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剣鬼 闘技祭準備編
祖母からの手紙
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『それにしてもまさかあの女が母上や叔母さんの姉だったなんて……あれ、という事はあいつも俺の叔母さん?』
『そういう事になりますね。だから前の時は黙っていたんですよ。親戚と意識していたら戦意が鈍るでしょ?』
『うわっ……なんかそう考えると確かに知らなくて良かったかも』
腐敗竜戦の前にアイリスが死霊使いの正体をレナに教えていた場合、戦闘の際に相手が自分の親戚であると意識してしまうとレナも本気では戦えなかったかも知れない。そう考えるとアイリスがレナに黙っていたのは間違いではなく、結果的に相手が自分と無関係の人間だと思い込んでいたからこそレナも全力で戦えた事は否定できない。
『けど、まさかあの手紙を用意したのが死霊使いのアイラなんて……ややこしいな、今度からはデスアイラと呼ぼう。略してデスラ』
『何ですか、その怪獣映画に出てきそうな名前は……まあ、確かにややこしいですね。レナさんの知り合いだけでアイラという人は4人もいますからね』
『母上に御祖母様にホネミンに死霊使い……4人もいるのか』
『確かに面倒なので今後は死霊使いのアイラは別の名前で呼びましょう。そうですね、裏社会ではあの女は殺人狂で有名だからキラウと呼ばれています』
『キラウ?殺人鬼だから?』
『いえ、そのままの意味です。皆が嫌っているから「キラウ」と呼ばれています』
『安直な名前の付け方だな……』
『それだけ嫌われているんですよ。あの女が動くと敵味方とか関係なく大勢の死亡者が生まれますから』
今後は死霊使いのアイラは「キラウ」と呼ぶことに決め、本題に戻る。キラウが手紙の差出人だと判明したが、問題なのはこの事実を知っているのはレナだけであり、マリアもキラウの手紙に騙されていた事になる。しかし、この真相をどのように伝えるべきか悩む。
『キラウに叔母様も御祖母様も騙されていた事は分かったけど、どうやって教えればいいんだろう……捕まえて突き出す?』
『それはちょっと危険ですよ。いくらレナさんが強くなったと言っても相手は裏社会の中でもいかれた殺人鬼ですよ?常に命を狙われる立場だからこそ身を守る術も身に着けています』
『また腐敗竜みたいな化物を呼び出されたら面倒だな……』
『それに現在のキラウは王妃に保護されています。腐敗竜の一件で彼女が旧帝国に止めを刺したと言っても過言ではないですからね。王妃としては目障りな配下を一掃してくれた優秀な手駒なので腕利きの護衛も用意しています』
『くそうっ……』
キラウを拘束し、彼女をハヅキ家とマリアに突き出して罪を白状させるのが手っ取り早い方法なのだが、流石に王妃も優秀な能力(性格面はともかく)を持つ手駒を失う訳にはいかないと考えて先手を打っていた。
『ここでレナさんがキラウの存在を話しても逆に怪しまれるだけですし、この際にハヅキが直にマリアと会って和解をするように頼んでみたらどうですか?』
『聞いてくれるかな……』
『年寄りの堅物キャラは孫には優しいのが定番ですよ』
アイリスとの交信を中断すると、現実の時間が流れ始め、レナは長時間の交信を行っていた影響で軽く眩暈を起こす。
「うっ……」
「ど、どうしたのです?気分が悪くなったのですか?」
「あ、いえ……ちょっと寝不足でして」
「……体調の管理には気を付けなさい。これからはどんどんと寒くなりますからね」
唐突に目元を抑えたレナにハヅキが慌てふためき、身体の心配をする。最後のアイリスの冗談混じりの言葉を思い出し、レナは試しにハヅキに質問する。
「あの……御祖母様」
「なんですか?」
「その……もしも、もしもの話なんですけど……マリア叔母様と会ってくださいと頼んだら会ってくれますか?」
「駄目です。それは受け入れられません」
レナの質問にハヅキは即答で返事を行う。確かに自分にも非はある事は認めたが、それでもハヅキ家の当主である自分が出て行った娘の元に赴き、和解を求めるような行為は出来ないという。
「……アイラとマリアに悪い事をしたとは思っています。しかし、私はハヅキ家の当主です。自分の元を勝手に立ち去った人間の元に頭を下げに会いに向かう事は許されません……そんな行為をすればハヅキ家に従う者達に示しがつきません」
「まあ、そうですよね……」
ハヅキの言い分を聞いてレナは溜息を吐き出し、ハヅキ家とマリアが和解できれば氷雨のギルドとヨツバ王国の関係が強固な物になるのは間違いないが、流石にハヅキの方から謝罪に向かうのは難しい。それにマリア自身も謝罪されたからといってはハヅキを許す保証はない。
「ですが、手紙を記しましょう。娘にどこまで私の気持ちが通じるのかは分かりませんが……少なくとも私の気持ちを伝える事は出来るはずです」
「本当ですか!?」
「ええ、とりあえずはこれまでにマリアに送り付けられた手紙は偽物である事を伝えなければ……手紙は貴方から直に渡して下さい」
