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闘技祭 決戦編
予選試合 〈大将軍VS剣聖〉
『では続いて他3名の選手を紹介します!!なんと3回連続で剣聖の登場!!氷雨所属のロウガ選手!!』
「やれやれ……初戦から大将軍が相手にするとはな」
ロウガが試合場に乗り込むと歓声があがり、まさか予選で大将軍と剣聖が戦う事になるなど誰もが予想外だった。更に他の2名の選手が紹介される。
『続きまして同じく氷雨所属のハンゾウ選手も出場してください!!こちらの選手はルナ選手と激闘を繰り広げた腕利きの剣士ですよ!!』
「照れるでござる」
『最後の選手は……え?あ、はい。分かりました……おっと、失礼しました!!最後の選手は棄権を申告しましたので今回の試合は3人で行われます!!』
紹介の途中で兵士が解説席に割り込み、ラビットに耳打ちを行い、慌てて彼女は言い直す。最後の選手の発表はされず、今回の試合だけ3人で行われるという事に観客は戸惑うが、それでも大将軍と剣聖の試合が見れるという事で興奮は収まらない。ハンゾウも剣聖ではないが和国の剣士という事でどのような戦い方をするのか興味を抱く者も多く、3人に視線が集中した。
「最後の棄権者はもしかしてカノン大将軍の事でござるか?」
「さあ……僕は詳しくは知らないよ」
「白々しい……」
3人が試合場の中央に一度集まると、ハンゾウはミドルにカノンについて尋ねる。彼女はレミアが連れ出したまま姿を消したはずであり、その後の事は誰も把握していない。しかし、予選試合にも関わらずに棄権を申し出る人間が居た時点で怪しく、棄権を申し出たというよりは王国側がカノンの不在を隠して試合に出場させなかったのだろう。
「剣聖のロウガさんと戦える事になるなんて光栄です。今回は色々と勉強させて貰います」
「よくそんな言葉が言えるな……胸を貸してもらうのはこちらの方ではないのか?」
「いえ、そんな事はありません。僕は剣聖の皆さんを尊敬していますよ」
「レナ殿も?」
「……そうだね、彼も尊敬に値する人物だよ」
ハンゾウの言葉にミドルは一瞬だけ表情を引きつったが、すぐに元の表情に戻る。その様子を見てロウガとハンゾウは彼とレナの間に何かがあった事を悟るが、今は試合に集中する。
「良い試合になる事を望みます」
「ふんっ……良かろう、剣聖の意地を見せてやろう」
「よろしくお願いするでござる」
『ではお三方、黒柱まで下がって下さ~い』
礼儀正しく頭を下げるミドルにロウガとハンゾウも頷き、ラビットの指示に従って東西南北に存在する黒柱に移動する。準備が整った事を確認すると、ラビットは試合開始の合図を行う。
『それでは……試合開始ぃっ!!』
「先手必勝!!」
「行くぞ!!」
試合が始まった瞬間にロウガとハンゾウが移動を開始し、六種族の中でも運動能力に優れた獣人族と和国の忍者であるハンゾウの移動速度は素早く、身体能力を強化したレナでさえも上回るだろう。
「ふうっ……」
しかし、迫りくる二人を見てもミドルは動じた様子もなく、槍を構える。その姿を見た瞬間、ロウガとハンゾウは危険を察知し、接近を中断して逆に距離を取る。
(こいつ……やはり、只者ではない!!)
(間合いが……違い過ぎるでござる!!)
ロウガとハンゾウは冷や汗が止まらず、優れた武芸者である二人はミドルの槍の間合い、つまりは「攻撃範囲」を直観で見抜く。
(駄目だ……隙が無い)
(迂闊に近づいたら不味いでござる)
ミドルが一歩も動いていないにも関わらずにロウガとハンゾウは仕掛けられず、剣を構えたまま動かない。しばらくの間は膠着状態が続き、観客すらも緊張感が伝わる。
「どうしたんだい?来ないならこっちが行くよ」
「くっ……!!」
「舐めないで欲しいでござる……」
槍を構えて動かなかったミドルが歩み出し、二人に接近する。ロウガは距離を更に取るが、ハンゾウは袖から赤色の苦無を取り出し、ミドルに向けて投擲した。
「とりゃっ!!」
「飛び道具かい?そんな物……」
ハンゾウが投擲してきた苦無に対してミドルは槍の先端で軽く弾くと、地面に苦無が突き刺さる。しかし、それを確認したハンゾウは笑みを浮かべ、即座に自分の刀に手を伸ばす。その彼女の行動にミドルは不思議に思うと、刀の表面に紋様が刻まれている事に気付く。
「それは……魔法剣かい?」
「拙者の国では妖魔刀と呼ばれているでござる!!」
紋様にハンゾウが掌を翳した瞬間、刀身が炎に包まれる。更にそれだけに留まらず、ハンゾウは刃を地面に突き刺した。
「秘技、火蛇!!」
「これは……!?」
地面に刃の炎が伝わり、まるで地面を這う蛇のように火炎がミドルの元に向かう。咄嗟にミドルは槍を振り払おうとしたが、ハンゾウの狙いは彼ではなく、先ほど弾かれて地面に突き刺さった苦無だった。
「爆散!!」
「うおっ!?」
