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都市崩壊編
あまりにも残酷すぎる真実……
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『アイリス、昼間にティナを騙した奴は何者?』
『偽手紙を用意してティナをレナさんの元へ送り込んだ人物ですね。こいつは「変装」のスキルを持つ王妃の側近です。レナさんが昼間に遭遇した神器使いですよ』
『あいつが?』
レナは杖型の神器を装備していた王妃の側近を思い出し、名前は「リク」という青年だった。王妃に仕えていた側近の中でも一番年齢が上であり、神器の特製を利用してレナを捕まえようとしたが、寸前でダインとゴンゾウの救援のお陰で助かった。
『ミドルの奴があいつごと俺を仕留めようとしたけど、仲でも悪いの?』
『いえ、別にそういう訳ではありません。彼等は王妃のためならば自分の命も惜しまずに行動する相手です。王妃のために行動するように教育されているので王妃に逆らう事はありません』
『怖い奴等だな……』
アイリスによればミドルも含めて王妃の側近は彼女に忠誠を誓っており、結果的に自分が命を落とす事に繋がる行動でも王妃のためならば躊躇なく実行するという。狂信者のような考え方だが良く言えば忠誠心に厚い存在とも言える。
『これからは王妃の側近と戦う時は人質に利用するなんて馬鹿な真似は止めて下さいね』
『分かってるよ……それより、結局のところは俺はどうしたらいいの?』
『まずはバルを助けましょう。現在、彼女はレナさんのお母さんと一緒に逃げ回っています』
『えっ!?母上がこの街に居るの!?』
バルがアイラと行動を共にしているという言葉にレナは驚くが、アイリスは少し言いにくそうにレナに二人の状況を伝える。
『あ~……レナさんは気付いていなかったようですけど、実は闘技祭の一回戦でゴウライと戦っていた選手の正体がアイラなんですよ。ほら、仮面を付けていた人です』
『えっ』
『いや、別に私はあの恰好は悪くないと思いますよ?意外と機能的ですし、露出が激しい点を除けば……』
『う、嘘だぁっ!!』
発狂したようにレナは悲鳴を上げ、まさか闘技場で数万人の衆目を浴びた仮面の女剣士の正体が母親のアイラとしって衝撃を隠せない。よりにもよって自分の母親(約40才)が露出の派手なビキニアーマーを装着して堂々と戦っていたという事実は息子として激しく動揺しても仕方がない。
『いや、本当なんです。落ち着いて聞いて下さいね?アイラさんはレナさんを救うために修行して、闘技祭に参加したんです。優勝を果たせば優勝者は各国の王族の前で表彰されるので、それを利用してレナさんの父親と対面しようと……』
『う、うわぁあああっ!!』
『あ、気をしっかり持ってください!!交信が途切れちゃいますから!?』
40代を迎える母親がビキニアーマーを装着して数万人の人間の前で姿を晒したという覆せない事実にレナは追い込まれ、あまりの羞恥心でアイリスとの交信が途切れそうになるが、どうにか踏み留まる。
『くっ……こ、殺してくれぇっ……』
『だから冷静になってくださいよ!!ほら、考えようによってはお母さんと出会えたんですよ?喜ぶべき事じゃないですか』
『俺の中の母親像は死んだけどね……』
レナの知る限りではアイラは非常に心優しく、いつも自分の味方をしてくれる立派な母親だった。しかし、再会した母親の行動にレナの中の優しい母親像が崩れ去り、この異世界に訪れて最もレナは精神的に追い詰められた気分だった。
『ほら、いつまで落ち込んでいるんですか!!自分の母親がピンチなんですよ?レナさんが助けに行くんです!!』
『そ、そうだった……でも、叔母様の方は大丈夫かな?』
『マリアの方はしばらくは大丈夫でしょう。今現在は魔獣兵を引き連れたキラウと対面しています。それよりもまずはバルとアイラの方が危険です。今のところは兵士の追跡を逃れて隠れていますが、人間よりも嗅覚が鋭い魔獣兵が近づいています』
『分かった……でも、バルと母上なら逃げ切れるんじゃないの?』
バルは現役を引退したとはいえ、未だに高ランクの冒険者に劣らぬ実力者であり、アイラに関してもゴウライを相手に正面から渡り合える実力を持っている事は間違いない。そんな二人が共にいるのならば魔獣兵が相手でも持ち応えられるのではないかとレナは考えたが、アイリスは更に付け加える。
『いえ、急いだ方がいいです。魔獣兵以外にも王妃は黒影を動かしています』
『黒影?それって確か……』
『バルトロス王国に仕える暗殺者集団です。日本の忍者のような存在ですね、表向きはアリアも黒影に所属していました』
『そういえば昔、屋敷に住んでいた時に見た書庫の資料って……』
『そうです。黒影が暗殺を実行した人間達の資料です』
