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闘技祭 決戦編
ジャンヌVSレナ
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「回転!!」
「おっと」
ジャンヌが両手の旋斧を振り翳し、レナは背後に跳んで回避する。しかし、ジャンヌは勢いを止めずにベーゴマのように回転を加速させ、両腕の旋斧を振り回す。
「何だっ!?」
「はああああっ!!」
時間が経過する事に回転速度が加速し、移動速度も上昇させてレナに接近する。ジャンヌの「旋風剣」を初めて見たレナは驚愕の声を上げるが、即座に試合場を移動してジャンヌから距離を取ろうとする。
「逃がしませんっ!!」
「おおっ!?」
回転しながらもジャンヌの意識はレナを捉えて追跡する。単純に剣を振り回すだけではなく、時には片方の剣を地面に突き刺して方向転換を行い、身体の部分を狙われないように頻繁に剣を振る範囲を横から斜めへと変化させる。その光景を確認したレナは反鏡剣を腰に戻し、退魔刀を両手で握り締めて正面から迎え撃つ。
「兜砕きっ!!」
「っ……!!」
黒虎のギルドマスターのバルから教わった全身の筋肉を利用して繰り出す剣技「撃剣」と子供の頃にアリアから教わった「兜割り」を交えた剣技を放ち、ジャンヌの振り抜いた旋風剣と衝突する。最初に刃を交えた以上の衝撃音が鳴り響き、レナの身体が後方に吹き飛ばされる。
「あいでっ!?」
「はあっ!!」
右腕の剣でレナを吹き飛ばしたジャンヌは地面を跳躍し、上空から左腕の剣を振り下ろす。その光景を確認したレナは横に転がって回避すると、ジャンヌの旋斧が頑丈な試合場の地面に叩きつけられ、亀裂が走った。
「うへぇっ……凄い怪力」
「その褒められ方は複雑……です!!」
「うわ、まだっ!?」
旋斧が地面に突き刺さった状態でジャンヌは反対の腕の旋斧を振り回すと、その際の勢いを利用して剣を引き抜き、続けてレナに攻撃を仕掛ける。休む暇も与えずに追撃を仕掛けてくるジャンヌにレナは退魔刀を構え、反撃手段を考える。
(剛剣じゃ太刀打ちできないか……という事は加速剣撃に頼るしかないな)
何気にレナが純粋な人間に剛剣を打ち破られたのは初めてであり、限界強化を施しても純粋な身体能力はジャンヌが上回るかもしれない。
(流石は剣聖だな。でもあの技、もしかして足場が平地じゃないと出来ないんじゃないか?)
レナは以前にハヤテと遭遇した際、土塊の魔法で相手の足場を崩して切り抜けた事がある。今回も同じようにジャンヌの足場を崩して体勢を崩したところを攻撃できないのかと考え、試しに右手を地面に押し当てた。
「土塊!!」
「っ!?」
接近しようとしてきたジャンヌの足場を盛り上げ、体勢を崩す。唐突に地面が浮き上がって空中に放り出されたジャンヌは目を見開くが、即座に右腕の旋斧を地面に伸ばす。
「はああっ!!」
「うわっ!?」
地面に右腕で握りしめた旋斧突き出すと、まるでコンパスのように今度は反対側の旋斧を回転させ、レナに向けて放つ。それを確認したレナは咄嗟に「縮地」を発動させて回避するしかなく、瞬間移動のように離れた場所に避難した。
『おおっ!?これはどういう事でしょうか?一瞬だけルナ選手の身体が消えたように見えましたが……』
「くっ……縮地ですか」
一瞬で距離を開いたレナに解説役のラビットが動揺の声を上げ、ジャンヌはレナが縮地を発動させた事を見抜く。このままレナが逃げ続ければジャンヌの体力の方が先に尽きる事は間違いない。
(いや……あの技、もしかして……)
だが、レナは遭えて逃げるのを止めて退魔刀を右手で握りしめ、加速剣撃を発動させる準備を整える。レナの雰囲気が変化した事に気付いたジャンヌは旋斧を構え、緊張した面持ちで身構える。
「……行きます!!」
