文字の大きさ
大
中
小
307 / 2,093
闘技祭 決戦編
魔獣兵
「貴様、どの面を下げて我等の前に顔を出せた!!」
「そうね……こ~んな顔かしら?」
倒れているジダンと膝を付いたアルンに対し、キラウは挑発するように歪んだ笑顔を浮かべる。そんな彼女の顔を見せつけられてジダンは怒りを露わにして起き上がろうとしたが、何時の間にか二人の足元にも騎士達を拘束している「影の蛇」が迫っていた。
「おっと、動かないでもらえるかしら?」
「ぐうっ!?」
「この魔法は……!!」
「正直、こんな古臭い魔法なんて私の趣味じゃないんだけど……こういう状況だけなら役立つわね」
キラウの足元の影から無数の黒蛇が実体化して二人の身体に纏わりつき、感覚を乱して動けないように地面に拘束する。影魔法を打ち破るには聖属性の魔法だけのため、風邪の精霊を呼び出した所で抵抗する事も出来ない。
「は、離せ!!貴様は自分が何をしているのかを……」
「うるさいわね。少し黙っていなさい」
「うぐぅっ!?」
怒鳴り散らすジダンの口元を黒蛇が覆い込み、更に両手と両足を締め付けて地面に抑えつける。その様子を確認したアルンは馬車を振り返り、御者に命じる。
「走れ!!僕達に構わず突破するんだ!!」
「えっ!?そ、それでは王子が……!?」
「構わない!!早く行けっ!!」
アルンが倒れているのは馬車の正面のため、仮に馬車を走らせたら二人に衝突する可能性が高い。しかし、自分が犠牲になろうと大切な家族を守るためにアルンは御者に命令を下し、二人を逃がすために御者に命令した。だが、キラウが黙って見逃すはずがなく、背後に控えるホブゴブリンに命令を下す。
「それは少し困るわね。貴方達、馬を始末しなさい」
『ウギィイイッ!!』
「ヒヒィンッ!?」
キラウが命じた途端、武装したホブゴブリンの集団がユニコーンに押し寄せ、強制的にユニコーンを抑えつける。魔獣の中ではユニコーンは強力な個体であり、オーガやトロールを上回る戦闘力を誇る。しかし、キラウが連れてきたホブゴブリンの集団は武装しており、連携してユニコーンを抑えつけた。
「うわ、離せっ!!俺のユニコーンに触れるなっ!?」
「そいつが魔物使いよ。まずはその男を始末しなさい」
「止めろっ!?」
馬車の御者が必死にホブゴブリンをユニコーンから引きはがそうとしたが、キラウが新たな命令を与えるとホブゴブリンの1匹が御者の身体を掴み上げ、力尽くで地面に叩きつける。
「フギィッ!!」
「うがぁっ!?」
「ヒヒンッ!?」
主人が地面に叩きつけられた瞬間、ユニコーンは目を見開き、動作が鈍ってしまう。魔物使いと契約を交わした魔物は主人が死亡すると一時的に意識を失うか混乱状態に陥ってしまう。その隙を逃さず、キラウはユニコーンの額の角に視線を向け、指を鳴らす。
「その馬の角を引き千切りなさい。そうすれば簡単に死ぬわ」
「き、貴様!!」
「おっと、そこの王子様は殺しては駄目よ。一緒に連れて行きましょう」
「ギギィッ!!」
ユニコーンの角に手を伸ばすホブゴブリンの姿を見たアルンが止めようとしたが、キラウの命令を受けたホブゴブリンの一体が彼の身体を抱え込み、キラウの元へ移動する。
「ヒヒィイイインッ……!?」
「うむぅううっ……!?」
ジダンは連れ去られるアルンとホブゴブリンの集団から一本角を引き剥がされるユニコーンの姿を見せつけられ、必死に黒蛇を引き剥がそうとするが、影魔法は力では抵抗できない。
「王子を確保できればもうどうでもいいわ。引き返すわよ」
『ギイッ……!!』
キラウの命令に従い、ホブゴブリンの集団は馬車から離れる。まるで魔物使いと契約を交わした魔獣のように忠実にキラウの命令に従うホブゴブリンに対し、ジダンは違和感を抱く。
(何故だっ……何故、奴は魔物を操れる!?死霊使いではなかったのか……!!)
仮にキラウが従えていたのが死霊の類ならば操っていたとしてもおかしくはないが、ホブゴブリンの肉体からは一切の死臭は感じられず、間違いなく生きた魔物だった。
(どうして魔物は奴の命令に従う……死霊使いは固有職でなければ習得出来ないはず、奴が魔物使いとは考えにくい……)
ジダンは憎々し気な表情を浮かべながらもホブゴブリンの様子を伺い、周囲にキラウ以外の人間が存在し、別の者がホブゴブリンを操っているのではないかと考えた。しかし、先ほどから周囲の様子を伺い、精霊を利用して他の人間が存在しないのか調べていたが、この場所にはキラウ以外の人間の反応は感じられない。
(まさかゴブリンを調教して完全に従わせているのか……!?)
