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剣鬼 闘技祭準備編
バルトロス王国の大将軍
『まあ、王妃の恐ろしさはよく分かったよ。ぷるぷるっ……』
『怖がりかたがスライムみたいになってますよ。本当は怖がってないでしょ』
『厄介な相手とは思っているよ』
今までのレナが相対した敵は武力方面に秀でていたが、王妃の場合は倒せば問題解決するわけではなく、彼女が王国内の権力を握っている以上は迂闊には手を出せない。
『正直に言えば王妃を倒す事自体は難しくはないんですよ。私が普通にレナさんに助言して王都に潜入すればいいだけの話ですからね。どんな警戒網だろうと私が教えれば突破出来るんですから』
『簡単に言わないでよ。俺は暗殺者じゃないんだから……』
『レナさんなら何処でも忍び込めそうですけどね。でも、仮に王妃の命を奪う事態に陥っても当然ですが国王は王妃の息子を王位に継承させようとします。それに王妃が死んで一番得をするのが王位継承権を持っているナオというのが不味いです。真っ先に王妃の殺人の犯人として疑われるでしょうね』
『それなら王妃を倒すにはどうしたらいいの?』
『今のところは王位継承権を第二王子に奪われないようにしなければなりません。それと王妃の派閥の貴族や将軍もなんとかしないといけません。特に王国の大将軍には気を付けてください』
『大将軍?』
『バルトロス王国には3人の大将軍が存在します。魔銃使いのカノン、聖属性の広域魔法を得意とするレミア、最後にシズネの父親のギランの後釜として加入したミドル、この3人が現時点の王国最強の戦力と言えます』
ヨツバ王国の「四騎士」のようにバルトロス王国にも3人の優れた将軍がいるらしく、この3人は既に王妃側に従っており、王妃の手駒と言っても過言ではない。
『王妃を倒す場合、この3人の大将軍も戦う事態になる可能性が高いです。説得できればいいんですけど、それぞれが王妃を崇拝していたり、あるいは恩義があったり、脅迫とかもされています』
『どんな関係だよ』
『それは追々話しましょう。まあ、この3人は職務があるので表立って動く事はないでしょうけど、人間離れをした実力者揃いです。特にレミアは単独で腐敗竜を打ち倒せる程の力を持っています』
『嘘でしょっ!?』
腐敗竜の恐ろしさを思い知っているレナはアイリスの言葉に驚きを隠せず、腐敗竜を討伐するために冒険都市の冒険者が総動員し、聖剣の力を借りて倒す事が出来た相手を単独で討伐できるという話はとてもではないが信じられかった。
『まあ、相性の問題もありますけどレミアは聖魔導士と呼ばれる特別な魔法使いなんです。死霊使いの天敵ともいえる存在でして、死霊では彼女に勝つ事は出来ません』
『そんなに凄いの?』
『もう規格外ですね。勇者級の力を持っていますよ。レナさんが闘技場で戦った白騎士レイアの死霊なら数秒もしないうちに浄化させますよ』
『大将軍凄すぎるだろ……』
自分達が苦労して倒した相手を単独で撃破できるという話にレナは驚くしかなく、そんな人間を3人も抱えている王妃の恐ろしさを理解する。最も必ずしも3人と戦うとは限らず、要はナオが王位を継承すれば王妃の王国支配の野望を打ち破れるという。
『話は戻しますが、レナさんにハヅキ家の手紙を送り込むように指示を出したのは王妃です。つまり、王妃は既にレナさんの存在を知っています』
『どうしてばれたんだろう……大人しく暮らしていたのに』
『何処が大人しくですかっ!!まあ、表面上は目立たないように過ごしていましたけども……王妃がレナさんの正体を知ったのはこの際はどうでもいいです。問題なのはレナさんの存在を王妃が国王に話すかどうかです』
『あ、そうか……俺って指名手配されていたのか』
王国の王子でありながらレナは数年前までは指名手配されており、当然だがレナの存在を国王が知ったら間違いなく捕まえようとするだろう。しかし、アイリスによるとその点は心配しなくても良いらしい。
『大丈夫ですよ。レナさんの存在を王妃はまだ国王には話していません。ここでレナさんを捕まえようとしたらマリアさんが黙っていませんからね。流石の王妃もマリアと表立って敵対する事は出来ません』
『そうなのか……でも、なんであんな手紙を送りつけたんだろう?』
『レナさんが目的というよりはレナさんを保護しているマリアが狙いだったようですね。偽装した手紙を送りつけてマリアとハヅキ家の関係を悪化しようとしたんです。実際にマリアも騙されてハヅキ家がレナさんの命を狙っていると判断しましたからね』
『なるほど……むかつくな』
自分を利用してマリアを嵌めようとした王妃の作戦にレナは苛立ち、自分だけではなくマリアやハヅキ家の人間も巻き込んだ王妃の策略が許せず、今回の件は必ず王妃に仕返す事を誓う。そして王妃の思惑を打ち破るため、レナはハヅキ家とマリアの関係を悪化させないように心掛ける。
『ところで俺と叔母さんに送り付けられた手紙は結局は誰が書いたの?あの手紙はハヅキ家の人間じゃないと書けないんでしょ?』
『あ~……まあ、気になりますよね』
珍しく歯切れの悪いアイリスの返事にレナは疑問を抱くと、仕方がないとばかりに彼女は溜息を吐くと、衝撃的な事実を告げた。
