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都市崩壊編
魔獣兵VSレナ軍団(←名前ださくない!?byレナ)
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「ウギイイッ……!!」
「うわ、デカいのが出てきた!!」
「デカいというより、やたらと太っているわね」
城壁にて異様に肥え太ったホブゴブリンが出現し、両手に肉切り包丁のような刃物を握りしめながらレナ達の元へ向かう。その光景を確認したレナは退魔刀を握りしめ、勢いよく投擲する。
「邪魔っ!!」
「グギィッ!?」
投げつけられた退魔刀の刃がリーダー格と思われたホブゴブリンだが、限界強化の支援魔法を発動出せて身体能力を強化したレナの腕力で投げつけられた体験の刃が深々と頭部に突き刺さり、絶命する。しかし、何処に隠れていたのか城壁の上には無数の魔獣兵が押し寄せ、レナと兵士達を取り囲む。
「ひいいっ!?く、来るなっ!!」
「何だよ、こんなの聞いてないぞ!!」
「さっきまで大人しかったのに……!!」
「さっきまで?」
城壁に残っていた兵士達は迫りくるホブゴブリンに恐怖の表情を浮かべ、完全に怖気づいていた。追い詰められた彼等が漏らした言葉にレナは反応し、近くにいた兵士に問い質す。
「あの、さっきまでというのはどういう意味ですか?」
「えっ!?い、いや……」
「この状況で隠し事が出来ると思わない事ね。私達が居なければ貴方達は殺されるだけよっ!!」
「ギャア!?」
落ちていた槍を拾い上げてホブゴブリンの足元を貫きながらシズネは兵士達に振り返り、彼等の現在の状況を理解させる。もしもレナ達が奮闘しなければ今頃は城壁は無数のホブゴブリンに占拠されており、大勢の被害が生まれてるだろう。
「おい、お前等はこいつらが何者なのか知ってるのか!?早く教えろよっ!!」
「そ、それは……」
「それは俺が説明してやる」
兵士が答える前にレナ達の後方に存在する壁際から返事が届き、3人は振り返ると壁をよじ登ってきたのか額から汗を流すパイルが姿を現した。レナ達は戦闘に夢中で気付かなかったが、彼一人だけは城壁を自力で登って戻ってきたらしい。
「この魔物どもは……こいつらが連れてきた「魔獣兵」という王国の軍隊だ」
「魔獣兵?そんなの聞いた事がないわよ」
「当然だな。こいつらの存在を知っているのはごく一部の人間だけだ……数日前まではな」
パイルによると城壁に出現した武装したホブゴブリンの正体は「魔獣兵」と呼ばれるバルトロス王国が作り上げた軍隊らしく、本来ならば人類に害を為す魔物を調教して作り上げた兵士だと説明する。
「俺が聞いた限り、こいつらは王国が呼び集めた複数人の魔物使いの協力の元で生み出した兵士達だ。普通のゴブリンを育て上げ、更に大迷宮から入手できる経験石を餌として与える事でホブゴブリンに進化させたと聞いている」
「経験石を魔物に……!?まさか、そんな方法があるなんて……」
大迷宮の魔物から入手できる経験石は文字通りにレベルの上昇に必要な経験値が含まれた魔石であり、人間が使用すればレベルを上昇させるのに必要な経験値を獲得できる。しかし、魔物に使用した場合は上位種に進化する事もあるため、魔物に対して経験石を与える行為は何処の国でも禁じられている。それにも関わらずにバルトロス王国は法律を犯し、ゴブリンを育て上げて兵士に仕立てた事になる。
「ちょっと待てよ!!じゃあ、なんでこいつらはお前等を襲っているんだよ!?」
「そこまでは知らん……だが、考えられる事があるとすればこいつらを従属させていた魔物使いの身に何かが起きて魔獣契約が解除され、こいつらを拘束する力が消えたと考えるべきだろう」
『ギイイッ……!!』
次々と現れる「魔獣兵」の光景にレナ達は冷や汗を流し、その数は最低でも100体を超えていた。いったいこれほどの兵士をどのような手段で冒険都市に運び込んだのかは分からないが、レナはホブゴブリンの頭部から退魔刀を引き抜き、パイルと生き残った王国兵へ振り返った。
「それで?これからあんた達はどうする?どうやら俺を捕まえたかったようだけど、この状況でもまだ諦めないの?」
「ぐっ……」
「くそっ……」
「……一時休戦だ。共に戦ってくれ、というのは流石に厚かましいか?」
「当たり前よ。あまり人を舐めると痛い目を見るわよ?」
レナの発言に王国兵はパイルに指示を仰ぐが、彼はあくまでも金で雇われた傭兵でしかなく、王国に忠誠を誓っているわけではない。パイルは深いため息を吐き出し、レナに取引を持ち掛ける。
「分かった……なら、俺達はお前達の事を見ていない。依頼主が何と言おうと俺達はお前等の事など知らないと答える。それと受け取った前金の半分を今すぐにお前達に渡そう……これでどうだ?」
「本当でしょうね?状況が一変すれば貴方が約束を反故しないという保証はないわ」
「俺は傭兵だが、約束だけは必ず守る。今はそれだけしか言えないが……」
