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闘技祭 決戦編
キラウ登場
「回転!!」
ジダンは道を塞ぐ集団に向けて駆け抜け、跳躍するのと同時に身体を横回転させながら鍵爪を振り回す。折れているとはいえ、ジダンが装備している鍵爪はヨツバ王国の名工が作り出したミスリル製の刃であり、半ば折れた状態でも鋭い切れ味を誇る。
(さあ、正体を見せろっ!!)
馬車の正面に立っていたローブの人物に向けてジダンは空中から仕掛けるが、相手はローブを翻して大盾を取り出してジダンの鍵爪の斬撃を防ぐ。相手が盾を隠し持っていた事は予想外だったが、ジダンは咄嗟に盾を蹴りつけて後方に跳ぶ。
「くっ!!盾使いか……!?」
「グギィイイッ!!」
着地したジダンは即座に追撃を加えようとしたが、大盾を持つ相手の顔を見て目を見開いた。彼の目の前には鎧を装着した大柄な「ゴブリン」が立っており、大盾を振り翳してジダンに襲い掛かる。
「ギイイッ!!」
「うわっ!?」
「ジダン!!」
ゴブリンが盾を振り翳してジダンを突き飛ばし、それを目撃したアルンは車内に戻るのを止めて彼の名前を叫ぶ。その間にもジダンに向けて大盾を構えたゴブリンが迫り、踏みつぶそうと右足を振り翳す。
「ウギィッ!!」
「くっ……舐めるなっ!!」
倒れた状態からジダンは鍵爪を振り抜き、右足を突き刺す。思わぬ反撃にゴブリンは悲鳴を上げて地面に倒れこみ、ジダンは即座に起き上がって馬車の前へ移動する。
「ゴブリンだと……どうして街中に魔物がっ!?」
『グギイイイイッ!!』
ジダンの言葉に反応したように他の集団がローブを脱ぎ去り、正体を現す。体長が3メートルを超えるゴブリンの群れが街中に出現し、しかも兵士のように鎧や兜、更に武器や防具を身に付けていた。
「こいつらは……ホブゴブリンか!?」
通常のゴブリンよりも体格が大きく、更に筋肉質の肉体で構成されたゴブリンの集団にアルンは驚きの声を上げ、ゴブリンの上位種である「ホブゴブリン」ではないかと予想する。しかし、どうして街中に武装したホブゴブリンの集団が現れた理由が分からず、アルンはジダンに退くように命じる。
「ジダン!!こいつらは普通のゴブリンよりも厄介だ!!馬車を降りて父上と妹を連れて逃げるしかない!!」
「だ、大丈夫です!!たかがゴブリン如きにっ……うおっ!?」
ジダンは正体を現したホブゴブリンの集団に立ち向かおうとしたが、2体のホブゴブリンが右手に投げ縄を握りしめ、ジダンに向けて縄を放つ。咄嗟にジダンは両手の鍵爪で放たれた縄を切り裂こうとしたが、まるで生き物のように縄の軌道を変更させてジダンの腕に絡みつく。
「ギイイイイッ!!」
「このっ……ぐああああっ!?」
「ジダン!!」
両腕に絡まれた縄をジダンは振りほどこうとしたが、2体のホブゴブリンは左右から引き寄せてジダンを拘束する。それを目撃したアルンは馬車から飛び降りると、風の精霊を利用して魔法を放つ。
『吹き飛べっ!!』
「ウギィッ!?」
「グギィッ!?」
アルンが右手を突き出した瞬間、衝撃波のように風属性の魔弾が放たれてジダンを拘束していたホブゴブリンを吹き飛ばす。どうにか両腕をもがれる事を逃れたジダンだが、脱臼は免れなかった。
「ぐああっ……!!」
「下がれジダン!!ここは私が……」
「駄目です王子!!危険すぎます!!」
ジダンを庇うようにアルンは馬車の前に移動すると、御者の森人族が慌てて引き留めようとする。しかし、ホブゴブリンは攻撃を仕掛けられたと判断し、怒りの咆哮を上げて襲い掛かる。
『グギイイイイッ!!』
