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闘技祭 決戦編
ギルドへの襲撃
――同時刻、氷雨の冒険者ギルドでも異変が生じていた。ギルドの前には大量の王国兵が群がり、表向きはこの都市の警備を任されている「アルト」という青年がギルドの建物内に向けて大声を上げる。
「マリア・ハヅキ殿に用がある!!我々を入れて貰いたい!!」
「何だてめえはっ!!」
「マリア様に何の用だ!!」
アルトの言葉を聞いてギルドの前で群がっていた冒険者達が兵士達と向き合い、武器を構える。そんな彼等の反応に王国兵も武器を構えようとしたが、アルトが間に入って戦意が無い事を示す。
「落ち着いて下さい!!我々はマリア殿と話がしたいだけです!!」
「何を言ってやがる!!話をしたいだけならそんな武装した兵士を連れてくる必要なんかないだろ!!」
「それは……」
「黙れ!!反抗するようなら逮捕するぞ!!」
アルトを除く兵士達も戦闘態勢に入り、武器を構えて建物へ接近する。その反応を見て冒険者達も武器を構えて迎え撃とうとした時、扉が開かれて3人の女性が姿を現した。
「おい、一体何の騒ぎだい!!」
「これは……もう手を打ってきたというの?」
「…………」
建物から現れたのは大剣を背負ったバルと杖を握りしめたマリア、そして仮面を纏った状態のアイラが姿を現す。3人が現れた事で睨み合っていた冒険者と兵士達は彼女達に注目し、アルトが前に出てマリアの前に出る。この二人は腐敗竜との一件で顔を合わせた事もあり、マリアは不機嫌そうに彼に問い質す。
「これは一体何の騒ぎかしら?私のギルドの前にどうしてこれだけの兵士を集めてきたのか教えなさい」
「……我々は現在、指名手配犯を負っています。そしてある人物の報告から貴方が指名手配犯と接触があるという確かな情報を得ています」
「言葉遣いには気を付けて欲しいわね。この私が犯罪者を匿っているというの?」
マリアはアルトの言葉を聞いても全く表情を変えず、それでいながら静かな怒りを現すように威圧感を強める。あまりの迫力に傍に存在するバルでさえも冷や汗を流し、正面から彼女と向き合うアルトに至っては顔色を青くする。しかし、それでも自分の職務を全うするために言い返す。
「情報を齎したのは貴女の所に所属する冒険者です!!この建物内に最近部外者が立ち寄るようになり、その中には1年ほど前まで指名手配されていた人物が居ると……」
「……何ですって?」
アルトの言葉にマリアは「レナ」の存在を思い返し、確かにレナは1年前までは指名手配されていた。しかし、指名手配と言っても似顔絵に関してはまだ子供の頃のレナの顔しか記されておらず、しかも指名手配と言っても既に解除されているはずである。今更になってレナを連れ去りに現れたのかとマリアは警戒するが、アルトは彼女の隣に立つ人物を指差す。
「そしてそこにいる人物に関しても我々は正体を知っています!!即刻、冒険者のレナとそこにいる女性を引き渡してください!!」
「っ……!?」
自分を指差されたアイラは唇を噛みしめ、マリアも舌打ちする。予想していたとはいえ、既にアイラの正体も気付かれていたようであり、兵士がこの場に訪れたのはレナとアイラを拘束するために訪れた事を知る。
(……二人を捕まえるなんて只の口実ね。王妃の目的は私達を犯罪者に仕立て上げ、邪魔者を一掃するつもり?)
ここでレナとアイラを引き渡す判断をマリアが下せるはずがなく、だからといって王国兵と表立って戦うのも不味い。王国兵は指名手配されている「レナ」と王都から脱走した「アイラ」を連れ戻すために現れたのであり、ここでマリアが引き渡しを断れば氷雨が二人を匿っていた事が発覚し、バルトロス王国と表立って反抗する事になる。
(ここで姉さんを引き渡す訳にはいかない……あと少しでレナが戻ってくるのに)
アイラとレナの再会を願うマリアは王国兵の要求など受け入れられるはずがなく、どのような方法で兵士達を追い払うか考える。しかし、彼女が返答を行う前にアイラがアルトの元へ歩み寄ろうとした。
「……もういいわ」
「姐さん!?」
「姉さん!!」
「マリア、もう私は逃げないわ」
ゆっくりと自分の顔を覆い隠していた仮面を引き剥がし、アイラは皆の前で素顔を晒す。その顔を見た瞬間に兵士達に動揺が走り、特に年配の兵士は彼女の正体を知って嘆くような声を上げる。
「ああ、まさか本当に……」
「アイラ様……生きておられたのか」
「信じられない……本当にあの方がアイラ様なのか?」
国王の妾であり、十数年前に王城から追放されたアイラを目にして彼女を知る兵士達は戸惑い、警備隊長であるアルトも難しい表情を浮かべながらもアイラに告げた。
「アイラ様……貴方は国王の殺害未遂の件で王都に監禁されていたにも関わらずに脱走した罪を犯しました。どうか抵抗せずに我々と共に来てください」
「おい待て!!姐さんをどうする気だ!!」
「抵抗しなければ我々も手荒な真似はしません!!ですが……拒否するようならば力尽くで連行します!!」