『手紙を書いた人間の正体は――アイラです』
『怖がりかたがスライムみたいになってますよ。本当は怖がってないでしょ』
『厄介な相手とは思っているよ』
今までのレナが相対した敵は武力方面に秀でていたが、王妃の場合は倒せば問題解決するわけではなく、彼女が王国内の権力を握っている以上は迂闊には手を出せない。
『正直に言えば王妃を倒す事自体は難しくはないんですよ。私が普通にレナさんに助言して王都に潜入すればいいだけの話ですからね。どんな警戒網だろうと私が教えれば突破出来るんですから』
『簡単に言わないでよ。俺は暗殺者じゃないんだから……』
『レナさんなら何処でも忍び込めそうですけどね。でも、仮に王妃の命を奪う事態に陥っても当然ですが国王は王妃の息子を王位に継承させようとします。それに王妃が死んで一番得をするのが王位継承権を持っているナオというのが不味いです。真っ先に王妃の殺人の犯人として疑われるでしょうね』
『それなら王妃を倒すにはどうしたらいいの?』
『今のところは王位継承権を第二王子に奪われないようにしなければなりません。それと王妃の派閥の貴族や将軍もなんとかしないといけません。特に王国の大将軍には気を付けてください』
『大将軍?』
『バルトロス王国には3人の大将軍が存在します。魔銃使いのカノン、聖属性の広域魔法を得意とするレミア、最後にシズネの父親のギランの後釜として加入したミドル、この3人が現時点の王国最強の戦力と言えます』
ヨツバ王国の「四騎士」のようにバルトロス王国にも3人の優れた将軍がいるらしく、この3人は既に王妃側に従っており、王妃の手駒と言っても過言ではない。
『王妃を倒す場合、この3人の大将軍も戦う事態になる可能性が高いです。説得できればいいんですけど、それぞれが王妃を崇拝していたり、あるいは恩義があったり、脅迫とかもされています』
『どんな関係だよ』
『それは追々話しましょう。まあ、この3人は職務があるので表立って動く事はないでしょうけど、人間離れをした実力者揃いです。特にレミアは単独で腐敗竜を打ち倒せる程の力を持っています』
『嘘でしょっ!?』
腐敗竜の恐ろしさを思い知っているレナはアイリスの言葉に驚きを隠せず、腐敗竜を討伐するために冒険都市の冒険者が総動員し、聖剣の力を借りて倒す事が出来た相手を単独で討伐できるという話はとてもではないが信じられかった。
『まあ、相性の問題もありますけどレミアは聖魔導士と呼ばれる特別な魔法使いなんです。死霊使いの天敵ともいえる存在でして、死霊では彼女に勝つ事は出来ません』
『そんなに凄いの?』
『もう規格外ですね。勇者級の力を持っていますよ。レナさんが闘技場で戦った白騎士レイアの死霊なら数秒もしないうちに浄化させますよ』
『大将軍凄すぎるだろ……』
自分達が苦労して倒した相手を単独で撃破できるという話にレナは驚くしかなく、そんな人間を3人も抱えている王妃の恐ろしさを理解する。最も必ずしも3人と戦うとは限らず、要はナオが王位を継承すれば王妃の王国支配の野望を打ち破れるという。
『話は戻しますが、レナさんにハヅキ家の手紙を送り込むように指示を出したのは王妃です。つまり、王妃は既にレナさんの存在を知っています』
『どうしてばれたんだろう……大人しく暮らしていたのに』
『何処が大人しくですかっ!!まあ、表面上は目立たないように過ごしていましたけども……王妃がレナさんの正体を知ったのはこの際はどうでもいいです。問題なのはレナさんの存在を王妃が国王に話すかどうかです』
『あ、そうか……俺って指名手配されていたのか』
王国の王子でありながらレナは数年前までは指名手配されており、当然だがレナの存在を国王が知ったら間違いなく捕まえようとするだろう。しかし、アイリスによるとその点は心配しなくても良いらしい。
『大丈夫ですよ。レナさんの存在を王妃はまだ国王には話していません。ここでレナさんを捕まえようとしたらマリアさんが黙っていませんからね。流石の王妃もマリアと表立って敵対する事は出来ません』
『そうなのか……でも、なんであんな手紙を送りつけたんだろう?』
『レナさんが目的というよりはレナさんを保護しているマリアが狙いだったようですね。偽装した手紙を送りつけてマリアとハヅキ家の関係を悪化しようとしたんです。実際にマリアも騙されてハヅキ家がレナさんの命を狙っていると判断しましたからね』
『なるほど……むかつくな』
自分を利用してマリアを嵌めようとした王妃の作戦にレナは苛立ち、自分だけではなくマリアやハヅキ家の人間も巻き込んだ王妃の策略が許せず、今回の件は必ず王妃に仕返す事を誓う。そして王妃の思惑を打ち破るため、レナはハヅキ家とマリアの関係を悪化させないように心掛ける。
『ところで俺と叔母さんに送り付けられた手紙は結局は誰が書いたの?あの手紙はハヅキ家の人間じゃないと書けないんでしょ?』
『あ~……まあ、気になりますよね』
珍しく歯切れの悪いアイリスの返事にレナは疑問を抱くと、仕方がないとばかりに彼女は溜息を吐くと、衝撃的な事実を告げた。
『手紙を書いた人間の正体は――アイラです』
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