「分かりました。必ず渡します!!」
手紙だけでも受け取ればマリアにハヅキの思いを伝わる可能性もある。ハヅキは即座に手紙を用意した――
『そういう事になりますね。だから前の時は黙っていたんですよ。親戚と意識していたら戦意が鈍るでしょ?』
『うわっ……なんかそう考えると確かに知らなくて良かったかも』
腐敗竜戦の前にアイリスが死霊使いの正体をレナに教えていた場合、戦闘の際に相手が自分の親戚であると意識してしまうとレナも本気では戦えなかったかも知れない。そう考えるとアイリスがレナに黙っていたのは間違いではなく、結果的に相手が自分と無関係の人間だと思い込んでいたからこそレナも全力で戦えた事は否定できない。
『けど、まさかあの手紙を用意したのが死霊使いのアイラなんて……ややこしいな、今度からはデスアイラと呼ぼう。略してデスラ』
『何ですか、その怪獣映画に出てきそうな名前は……まあ、確かにややこしいですね。レナさんの知り合いだけでアイラという人は4人もいますからね』
『母上に御祖母様にホネミンに死霊使い……4人もいるのか』
『確かに面倒なので今後は死霊使いのアイラは別の名前で呼びましょう。そうですね、裏社会ではあの女は殺人狂で有名だからキラウと呼ばれています』
『キラウ?殺人鬼だから?』
『いえ、そのままの意味です。皆が嫌っているから「キラウ」と呼ばれています』
『安直な名前の付け方だな……』
『それだけ嫌われているんですよ。あの女が動くと敵味方とか関係なく大勢の死亡者が生まれますから』
今後は死霊使いのアイラは「キラウ」と呼ぶことに決め、本題に戻る。キラウが手紙の差出人だと判明したが、問題なのはこの事実を知っているのはレナだけであり、マリアもキラウの手紙に騙されていた事になる。しかし、この真相をどのように伝えるべきか悩む。
『キラウに叔母様も御祖母様も騙されていた事は分かったけど、どうやって教えればいいんだろう……捕まえて突き出す?』
『それはちょっと危険ですよ。いくらレナさんが強くなったと言っても相手は裏社会の中でもいかれた殺人鬼ですよ?常に命を狙われる立場だからこそ身を守る術も身に着けています』
『また腐敗竜みたいな化物を呼び出されたら面倒だな……』
『それに現在のキラウは王妃に保護されています。腐敗竜の一件で彼女が旧帝国に止めを刺したと言っても過言ではないですからね。王妃としては目障りな配下を一掃してくれた優秀な手駒なので腕利きの護衛も用意しています』
『くそうっ……』
キラウを拘束し、彼女をハヅキ家とマリアに突き出して罪を白状させるのが手っ取り早い方法なのだが、流石に王妃も優秀な能力(性格面はともかく)を持つ手駒を失う訳にはいかないと考えて先手を打っていた。
『ここでレナさんがキラウの存在を話しても逆に怪しまれるだけですし、この際にハヅキが直にマリアと会って和解をするように頼んでみたらどうですか?』
『聞いてくれるかな……』
『年寄りの堅物キャラは孫には優しいのが定番ですよ』
アイリスとの交信を中断すると、現実の時間が流れ始め、レナは長時間の交信を行っていた影響で軽く眩暈を起こす。
「うっ……」
「ど、どうしたのです?気分が悪くなったのですか?」
「あ、いえ……ちょっと寝不足でして」
「……体調の管理には気を付けなさい。これからはどんどんと寒くなりますからね」
唐突に目元を抑えたレナにハヅキが慌てふためき、身体の心配をする。最後のアイリスの冗談混じりの言葉を思い出し、レナは試しにハヅキに質問する。
「あの……御祖母様」
「なんですか?」
「その……もしも、もしもの話なんですけど……マリア叔母様と会ってくださいと頼んだら会ってくれますか?」
「駄目です。それは受け入れられません」
レナの質問にハヅキは即答で返事を行う。確かに自分にも非はある事は認めたが、それでもハヅキ家の当主である自分が出て行った娘の元に赴き、和解を求めるような行為は出来ないという。
「……アイラとマリアに悪い事をしたとは思っています。しかし、私はハヅキ家の当主です。自分の元を勝手に立ち去った人間の元に頭を下げに会いに向かう事は許されません……そんな行為をすればハヅキ家に従う者達に示しがつきません」
「まあ、そうですよね……」
ハヅキの言い分を聞いてレナは溜息を吐き出し、ハヅキ家とマリアが和解できれば氷雨のギルドとヨツバ王国の関係が強固な物になるのは間違いないが、流石にハヅキの方から謝罪に向かうのは難しい。それにマリア自身も謝罪されたからといってはハヅキを許す保証はない。
「ですが、手紙を記しましょう。娘にどこまで私の気持ちが通じるのかは分かりませんが……少なくとも私の気持ちを伝える事は出来るはずです」
「本当ですか!?」
「ええ、とりあえずはこれまでにマリアに送り付けられた手紙は偽物である事を伝えなければ……手紙は貴方から直に渡して下さい」
「分かりました。必ず渡します!!」
手紙だけでも受け取ればマリアにハヅキの思いを伝わる可能性もある。ハヅキは即座に手紙を用意した――
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