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剣鬼 闘技祭準備編
王妃の企み
『王妃は闘技祭という行事には何の興味も抱いていません。しかし、これを利用して各国の王族を呼び出し、彼等の前で第二王子を紹介して王位継承者と宣言した後、国王を暗殺して王家の実権を握るつもりです』
『暗殺って……でも、そんな事をしたら真っ先に怪しまれるのは王妃じゃないの?』
『証拠が残らなければどうとでもなりますよ。偶然の事故に見せかけるため、色々な仕掛けを行っていますよ。民衆の目の前で敢えて死亡させる事で自分の疑いを晴らすんです。それに王妃の内面を知っているのは一部の人間だけですからね。外面は良いから民衆からも人気があるんですよ』
『でも、国王が死んだら年齢的に考えてもナオが次の国王に選ばれるんじゃ……』
第二王子の年齢はまだ10歳にも満たず、どう考えても国王として即位出来るはずがない。それならばナオの方が国王に相応しいのだろうが、問題なのは王妃の存在である。
『別に国王が居なくなったところで国に大きな影響はありませんよ。事実上、王国を支えているのは王妃ですからね。だからこそ彼女は自分の子供が成人年齢を迎えるまで国を治めるつもりです』
『それでもナオが黙っていないでしょ?』
『他国の王や民衆の目の前で第二王子が即位する事を宣言するんですよ?もしもナオが国王に即位しようものなら先代の国王の意思を無視した形になります。流石にマリアもどうしようも出来ないでしょうね』
『くそっ……まさかそんな事を考えていたなんて』
遂に自分の夫を殺し、子供を国王に即位させる決断を下した王妃にレナは悪態を吐き、このままでは非常に不味い。最早一刻の猶予もなく、闘技祭が開催すれば王妃の作戦を止める事は出来ない。
『ですが、この作戦には重大な弱点があります』
『弱点?』
『それは国王の存在が必要不可欠だからです。国王は第二王子に王位を継承させたいとは思っていますが、それでも今の段階では王太子と認めるには早すぎると判断しています。だから王妃の願いであろうと第二王子を王太子とは認めようとはしません』
『でも、それなら闘技祭で王妃が勝手に第二王子を王太子にする事を勝手に宣言したら怒るんじゃないの?』
『無駄ですよ。さっきの会談の態度を見たでしょう?国王は王妃がいなければ何もできません。それを自覚しているからこそ彼は王妃の思うがままにさせています。それでも第二王子を王太子に認めようとはしないのは王妃へのささやかな反抗です』
『反抗……』
『あの王は愚者であっても馬鹿ではありません。自分の立場はよく理解していますし、このままでは不味い事も理解しています。それでも自分から動いて問題を解決しようとしないのが迷惑なんですけどね』
『そういう事か』
レナは情けない父親とばかりに思っていたが、アイリスの言葉からバルトロス国王も自分の立場を理解しているらしく、だからこそ自分の子供である第二王子を愛していながらも王太子の座を与えない事が判明する。
『国王が第二王子を王太子にしたいという気持ちはあります。ですが、そんな事をすれば王妃に王国の全権を明け渡す事に等しいです。そうなれば自分の命もない事を理解しているのに何も行動に移さない……どうしようもない人間ですね』
『そこまで駄目なの?』
『救いがあるとすればナオと双子の姉妹、それとレナさんを王妃の元から離したことぐらいです。王妃の正体を早々に見抜いて処刑していれば今のような事態に陥らなかったのに……』
『そうなのか……』
父親の立場を知らされ、レナは今まで抱いていた父親像が崩れてしまう。不遇職という理由で自分を追い出したことから非常な人間かと思っていたが、実際の彼は他人に利用されている事を知りながら何もできない人間だと知り、何故だか同情さえ抱いでしまう。
『本当にレナさんとは似ても似つかない駄目親父ですよ。まあ、相手が悪かったという点では同情しますけどね』
『なるほど……ん?だけどこの作戦、もしかして国王の前で宣言しないと意味がないんじゃない?』
『お、なかなか鋭いですね。この王妃の大掛かりな作戦には第二王子と国王の存在が必要不可欠です。特に国王が居なければ作戦としては成立しません。つまり……私の言いたいことは分かりますね』
『闘技祭が開催される前に……どちらかを誘拐する?』
『excellent!!』
アイリスの考えを読み取ったレナが答えると、彼女は上機嫌で返事を行う。もしも闘技祭の際に国王、あるいは第二王子が不在の場合、王妃は王位継承の件を宣言した所で効果は半減するだろう。重要なのは国王にも強制的に王位継承を認めさせる事であり、その国王が最初から居なければ作戦は成り立たない。
