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闘技祭 決戦編
初級魔術師とは
――観客席にて最後の試合を見届けた4人は黙り込み、レナは自分に視線が集まっている事に気付く。顔を向けると全員が困惑した表情を浮かべており、意を決したようにダインが口を開く。
「なあ、レナ……さっきのアルミナが使っていた魔法ってさ」
「俺の初級魔法と同じだね」
「……だと思ったわ」
アルミナが使用した魔法は間違いなく「氷塊」であり、レナも多用している初級魔法である。初級魔法は誰もが扱える魔法ではあるが、魔法の熟練度を上昇させる事で真価を発揮し、砲撃魔法にも劣らない強力な魔法へと変貌する。但し、レナとアルミナの場合は同じ初級魔法でも使い方が異なっていた。
「俺の場合は初級魔法は戦闘の補助に利用するけど、アルミナの場合は完全に魔法の力だけで戦っていたね。正直、あの氷の鎖を利用して一瞬で相手を拘束するなんて器用な真似は俺には出来ないかも」
「じゃあ、アルミナはレナ以上に初級魔法を扱えるのか?」
「だろうね。正直、俺以外に初級魔法を戦闘に利用する人なんて初めて見たよ」
「アルミナは初級魔術師よ」
レナの言葉を聞いたシズネがアルミナの職業を明かし、彼女は自分が知る限りのアルミナの情報を説明する。
「アルミナ・レスト……王国貴族のレスト家の一人娘だけど、冒険者として活動している変わり者、というのが世間の評判ね。勘当されたという話は聞いた事がないけど、両親との関係はあまり良いとは言えないらしいわ。だけど、希少な初級魔術師の職業の人間よ」
「初級魔術師?」
あまり聞きなれない単語の職業にレナは疑問を抱き、どのような職業なのかシズネに尋ねようとしたが、先にダインが答えた。
「……初級魔術師というのは文字通りに初級魔法しか扱えない魔術師なんだよ。だけど、魔術師の中では魔力容量は支援魔術師に次いで多いし、それに初級魔法しか扱えない代わりに魔法の熟練度の上昇率も高いし、普通の魔術師と比べればレベルも上がりやすい職業だよ」
「……く、詳しいのね」
「別にこれぐらい普通だろ……ちなみに冒険都市の名前が「ルノ」なのは大昔に召喚された異世界人の英雄の名前からとったんだけど、このルノというのが実は初級魔術師の職業なんだよ。でも、初級魔術師は「固有職」の人間にしか覚えられないからアルミナは他に職業は覚えていない事になるな」
「へえっ……そうなんだ」
ダインの説明にレナは初級魔術師の職業を理解すると、アルミナが初級魔法を巧みに操った理由を悟る。彼女もレナと同様に普通の魔術師が扱う「砲撃魔法」を覚えられないらしく、初級魔法の応用で戦闘を勝ち抜いた理由が判明した。しかし、初級魔術師が初級魔法しか扱えないのならばレナの支援魔術師よりも不遇な扱いを受けそうだが、ダインとシズネによると初級魔術師の職業の人間は重宝されているらしい。
「本当に初級魔法しか扱えないの?他の魔法は?」
「だから言っただろ?初級魔術師は固有職の人間にしか覚えられない、つまりは他の魔術師の職業を習得できないから本当に初級魔法だけしか覚えられないんだって!!だけど、それを補って余りある程の能力を持っているから凄いんだよ!!」
「初級魔法の事なら貴方の方が詳しいでしょう?誰にでも扱える魔法でも、使い方によっては強力な攻撃に利用できるの」
「まあ、確かに」
一概にも初級魔法と言っても組み合わせによっては強力な効果を発揮する事も多く、実際にレナが普段から使用する「合成魔術」が良い例である。初級魔法の最大の利点は応用性の高さであり、各属性の魔法を組み合わせる事で砲撃魔法にも匹敵する強力な魔法を生み出す事も出来る。そして初級魔術師とは初級魔法のみに特化した優れた職業である。
「普通の人間と初級魔術師の扱う初級魔法はそもそも性能が大きく異なるわ。そもそも一流の魔術師だとしても貴方やアルミナのように初級魔法を巧みに扱える人間なんて存在しないわよ」
「そんなに難しいかな?誰でも練習すれば出来ると思うけど」
「無理に決まっているでしょう。それは貴方が特別なだけよ」
「ちなみに僕の闇魔術師も闇属性の魔法しか使えないよ……くそっ、理不尽だな」
闇魔術師の場合は闇属性の魔法は全て習得する事が出来るが、他の属性の魔法は一切扱えない。なので支援魔術師のように不遇職扱いを受けてもおかしくはないが、実際の所はダインの扱う「影魔法」のように魔物との戦闘では役立つ場面も多く、能力的に他の魔術師に劣っているわけではない。
「つまり普通の人間はアルミナや俺のように初級魔法の応用は出来ない、という事でいいの?」
「ええ、そういう解釈で間違ってはいないわ」
「やはりレナは凄いな……魔法が使えない俺には羨ましい話だ」
基本的にゴンゾウのような巨人族は魔法を不得手としており、巨人族の魔術師というのは存在しない。しかし、彼等の場合は魔法を利用する魔力を肉体の強化に利用しているからこそ巨人族は強靭で巨大な肉体に成長するという説も存在する。
「……そろそろ戻りましょう。兵士に見つかったら何か言われるわよ、事件の参考人として同行してくれと頼まれる前に退散しましょう」
「そうだね。じゃあ、氷雨のギルドに戻ろうか」
「レナ、俺は一度自分のギルドに戻る。ギガンさんから顔を出すように言われたからな」
「分かった。気を付けて帰ってね」
ゴンゾウは一足先に立ち去り、残った3人は兵士に見つからないように冒険都市へ戻る事にした――
「なあ、レナ……さっきのアルミナが使っていた魔法ってさ」
「俺の初級魔法と同じだね」
「……だと思ったわ」
