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剣鬼 闘技祭準備編
エリナとの再会
「あ、そこにいるの兄貴じゃないっすか!?」
「エリナ?」
レナが部屋を抜け出すと通路でエリナと遭遇し、彼女は嬉しそうな声を上げて近寄り、久しぶりの再会を喜ぶ。
「いや~本当に久しぶりっすね。元気そうで良かったです」
「割と大変な目に遭ってきたけどね……エリナは出世したみたいだね」
「まあ、一応は……でも、正直に言えば私以上に優秀な人はいっぱいいるんですけどね」
「でも指導役として頑張ってるんでしょう?」
「あれ?なんで兄貴が知ってるんですか?リンダさんから聞いてたとか……?」
「あ、いや……」
アイリスからの情報でレナはエリナが指導役として活躍している事を知っているが、エリナは彼が自分の状況を知っている事を不思議がる。だが、すぐに何かを思い出したように彼女は周囲を振り返り、彼の手を掴んでその場を離れる。
「兄貴、ちょっと話があります。こっちに来てください」
「え?うん、いいけど……」
「ちょっと待ってくださいね」
エリナは周囲を振り返り、近くの扉に耳を押し当てて中に人の気配を感じない事を確認し、鍵穴に細い針を差し込んで一瞬で鍵を解除した。
「これでよしっす。さあ、ここに入りましょう」
「今のって……ピッキング?」
「これは「開錠」というスキルです。人間の盗賊の職業の友達から聞いた能力です」
「なるほど」
扉の鍵を解除すると二人は部屋の中に入り込み、即座に鍵を掛ける。どうやら誰も使用していない空き部屋らしく、エリナは鍵を掛けると両手を広げて瞼を閉じる。彼女の行動にレナは不思議がるが、直後に部屋の中で異変が生じる。
「ちょっと待ってくださいね。えっと……風の精霊よ」
「あ、これって……」
エリナが言葉を呟いた瞬間、部屋の中に風が流れ込む。森人族だけが扱える風属性の「精霊魔法」であり、エリナは何かを確かめるように掌を伸ばす。
「……うん、大丈夫です。少なくともこの部屋の近くには誰もいないっす」
「何をしたの?」
「精霊さんに頼んで部屋の周囲を調べてもらったんですよ」
虚空に向けて掌を伸ばしていたエリナは安心した表情を浮かべ、両手を下すと部屋の中に吹き込んでいた風が消失した。その直後にエリナの前に「緑色の球体」が出現し、彼女の掌に収まる。不思議に思ったレナは球体に視線を向け、彼女に質問した。
「その緑色の奴……なに?」
「えっ!?兄貴には精霊が見えるんですかっ!?」
「見えるって……これが精霊?」
レナの言葉にエリナは驚き、彼女が両手で支えていた球体が浮上し、空中に漂う。レナは不思議に思いながらも掌を伸ばして触れようとするが、まるで風船のようなゆったりとした動きでありながら伸ばした手から逃れる。
「これが精霊……緑色のスライムみたいで可愛いね」
「そうなんすか?私には何も見えないんですけど……」
「え、見えないの?」
「いや、私も感じ取ることぐらいしか出来ないんですよ。精霊魔法が得意な人はしっかりと視認できるらしんですけど、あたしには何となく居場所が分かる程度です」
そういうとエリナは精霊が漂っている場所に掌を伸ばすと、精霊は彼女の元に戻る。レナも何度か精霊魔法を目撃はしているが、今回のようにはっきりと風の精霊を視認できたのは初めてであり、不思議に思う。
「ぷるぷるっ」
「うわ、びっくりした!!そういえばお前、ずっと隠れてたのか」
「お、スライムちゃんじゃないですか。久しぶりっすね」
レナが変装のために連れ込んでいたスラミンが服の内側から姿を現し、久しぶりに再会したエリナの元に飛び込む。彼女は嬉しそうにスラミンを抱き寄せると、その際に精霊が再び離れてしまう。
「あ、こっちに来た……触ろうとすると逃げるのか」
精霊に視線を向けながらレナは掌を伸ばすと、やはり逃げるように移動してしまい、試しに触れるのではなくエリナのように掌を掲げても特に反応はしない。
「嫌われてるのかな……近付かないや」
「兄貴は精霊魔法は扱えますか?」
「いや……」
「それならしょうがないっすよ。普通の人間が精霊を視覚で捉えられるだけでも十分に凄い事なんですから」
エリナによると精霊を引き寄せる事が出来るのは精霊魔法の使い手だけであり、それ以外の者には精霊の存在を感じる事も出来ないという。
「この精霊を利用して魔法を強化する事が出来るんだっけ」
「ちょっとちょっと、利用という言葉は聞き捨てならないっす。私達は精霊の力を借りて魔法を使えるんですよ?魔石みたいに都合のいい道具だと思ったら失礼ですよ」
「そういう物なのか……」
森人族は精霊魔法を扱う際、風の精霊を呼び寄せて魔法の強化を行う。だが、彼等は決して精霊を魔石のように魔法を強化するためだけの道具とは考えず、むしろ自分達に力を分け与えてくれる存在として敬っている。実際に精霊魔法を使用すれば驚異的な魔法の強化を行える事は事実であり、魔石や魔水晶とは比べ物にならない大きな効果を生み出す。