「素直な奴だな……来いっ!!」
ジャンヌは再び回転を開始させると、レナに向けて接近する。それを確認したレナは意識を右腕に集中させ、複数の戦技を同時に発動させて迎え撃つ。
「はああああっ!!」
「――回転!!」
横薙ぎに振り払われた旋斧に対し、レナも同時に退魔刀を振り翳す。二人の刃が衝突した瞬間、まるで最初の試合のゴウライとアイラが戦技を交わした時と同程度の金属音が響き渡り、斧を模した刃が空中に舞い上がる。
「あっ……!?」
「そこだっ!!」
右腕の旋斧の刃を砕かれたジャンヌは体勢を崩し、その隙を逃さずにレナは退魔刀を手放して右手を伸ばす。彼女の頭に掌を構え、格闘家のリンダの戦技から作り出した魔法を放つ。
「衝風!!」
「あうっ!?」
最初の試合でアイラが使用した「発徑」のようにレナの掌から衝撃波が放たれ、ジャンヌの脳を揺らす。彼女は意識を失ったのか身体を傾かせ、レナが受け止める。
「おっとと……その剣技、剣の重量を利用して加速しているんでしょ?だから片方の剣がなくなればバランスを崩して隙だらけになるんだよ……って、聞こえてないか」
「うっ……」
気絶したジャンヌを抱えながらレナは彼女の「旋風剣」の致命的な弱点を伝えるが、そもそも普通の人間は正面からジャンヌの剣を破壊しようと考えるはずがない。しかし、世界で最も硬い金属で構成された退魔刀を信じてレナは遭えて危険を犯してジャンヌ自身ではなく、彼女の武器破壊を試みた。
「今回は武器の差で俺の勝ち……かな」
『そこまで!!勝者はルナ選手ぅっ!!』
『うおおおおおおっ!!』
ラビットの試合終了の声に観客が湧き立ち、レナの勝利を称賛する声援を送った――
「おっと」
ジャンヌが両手の旋斧を振り翳し、レナは背後に跳んで回避する。しかし、ジャンヌは勢いを止めずにベーゴマのように回転を加速させ、両腕の旋斧を振り回す。
「何だっ!?」
「はああああっ!!」
時間が経過する事に回転速度が加速し、移動速度も上昇させてレナに接近する。ジャンヌの「旋風剣」を初めて見たレナは驚愕の声を上げるが、即座に試合場を移動してジャンヌから距離を取ろうとする。
「逃がしませんっ!!」
「おおっ!?」
回転しながらもジャンヌの意識はレナを捉えて追跡する。単純に剣を振り回すだけではなく、時には片方の剣を地面に突き刺して方向転換を行い、身体の部分を狙われないように頻繁に剣を振る範囲を横から斜めへと変化させる。その光景を確認したレナは反鏡剣を腰に戻し、退魔刀を両手で握り締めて正面から迎え撃つ。
「兜砕きっ!!」
「っ……!!」
黒虎のギルドマスターのバルから教わった全身の筋肉を利用して繰り出す剣技「撃剣」と子供の頃にアリアから教わった「兜割り」を交えた剣技を放ち、ジャンヌの振り抜いた旋風剣と衝突する。最初に刃を交えた以上の衝撃音が鳴り響き、レナの身体が後方に吹き飛ばされる。
「あいでっ!?」
「はあっ!!」
右腕の剣でレナを吹き飛ばしたジャンヌは地面を跳躍し、上空から左腕の剣を振り下ろす。その光景を確認したレナは横に転がって回避すると、ジャンヌの旋斧が頑丈な試合場の地面に叩きつけられ、亀裂が走った。
「うへぇっ……凄い怪力」
「その褒められ方は複雑……です!!」
「うわ、まだっ!?」
旋斧が地面に突き刺さった状態でジャンヌは反対の腕の旋斧を振り回すと、その際の勢いを利用して剣を引き抜き、続けてレナに攻撃を仕掛ける。休む暇も与えずに追撃を仕掛けてくるジャンヌにレナは退魔刀を構え、反撃手段を考える。
(剛剣じゃ太刀打ちできないか……という事は加速剣撃に頼るしかないな)
何気にレナが純粋な人間に剛剣を打ち破られたのは初めてであり、限界強化を施しても純粋な身体能力はジャンヌが上回るかもしれない。
(流石は剣聖だな。でもあの技、もしかして足場が平地じゃないと出来ないんじゃないか?)
