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都市崩壊編
剣聖の頂点
――ゴンゾウ達がミノタウロスと交戦を開始したのと同時刻、別の場所ではシズネとゴウライは道中で遭遇する魔獣兵を一掃し、住民の避難を行っていた。
「ここは危険よ!!すぐに冒険者ギルドか南の城門に向かいなさい!!」
『魔物は我等に任せろ!!』
「あ、ありがとうございます!!」
「すまねえ……」
街の各所で魔獣兵が出没している以上は安全な場所は限られており、大量の冒険者を抱える冒険者ギルドか、あるいは南門から都市を脱出するしかない。助けられた住民達は彼女達に礼を告げて指示に従う。
「全く……状況が状況だからって、まさか貴方と力を合わせる事になるとは思わなかったわ」
『ふはははっ!!それは吾輩のセリフだぞ!!』
まさか親の仇でるゴウライと行動を共にする事にシズネは複雑な感情を抱くが、今は住民を安全な場所へ避難させる事が重要であり、この状況下でゴウライという存在は非常に心強い。
『ウギィイイイッ!!』
「う、うわあああっ!?」
「ま、また現れたぞっ!!」
逃走中の住民の前に新手の魔獣兵が出現し、それを確認したシズネとゴウライは武器を掲げて住民を守るために駆け出す。シズネは刀を構え、ゴウライは聖剣デュランダルを振り下ろす。
「刺突!!」
「ぬぅんっ!!」
『グギィイイッ!?』
最も大柄のホブゴブリンの頭部をシズネの刃が貫き、ゴウライは大剣を横薙ぎに振り払って一気に3体のホブゴブリンの上半身と下半身を両断する。剣聖の中でも1、2を誇る実力者同士を敵にした魔獣兵は抵抗する暇もなく一掃されてしまう。
「全く……切りがないわね。一体こいつら何体いるのよ?」
『どうした?もうへばったか?』
「冗談じゃないわ。この程度の事で音を上げないわよ」
『がはははっ!!その意気だ!!』
額の汗をぬぐいながらシズネは水筒を取り出して水分を補給し、その間にゴウライは倒したホブゴブリンの死骸を確認する。
『ふむ、やはりこいつらは何者かに鍛えられているな。野生のホブゴブリンも厄介な相手だ』
「それに戦う時は必ず集団で行動しているわ。単独になると戦闘を中断して逃走を始める辺り、知能も高いわ。正直、傭兵と戦っている気分だわ……」
『まさかこのような魔物と生きている間に戦えるとは……やはり人生というのは面白いな!!ふはははっ!!』
「この状況でよく笑えるわね……」
シズネは呆れた表情を浮かべながらもゴウライの様子を伺い、これまでに彼女以上の魔獣兵を打ち倒しているはずだが、一向に疲れを見せない。普段から全身を甲冑で覆った状態で激しく動き回っているだけはあって無尽蔵に存在するのではないかと思うほどの体力に関心を抱く。
(そういえばこいつの素顔、誰も見た事がないと聞いた事があるわね……只の噂だと思うけど、どんな顔をしているのかしら?)
ゴウライを倒すためにシズネは彼女に関するあらゆる情報を調べ上げたが、氷雨の創設メンバーの一人であり、バルトロス王国史上初の単独で竜種を撃退した剣士という事までしか分からなかった。ゴウライの種族、性別、家族関係に関して誰も知る者はおらず(性別に関しては一人だけ知っているが)、この際にシズネはゴウライの正体を調べようかと考えてしまう。
(噂の一説だと中身は空洞で、デュラハンのような魔物が人間社会に溶け込んでいると聞いた事があるけど……流石にそれはないわね。仮にもしもあいつの正体が死霊だとしたら……か、考えるだけで恐ろしいわね)
あまりにも強すぎるゴウライの正体を探る人間は多く、中には彼が普通の人種ではないと推理する人間も多い。しかし、当のゴウライ本人に正体を尋ねる人間は存在せず、流石のシズネも本人に問い質す事は躊躇う。
『ん?どうしたシズネよ。本当に顔色が悪いぞ、風邪か?』
「な、何でもないわよ!!それよりもあんたに聞きたいことが……」
『待て』
シズネの言葉をゴウライが途中で遮り、そんな彼の態度にシズネは眉を顰めるが、鋭い殺気を何処からか感じ取る。二人は顔を見上げると、建物の上から自分達を見下ろす人物を発見し、その姿を見たシズネは目つきを鋭くさせる。
「あれは……」
『ふむ、どうやら吾輩達の手伝いに来たわけではなさそうだな』
屋根の上に立っていた人物は飛び降りると、音も立てずに静かに地面に着地し、二人と向かい合う。外見は華奢な少女だが、その腰には異様に刀身が長い「日本刀」を装着しており、首元には「拡音石」と呼ばれる特殊な魔石のペンダントを身に付けていた。
『見つけたぞ……甲冑女』
『ハヤテか、お前は相変わらず口が悪いな』
「甲冑……えっ!?」