『だけど、この作戦って王妃が国王や王子の影武者を用意してたら意味ないんじゃないの?特に王子なんて姿さえ一度も見せたことがないんだから、影武者を立てられても誰も分からないじゃん』
『……あっ』
だが、レナの言葉にアイリスは盲点を突かれたとばかりに拍子の抜けた声を出してしまう。
『暗殺って……でも、そんな事をしたら真っ先に怪しまれるのは王妃じゃないの?』
『証拠が残らなければどうとでもなりますよ。偶然の事故に見せかけるため、色々な仕掛けを行っていますよ。民衆の目の前で敢えて死亡させる事で自分の疑いを晴らすんです。それに王妃の内面を知っているのは一部の人間だけですからね。外面は良いから民衆からも人気があるんですよ』
『でも、国王が死んだら年齢的に考えてもナオが次の国王に選ばれるんじゃ……』
第二王子の年齢はまだ10歳にも満たず、どう考えても国王として即位出来るはずがない。それならばナオの方が国王に相応しいのだろうが、問題なのは王妃の存在である。
『別に国王が居なくなったところで国に大きな影響はありませんよ。事実上、王国を支えているのは王妃ですからね。だからこそ彼女は自分の子供が成人年齢を迎えるまで国を治めるつもりです』
『それでもナオが黙っていないでしょ?』
『他国の王や民衆の目の前で第二王子が即位する事を宣言するんですよ?もしもナオが国王に即位しようものなら先代の国王の意思を無視した形になります。流石にマリアもどうしようも出来ないでしょうね』
『くそっ……まさかそんな事を考えていたなんて』
遂に自分の夫を殺し、子供を国王に即位させる決断を下した王妃にレナは悪態を吐き、このままでは非常に不味い。最早一刻の猶予もなく、闘技祭が開催すれば王妃の作戦を止める事は出来ない。
『ですが、この作戦には重大な弱点があります』
『弱点?』
『それは国王の存在が必要不可欠だからです。国王は第二王子に王位を継承させたいとは思っていますが、それでも今の段階では王太子と認めるには早すぎると判断しています。だから王妃の願いであろうと第二王子を王太子とは認めようとはしません』
『でも、それなら闘技祭で王妃が勝手に第二王子を王太子にする事を勝手に宣言したら怒るんじゃないの?』
『無駄ですよ。さっきの会談の態度を見たでしょう?国王は王妃がいなければ何もできません。それを自覚しているからこそ彼は王妃の思うがままにさせています。それでも第二王子を王太子に認めようとはしないのは王妃へのささやかな反抗です』
『反抗……』
『あの王は愚者であっても馬鹿ではありません。自分の立場はよく理解していますし、このままでは不味い事も理解しています。それでも自分から動いて問題を解決しようとしないのが迷惑なんですけどね』
『そういう事か』
レナは情けない父親とばかりに思っていたが、アイリスの言葉からバルトロス国王も自分の立場を理解しているらしく、だからこそ自分の子供である第二王子を愛していながらも王太子の座を与えない事が判明する。
『国王が第二王子を王太子にしたいという気持ちはあります。ですが、そんな事をすれば王妃に王国の全権を明け渡す事に等しいです。そうなれば自分の命もない事を理解しているのに何も行動に移さない……どうしようもない人間ですね』
『そこまで駄目なの?』
『救いがあるとすればナオと双子の姉妹、それとレナさんを王妃の元から離したことぐらいです。王妃の正体を早々に見抜いて処刑していれば今のような事態に陥らなかったのに……』
『そうなのか……』
父親の立場を知らされ、レナは今まで抱いていた父親像が崩れてしまう。不遇職という理由で自分を追い出したことから非常な人間かと思っていたが、実際の彼は他人に利用されている事を知りながら何もできない人間だと知り、何故だか同情さえ抱いでしまう。
『本当にレナさんとは似ても似つかない駄目親父ですよ。まあ、相手が悪かったという点では同情しますけどね』
『なるほど……ん?だけどこの作戦、もしかして国王の前で宣言しないと意味がないんじゃない?』
『お、なかなか鋭いですね。この王妃の大掛かりな作戦には第二王子と国王の存在が必要不可欠です。特に国王が居なければ作戦としては成立しません。つまり……私の言いたいことは分かりますね』
『闘技祭が開催される前に……どちらかを誘拐する?』
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『だけど、この作戦って王妃が国王や王子の影武者を用意してたら意味ないんじゃないの?特に王子なんて姿さえ一度も見せたことがないんだから、影武者を立てられても誰も分からないじゃん』
『……あっ』
だが、レナの言葉にアイリスは盲点を突かれたとばかりに拍子の抜けた声を出してしまう。
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