「くっ……『守れっ!!』」
精霊に命じてアルンは両手を広げる動作を行うと、馬車を覆い囲むように竜巻が発生してホブゴブリンを吹き飛ばそうとした。
「ギャウッ!?」
「ギィアッ!?」
「グギィイッ……!!」
「ぐっ……このぉっ!!」
しかし、通常のゴブリンよりも体重があり、しかも重い鎧と兜を身に付けていたホブゴブリン達は地面に伏せて襲い掛かる風圧を凌ぐ。アルンは必死に風の精霊を集めて魔法を維持するが、父や妹達と比べて彼は生まれつき魔力に恵まれておらず、徐々に馬車を取り囲む竜巻の規模が縮小化してしまう。
「はあっ……はっ……くそっ」
「お、王子……何をしているのですか、早く逃げて下さい……!!」
壊れた人形のように両腕を垂らした状態でもジダンはアルンに逃げるように促すが、アルンは全身から汗を流しながらジダンに振り返る。
「すまないジダン……素直にお前の言う事を聞いて置けば良かったな」
「王子……!!」
申し訳なさそうに謝罪を行うアルンにジダンは今この時ほど自分の力の弱さに怒りを抱いた事はない。どうにか彼と馬車の中に国王と王女だけでも逃がせないのか考えるが、そんな二人を嘲笑うかのように女性の声が街道に響き渡った。
「はいはい、そういう暑苦しい男同士の友情なんてどうでもいいわ」
「な、何者だ!?」
「この声は……!?」
街道を封鎖していたホブゴブリンの群れが左右に別れると、二人の正面から全身を黒装束で覆い込み、漆黒の杖を携えた女性が現れる。その人物を見た瞬間、ジダンは憎々し気な表情を浮かべて叫び声を上げる。
「どうして貴様がここにいる……森人族の恥晒しがっ!!」
「お久しぶりね……たしか、ジダンと言ったかしら?」
――姿を現したのはかつて冒険都市に腐敗竜を襲撃させた死霊使い「キラウ」が倒れ伏しているジダンとアルンの前に立つ。
ジダンは道を塞ぐ集団に向けて駆け抜け、跳躍するのと同時に身体を横回転させながら鍵爪を振り回す。折れているとはいえ、ジダンが装備している鍵爪はヨツバ王国の名工が作り出したミスリル製の刃であり、半ば折れた状態でも鋭い切れ味を誇る。
(さあ、正体を見せろっ!!)
馬車の正面に立っていたローブの人物に向けてジダンは空中から仕掛けるが、相手はローブを翻して大盾を取り出してジダンの鍵爪の斬撃を防ぐ。相手が盾を隠し持っていた事は予想外だったが、ジダンは咄嗟に盾を蹴りつけて後方に跳ぶ。
「くっ!!盾使いか……!?」
「グギィイイッ!!」
着地したジダンは即座に追撃を加えようとしたが、大盾を持つ相手の顔を見て目を見開いた。彼の目の前には鎧を装着した大柄な「ゴブリン」が立っており、大盾を振り翳してジダンに襲い掛かる。
「ギイイッ!!」
「うわっ!?」
「ジダン!!」
ゴブリンが盾を振り翳してジダンを突き飛ばし、それを目撃したアルンは車内に戻るのを止めて彼の名前を叫ぶ。その間にもジダンに向けて大盾を構えたゴブリンが迫り、踏みつぶそうと右足を振り翳す。
「ウギィッ!!」
「くっ……舐めるなっ!!」
倒れた状態からジダンは鍵爪を振り抜き、右足を突き刺す。思わぬ反撃にゴブリンは悲鳴を上げて地面に倒れこみ、ジダンは即座に起き上がって馬車の前へ移動する。
「ゴブリンだと……どうして街中に魔物がっ!?」
『グギイイイイッ!!』
ジダンの言葉に反応したように他の集団がローブを脱ぎ去り、正体を現す。体長が3メートルを超えるゴブリンの群れが街中に出現し、しかも兵士のように鎧や兜、更に武器や防具を身に付けていた。
「こいつらは……ホブゴブリンか!?」
