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闘技祭 決戦編
予選開始30分前
――二時間後、レナ達は自分達に割り当てられた個室には入らず、通路に全員が集まって予選開始まで雑談を繰り返す。レナが用意した椅子に座り込み、机にカードを並べて試合開始までゲームを行う。
「しっかし、まさかこんな物まで普段から持ち歩いているとはな……坊主は変わり者だな」
「別にいいでしょ」
「収納魔法が扱える支援魔術師だけの特権ね。私達の場合は収納石を使わないと真似できないわ」
『ぬおっ!?またババか!!』
「あ、やった!!一番で上がった!!」
「……あの、このような事をしていてよろしいのでしょうか?」
「知らん……儂に聞くな」
レナ達は通路の真ん中で机に座り込んでカードゲームを楽しみ中、集まった闘技祭の参加者達は変人を見るような視線で彼等を観察する。話しかけようにも剣聖の威圧感で近寄る事も出来ず、せいぜい無視して素通りする事しか出来ない。
「あの……個室に罠がある可能性を考慮して通路に残るのは仕方ないとしても、せめて食堂の方に移動しませんか?正直、恥ずかしいんですけど……」
「駄目よ。用事もないのに食堂に入り浸るなんて厨房の人に迷惑でしょう」
「いや、既に私達の行動自体が他の方に迷惑を掛けていると思いますけど……」
『何!?そんなのか?』
「大丈夫だろ、端の方は空けてるし……」
「そういう問題じゃないと思うけどな……」
通路の中央で堂々と机と椅子を用意して寛ぐ行為に剣聖の中で最も常識人のジャンヌは戸惑うが、既に個室内の食材には微量の毒が仕込まれていると判明した以上、他の場所にも罠が仕掛けられている可能性は高い。
「今度から各自で食料を持参する必要があるわね」
「俺は収納魔法があるから問題ない」
「ちっ、こういう時は魔術師は便利だな」
「一般人にも販売されている食べ物にも気を付けた方が良さそうね。屋台があってもなにも買っちゃ駄目よ」
『何だと!?吾輩は上の階の屋台で売っていた力饅頭も食えないのか!?』
「勝手に喰えばいいじゃない……あんたはどうでもいいわ」
ゴウライの驚愕の言葉にシズネは苛立ちを隠さずに言い返すと、彼女は椅子から立ち上がる。
「ちょっと外を見てくるわ。予選開始前には戻ってくるわ」
「何だ?トイレなら我慢するなよ?」
「殺されたいのかしら?」
「シュンさん最低……」
「幻滅しました」
「じょ、冗談だって……」
女性陣の冷たい視線を受けたシュンは引きつった笑顔を浮かべ、シズネは立ち去る。彼女の後姿を見て少し気になったレナは後を追いかけようとすると、彼の背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ~!!兄貴じゃないっすか!?」
「その声は……エリナ?」
「……どうも」
「しばらくぶりです」
背後を振り返るとそこにはヨツバ王国の「王国四騎士」であるエリナ、リンダ、ジダンの姿があり、彼女達も闘技祭の参加するらしく、全員が騎士の制服に着替えていた。
「兄貴もやっぱり出場するんですね!!でも、その恰好で出るんすか?」
「こっちにも事情があるんだよ。正体は秘密にしてね」
「分かりました!!こう見えても口は堅いっすよ!!」
「レナ様、ティナ様からの伝言を預かっています。試合に出たら必ず応援するとの事です」
「ありがとうと伝えておいて」
「……リンダ様、幾ら相手が氷雨の協力者とはいえ、少しへりくだりすぎでは?」
エリナとリンダがレナと会話を繰り広げると、二人と同じ四騎士であるジダンがレナの態度に不満を抱く。しかし、即座に年長者のリンダが注意する。
「レナ様はティナ様の命の恩人です。それと同時にハヅキ家と縁のある人間です。貴方も今後は敬語を使いなさい」
「しかし彼は只の人間ですよ?」
「だからどうしたというのです?人間を差別するような考え方は辞めろと常日頃から言われているでしょう」
「くっ……」
ジダンは悔し気にレナを睨みつけるが、レナとしてはどうしてジダンが冷たい態度を取るのか理解できず、彼とは殆ど接点がないはずである。すると3人と同族の森人族であるシュンが会話に割り込む。
「おい、坊主。お前、森人族至上主義者か?」
「森人族至上主義者?」
「要するに森人族が一番偉くて、他の種族を見下す考え方を持つ奴等の事だ。坊主、お前人間が嫌いなんだろ?」
「僕は坊主と呼ばれる程の年齢じゃない!!」
「それでも俺より年下だろ。年功序列って知っているか?年上相手にはちゃんと敬語を使いな世間知らずが」
「人間社会に毒された森人族が偉そうに……!!」
シュンの言葉にジダンは彼を睨みつけるが、お互いに武器に手を伸ばす。しかし、それを確認した瞬間にリンダが動き出し、二人の顔面に両手を構える。
「そこまでです。無用な戦闘は避けて下さい」
「り、リンダさん……」
「ちっ……相変わらずだな」
「ちょっとちょっと!!喧嘩は駄目っすよ!!」