バルが怒鳴り声を上げるとアルトは腰の長剣を引き抜き、他の兵士達も槍を構える。それを見たアイラは即座に二人の間に割って入る。
「マリア・ハヅキ殿に用がある!!我々を入れて貰いたい!!」
「何だてめえはっ!!」
「マリア様に何の用だ!!」
アルトの言葉を聞いてギルドの前で群がっていた冒険者達が兵士達と向き合い、武器を構える。そんな彼等の反応に王国兵も武器を構えようとしたが、アルトが間に入って戦意が無い事を示す。
「落ち着いて下さい!!我々はマリア殿と話がしたいだけです!!」
「何を言ってやがる!!話をしたいだけならそんな武装した兵士を連れてくる必要なんかないだろ!!」
「それは……」
「黙れ!!反抗するようなら逮捕するぞ!!」
アルトを除く兵士達も戦闘態勢に入り、武器を構えて建物へ接近する。その反応を見て冒険者達も武器を構えて迎え撃とうとした時、扉が開かれて3人の女性が姿を現した。
「おい、一体何の騒ぎだい!!」
「これは……もう手を打ってきたというの?」
「…………」
建物から現れたのは大剣を背負ったバルと杖を握りしめたマリア、そして仮面を纏った状態のアイラが姿を現す。3人が現れた事で睨み合っていた冒険者と兵士達は彼女達に注目し、アルトが前に出てマリアの前に出る。この二人は腐敗竜との一件で顔を合わせた事もあり、マリアは不機嫌そうに彼に問い質す。
「これは一体何の騒ぎかしら?私のギルドの前にどうしてこれだけの兵士を集めてきたのか教えなさい」
「……我々は現在、指名手配犯を負っています。そしてある人物の報告から貴方が指名手配犯と接触があるという確かな情報を得ています」
「言葉遣いには気を付けて欲しいわね。この私が犯罪者を匿っているというの?」
マリアはアルトの言葉を聞いても全く表情を変えず、それでいながら静かな怒りを現すように威圧感を強める。あまりの迫力に傍に存在するバルでさえも冷や汗を流し、正面から彼女と向き合うアルトに至っては顔色を青くする。しかし、それでも自分の職務を全うするために言い返す。
「情報を齎したのは貴女の所に所属する冒険者です!!この建物内に最近部外者が立ち寄るようになり、その中には1年ほど前まで指名手配されていた人物が居ると……」
「……何ですって?」
アルトの言葉にマリアは「レナ」の存在を思い返し、確かにレナは1年前までは指名手配されていた。しかし、指名手配と言っても似顔絵に関してはまだ子供の頃のレナの顔しか記されておらず、しかも指名手配と言っても既に解除されているはずである。今更になってレナを連れ去りに現れたのかとマリアは警戒するが、アルトは彼女の隣に立つ人物を指差す。
「そしてそこにいる人物に関しても我々は正体を知っています!!即刻、冒険者のレナとそこにいる女性を引き渡してください!!」
「っ……!?」
自分を指差されたアイラは唇を噛みしめ、マリアも舌打ちする。予想していたとはいえ、既にアイラの正体も気付かれていたようであり、兵士がこの場に訪れたのはレナとアイラを拘束するために訪れた事を知る。
(……二人を捕まえるなんて只の口実ね。王妃の目的は私達を犯罪者に仕立て上げ、邪魔者を一掃するつもり?)
ここでレナとアイラを引き渡す判断をマリアが下せるはずがなく、だからといって王国兵と表立って戦うのも不味い。王国兵は指名手配されている「レナ」と王都から脱走した「アイラ」を連れ戻すために現れたのであり、ここでマリアが引き渡しを断れば氷雨が二人を匿っていた事が発覚し、バルトロス王国と表立って反抗する事になる。
(ここで姉さんを引き渡す訳にはいかない……あと少しでレナが戻ってくるのに)
アイラとレナの再会を願うマリアは王国兵の要求など受け入れられるはずがなく、どのような方法で兵士達を追い払うか考える。しかし、彼女が返答を行う前にアイラがアルトの元へ歩み寄ろうとした。
「……もういいわ」
「姐さん!?」
「姉さん!!」
「マリア、もう私は逃げないわ」
ゆっくりと自分の顔を覆い隠していた仮面を引き剥がし、アイラは皆の前で素顔を晒す。その顔を見た瞬間に兵士達に動揺が走り、特に年配の兵士は彼女の正体を知って嘆くような声を上げる。
「ああ、まさか本当に……」
「アイラ様……生きておられたのか」
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国王の妾であり、十数年前に王城から追放されたアイラを目にして彼女を知る兵士達は戸惑い、警備隊長であるアルトも難しい表情を浮かべながらもアイラに告げた。
「アイラ様……貴方は国王の殺害未遂の件で王都に監禁されていたにも関わらずに脱走した罪を犯しました。どうか抵抗せずに我々と共に来てください」
「おい待て!!姐さんをどうする気だ!!」
「抵抗しなければ我々も手荒な真似はしません!!ですが……拒否するようならば力尽くで連行します!!」
バルが怒鳴り声を上げるとアルトは腰の長剣を引き抜き、他の兵士達も槍を構える。それを見たアイラは即座に二人の間に割って入る。
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