通常のゴブリンよりも体格が大きく、更に筋肉質の肉体で構成されたゴブリンの集団にアルンは驚きの声を上げ、ゴブリンの上位種である「ホブゴブリン」ではないかと予想する。しかし、どうして街中に武装したホブゴブリンの集団が現れた理由が分からず、アルンはジダンに退くように命じる。
「ジダン!!こいつらは普通のゴブリンよりも厄介だ!!馬車を降りて父上と妹を連れて逃げるしかない!!」
「だ、大丈夫です!!たかがゴブリン如きにっ……うおっ!?」
ジダンは正体を現したホブゴブリンの集団に立ち向かおうとしたが、2体のホブゴブリンが右手に投げ縄を握りしめ、ジダンに向けて縄を放つ。咄嗟にジダンは両手の鍵爪で放たれた縄を切り裂こうとしたが、まるで生き物のように縄の軌道を変更させてジダンの腕に絡みつく。
「ギイイイイッ!!」
「このっ……ぐああああっ!?」
「ジダン!!」
両腕に絡まれた縄をジダンは振りほどこうとしたが、2体のホブゴブリンは左右から引き寄せてジダンを拘束する。それを目撃したアルンは馬車から飛び降りると、風の精霊を利用して魔法を放つ。
『吹き飛べっ!!』
「ウギィッ!?」
「グギィッ!?」
アルンが右手を突き出した瞬間、衝撃波のように風属性の魔弾が放たれてジダンを拘束していたホブゴブリンを吹き飛ばす。どうにか両腕をもがれる事を逃れたジダンだが、脱臼は免れなかった。
「ぐああっ……!!」
「下がれジダン!!ここは私が……」
「駄目です王子!!危険すぎます!!」
ジダンを庇うようにアルンは馬車の前に移動すると、御者の森人族が慌てて引き留めようとする。しかし、ホブゴブリンは攻撃を仕掛けられたと判断し、怒りの咆哮を上げて襲い掛かる。
『グギイイイイッ!!』
「くっ……『守れっ!!』」
精霊に命じてアルンは両手を広げる動作を行うと、馬車を覆い囲むように竜巻が発生してホブゴブリンを吹き飛ばそうとした。
「ギャウッ!?」
「ギィアッ!?」
「グギィイッ……!!」
「ぐっ……このぉっ!!」
しかし、通常のゴブリンよりも体重があり、しかも重い鎧と兜を身に付けていたホブゴブリン達は地面に伏せて襲い掛かる風圧を凌ぐ。アルンは必死に風の精霊を集めて魔法を維持するが、父や妹達と比べて彼は生まれつき魔力に恵まれておらず、徐々に馬車を取り囲む竜巻の規模が縮小化してしまう。
「はあっ……はっ……くそっ」
「お、王子……何をしているのですか、早く逃げて下さい……!!」
壊れた人形のように両腕を垂らした状態でもジダンはアルンに逃げるように促すが、アルンは全身から汗を流しながらジダンに振り返る。
「すまないジダン……素直にお前の言う事を聞いて置けば良かったな」
「王子……!!」
申し訳なさそうに謝罪を行うアルンにジダンは今この時ほど自分の力の弱さに怒りを抱いた事はない。どうにか彼と馬車の中に国王と王女だけでも逃がせないのか考えるが、そんな二人を嘲笑うかのように女性の声が街道に響き渡った。
「はいはい、そういう暑苦しい男同士の友情なんてどうでもいいわ」
「な、何者だ!?」
「この声は……!?」
街道を封鎖していたホブゴブリンの群れが左右に別れると、二人の正面から全身を黒装束で覆い込み、漆黒の杖を携えた女性が現れる。その人物を見た瞬間、ジダンは憎々し気な表情を浮かべて叫び声を上げる。
「どうして貴様がここにいる……森人族の恥晒しがっ!!」
「お久しぶりね……たしか、ジダンと言ったかしら?」
――姿を現したのはかつて冒険都市に腐敗竜を襲撃させた死霊使い「キラウ」が倒れ伏しているジダンとアルンの前に立つ。
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