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剣鬼 闘技祭準備編
思わぬ遭遇
氷雨のギルドに帰還を果たしたレナ達を最初に出迎えたのは途中で別れたゴンゾウとウルであり、二人(正確には1人と1匹)はギルドの正門で3人と合流する。
「おお、無事だったのか」
「ウォンッ!!」
「わわっ……よしよし」
「ゴンゾウもウル君も無事だったのね」
「クゥンッ」
レナの元にウルが飛びつき、大きな顔をレナの胸に押し付ける。その間にシズネはゴンゾウの元に向かい、怪我無い事を確認すると安心した表情を抱く。その一方でナオはウルの背中をさすり、改めて立派に成長した彼に驚く。
「これが……ウルなのか?さっきは慌てていたから気にしてなかったが、また大きくなったんじゃないか?」
「ウォンッ!!」
「そうかな?ずっと一緒に居るから気付かなかったけど……」
「明らかに普通の狼の大きさじゃないわよ……流石は白狼種ね」
ウルも森を抜け出した頃から成長しており、今では普通の馬よりも一回りは大きい。その分に餌の量も多くなったが、どうしてもお腹が減ったときは自分で狩猟に出向いて餌をとってくるので面倒は掛からない。
「何だかウルと会うのも久しぶりな気がするな……さっき別れたばかりなのに」
「クゥ~ンッ……?」
「訳の分からないことを言うんじゃないわよ。ウル君が戸惑っているでしょう?」
「というか、シズネはウル達を君付けで呼ぶよね。俺達は呼び捨てなのに……」
「い、いいでしょ別に……私の勝手よ」
レナの指摘にシズネは頬を赤くして顔を反らし、動物好きなのか彼女はウル達と接触するときは言葉使いも優しくなる。じゃれついてくるウルを宥めながらレナはナオに今後の行動を問い質す。
「ナオはこの後はどうするの?俺達と一緒に行動する?」
「いや……私は一度戻る。色々と準備も必要だからな……レナも気を付けろ」
「でも、危なくない?王妃に命を狙われたら……」
「大丈夫だ。私にも信頼出来る配下がいるからな、だが、近いうちに拠点を変える必要はあるだろうが……」
「気を付けてね。一緒に行けたらいいのに……」
「お前も狙われている立場だからな。これ以上に一緒に行動するのは危険すぎる……しっかりと私の弟を守るんだぞ」
「ウォンッ!!」
「いい返事だ。では、また会おう!!」
ナオは最後にウルの頭を撫でると、そのまま馬に乗り込み、最後にレナ達に別れの挨拶を告げて走り去る。彼女を見送るとレナはゴンゾウに振り返り、彼にも一応は今後の話を行う。
「そういえばゴンちゃんはいなかったから何か起きているか分からないよね。えっと、何処から話せばいいかな」
「その辺の説明は私がしておくわ。貴方は先に叔母様に顔を出して安心させなさいよ……心配する家族が居るのは羨ましいわ」
「え?」
「何でもないわ。ほら、ウル君も何時までもじゃれてないで付いてきなさい」
「ウォンッ?」
シズネはゴンゾウとウルを連れてその場から離れ、取り残されたレナは彼女の最後の言葉にシズネが実の父親と母親を失い、親戚から追い出された事を思い出す。彼女と比べれば自分の境遇など恵まれていた方であり、少なくとも家から抜け出してもレナにはアイリスという存在が居たので彼は孤独を味わった事はない。
「シズネにも色々あるんだよな……敵討ちか」
彼女が闘技祭を参加する理由は「ゴウライ」を打ち倒すためであり、父親の仇に等しい彼を倒すためにシズネはこれまで腕を磨いてきた。それでも彼女の力だけではゴウライには及ばず、だからこそレナを相棒と決めて共に闘技祭に出場する事を約束した。
しかし、レナはそのゴウライが所属している冒険者ギルドに厄介になっており、彼女も色々と思う事があるのかもしれない。闘技祭で二人は出場し、ゴウライを倒すという目的は見失ってはいないが、レナにとっては叔母の配下の人間を打ち倒す作業を手伝う事になる。
「う~ん……その辺も相談してみるか」
ゴウライといシズネの関係に関してはマリアにも話す必要があり、一先ずはマリアの元へ赴こうとした時、背後から思いもがけぬ女性の声が掛けられた。
「……そこに居るのはもしかしてドルトン商会の……ルナさんですか?」
「えっ……あっ」
レナが振り返ると、そこには氷雨のギルドに所属する「剣聖」の一角である「ジャンヌ」が立っていた。彼女は何処かで鍛錬でもしていたのか身体に汗を流しており、現在は銀髪に染めているレナを見て驚いた表情を浮かべる。
(あ、そうか。叔母様はこの子には事情を話してないのか)