パイルの言葉にシズネはレナに振り返り、彼に判断を仰ぐ。この状況下では戦力は一人でも多い方が良いため、信用できる相手とは言い難いがレナはパイルの提案を受け入れる事にした。
「うわ、デカいのが出てきた!!」
「デカいというより、やたらと太っているわね」
城壁にて異様に肥え太ったホブゴブリンが出現し、両手に肉切り包丁のような刃物を握りしめながらレナ達の元へ向かう。その光景を確認したレナは退魔刀を握りしめ、勢いよく投擲する。
「邪魔っ!!」
「グギィッ!?」
投げつけられた退魔刀の刃がリーダー格と思われたホブゴブリンだが、限界強化の支援魔法を発動出せて身体能力を強化したレナの腕力で投げつけられた体験の刃が深々と頭部に突き刺さり、絶命する。しかし、何処に隠れていたのか城壁の上には無数の魔獣兵が押し寄せ、レナと兵士達を取り囲む。
「ひいいっ!?く、来るなっ!!」
「何だよ、こんなの聞いてないぞ!!」
「さっきまで大人しかったのに……!!」
「さっきまで?」
城壁に残っていた兵士達は迫りくるホブゴブリンに恐怖の表情を浮かべ、完全に怖気づいていた。追い詰められた彼等が漏らした言葉にレナは反応し、近くにいた兵士に問い質す。
「あの、さっきまでというのはどういう意味ですか?」
「えっ!?い、いや……」
「この状況で隠し事が出来ると思わない事ね。私達が居なければ貴方達は殺されるだけよっ!!」
「ギャア!?」
落ちていた槍を拾い上げてホブゴブリンの足元を貫きながらシズネは兵士達に振り返り、彼等の現在の状況を理解させる。もしもレナ達が奮闘しなければ今頃は城壁は無数のホブゴブリンに占拠されており、大勢の被害が生まれてるだろう。
「おい、お前等はこいつらが何者なのか知ってるのか!?早く教えろよっ!!」
「そ、それは……」
「それは俺が説明してやる」
兵士が答える前にレナ達の後方に存在する壁際から返事が届き、3人は振り返ると壁をよじ登ってきたのか額から汗を流すパイルが姿を現した。レナ達は戦闘に夢中で気付かなかったが、彼一人だけは城壁を自力で登って戻ってきたらしい。
「この魔物どもは……こいつらが連れてきた「魔獣兵」という王国の軍隊だ」
「魔獣兵?そんなの聞いた事がないわよ」
「当然だな。こいつらの存在を知っているのはごく一部の人間だけだ……数日前まではな」
パイルによると城壁に出現した武装したホブゴブリンの正体は「魔獣兵」と呼ばれるバルトロス王国が作り上げた軍隊らしく、本来ならば人類に害を為す魔物を調教して作り上げた兵士だと説明する。
「俺が聞いた限り、こいつらは王国が呼び集めた複数人の魔物使いの協力の元で生み出した兵士達だ。普通のゴブリンを育て上げ、更に大迷宮から入手できる経験石を餌として与える事でホブゴブリンに進化させたと聞いている」
「経験石を魔物に……!?まさか、そんな方法があるなんて……」
大迷宮の魔物から入手できる経験石は文字通りにレベルの上昇に必要な経験値が含まれた魔石であり、人間が使用すればレベルを上昇させるのに必要な経験値を獲得できる。しかし、魔物に使用した場合は上位種に進化する事もあるため、魔物に対して経験石を与える行為は何処の国でも禁じられている。それにも関わらずにバルトロス王国は法律を犯し、ゴブリンを育て上げて兵士に仕立てた事になる。
「ちょっと待てよ!!じゃあ、なんでこいつらはお前等を襲っているんだよ!?」
「そこまでは知らん……だが、考えられる事があるとすればこいつらを従属させていた魔物使いの身に何かが起きて魔獣契約が解除され、こいつらを拘束する力が消えたと考えるべきだろう」
『ギイイッ……!!』
次々と現れる「魔獣兵」の光景にレナ達は冷や汗を流し、その数は最低でも100体を超えていた。いったいこれほどの兵士をどのような手段で冒険都市に運び込んだのかは分からないが、レナはホブゴブリンの頭部から退魔刀を引き抜き、パイルと生き残った王国兵へ振り返った。
「それで?これからあんた達はどうする?どうやら俺を捕まえたかったようだけど、この状況でもまだ諦めないの?」
「ぐっ……」
「くそっ……」
「……一時休戦だ。共に戦ってくれ、というのは流石に厚かましいか?」
「当たり前よ。あまり人を舐めると痛い目を見るわよ?」
レナの発言に王国兵はパイルに指示を仰ぐが、彼はあくまでも金で雇われた傭兵でしかなく、王国に忠誠を誓っているわけではない。パイルは深いため息を吐き出し、レナに取引を持ち掛ける。
「分かった……なら、俺達はお前達の事を見ていない。依頼主が何と言おうと俺達はお前等の事など知らないと答える。それと受け取った前金の半分を今すぐにお前達に渡そう……これでどうだ?」
「本当でしょうね?状況が一変すれば貴方が約束を反故しないという保証はないわ」
「俺は傭兵だが、約束だけは必ず守る。今はそれだけしか言えないが……」
パイルの言葉にシズネはレナに振り返り、彼に判断を仰ぐ。この状況下では戦力は一人でも多い方が良いため、信用できる相手とは言い難いがレナはパイルの提案を受け入れる事にした。
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