ゴウライとシズネの前に現れたのは氷雨の元冒険者であり、最速の剣聖と謳われた「ハヤテ」だった――
「ここは危険よ!!すぐに冒険者ギルドか南の城門に向かいなさい!!」
『魔物は我等に任せろ!!』
「あ、ありがとうございます!!」
「すまねえ……」
街の各所で魔獣兵が出没している以上は安全な場所は限られており、大量の冒険者を抱える冒険者ギルドか、あるいは南門から都市を脱出するしかない。助けられた住民達は彼女達に礼を告げて指示に従う。
「全く……状況が状況だからって、まさか貴方と力を合わせる事になるとは思わなかったわ」
『ふはははっ!!それは吾輩のセリフだぞ!!』
まさか親の仇でるゴウライと行動を共にする事にシズネは複雑な感情を抱くが、今は住民を安全な場所へ避難させる事が重要であり、この状況下でゴウライという存在は非常に心強い。
『ウギィイイイッ!!』
「う、うわあああっ!?」
「ま、また現れたぞっ!!」
逃走中の住民の前に新手の魔獣兵が出現し、それを確認したシズネとゴウライは武器を掲げて住民を守るために駆け出す。シズネは刀を構え、ゴウライは聖剣デュランダルを振り下ろす。
「刺突!!」
「ぬぅんっ!!」
『グギィイイッ!?』
最も大柄のホブゴブリンの頭部をシズネの刃が貫き、ゴウライは大剣を横薙ぎに振り払って一気に3体のホブゴブリンの上半身と下半身を両断する。剣聖の中でも1、2を誇る実力者同士を敵にした魔獣兵は抵抗する暇もなく一掃されてしまう。
「全く……切りがないわね。一体こいつら何体いるのよ?」
『どうした?もうへばったか?』
「冗談じゃないわ。この程度の事で音を上げないわよ」
『がはははっ!!その意気だ!!』
額の汗をぬぐいながらシズネは水筒を取り出して水分を補給し、その間にゴウライは倒したホブゴブリンの死骸を確認する。
『ふむ、やはりこいつらは何者かに鍛えられているな。野生のホブゴブリンも厄介な相手だ』
「それに戦う時は必ず集団で行動しているわ。単独になると戦闘を中断して逃走を始める辺り、知能も高いわ。正直、傭兵と戦っている気分だわ……」
『まさかこのような魔物と生きている間に戦えるとは……やはり人生というのは面白いな!!ふはははっ!!』
「この状況でよく笑えるわね……」
シズネは呆れた表情を浮かべながらもゴウライの様子を伺い、これまでに彼女以上の魔獣兵を打ち倒しているはずだが、一向に疲れを見せない。普段から全身を甲冑で覆った状態で激しく動き回っているだけはあって無尽蔵に存在するのではないかと思うほどの体力に関心を抱く。
(そういえばこいつの素顔、誰も見た事がないと聞いた事があるわね……只の噂だと思うけど、どんな顔をしているのかしら?)
ゴウライを倒すためにシズネは彼女に関するあらゆる情報を調べ上げたが、氷雨の創設メンバーの一人であり、バルトロス王国史上初の単独で竜種を撃退した剣士という事までしか分からなかった。ゴウライの種族、性別、家族関係に関して誰も知る者はおらず(性別に関しては一人だけ知っているが)、この際にシズネはゴウライの正体を調べようかと考えてしまう。
(噂の一説だと中身は空洞で、デュラハンのような魔物が人間社会に溶け込んでいると聞いた事があるけど……流石にそれはないわね。仮にもしもあいつの正体が死霊だとしたら……か、考えるだけで恐ろしいわね)
あまりにも強すぎるゴウライの正体を探る人間は多く、中には彼が普通の人種ではないと推理する人間も多い。しかし、当のゴウライ本人に正体を尋ねる人間は存在せず、流石のシズネも本人に問い質す事は躊躇う。
『ん?どうしたシズネよ。本当に顔色が悪いぞ、風邪か?』
「な、何でもないわよ!!それよりもあんたに聞きたいことが……」
『待て』
シズネの言葉をゴウライが途中で遮り、そんな彼の態度にシズネは眉を顰めるが、鋭い殺気を何処からか感じ取る。二人は顔を見上げると、建物の上から自分達を見下ろす人物を発見し、その姿を見たシズネは目つきを鋭くさせる。
「あれは……」
『ふむ、どうやら吾輩達の手伝いに来たわけではなさそうだな』
屋根の上に立っていた人物は飛び降りると、音も立てずに静かに地面に着地し、二人と向かい合う。外見は華奢な少女だが、その腰には異様に刀身が長い「日本刀」を装着しており、首元には「拡音石」と呼ばれる特殊な魔石のペンダントを身に付けていた。
『見つけたぞ……甲冑女』
『ハヤテか、お前は相変わらず口が悪いな』
「甲冑……えっ!?」
ゴウライとシズネの前に現れたのは氷雨の元冒険者であり、最速の剣聖と謳われた「ハヤテ」だった――
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