「エリナ?」
レナが部屋を抜け出すと通路でエリナと遭遇し、彼女は嬉しそうな声を上げて近寄り、久しぶりの再会を喜ぶ。
「いや~本当に久しぶりっすね。元気そうで良かったです」
「割と大変な目に遭ってきたけどね……エリナは出世したみたいだね」
「まあ、一応は……でも、正直に言えば私以上に優秀な人はいっぱいいるんですけどね」
「でも指導役として頑張ってるんでしょう?」
「あれ?なんで兄貴が知ってるんですか?リンダさんから聞いてたとか……?」
「あ、いや……」
アイリスからの情報でレナはエリナが指導役として活躍している事を知っているが、エリナは彼が自分の状況を知っている事を不思議がる。だが、すぐに何かを思い出したように彼女は周囲を振り返り、彼の手を掴んでその場を離れる。
「兄貴、ちょっと話があります。こっちに来てください」
「え?うん、いいけど……」
「ちょっと待ってくださいね」
エリナは周囲を振り返り、近くの扉に耳を押し当てて中に人の気配を感じない事を確認し、鍵穴に細い針を差し込んで一瞬で鍵を解除した。
「これでよしっす。さあ、ここに入りましょう」
「今のって……ピッキング?」
「これは「開錠」というスキルです。人間の盗賊の職業の友達から聞いた能力です」
「なるほど」
扉の鍵を解除すると二人は部屋の中に入り込み、即座に鍵を掛ける。どうやら誰も使用していない空き部屋らしく、エリナは鍵を掛けると両手を広げて瞼を閉じる。彼女の行動にレナは不思議がるが、直後に部屋の中で異変が生じる。
「ちょっと待ってくださいね。えっと……風の精霊よ」
「あ、これって……」
エリナが言葉を呟いた瞬間、部屋の中に風が流れ込む。森人族だけが扱える風属性の「精霊魔法」であり、エリナは何かを確かめるように掌を伸ばす。
「……うん、大丈夫です。少なくともこの部屋の近くには誰もいないっす」
「何をしたの?」
「精霊さんに頼んで部屋の周囲を調べてもらったんですよ」
虚空に向けて掌を伸ばしていたエリナは安心した表情を浮かべ、両手を下すと部屋の中に吹き込んでいた風が消失した。その直後にエリナの前に「緑色の球体」が出現し、彼女の掌に収まる。不思議に思ったレナは球体に視線を向け、彼女に質問した。
「その緑色の奴……なに?」
「えっ!?兄貴には精霊が見えるんですかっ!?」
「見えるって……これが精霊?」
レナの言葉にエリナは驚き、彼女が両手で支えていた球体が浮上し、空中に漂う。レナは不思議に思いながらも掌を伸ばして触れようとするが、まるで風船のようなゆったりとした動きでありながら伸ばした手から逃れる。
「これが精霊……緑色のスライムみたいで可愛いね」
「そうなんすか?私には何も見えないんですけど……」
「え、見えないの?」
「いや、私も感じ取ることぐらいしか出来ないんですよ。精霊魔法が得意な人はしっかりと視認できるらしんですけど、あたしには何となく居場所が分かる程度です」
そういうとエリナは精霊が漂っている場所に掌を伸ばすと、精霊は彼女の元に戻る。レナも何度か精霊魔法を目撃はしているが、今回のようにはっきりと風の精霊を視認できたのは初めてであり、不思議に思う。
「ぷるぷるっ」
「うわ、びっくりした!!そういえばお前、ずっと隠れてたのか」
「お、スライムちゃんじゃないですか。久しぶりっすね」
レナが変装のために連れ込んでいたスラミンが服の内側から姿を現し、久しぶりに再会したエリナの元に飛び込む。彼女は嬉しそうにスラミンを抱き寄せると、その際に精霊が再び離れてしまう。
「あ、こっちに来た……触ろうとすると逃げるのか」
精霊に視線を向けながらレナは掌を伸ばすと、やはり逃げるように移動してしまい、試しに触れるのではなくエリナのように掌を掲げても特に反応はしない。
「嫌われてるのかな……近付かないや」
「兄貴は精霊魔法は扱えますか?」
「いや……」
「それならしょうがないっすよ。普通の人間が精霊を視覚で捉えられるだけでも十分に凄い事なんですから」
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「この精霊を利用して魔法を強化する事が出来るんだっけ」
「ちょっとちょっと、利用という言葉は聞き捨てならないっす。私達は精霊の力を借りて魔法を使えるんですよ?魔石みたいに都合のいい道具だと思ったら失礼ですよ」
「そういう物なのか……」
森人族は精霊魔法を扱う際、風の精霊を呼び寄せて魔法の強化を行う。だが、彼等は決して精霊を魔石のように魔法を強化するためだけの道具とは考えず、むしろ自分達に力を分け与えてくれる存在として敬っている。実際に精霊魔法を使用すれば驚異的な魔法の強化を行える事は事実であり、魔石や魔水晶とは比べ物にならない大きな効果を生み出す。
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