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剣鬼 闘技祭準備編
刺客の正体は
――数分後、屋根の上には叩きのめされた刺客の集団の姿があり、レナは彼等が身に着けていたマントに視線を向け、姿を隠蔽する魔道具である事に気付く。
「へえっ……これは便利だな。動かないだけで勝手に姿を消すんだ。しかも感知の能力まで無効化するのか……どうりでスラミンも俺も気付かなかったわけだ」
「ぷるぷるっ……」
「ああ、落ち込まないでスラミン!!」
レナは刺客が着込んでいたマントを身に纏い、その効果を実感する。不思議な事にマントは人間が身に着けた状態で静止していると、まるでカメレオンの擬態のように周囲の光景と一体化し、しかも気配感知や魔力感知の能力まで遮る事が判明する。だから感知能力に優れたスラミンでさえも刺客の接近に気付かず、レナも襲撃されるまでは彼等の存在が把握出来なかった。
「これは便利なマントだな。名前は後でアイリスに聞いておこう……それで、あんた等は何者だ?」
「ふんっ……答えると思っているのか?」
「まあ、素直に答えるはずがないか……」
マントを手にしながらレナは神器のチェーンで拘束した状態の隊長に視線を向け、彼は顔面の半分を腫れながらも悪態を吐き、レナを睨みつける。他の人間は完全に気絶しており、仮に意識が残っていても負傷が激しいので真面に動ける者はいないだろう。
「お前等、その恰好から見る限りヨツバ王国の護衛じゃないな。だけど、俺の命を狙った当たり、俺の正体を知っているな?誰に俺を殺すように頼まれた?」
「さあな」
「王妃か?」
「……何の話だ?」
王妃の名前を出した瞬間、隊長は一瞬だけ間をおいて返事を行い、それを確認したレナは溜息を吐き出す。そして隊長を拘束している銀色の鎖を握りしめ、そのまま引き寄せて拳を叩きこむ。
「拳打!!」
「ぐはぁっ!?」
格闘家の戦技を利用して引き寄せた隊長の顔面に拳を叩きこみ、完全に気絶したのを確認するとレナはチェーンを回収し、右拳にこびり付いた血液を拭う。
「もう完全に俺の正体は知られたみたいだな……だけど、どうして俺がここに移動する事を知っていたんだ?」
「ぷるるん?」
レナとスラミンが刺客の襲撃に気付けなかったのは彼等が装備していた魔道具が原因なのは間違いないが、刺客が装備していたマントの性質は「制止している間は存在感を消失させる」という能力であり、待ち伏せに向いている装備品である。
制止の間は存在感を完全に消すと言っても逆に言えば動いている間は効果を失うのも事実であり、刺客の集団が仮にレナ達を追跡していた場合はレナとスラミンも彼等の存在に気付かないはずがない。つまり、彼等はレナ達の行動を先読みし、彼等が訪れる場所に事前に待機していた事は間違いない。
「どうやって俺の行動が読まれた?俺がここに訪れたのは偶然なのに」
現在の場所にレナが移動したのはジャンヌにギルドから追い返されたのが原因であり、レナ本人も元々はこちらまで訪ねる予定はなかった。普段から訪れている場所ならばともかく、レナが襲われたのは一度も足を踏み入れていない知らない人間の屋根の上であり、そんな場所にどうして刺客が彼を待ち伏せていたのかが分からない。
「怪しいとしたらさっき会ったハヤテぐらいか……だけど、こいつらとハヤテが手を組んでいるとは思えないな」
最後にレナと遭遇したのはハヤテだが、彼女がレナの命を狙うために他の人間と力を組んだとは考えにくい。そもそも彼女がレナを刺客が待機していた場所に誘導したとは思えず、偶然にもレナが刺客が待機している場所に訪れたとしか考えられない。
『駄目だ、こういう時は神頼みならぬ天使頼みだな。アイリス~』
『はいはい、どうかしました~?』
答えが分からないときはアイリスに教えてもらう事が一番手っ取り早く、レナは彼女と交信する。簡単に彼女にこれまでの出来事を話すと、アイリスは即座にレナの求める答えをいつも通りに教える。
『なるほど、私がコタツの中で煎餅を食っている間にそんな事が起きてたんですか』
『何してんだよ。というか、見てなかったのか』
『そりゃ、四六時中レナさんの行動を監視してたらストーカーみたいじゃないですか。今からリプレイで確認するので少し待っててくださいね』
『そっちの世界ではどういう風に俺の行動を把握しているのか気になる』
普段は即座に返答を行う彼女だが、今回は別の事に集中していたのかレナの行動を確認するのに時間が掛かり、数秒後に全てを把握したように彼の疑問に答える。
『ほほう……そういう事でしたか。これは不味いですよレナさん』
『何がどう不味いの?』
『どうやら王妃も本気でレナさんの存在を消すために行動を開始したようです。街中に刺客を待機させてレナさんの命を狙っていますよ』
『……マジかよ』
最悪の返答にレナは呆気にとられ、王妃が本気でレナという存在を排除するために動き出した事が判明した。