――火属性の魔石を削り取って作り出された苦無に炎の蛇が衝突した瞬間、凄まじい爆炎が試合場に発生し、ミドルに襲い掛かる。
「やれやれ……初戦から大将軍が相手にするとはな」
ロウガが試合場に乗り込むと歓声があがり、まさか予選で大将軍と剣聖が戦う事になるなど誰もが予想外だった。更に他の2名の選手が紹介される。
『続きまして同じく氷雨所属のハンゾウ選手も出場してください!!こちらの選手はルナ選手と激闘を繰り広げた腕利きの剣士ですよ!!』
「照れるでござる」
『最後の選手は……え?あ、はい。分かりました……おっと、失礼しました!!最後の選手は棄権を申告しましたので今回の試合は3人で行われます!!』
紹介の途中で兵士が解説席に割り込み、ラビットに耳打ちを行い、慌てて彼女は言い直す。最後の選手の発表はされず、今回の試合だけ3人で行われるという事に観客は戸惑うが、それでも大将軍と剣聖の試合が見れるという事で興奮は収まらない。ハンゾウも剣聖ではないが和国の剣士という事でどのような戦い方をするのか興味を抱く者も多く、3人に視線が集中した。
「最後の棄権者はもしかしてカノン大将軍の事でござるか?」
「さあ……僕は詳しくは知らないよ」
「白々しい……」
3人が試合場の中央に一度集まると、ハンゾウはミドルにカノンについて尋ねる。彼女はレミアが連れ出したまま姿を消したはずであり、その後の事は誰も把握していない。しかし、予選試合にも関わらずに棄権を申し出る人間が居た時点で怪しく、棄権を申し出たというよりは王国側がカノンの不在を隠して試合に出場させなかったのだろう。
「剣聖のロウガさんと戦える事になるなんて光栄です。今回は色々と勉強させて貰います」
「よくそんな言葉が言えるな……胸を貸してもらうのはこちらの方ではないのか?」
「いえ、そんな事はありません。僕は剣聖の皆さんを尊敬していますよ」
「レナ殿も?」
「……そうだね、彼も尊敬に値する人物だよ」
ハンゾウの言葉にミドルは一瞬だけ表情を引きつったが、すぐに元の表情に戻る。その様子を見てロウガとハンゾウは彼とレナの間に何かがあった事を悟るが、今は試合に集中する。
「良い試合になる事を望みます」
「ふんっ……良かろう、剣聖の意地を見せてやろう」
「よろしくお願いするでござる」
『ではお三方、黒柱まで下がって下さ~い』
礼儀正しく頭を下げるミドルにロウガとハンゾウも頷き、ラビットの指示に従って東西南北に存在する黒柱に移動する。準備が整った事を確認すると、ラビットは試合開始の合図を行う。
『それでは……試合開始ぃっ!!』
「先手必勝!!」
「行くぞ!!」
試合が始まった瞬間にロウガとハンゾウが移動を開始し、六種族の中でも運動能力に優れた獣人族と和国の忍者であるハンゾウの移動速度は素早く、身体能力を強化したレナでさえも上回るだろう。
「ふうっ……」
しかし、迫りくる二人を見てもミドルは動じた様子もなく、槍を構える。その姿を見た瞬間、ロウガとハンゾウは危険を察知し、接近を中断して逆に距離を取る。
(こいつ……やはり、只者ではない!!)
(間合いが……違い過ぎるでござる!!)
ロウガとハンゾウは冷や汗が止まらず、優れた武芸者である二人はミドルの槍の間合い、つまりは「攻撃範囲」を直観で見抜く。
(駄目だ……隙が無い)
(迂闊に近づいたら不味いでござる)
ミドルが一歩も動いていないにも関わらずにロウガとハンゾウは仕掛けられず、剣を構えたまま動かない。しばらくの間は膠着状態が続き、観客すらも緊張感が伝わる。
「どうしたんだい?来ないならこっちが行くよ」
「くっ……!!」
「舐めないで欲しいでござる……」
槍を構えて動かなかったミドルが歩み出し、二人に接近する。ロウガは距離を更に取るが、ハンゾウは袖から赤色の苦無を取り出し、ミドルに向けて投擲した。
「とりゃっ!!」
「飛び道具かい?そんな物……」
ハンゾウが投擲してきた苦無に対してミドルは槍の先端で軽く弾くと、地面に苦無が突き刺さる。しかし、それを確認したハンゾウは笑みを浮かべ、即座に自分の刀に手を伸ばす。その彼女の行動にミドルは不思議に思うと、刀の表面に紋様が刻まれている事に気付く。
「それは……魔法剣かい?」
「拙者の国では妖魔刀と呼ばれているでござる!!」
紋様にハンゾウが掌を翳した瞬間、刀身が炎に包まれる。更にそれだけに留まらず、ハンゾウは刃を地面に突き刺した。
「秘技、火蛇!!」
「これは……!?」
地面に刃の炎が伝わり、まるで地面を這う蛇のように火炎がミドルの元に向かう。咄嗟にミドルは槍を振り払おうとしたが、ハンゾウの狙いは彼ではなく、先ほど弾かれて地面に突き刺さった苦無だった。
「爆散!!」
「うおっ!?」
――火属性の魔石を削り取って作り出された苦無に炎の蛇が衝突した瞬間、凄まじい爆炎が試合場に発生し、ミドルに襲い掛かる。
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