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剣鬼 闘技祭準備編
ジン
――時刻は十数前に遡り、氷雨のギルドにも一般人が大勢雪崩れ込んでいた。彼等はしきりに冒険者達に縋り付き、助けを求める。
「た、頼む!!冒険者様、どうか助けて下さい!!」
「このままではうちの店が……」
「お、落ち着いて下さい。どうしたのですか?」
「うざってぇな!!こっちは遠征帰りで疲れてんだよ!!用件だけ話せや!!」
「おい、ガロ!!ミナが何も言わずにいなくなったからって八つ当たりするなよ……」
「うるせえっ!!」
偶然にも建物の前にはジャンヌの他に仕事帰りのガロとモリモの姿も存在し、民衆は彼等の身体に縋り付いて助けを求める。一体何が起きたのかは不明だが、ジャンヌは彼等を落ち着かせるように優しく語りかけた。
「大丈夫ですよ。私達は貴方達の味方です。何が起きたのかを話してください」
「市場です!!市場でとんでもない奴が現れて……」
「そいつが暴れまわっているんです!!」
「何だよ、そういう事なら俺達にじゃなくて警備兵に言えよ。こっちは慈善活動なんてしねえぞ」
民衆の話を聞いたガロは面倒くさそうな表情を浮かべ、街の治安を守るのは警備兵の仕事であり、冒険者に頼むのは筋違いである。しかし、話を聞くところによると民衆の話では市場に現れた男は既に大勢の人間に被害を与えているという。
「そ、それが……警備兵は既に動いているのですが、誰も敵いません!!」
「はあっ?何してんだよ王国兵はよ……」
「どんな相手ですか?」
「裸の大男です!!あ、上半身だけが裸なんですけど……多分、人間だとは思うんですが、巨人族ぐらいは大きくて……ともかくヤバい奴です!!」
「人間なのか巨人なのかはっきりしろよ!!」
「ひいっ!?」
「ガロさん、あまり一般の方を怖がらせないで下さい」
ジャンヌに睨みつけられたガロは罰が悪そうに黙り、彼の相棒のモリモが詳細を聞く。
「落ち着いてくれ、その男の特徴を出来る限り話してくれよ。そいつは本当に人間なのか?」
「それは間違いないと思います。巨人族にしてはかなり細身でしたし……」
「どんな奴だ?武器は持っているのか?」
「いえ、素手です……ですが、恐ろしく強くて」
「格闘家か?それとも拳闘家……武闘家といった所か」
「それと男の手足には枷のような物が付いていました」
「は?枷?おい、という事はそいつは囚人なのか?」
「いや、そこまでは……」
「移送中の囚人が脱走して暴れてるのか?どうしますジャンヌさん?」
「このまま放置はできません。御二人はマリア様と屯所の警備兵に事情を伝えてください。私が様子を見に行きましょう」
民衆の話を伺ったジャンヌは放置は出来ないと判断し、自分が市場に出向て対処する事にした。警備兵が相手にならない程の危険な相手ならば既に大勢の被害者が生まれている可能性が高く、彼女は二人に報告を頼んで現場に向かう。
「では参りましょう。途中まで案内してください」
「え、でも……」
「大丈夫です。何があろうと貴方は私が守りますから」
「は、はい!!」
最初に話しかけてきた男性にジャンヌは微笑むと、彼はこの状況にも関わらずに頬を赤く染め、嬉々とした表情で街道を駆け抜ける。その後にジャンヌも続き、取り残されたガロとモリモは顔を見合わせる。
「行っちまったな……しょうがねえ、お前はマリアさんに報告しとけ。俺はジャンヌの後を追う」
「は?おい、俺達は警備兵に報告しろって言われただろ?」
「あんな奴等を呼び出しても何の役にも立たねえだろ。それに囚人を俺達が取り押さえたら警備兵の面目も丸潰れだろ?」
「お前という奴は……後でどうなっても知らないぞ」
「うっせえよ」
マリアへの報告はモリモに任せ、ガロはジャンヌの後を追いかける。ミナが無断で姿を消してからガロは苛立ちを抑えきれず、憂さ晴らしも兼ねて彼は今回現れたという囚人を自分の手で捕まえて自分の評価を上げる事を決めた。話を聞く限りでは警備兵でも相手にならない存在らしいが、そもそもガロの中では警備兵は冒険者よりも格下の存在と捉えているため、弱小の警備兵が相手にならないと言っても脅威は伝わらない。
「確か市場はこっちの方が近道だったな……おらっ!!」
獣人族の運動能力を生かし、街道から市場に向かうジャンヌよりも先に市場に辿り着くため、ガロは建物の屋根を飛び越えて移動する。この速度ならば数分程度で到着するのは間違いなく、急ぎ足で向かう。