アルミナが使用した魔法は間違いなく「氷塊」であり、レナも多用している初級魔法である。初級魔法は誰もが扱える魔法ではあるが、魔法の熟練度を上昇させる事で真価を発揮し、砲撃魔法にも劣らない強力な魔法へと変貌する。但し、レナとアルミナの場合は同じ初級魔法でも使い方が異なっていた。
「俺の場合は初級魔法は戦闘の補助に利用するけど、アルミナの場合は完全に魔法の力だけで戦っていたね。正直、あの氷の鎖を利用して一瞬で相手を拘束するなんて器用な真似は俺には出来ないかも」
「じゃあ、アルミナはレナ以上に初級魔法を扱えるのか?」
「だろうね。正直、俺以外に初級魔法を戦闘に利用する人なんて初めて見たよ」
「アルミナは初級魔術師よ」
レナの言葉を聞いたシズネがアルミナの職業を明かし、彼女は自分が知る限りのアルミナの情報を説明する。
「アルミナ・レスト……王国貴族のレスト家の一人娘だけど、冒険者として活動している変わり者、というのが世間の評判ね。勘当されたという話は聞いた事がないけど、両親との関係はあまり良いとは言えないらしいわ。だけど、希少な初級魔術師の職業の人間よ」
「初級魔術師?」
あまり聞きなれない単語の職業にレナは疑問を抱き、どのような職業なのかシズネに尋ねようとしたが、先にダインが答えた。
「……初級魔術師というのは文字通りに初級魔法しか扱えない魔術師なんだよ。だけど、魔術師の中では魔力容量は支援魔術師に次いで多いし、それに初級魔法しか扱えない代わりに魔法の熟練度の上昇率も高いし、普通の魔術師と比べればレベルも上がりやすい職業だよ」
「……く、詳しいのね」
「別にこれぐらい普通だろ……ちなみに冒険都市の名前が「ルノ」なのは大昔に召喚された異世界人の英雄の名前からとったんだけど、このルノというのが実は初級魔術師の職業なんだよ。でも、初級魔術師は「固有職」の人間にしか覚えられないからアルミナは他に職業は覚えていない事になるな」
「へえっ……そうなんだ」
ダインの説明にレナは初級魔術師の職業を理解すると、アルミナが初級魔法を巧みに操った理由を悟る。彼女もレナと同様に普通の魔術師が扱う「砲撃魔法」を覚えられないらしく、初級魔法の応用で戦闘を勝ち抜いた理由が判明した。しかし、初級魔術師が初級魔法しか扱えないのならばレナの支援魔術師よりも不遇な扱いを受けそうだが、ダインとシズネによると初級魔術師の職業の人間は重宝されているらしい。
「本当に初級魔法しか扱えないの?他の魔法は?」
「だから言っただろ?初級魔術師は固有職の人間にしか覚えられない、つまりは他の魔術師の職業を習得できないから本当に初級魔法だけしか覚えられないんだって!!だけど、それを補って余りある程の能力を持っているから凄いんだよ!!」
「初級魔法の事なら貴方の方が詳しいでしょう?誰にでも扱える魔法でも、使い方によっては強力な攻撃に利用できるの」
「まあ、確かに」
一概にも初級魔法と言っても組み合わせによっては強力な効果を発揮する事も多く、実際にレナが普段から使用する「合成魔術」が良い例である。初級魔法の最大の利点は応用性の高さであり、各属性の魔法を組み合わせる事で砲撃魔法にも匹敵する強力な魔法を生み出す事も出来る。そして初級魔術師とは初級魔法のみに特化した優れた職業である。
「普通の人間と初級魔術師の扱う初級魔法はそもそも性能が大きく異なるわ。そもそも一流の魔術師だとしても貴方やアルミナのように初級魔法を巧みに扱える人間なんて存在しないわよ」
「そんなに難しいかな?誰でも練習すれば出来ると思うけど」
「無理に決まっているでしょう。それは貴方が特別なだけよ」
「ちなみに僕の闇魔術師も闇属性の魔法しか使えないよ……くそっ、理不尽だな」
闇魔術師の場合は闇属性の魔法は全て習得する事が出来るが、他の属性の魔法は一切扱えない。なので支援魔術師のように不遇職扱いを受けてもおかしくはないが、実際の所はダインの扱う「影魔法」のように魔物との戦闘では役立つ場面も多く、能力的に他の魔術師に劣っているわけではない。
「つまり普通の人間はアルミナや俺のように初級魔法の応用は出来ない、という事でいいの?」
「ええ、そういう解釈で間違ってはいないわ」
「やはりレナは凄いな……魔法が使えない俺には羨ましい話だ」
基本的にゴンゾウのような巨人族は魔法を不得手としており、巨人族の魔術師というのは存在しない。しかし、彼等の場合は魔法を利用する魔力を肉体の強化に利用しているからこそ巨人族は強靭で巨大な肉体に成長するという説も存在する。
「……そろそろ戻りましょう。兵士に見つかったら何か言われるわよ、事件の参考人として同行してくれと頼まれる前に退散しましょう」
「そうだね。じゃあ、氷雨のギルドに戻ろうか」
「レナ、俺は一度自分のギルドに戻る。ギガンさんから顔を出すように言われたからな」
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ゴンゾウは一足先に立ち去り、残った3人は兵士に見つからないように冒険都市へ戻る事にした――
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【作者より、感謝を込めて】
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本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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