幼少期、レナは書庫に忍び込んだ際に王国関係者がどのような経緯で死亡したのか記された資料を目にしている。アイリスによるとレナが見た資料は黒影が暗殺した人間達の資料らしく、王国に仕える暗殺者集団がバルとアイラの命を狙っている事を知らされる。
『偽手紙を用意してティナをレナさんの元へ送り込んだ人物ですね。こいつは「変装」のスキルを持つ王妃の側近です。レナさんが昼間に遭遇した神器使いですよ』
『あいつが?』
レナは杖型の神器を装備していた王妃の側近を思い出し、名前は「リク」という青年だった。王妃に仕えていた側近の中でも一番年齢が上であり、神器の特製を利用してレナを捕まえようとしたが、寸前でダインとゴンゾウの救援のお陰で助かった。
『ミドルの奴があいつごと俺を仕留めようとしたけど、仲でも悪いの?』
『いえ、別にそういう訳ではありません。彼等は王妃のためならば自分の命も惜しまずに行動する相手です。王妃のために行動するように教育されているので王妃に逆らう事はありません』
『怖い奴等だな……』
アイリスによればミドルも含めて王妃の側近は彼女に忠誠を誓っており、結果的に自分が命を落とす事に繋がる行動でも王妃のためならば躊躇なく実行するという。狂信者のような考え方だが良く言えば忠誠心に厚い存在とも言える。
『これからは王妃の側近と戦う時は人質に利用するなんて馬鹿な真似は止めて下さいね』
『分かってるよ……それより、結局のところは俺はどうしたらいいの?』
『まずはバルを助けましょう。現在、彼女はレナさんのお母さんと一緒に逃げ回っています』
『えっ!?母上がこの街に居るの!?』
バルがアイラと行動を共にしているという言葉にレナは驚くが、アイリスは少し言いにくそうにレナに二人の状況を伝える。
『あ~……レナさんは気付いていなかったようですけど、実は闘技祭の一回戦でゴウライと戦っていた選手の正体がアイラなんですよ。ほら、仮面を付けていた人です』
『えっ』
『いや、別に私はあの恰好は悪くないと思いますよ?意外と機能的ですし、露出が激しい点を除けば……』
『う、嘘だぁっ!!』
発狂したようにレナは悲鳴を上げ、まさか闘技場で数万人の衆目を浴びた仮面の女剣士の正体が母親のアイラとしって衝撃を隠せない。よりにもよって自分の母親(約40才)が露出の派手なビキニアーマーを装着して堂々と戦っていたという事実は息子として激しく動揺しても仕方がない。
『いや、本当なんです。落ち着いて聞いて下さいね?アイラさんはレナさんを救うために修行して、闘技祭に参加したんです。優勝を果たせば優勝者は各国の王族の前で表彰されるので、それを利用してレナさんの父親と対面しようと……』
『う、うわぁあああっ!!』
『あ、気をしっかり持ってください!!交信が途切れちゃいますから!?』
40代を迎える母親がビキニアーマーを装着して数万人の人間の前で姿を晒したという覆せない事実にレナは追い込まれ、あまりの羞恥心でアイリスとの交信が途切れそうになるが、どうにか踏み留まる。
『くっ……こ、殺してくれぇっ……』
『だから冷静になってくださいよ!!ほら、考えようによってはお母さんと出会えたんですよ?喜ぶべき事じゃないですか』
『俺の中の母親像は死んだけどね……』
レナの知る限りではアイラは非常に心優しく、いつも自分の味方をしてくれる立派な母親だった。しかし、再会した母親の行動にレナの中の優しい母親像が崩れ去り、この異世界に訪れて最もレナは精神的に追い詰められた気分だった。
『ほら、いつまで落ち込んでいるんですか!!自分の母親がピンチなんですよ?レナさんが助けに行くんです!!』
『そ、そうだった……でも、叔母様の方は大丈夫かな?』
『マリアの方はしばらくは大丈夫でしょう。今現在は魔獣兵を引き連れたキラウと対面しています。それよりもまずはバルとアイラの方が危険です。今のところは兵士の追跡を逃れて隠れていますが、人間よりも嗅覚が鋭い魔獣兵が近づいています』
『分かった……でも、バルと母上なら逃げ切れるんじゃないの?』
バルは現役を引退したとはいえ、未だに高ランクの冒険者に劣らぬ実力者であり、アイラに関してもゴウライを相手に正面から渡り合える実力を持っている事は間違いない。そんな二人が共にいるのならば魔獣兵が相手でも持ち応えられるのではないかとレナは考えたが、アイリスは更に付け加える。
『いえ、急いだ方がいいです。魔獣兵以外にも王妃は黒影を動かしています』
『黒影?それって確か……』
『バルトロス王国に仕える暗殺者集団です。日本の忍者のような存在ですね、表向きはアリアも黒影に所属していました』
『そういえば昔、屋敷に住んでいた時に見た書庫の資料って……』
『そうです。黒影が暗殺を実行した人間達の資料です』
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