※何気に「最強の職業は付与魔術師かもしれない」の最終回(仮)も投稿しています。
「へえっ……これは便利だな。動かないだけで勝手に姿を消すんだ。しかも感知の能力まで無効化するのか……どうりでスラミンも俺も気付かなかったわけだ」
「ぷるぷるっ……」
「ああ、落ち込まないでスラミン!!」
レナは刺客が着込んでいたマントを身に纏い、その効果を実感する。不思議な事にマントは人間が身に着けた状態で静止していると、まるでカメレオンの擬態のように周囲の光景と一体化し、しかも気配感知や魔力感知の能力まで遮る事が判明する。だから感知能力に優れたスラミンでさえも刺客の接近に気付かず、レナも襲撃されるまでは彼等の存在が把握出来なかった。
「これは便利なマントだな。名前は後でアイリスに聞いておこう……それで、あんた等は何者だ?」
「ふんっ……答えると思っているのか?」
「まあ、素直に答えるはずがないか……」
マントを手にしながらレナは神器のチェーンで拘束した状態の隊長に視線を向け、彼は顔面の半分を腫れながらも悪態を吐き、レナを睨みつける。他の人間は完全に気絶しており、仮に意識が残っていても負傷が激しいので真面に動ける者はいないだろう。
「お前等、その恰好から見る限りヨツバ王国の護衛じゃないな。だけど、俺の命を狙った当たり、俺の正体を知っているな?誰に俺を殺すように頼まれた?」
「さあな」
「王妃か?」
「……何の話だ?」
王妃の名前を出した瞬間、隊長は一瞬だけ間をおいて返事を行い、それを確認したレナは溜息を吐き出す。そして隊長を拘束している銀色の鎖を握りしめ、そのまま引き寄せて拳を叩きこむ。
「拳打!!」
「ぐはぁっ!?」
格闘家の戦技を利用して引き寄せた隊長の顔面に拳を叩きこみ、完全に気絶したのを確認するとレナはチェーンを回収し、右拳にこびり付いた血液を拭う。
「もう完全に俺の正体は知られたみたいだな……だけど、どうして俺がここに移動する事を知っていたんだ?」
「ぷるるん?」
レナとスラミンが刺客の襲撃に気付けなかったのは彼等が装備していた魔道具が原因なのは間違いないが、刺客が装備していたマントの性質は「制止している間は存在感を消失させる」という能力であり、待ち伏せに向いている装備品である。
制止の間は存在感を完全に消すと言っても逆に言えば動いている間は効果を失うのも事実であり、刺客の集団が仮にレナ達を追跡していた場合はレナとスラミンも彼等の存在に気付かないはずがない。つまり、彼等はレナ達の行動を先読みし、彼等が訪れる場所に事前に待機していた事は間違いない。
「どうやって俺の行動が読まれた?俺がここに訪れたのは偶然なのに」
現在の場所にレナが移動したのはジャンヌにギルドから追い返されたのが原因であり、レナ本人も元々はこちらまで訪ねる予定はなかった。普段から訪れている場所ならばともかく、レナが襲われたのは一度も足を踏み入れていない知らない人間の屋根の上であり、そんな場所にどうして刺客が彼を待ち伏せていたのかが分からない。
「怪しいとしたらさっき会ったハヤテぐらいか……だけど、こいつらとハヤテが手を組んでいるとは思えないな」
最後にレナと遭遇したのはハヤテだが、彼女がレナの命を狙うために他の人間と力を組んだとは考えにくい。そもそも彼女がレナを刺客が待機していた場所に誘導したとは思えず、偶然にもレナが刺客が待機している場所に訪れたとしか考えられない。
『駄目だ、こういう時は神頼みならぬ天使頼みだな。アイリス~』
『はいはい、どうかしました~?』
答えが分からないときはアイリスに教えてもらう事が一番手っ取り早く、レナは彼女と交信する。簡単に彼女にこれまでの出来事を話すと、アイリスは即座にレナの求める答えをいつも通りに教える。
『なるほど、私がコタツの中で煎餅を食っている間にそんな事が起きてたんですか』
『何してんだよ。というか、見てなかったのか』
『そりゃ、四六時中レナさんの行動を監視してたらストーカーみたいじゃないですか。今からリプレイで確認するので少し待っててくださいね』
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普段は即座に返答を行う彼女だが、今回は別の事に集中していたのかレナの行動を確認するのに時間が掛かり、数秒後に全てを把握したように彼の疑問に答える。
『ほほう……そういう事でしたか。これは不味いですよレナさん』
『何がどう不味いの?』
『どうやら王妃も本気でレナさんの存在を消すために行動を開始したようです。街中に刺客を待機させてレナさんの命を狙っていますよ』
『……マジかよ』
最悪の返答にレナは呆気にとられ、王妃が本気でレナという存在を排除するために動き出した事が判明した。
※何気に「最強の職業は付与魔術師かもしれない」の最終回(仮)も投稿しています。
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