レナは以前にハヤテと遭遇した際、土塊の魔法で相手の足場を崩して切り抜けた事がある。今回も同じようにジャンヌの足場を崩して体勢を崩したところを攻撃できないのかと考え、試しに右手を地面に押し当てた。
「土塊!!」
「っ!?」
接近しようとしてきたジャンヌの足場を盛り上げ、体勢を崩す。唐突に地面が浮き上がって空中に放り出されたジャンヌは目を見開くが、即座に右腕の旋斧を地面に伸ばす。
「はああっ!!」
「うわっ!?」
地面に右腕で握りしめた旋斧突き出すと、まるでコンパスのように今度は反対側の旋斧を回転させ、レナに向けて放つ。それを確認したレナは咄嗟に「縮地」を発動させて回避するしかなく、瞬間移動のように離れた場所に避難した。
『おおっ!?これはどういう事でしょうか?一瞬だけルナ選手の身体が消えたように見えましたが……』
「くっ……縮地ですか」
一瞬で距離を開いたレナに解説役のラビットが動揺の声を上げ、ジャンヌはレナが縮地を発動させた事を見抜く。このままレナが逃げ続ければジャンヌの体力の方が先に尽きる事は間違いない。
(いや……あの技、もしかして……)
だが、レナは遭えて逃げるのを止めて退魔刀を右手で握りしめ、加速剣撃を発動させる準備を整える。レナの雰囲気が変化した事に気付いたジャンヌは旋斧を構え、緊張した面持ちで身構える。
「……行きます!!」
「素直な奴だな……来いっ!!」
ジャンヌは再び回転を開始させると、レナに向けて接近する。それを確認したレナは意識を右腕に集中させ、複数の戦技を同時に発動させて迎え撃つ。
「はああああっ!!」
「――回転!!」
横薙ぎに振り払われた旋斧に対し、レナも同時に退魔刀を振り翳す。二人の刃が衝突した瞬間、まるで最初の試合のゴウライとアイラが戦技を交わした時と同程度の金属音が響き渡り、斧を模した刃が空中に舞い上がる。
「あっ……!?」
「そこだっ!!」
右腕の旋斧の刃を砕かれたジャンヌは体勢を崩し、その隙を逃さずにレナは退魔刀を手放して右手を伸ばす。彼女の頭に掌を構え、格闘家のリンダの戦技から作り出した魔法を放つ。
「衝風!!」
「あうっ!?」
最初の試合でアイラが使用した「発徑」のようにレナの掌から衝撃波が放たれ、ジャンヌの脳を揺らす。彼女は意識を失ったのか身体を傾かせ、レナが受け止める。
「おっとと……その剣技、剣の重量を利用して加速しているんでしょ?だから片方の剣がなくなればバランスを崩して隙だらけになるんだよ……って、聞こえてないか」
「うっ……」
気絶したジャンヌを抱えながらレナは彼女の「旋風剣」の致命的な弱点を伝えるが、そもそも普通の人間は正面からジャンヌの剣を破壊しようと考えるはずがない。しかし、世界で最も硬い金属で構成された退魔刀を信じてレナは遭えて危険を犯してジャンヌ自身ではなく、彼女の武器破壊を試みた。
「今回は武器の差で俺の勝ち……かな」
『そこまで!!勝者はルナ選手ぅっ!!』
『うおおおおおおっ!!』
ラビットの試合終了の声に観客が湧き立ち、レナの勝利を称賛する声援を送った――
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