭準備編
国王の判断
「国王様!!ご無事ですか!?」
「何事ですか!?」
「静まれ!!何でもない、お前達は下がっていなさい」
部屋に入り込んだ騎士達が国王の安否を確認するために部屋の中に入り込むが、それを国王が制する。彼等は国王の命令に戸惑うが、カイが指示を出す。
「下がれ、王の命令に逆らう気か?」
「も、申し訳ありません!!」
カイの言葉に即座に騎士達は一礼し、部屋の外に移動する。退出する際に破壊した扉を回収し、再び通路側に待機する。それを確認したレナは安堵の息を吐き、一先ずは戦闘を避けられた。しかし、問題なのはここからであり、まずはティナに話しかける。
「ティナ……姫様」
「もう、ティナでいいってば~」
「むっ……!?」
危うく呼び捨てになりそうになったが、レナがティナの名前を呼ぶと彼女は少しを頬を膨らませながら彼に近寄り、リンダも後に続く。その光景に国王は愛する娘が少年とはいえ男性にあっさりと心を許している姿に眉を顰めるが、今は二人の関係を問い質す方が先だった。
「えっとね、お父さん……」
「ティナ様、ここは私から説明します」
「あ、うん」
ティナがレナの紹介を使用とするが、リンダが口を挟み、彼女の代わりにレナの事を国王に説明する。一応は国王も事前にレナの存在は耳にしていたが、念のために彼女の説明を聞く。
「国王様、この御方はバルトロス王国の第一王子のレナ様です」
「第一王子?」
「確か死産したはずでは……」
「事実です。彼は私の義理の弟であり、国王の最初の息子です」
第一王子という言葉に室内の何人かが疑問の声を上げるが、ナオが即座にレナのフォローを行う。王女であるナオの言葉にレナが第一王子である真実性が増し、騎士達に動揺が走る。
「話には聞いていたが……まさか本当だったとは」
「父上、これはどういう事ですか!?」
「バルトロス王国の第一王子……という事は、王位継承権を持つ王族!?」
国王の言葉に彼の子供達が騒ぎ出し、唐突に現れたバルトロス王国の第一王子に彼等も動揺を隠せない。何しろ王国では最初に生まれた男児に王位継承権が与えられる習わしが存在し、もしも事実の場合はレナがナオや第二王子を差し置いて正当な王位継承者となる。
「しかし、ナオ王女の話が事実だとしてこの者が第一王子だとすればおかしな話ではあるな。世間一般では第一王子は既に死産したと広まっている。これはどういう事だ?」
「その事に関しては私から説明します。このレナは――」
国王の問いかけにナオがリンダの代わりに説明を行い、レナの素性を話す。彼が最初の王子でありながら追放された理由、深淵の森と呼ばれる魔物が救う場所に存在する屋敷に隔離され、幼少の頃に家を抜け出した事、彼の身に起きたことを全て話す。
最初は半信半疑といった形で聞いていた騎士達もレナが不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を身に着けて生まれた事で追放されたという話に納得し、バルトロス王国程ではないがヨツバ王国でも似たような事例はある。ヨツバ王国でも王族の中に不遇職の人間が生まれ、王位継承権を剥奪された者も少なからず存在する。
全ての説明を聞き終えた国王は黙り込み、レナに視線を向ける。事前に報告を受けてはいたが、実際に見てみると何処にでもいる普通の少年にしか見えないが、よくよく観察すると只者ではない雰囲気を感じられた。一見するだけでは分からないが、彼の身体から僅かに威圧感が感じられ、その赤色の瞳に見つめられると何故か国王が子供の頃に出会ったある「勇者」を思い出させた。
「ふむ、追放された王国の王子か……しかも我々の国にも無関係の人間とは言い難い」
「はい。既に存じていると思いますが、レナの母親はハヅキ・アイラ……つまりは現在のハヅキ家の御当主の孫に当たります」
「ハヅキだと!?」
「アイラ……まさか、ハヅキ家の双子の!?」
ハヅキ家のアイラとマリアの存在はヨツバ王国では有名であり、王国内でも三大貴族と呼ばれる程に敬われているハヅキ家の継承者が約20年前に姿を消した事件は誰もが耳にしている。二人が去る前まではハヅキ家だけが王国内でも強い権力を誇示していたが、貴重な二人の後継者を失ったハヅキ家の勢力は弱まり、他の2つの貴族が勢力を増して現在の三大貴族が出来上がったとさえ言われている。
「うむ、その話も聞いておる。確かに言われてみれば当主のアイラの面影もあるのう……祖母の事は何か聞いておるのか?」
「いえ、特には……ですが、叔母から厳しい人と聞いております」
「ふははははっ!!確かにその通りじゃな、あれほど他人にも自分にも厳しい人間はおらん」
レナの言葉に国王は笑い声をあげ、気分を害したように椅子に座り込む。それを確認したナオは内心では冷や汗を流し、国王の判断次第でレナの立場が決まる。このまま無事に終わることを祈る中、国王は表情を一変させ、レナと向かい合う。
「しかし、彼女のお陰でこの王国は成り立っておる。その事を忘れるな」
国王の言葉に室内の空気が一変し、彼の身体から威圧感が生まれる。まるで一流の武人と相対したような感覚がナオ達に襲い掛かり、次の彼の言葉で運命が決まると殆どの人間が考えた。
※こちらの作品は2月まで予約投稿済みですので普通に更新します。2月以降は入院した母親の様子次第で投稿が一時中断するかもしれません。