「ん?なんだあいつら……」
移動の最中、ガロは奇妙な集団が屋根の上を飛び移る光景を視界に収め、不思議に思いながらも彼は市場を目指す。この時に彼が目撃したのはレナに襲撃を仕掛けた王妃の刺客であり、偶然にも彼は目撃してしまったが、特にお互いに興味を示さずにすれ違った。
「た、頼む!!冒険者様、どうか助けて下さい!!」
「このままではうちの店が……」
「お、落ち着いて下さい。どうしたのですか?」
「うざってぇな!!こっちは遠征帰りで疲れてんだよ!!用件だけ話せや!!」
「おい、ガロ!!ミナが何も言わずにいなくなったからって八つ当たりするなよ……」
「うるせえっ!!」
偶然にも建物の前にはジャンヌの他に仕事帰りのガロとモリモの姿も存在し、民衆は彼等の身体に縋り付いて助けを求める。一体何が起きたのかは不明だが、ジャンヌは彼等を落ち着かせるように優しく語りかけた。
「大丈夫ですよ。私達は貴方達の味方です。何が起きたのかを話してください」
「市場です!!市場でとんでもない奴が現れて……」
「そいつが暴れまわっているんです!!」
「何だよ、そういう事なら俺達にじゃなくて警備兵に言えよ。こっちは慈善活動なんてしねえぞ」
民衆の話を聞いたガロは面倒くさそうな表情を浮かべ、街の治安を守るのは警備兵の仕事であり、冒険者に頼むのは筋違いである。しかし、話を聞くところによると民衆の話では市場に現れた男は既に大勢の人間に被害を与えているという。
「そ、それが……警備兵は既に動いているのですが、誰も敵いません!!」
「はあっ?何してんだよ王国兵はよ……」
「どんな相手ですか?」
「裸の大男です!!あ、上半身だけが裸なんですけど……多分、人間だとは思うんですが、巨人族ぐらいは大きくて……ともかくヤバい奴です!!」
「人間なのか巨人なのかはっきりしろよ!!」
「ひいっ!?」
「ガロさん、あまり一般の方を怖がらせないで下さい」
ジャンヌに睨みつけられたガロは罰が悪そうに黙り、彼の相棒のモリモが詳細を聞く。
「落ち着いてくれ、その男の特徴を出来る限り話してくれよ。そいつは本当に人間なのか?」
「それは間違いないと思います。巨人族にしてはかなり細身でしたし……」
「どんな奴だ?武器は持っているのか?」
「いえ、素手です……ですが、恐ろしく強くて」
「格闘家か?それとも拳闘家……武闘家といった所か」
「それと男の手足には枷のような物が付いていました」
「は?枷?おい、という事はそいつは囚人なのか?」
「いや、そこまでは……」
「移送中の囚人が脱走して暴れてるのか?どうしますジャンヌさん?」
「このまま放置はできません。御二人はマリア様と屯所の警備兵に事情を伝えてください。私が様子を見に行きましょう」
民衆の話を伺ったジャンヌは放置は出来ないと判断し、自分が市場に出向て対処する事にした。警備兵が相手にならない程の危険な相手ならば既に大勢の被害者が生まれている可能性が高く、彼女は二人に報告を頼んで現場に向かう。
「では参りましょう。途中まで案内してください」
「え、でも……」
「大丈夫です。何があろうと貴方は私が守りますから」
「は、はい!!」
最初に話しかけてきた男性にジャンヌは微笑むと、彼はこの状況にも関わらずに頬を赤く染め、嬉々とした表情で街道を駆け抜ける。その後にジャンヌも続き、取り残されたガロとモリモは顔を見合わせる。
「行っちまったな……しょうがねえ、お前はマリアさんに報告しとけ。俺はジャンヌの後を追う」
「は?おい、俺達は警備兵に報告しろって言われただろ?」
「あんな奴等を呼び出しても何の役にも立たねえだろ。それに囚人を俺達が取り押さえたら警備兵の面目も丸潰れだろ?」
「お前という奴は……後でどうなっても知らないぞ」
「うっせえよ」
マリアへの報告はモリモに任せ、ガロはジャンヌの後を追いかける。ミナが無断で姿を消してからガロは苛立ちを抑えきれず、憂さ晴らしも兼ねて彼は今回現れたという囚人を自分の手で捕まえて自分の評価を上げる事を決めた。話を聞く限りでは警備兵でも相手にならない存在らしいが、そもそもガロの中では警備兵は冒険者よりも格下の存在と捉えているため、弱小の警備兵が相手にならないと言っても脅威は伝わらない。
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「ん?なんだあいつら……」
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