女性陣の介入でジダンとシュンは仕方なく武器から手を離し、お互いの顔を睨みつけて舌打ちを行う。その光景に他の人間は唖然とするが、リンダが溜息を吐きながら二人を宥めた。
「しっかし、まさかこんな物まで普段から持ち歩いているとはな……坊主は変わり者だな」
「別にいいでしょ」
「収納魔法が扱える支援魔術師だけの特権ね。私達の場合は収納石を使わないと真似できないわ」
『ぬおっ!?またババか!!』
「あ、やった!!一番で上がった!!」
「……あの、このような事をしていてよろしいのでしょうか?」
「知らん……儂に聞くな」
レナ達は通路の真ん中で机に座り込んでカードゲームを楽しみ中、集まった闘技祭の参加者達は変人を見るような視線で彼等を観察する。話しかけようにも剣聖の威圧感で近寄る事も出来ず、せいぜい無視して素通りする事しか出来ない。
「あの……個室に罠がある可能性を考慮して通路に残るのは仕方ないとしても、せめて食堂の方に移動しませんか?正直、恥ずかしいんですけど……」
「駄目よ。用事もないのに食堂に入り浸るなんて厨房の人に迷惑でしょう」
「いや、既に私達の行動自体が他の方に迷惑を掛けていると思いますけど……」
『何!?そんなのか?』
「大丈夫だろ、端の方は空けてるし……」
「そういう問題じゃないと思うけどな……」
通路の中央で堂々と机と椅子を用意して寛ぐ行為に剣聖の中で最も常識人のジャンヌは戸惑うが、既に個室内の食材には微量の毒が仕込まれていると判明した以上、他の場所にも罠が仕掛けられている可能性は高い。
「今度から各自で食料を持参する必要があるわね」
「俺は収納魔法があるから問題ない」
「ちっ、こういう時は魔術師は便利だな」
「一般人にも販売されている食べ物にも気を付けた方が良さそうね。屋台があってもなにも買っちゃ駄目よ」
『何だと!?吾輩は上の階の屋台で売っていた力饅頭も食えないのか!?』
「勝手に喰えばいいじゃない……あんたはどうでもいいわ」
ゴウライの驚愕の言葉にシズネは苛立ちを隠さずに言い返すと、彼女は椅子から立ち上がる。
「ちょっと外を見てくるわ。予選開始前には戻ってくるわ」
「何だ?トイレなら我慢するなよ?」
「殺されたいのかしら?」
「シュンさん最低……」
「幻滅しました」
「じょ、冗談だって……」
女性陣の冷たい視線を受けたシュンは引きつった笑顔を浮かべ、シズネは立ち去る。彼女の後姿を見て少し気になったレナは後を追いかけようとすると、彼の背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ~!!兄貴じゃないっすか!?」
「その声は……エリナ?」
「……どうも」
「しばらくぶりです」
背後を振り返るとそこにはヨツバ王国の「王国四騎士」であるエリナ、リンダ、ジダンの姿があり、彼女達も闘技祭の参加するらしく、全員が騎士の制服に着替えていた。
「兄貴もやっぱり出場するんですね!!でも、その恰好で出るんすか?」
「こっちにも事情があるんだよ。正体は秘密にしてね」
「分かりました!!こう見えても口は堅いっすよ!!」
「レナ様、ティナ様からの伝言を預かっています。試合に出たら必ず応援するとの事です」
「ありがとうと伝えておいて」
「……リンダ様、幾ら相手が氷雨の協力者とはいえ、少しへりくだりすぎでは?」
エリナとリンダがレナと会話を繰り広げると、二人と同じ四騎士であるジダンがレナの態度に不満を抱く。しかし、即座に年長者のリンダが注意する。
「レナ様はティナ様の命の恩人です。それと同時にハヅキ家と縁のある人間です。貴方も今後は敬語を使いなさい」
「しかし彼は只の人間ですよ?」
「だからどうしたというのです?人間を差別するような考え方は辞めろと常日頃から言われているでしょう」
「くっ……」
ジダンは悔し気にレナを睨みつけるが、レナとしてはどうしてジダンが冷たい態度を取るのか理解できず、彼とは殆ど接点がないはずである。すると3人と同族の森人族であるシュンが会話に割り込む。
「おい、坊主。お前、森人族至上主義者か?」
「森人族至上主義者?」
「要するに森人族が一番偉くて、他の種族を見下す考え方を持つ奴等の事だ。坊主、お前人間が嫌いなんだろ?」
「僕は坊主と呼ばれる程の年齢じゃない!!」
「それでも俺より年下だろ。年功序列って知っているか?年上相手にはちゃんと敬語を使いな世間知らずが」
「人間社会に毒された森人族が偉そうに……!!」
シュンの言葉にジダンは彼を睨みつけるが、お互いに武器に手を伸ばす。しかし、それを確認した瞬間にリンダが動き出し、二人の顔面に両手を構える。
「そこまでです。無用な戦闘は避けて下さい」
「り、リンダさん……」
「ちっ……相変わらずだな」
「ちょっとちょっと!!喧嘩は駄目っすよ!!」
女性陣の介入でジダンとシュンは仕方なく武器から手を離し、お互いの顔を睨みつけて舌打ちを行う。その光景に他の人間は唖然とするが、リンダが溜息を吐きながら二人を宥めた。
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