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都市崩壊編
革命団
――レナとコトミンが川下に流された頃、気絶したアイラを連れて逃げ出したバルは街の時計塔にて階段を上っていた。その肩には未だに気絶したアイラを抱えており、彼女の背後には王国兵を率いていたアルトだけが追いかけていた。
「ま、待て……話を聞いて下さいっ!!」
「しつこい奴だね……何処まで付いてくる気だい!」
他の兵士達の追跡を逃れたにも関わらず、部隊の隊長のアルトだけはバルを追い続け、移動の邪魔になると判断したのか鎧を脱ぎ捨てて二人の後を追う。何処まで逃げようと追跡してくるアルトの根性だけはバルも認め、仕方なく立ち止まって彼と向き合う。
「おい、あんた!!確かアルトとか言ってたね……この都市の警備隊長だった奴だろ?」
「はあっ、はっ、そ、そうです……覚えていてくれたんですか?」
「王国兵にしては話の分かる奴だったからね」
冒険都市の警備兵を統率する立場にあるアルトの事は黒虎のギルドマスターであるバルも知っており、マリアと違ってバルはアルトの事を毛嫌いはしていない。実際に彼と都市の警備兵の一部は腐敗竜の襲撃の際にも共に戦っており、少なくとも王国兵の中では真面な人間であるとバルは認識していた。
「一体何処まで追いかける気なのかを聞いてるんだよ。あんたのお仲間はもういないんだよ?まさか一人であたしとやり合う気かい?」
「そんなつもりはありません……そもそも僕は、その人を救うために訪れたんです……」
「はあ?どういう事だい?あんた等はアイラさんを捕まえるために来たと言ってたじゃないかい」
アルトの言葉にバルは疑問を抱き、彼が冒険者ギルドに訪れたのはアイラを捕縛するためだと宣言していたを指摘すると、アルトは首を振る。
「あの場では他の兵士の目があったからそう言わざるを得なかったんです……本当ならアイラ様を安全な場所へお連れする予定でした」
「よく分からないね……どうしてあんたがアイラさんを助けようとするんだい?知り合いというわけでもないんだろ?」
「……その通りです。ですが、僕はどうしてもその御方を連れて行く必要があるんです」
「だったら理由を説明しな!!」
話を聞く限りでは自分を逮捕するために追跡してきたわけではないと判断したバルはアルトがアイラを求める理由を問うと、彼は階段の下を覗き込み、他の人間が時計塔に侵入していない事を確認してから理由を話す。
「……誰にも話さないと約束してくれますか?」
「しつこいねぇっ……もしもつまらない理由だったらぶった切るからね」
「それは勘弁してほしいな……僕は革命団の人間なんです」
「革命……団?」
聞きなれない単語にバルは訝しると、慌ててアルトは説明を行う。彼の話によると一般人の中で現在の王国の政治に不満を持った人間達が作り出した組織という。
「現在のバルトロス王国は表面上は平和ですが、腐敗竜の一件を切っ掛けに一部の人間が王国の政治に不満を抱いています。その中には不当な理由で王国から爵位を剥奪された貴族も含まれています」
「はあ?つまり、あんたらは王国に反旗を翻すつもりなのかい?そんなの旧帝国と同じじゃないかい」
「違います!!僕等はあくまでも現在の王国の政治を正すために動いているんです!!」
旧帝国は王国を滅ぼす事を目的とした組織に対し、アルトの語る「革命団」はあくまでも王国の現在の政治を改革させるために結成された組織らしく、決して王国の転覆を考えているわけではないとアルトは熱く語る。
「今現在の王国はおかしいんです!!貴方も気付いているはずでしょう?この冒険都市が腐敗竜の危機に陥った際も国王様は援軍を送らなかった事を!!」
「まあ、それは私もおかしいと思ったけど……」
「今だから話しますが、僕は腐敗竜が出現した時に何度も王都に使者を送り、援軍の要請をしたのに全て断わられました。しかも、王都からの指示は状況を見て都市を放棄し、王都へ帰還しろという命令まで下されていたんです……つまり、守るべきはずの市民を見捨てて逃走するように促されたんです!!こんなバカな話があるはずがない!!」
「何だって?」
アルトは苛立ちを隠せずに壁に拳を叩きつけ、腐敗竜が襲撃する前日に届いた王都からの指示を暴露する。当然だが正義感の強いアルトは王国の指示を無視して都市に残り、自分達を蔑んでいるはずの冒険者と協力して最後まで共に戦った。彼が兵士になったのは力がない市民を守るためであり、だからこそ現在の王国に不満を抱いていた。
「今の王国は何かがおかしい……国は民によって支えられてこそ成り立つのに、今の王国は民を只の道具としか認識していないように思えるんです」
「……道具か、確かにその通りだね」
現在のバルトロス王国は実質的に王妃が管理しているといっても過言ではなく、政治に関しても彼女が全て纏めていると言っても過言ではない。既に一般市民の間でも現在の王国の政治に違和感を抱いている人間も多く、アルトのような考え方を持った人間達が増え続けているという。