ドルトン紹介の代表選手である「白銀のルナ」の正体を知っているのは限られており、ジャンヌはルナの正体がレナであることは知らず、それだけにギルドの建物の前に彼が居る事に驚いていた。そんなジャンヌにレナはどのように話しかければいいのか悩み、不意に彼女が背中に所持している武器が視界に入り、以前にレナと手合せした時とは違う形状の剣を所持している事に気付く。
「おお、無事だったのか」
「ウォンッ!!」
「わわっ……よしよし」
「ゴンゾウもウル君も無事だったのね」
「クゥンッ」
レナの元にウルが飛びつき、大きな顔をレナの胸に押し付ける。その間にシズネはゴンゾウの元に向かい、怪我無い事を確認すると安心した表情を抱く。その一方でナオはウルの背中をさすり、改めて立派に成長した彼に驚く。
「これが……ウルなのか?さっきは慌てていたから気にしてなかったが、また大きくなったんじゃないか?」
「ウォンッ!!」
「そうかな?ずっと一緒に居るから気付かなかったけど……」
「明らかに普通の狼の大きさじゃないわよ……流石は白狼種ね」
ウルも森を抜け出した頃から成長しており、今では普通の馬よりも一回りは大きい。その分に餌の量も多くなったが、どうしてもお腹が減ったときは自分で狩猟に出向いて餌をとってくるので面倒は掛からない。
「何だかウルと会うのも久しぶりな気がするな……さっき別れたばかりなのに」
「クゥ~ンッ……?」
「訳の分からないことを言うんじゃないわよ。ウル君が戸惑っているでしょう?」
「というか、シズネはウル達を君付けで呼ぶよね。俺達は呼び捨てなのに……」
「い、いいでしょ別に……私の勝手よ」
レナの指摘にシズネは頬を赤くして顔を反らし、動物好きなのか彼女はウル達と接触するときは言葉使いも優しくなる。じゃれついてくるウルを宥めながらレナはナオに今後の行動を問い質す。
「ナオはこの後はどうするの?俺達と一緒に行動する?」
「いや……私は一度戻る。色々と準備も必要だからな……レナも気を付けろ」
「でも、危なくない?王妃に命を狙われたら……」
「大丈夫だ。私にも信頼出来る配下がいるからな、だが、近いうちに拠点を変える必要はあるだろうが……」
「気を付けてね。一緒に行けたらいいのに……」
「お前も狙われている立場だからな。これ以上に一緒に行動するのは危険すぎる……しっかりと私の弟を守るんだぞ」
「ウォンッ!!」
「いい返事だ。では、また会おう!!」
ナオは最後にウルの頭を撫でると、そのまま馬に乗り込み、最後にレナ達に別れの挨拶を告げて走り去る。彼女を見送るとレナはゴンゾウに振り返り、彼にも一応は今後の話を行う。
「そういえばゴンちゃんはいなかったから何か起きているか分からないよね。えっと、何処から話せばいいかな」
「その辺の説明は私がしておくわ。貴方は先に叔母様に顔を出して安心させなさいよ……心配する家族が居るのは羨ましいわ」
「え?」
「何でもないわ。ほら、ウル君も何時までもじゃれてないで付いてきなさい」
「ウォンッ?」
シズネはゴンゾウとウルを連れてその場から離れ、取り残されたレナは彼女の最後の言葉にシズネが実の父親と母親を失い、親戚から追い出された事を思い出す。彼女と比べれば自分の境遇など恵まれていた方であり、少なくとも家から抜け出してもレナにはアイリスという存在が居たので彼は孤独を味わった事はない。
「シズネにも色々あるんだよな……敵討ちか」
彼女が闘技祭を参加する理由は「ゴウライ」を打ち倒すためであり、父親の仇に等しい彼を倒すためにシズネはこれまで腕を磨いてきた。それでも彼女の力だけではゴウライには及ばず、だからこそレナを相棒と決めて共に闘技祭に出場する事を約束した。
しかし、レナはそのゴウライが所属している冒険者ギルドに厄介になっており、彼女も色々と思う事があるのかもしれない。闘技祭で二人は出場し、ゴウライを倒すという目的は見失ってはいないが、レナにとっては叔母の配下の人間を打ち倒す作業を手伝う事になる。
「う~ん……その辺も相談してみるか」
ゴウライといシズネの関係に関してはマリアにも話す必要があり、一先ずはマリアの元へ赴こうとした時、背後から思いもがけぬ女性の声が掛けられた。
「……そこに居るのはもしかしてドルトン商会の……ルナさんですか?」
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(あ、そうか。叔母様はこの子には事情を話してないのか)
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