「何事ですか!?」
「静まれ!!何でもない、お前達は下がっていなさい」
部屋に入り込んだ騎士達が国王の安否を確認するために部屋の中に入り込むが、それを国王が制する。彼等は国王の命令に戸惑うが、カイが指示を出す。
「下がれ、王の命令に逆らう気か?」
「も、申し訳ありません!!」
カイの言葉に即座に騎士達は一礼し、部屋の外に移動する。退出する際に破壊した扉を回収し、再び通路側に待機する。それを確認したレナは安堵の息を吐き、一先ずは戦闘を避けられた。しかし、問題なのはここからであり、まずはティナに話しかける。
「ティナ……姫様」
「もう、ティナでいいってば~」
「むっ……!?」
危うく呼び捨てになりそうになったが、レナがティナの名前を呼ぶと彼女は少しを頬を膨らませながら彼に近寄り、リンダも後に続く。その光景に国王は愛する娘が少年とはいえ男性にあっさりと心を許している姿に眉を顰めるが、今は二人の関係を問い質す方が先だった。
「えっとね、お父さん……」
「ティナ様、ここは私から説明します」
「あ、うん」
ティナがレナの紹介を使用とするが、リンダが口を挟み、彼女の代わりにレナの事を国王に説明する。一応は国王も事前にレナの存在は耳にしていたが、念のために彼女の説明を聞く。
「国王様、この御方はバルトロス王国の第一王子のレナ様です」
「第一王子?」
「確か死産したはずでは……」
「事実です。彼は私の義理の弟であり、国王の最初の息子です」
第一王子という言葉に室内の何人かが疑問の声を上げるが、ナオが即座にレナのフォローを行う。王女であるナオの言葉にレナが第一王子である真実性が増し、騎士達に動揺が走る。
「話には聞いていたが……まさか本当だったとは」
「父上、これはどういう事ですか!?」
「バルトロス王国の第一王子……という事は、王位継承権を持つ王族!?」
国王の言葉に彼の子供達が騒ぎ出し、唐突に現れたバルトロス王国の第一王子に彼等も動揺を隠せない。何しろ王国では最初に生まれた男児に王位継承権が与えられる習わしが存在し、もしも事実の場合はレナがナオや第二王子を差し置いて正当な王位継承者となる。
「しかし、ナオ王女の話が事実だとしてこの者が第一王子だとすればおかしな話ではあるな。世間一般では第一王子は既に死産したと広まっている。これはどういう事だ?」
「その事に関しては私から説明します。このレナは――」
国王の問いかけにナオがリンダの代わりに説明を行い、レナの素性を話す。彼が最初の王子でありながら追放された理由、深淵の森と呼ばれる魔物が救う場所に存在する屋敷に隔離され、幼少の頃に家を抜け出した事、彼の身に起きたことを全て話す。
最初は半信半疑といった形で聞いていた騎士達もレナが不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を身に着けて生まれた事で追放されたという話に納得し、バルトロス王国程ではないがヨツバ王国でも似たような事例はある。ヨツバ王国でも王族の中に不遇職の人間が生まれ、王位継承権を剥奪された者も少なからず存在する。
全ての説明を聞き終えた国王は黙り込み、レナに視線を向ける。事前に報告を受けてはいたが、実際に見てみると何処にでもいる普通の少年にしか見えないが、よくよく観察すると只者ではない雰囲気を感じられた。一見するだけでは分からないが、彼の身体から僅かに威圧感が感じられ、その赤色の瞳に見つめられると何故か国王が子供の頃に出会ったある「勇者」を思い出させた。
「ふむ、追放された王国の王子か……しかも我々の国にも無関係の人間とは言い難い」
「はい。既に存じていると思いますが、レナの母親はハヅキ・アイラ……つまりは現在のハヅキ家の御当主の孫に当たります」
「ハヅキだと!?」
「アイラ……まさか、ハヅキ家の双子の!?」
ハヅキ家のアイラとマリアの存在はヨツバ王国では有名であり、王国内でも三大貴族と呼ばれる程に敬われているハヅキ家の継承者が約20年前に姿を消した事件は誰もが耳にしている。二人が去る前まではハヅキ家だけが王国内でも強い権力を誇示していたが、貴重な二人の後継者を失ったハヅキ家の勢力は弱まり、他の2つの貴族が勢力を増して現在の三大貴族が出来上がったとさえ言われている。
「うむ、その話も聞いておる。確かに言われてみれば当主のアイラの面影もあるのう……祖母の事は何か聞いておるのか?」
「いえ、特には……ですが、叔母から厳しい人と聞いております」
「ふははははっ!!確かにその通りじゃな、あれほど他人にも自分にも厳しい人間はおらん」
レナの言葉に国王は笑い声をあげ、気分を害したように椅子に座り込む。それを確認したナオは内心では冷や汗を流し、国王の判断次第でレナの立場が決まる。このまま無事に終わることを祈る中、国王は表情を一変させ、レナと向かい合う。
「しかし、彼女のお陰でこの王国は成り立っておる。その事を忘れるな」
国王の言葉に室内の空気が一変し、彼の身体から威圧感が生まれる。まるで一流の武人と相対したような感覚がナオ達に襲い掛かり、次の彼の言葉で運命が決まると殆どの人間が考えた。
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