「ま、待て……話を聞いて下さいっ!!」
「しつこい奴だね……何処まで付いてくる気だい!」
他の兵士達の追跡を逃れたにも関わらず、部隊の隊長のアルトだけはバルを追い続け、移動の邪魔になると判断したのか鎧を脱ぎ捨てて二人の後を追う。何処まで逃げようと追跡してくるアルトの根性だけはバルも認め、仕方なく立ち止まって彼と向き合う。
「おい、あんた!!確かアルトとか言ってたね……この都市の警備隊長だった奴だろ?」
「はあっ、はっ、そ、そうです……覚えていてくれたんですか?」
「王国兵にしては話の分かる奴だったからね」
冒険都市の警備兵を統率する立場にあるアルトの事は黒虎のギルドマスターであるバルも知っており、マリアと違ってバルはアルトの事を毛嫌いはしていない。実際に彼と都市の警備兵の一部は腐敗竜の襲撃の際にも共に戦っており、少なくとも王国兵の中では真面な人間であるとバルは認識していた。
「一体何処まで追いかける気なのかを聞いてるんだよ。あんたのお仲間はもういないんだよ?まさか一人であたしとやり合う気かい?」
「そんなつもりはありません……そもそも僕は、その人を救うために訪れたんです……」
「はあ?どういう事だい?あんた等はアイラさんを捕まえるために来たと言ってたじゃないかい」
アルトの言葉にバルは疑問を抱き、彼が冒険者ギルドに訪れたのはアイラを捕縛するためだと宣言していたを指摘すると、アルトは首を振る。
「あの場では他の兵士の目があったからそう言わざるを得なかったんです……本当ならアイラ様を安全な場所へお連れする予定でした」
「よく分からないね……どうしてあんたがアイラさんを助けようとするんだい?知り合いというわけでもないんだろ?」
「……その通りです。ですが、僕はどうしてもその御方を連れて行く必要があるんです」
「だったら理由を説明しな!!」
話を聞く限りでは自分を逮捕するために追跡してきたわけではないと判断したバルはアルトがアイラを求める理由を問うと、彼は階段の下を覗き込み、他の人間が時計塔に侵入していない事を確認してから理由を話す。
「……誰にも話さないと約束してくれますか?」
「しつこいねぇっ……もしもつまらない理由だったらぶった切るからね」
「それは勘弁してほしいな……僕は革命団の人間なんです」
「革命……団?」
聞きなれない単語にバルは訝しると、慌ててアルトは説明を行う。彼の話によると一般人の中で現在の王国の政治に不満を持った人間達が作り出した組織という。
「現在のバルトロス王国は表面上は平和ですが、腐敗竜の一件を切っ掛けに一部の人間が王国の政治に不満を抱いています。その中には不当な理由で王国から爵位を剥奪された貴族も含まれています」
「はあ?つまり、あんたらは王国に反旗を翻すつもりなのかい?そんなの旧帝国と同じじゃないかい」
「違います!!僕等はあくまでも現在の王国の政治を正すために動いているんです!!」
旧帝国は王国を滅ぼす事を目的とした組織に対し、アルトの語る「革命団」はあくまでも王国の現在の政治を改革させるために結成された組織らしく、決して王国の転覆を考えているわけではないとアルトは熱く語る。
「今現在の王国はおかしいんです!!貴方も気付いているはずでしょう?この冒険都市が腐敗竜の危機に陥った際も国王様は援軍を送らなかった事を!!」
「まあ、それは私もおかしいと思ったけど……」
「今だから話しますが、僕は腐敗竜が出現した時に何度も王都に使者を送り、援軍の要請をしたのに全て断わられました。しかも、王都からの指示は状況を見て都市を放棄し、王都へ帰還しろという命令まで下されていたんです……つまり、守るべきはずの市民を見捨てて逃走するように促されたんです!!こんなバカな話があるはずがない!!」
「何だって?」
アルトは苛立ちを隠せずに壁に拳を叩きつけ、腐敗竜が襲撃する前日に届いた王都からの指示を暴露する。当然だが正義感の強いアルトは王国の指示を無視して都市に残り、自分達を蔑んでいるはずの冒険者と協力して最後まで共に戦った。彼が兵士になったのは力がない市民を守るためであり、だからこそ現在の王国に不満を抱いていた。
「今の王国は何かがおかしい……国は民によって支えられてこそ成り立つのに、今の王国は民を只の道具としか認識していないように思えるんです」
「……道具か、確かにその通りだね」
現在のバルトロス王国は実質的に王妃が管理しているといっても過言ではなく、政治に関しても彼女が全て纏めていると言っても過言ではない。既に一般市民の間でも現在の王国の政治に違和感を抱いている人間も多く、アルトのような考え方を持った人間達が増え続けているという。
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