ゴブリンは魔人族を除けば魔物の中でも知能は高く、狂暴性が低い子供の時ならば人間に懐くこともある。考えられるとしたら幼少期のゴブリンを捕獲し、人間に従うように調教されたとしか考えられない。
「そうね……こ~んな顔かしら?」
倒れているジダンと膝を付いたアルンに対し、キラウは挑発するように歪んだ笑顔を浮かべる。そんな彼女の顔を見せつけられてジダンは怒りを露わにして起き上がろうとしたが、何時の間にか二人の足元にも騎士達を拘束している「影の蛇」が迫っていた。
「おっと、動かないでもらえるかしら?」
「ぐうっ!?」
「この魔法は……!!」
「正直、こんな古臭い魔法なんて私の趣味じゃないんだけど……こういう状況だけなら役立つわね」
キラウの足元の影から無数の黒蛇が実体化して二人の身体に纏わりつき、感覚を乱して動けないように地面に拘束する。影魔法を打ち破るには聖属性の魔法だけのため、風邪の精霊を呼び出した所で抵抗する事も出来ない。
「は、離せ!!貴様は自分が何をしているのかを……」
「うるさいわね。少し黙っていなさい」
「うぐぅっ!?」
怒鳴り散らすジダンの口元を黒蛇が覆い込み、更に両手と両足を締め付けて地面に抑えつける。その様子を確認したアルンは馬車を振り返り、御者に命じる。
「走れ!!僕達に構わず突破するんだ!!」
「えっ!?そ、それでは王子が……!?」
「構わない!!早く行けっ!!」
アルンが倒れているのは馬車の正面のため、仮に馬車を走らせたら二人に衝突する可能性が高い。しかし、自分が犠牲になろうと大切な家族を守るためにアルンは御者に命令を下し、二人を逃がすために御者に命令した。だが、キラウが黙って見逃すはずがなく、背後に控えるホブゴブリンに命令を下す。
「それは少し困るわね。貴方達、馬を始末しなさい」
『ウギィイイッ!!』
「ヒヒィンッ!?」
キラウが命じた途端、武装したホブゴブリンの集団がユニコーンに押し寄せ、強制的にユニコーンを抑えつける。魔獣の中ではユニコーンは強力な個体であり、オーガやトロールを上回る戦闘力を誇る。しかし、キラウが連れてきたホブゴブリンの集団は武装しており、連携してユニコーンを抑えつけた。
「うわ、離せっ!!俺のユニコーンに触れるなっ!?」
「そいつが魔物使いよ。まずはその男を始末しなさい」
「止めろっ!?」
馬車の御者が必死にホブゴブリンをユニコーンから引きはがそうとしたが、キラウが新たな命令を与えるとホブゴブリンの1匹が御者の身体を掴み上げ、力尽くで地面に叩きつける。
「フギィッ!!」
「うがぁっ!?」
「ヒヒンッ!?」
主人が地面に叩きつけられた瞬間、ユニコーンは目を見開き、動作が鈍ってしまう。魔物使いと契約を交わした魔物は主人が死亡すると一時的に意識を失うか混乱状態に陥ってしまう。その隙を逃さず、キラウはユニコーンの額の角に視線を向け、指を鳴らす。
「その馬の角を引き千切りなさい。そうすれば簡単に死ぬわ」
「き、貴様!!」
「おっと、そこの王子様は殺しては駄目よ。一緒に連れて行きましょう」
「ギギィッ!!」
ユニコーンの角に手を伸ばすホブゴブリンの姿を見たアルンが止めようとしたが、キラウの命令を受けたホブゴブリンの一体が彼の身体を抱え込み、キラウの元へ移動する。
「ヒヒィイイインッ……!?」
「うむぅううっ……!?」
ジダンは連れ去られるアルンとホブゴブリンの集団から一本角を引き剥がされるユニコーンの姿を見せつけられ、必死に黒蛇を引き剥がそうとするが、影魔法は力では抵抗できない。
「王子を確保できればもうどうでもいいわ。引き返すわよ」
『ギイッ……!!』
キラウの命令に従い、ホブゴブリンの集団は馬車から離れる。まるで魔物使いと契約を交わした魔獣のように忠実にキラウの命令に従うホブゴブリンに対し、ジダンは違和感を抱く。
(何故だっ……何故、奴は魔物を操れる!?死霊使いではなかったのか……!!)
仮にキラウが従えていたのが死霊の類ならば操っていたとしてもおかしくはないが、ホブゴブリンの肉体からは一切の死臭は感じられず、間違いなく生きた魔物だった。
(どうして魔物は奴の命令に従う……死霊使いは固有職でなければ習得出来ないはず、奴が魔物使いとは考えにくい……)
ジダンは憎々し気な表情を浮かべながらもホブゴブリンの様子を伺い、周囲にキラウ以外の人間が存在し、別の者がホブゴブリンを操っているのではないかと考えた。しかし、先ほどから周囲の様子を伺い、精霊を利用して他の人間が存在しないのか調べていたが、この場所にはキラウ以外の人間の反応は感じられない。
(まさかゴブリンを調教して完全に従わせているのか……!?)
ゴブリンは魔人族を除けば魔物の中でも知能は高く、狂暴性が低い子供の時ならば人間に懐くこともある。考えられるとしたら幼少期のゴブリンを捕獲し、人間に従うように調教されたとしか考えられない。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『ベルンハルト・フォン・バーデンは平穏に暮らしたい』
GamaFrog男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
クラス全員で異世界召喚されたが、俺だけ教室に取り残されたのでとりあえず帰宅した
中山(ほ) クラス全員で異世界召喚されたが、先生と俺が残っていた。
魔法もチートスキルもステータス画面すら表示されない、ただの「残され損」
異世界に行けなかった俺を待っていたのは、世知辛い現実だった。
AI使用状況
GoogleのGeminiさん使ってます〜
誤字脱字チェックと調べ物お願いしてます
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。