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都市崩壊編
アルミナ再び
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「ティナのお陰で助かったよ。頭を撫でてあげよう」
「わ~いっ!!」
「レナ、私も頑張った」
「分かった分かった、コトミンもおいで」
「わぁいっ」
子供をあやすようにティナとコトミンの頭を撫でながらレナはタザンに振り返り、足首に取り付けられている拘束具を調べる。デザインは髑髏の紋様が刻まれている銀色の足輪としか表現できず、観察眼の能力を発動させると驚くべき事に輪の内側には棘状の突起が存在し、タザンの皮膚を貫いて食い込んでいた。
「なにこれ?拘束具というか、拷問器具みたいだけど……」
「それになんか嫌な感じがしますね……多分、魔道具の類だと思いますけど」
「とりあえず、外してみるか……」
見ているだけでも痛々しいのでレナはタザンの足に食い込んだ拘束具を外そうとするが、接合部は存在するのだがどれだけ力を込めて外れる様子はなく、逆に皮膚に食い込んでいる突起の部分が深く突き刺さってしまう。
「くっ……外れないな。それに触れているだけでなんか気分が悪くなったような気がする」
「無理やり外そうとするとこの人の皮膚が抉れそうですね。兄貴の剣で上手く足輪の部分だけ切れないんですか?」
「流石にそこまでの技量は俺にはない。鍵穴も見つからないし、仕方ないから能力で外すか」
錬金術師の「形状高速変化」と「物質変換」の能力を利用してレナは足輪を掴み、まずは皮膚に突き刺さっている突起物を変形させて皮膚から引き抜く。更に物質変換の能力で接合部の金属を粘土のように変化させ、力尽くで引き剥がす。
「よし、やっと離れた……こいつは何なんだろう?」
「ちょっと見せて貰えますか?」
レナが回収した足輪を観察していると、エリナが掌を差し出して自分が調べようとする。そんな彼女にレナは足輪を渡そうとした瞬間、エリナの背後に存在する建物の屋根の上に人影が視界に移った。
「氷弾」
「危ないっ!!」
「うわっ!?」
咄嗟にレナはエリナを突き飛ばすと、上空から拳銃の弾丸を想像させる大きさの氷塊が接近し、弾丸のように高速回転しながらレナの足元の地面に減り込む。レナは攻撃を仕掛けた人物を睨みつけると、笑みを浮かべながら杖を掲げる。
「やっと見つけたよ。探すのに随分と苦労したよ」
「え、ちょっ……誰っすか?」
「そ、そんなところにいると危ないよ~?」
「……パンツ見えそう」
建物の屋根に存在したのはレナが先ほど撒いたはずの「アルミナ」が立っており、彼女の傍には氷塊の魔法で生成したと思われるボード状の氷の板が存在した。どうやら生成した氷板に乗ってここまで移動してきたらしく、実際にアルミアは氷板に乗り込んでゆっくりと屋根から地上へと下降して降り立つ。
「さあ、勝負の再開だ。次はさっきのような煙幕で逃げられると思わない方がいいね」
「ちっ……バレたか」
両手を後ろに隠して先ほどのように「闇夜」と「風圧」の魔法で煙幕を張ろうとしていたレナは舌打ちし、仕方なく腰に装着している反鏡剣に手を伸ばす。しかし、アルミナもレナの所有する反鏡剣については知っていたのか、余裕の笑みを保ちながら杖を構える。
「そんな剣で僕の魔法に対抗できると思うのかい?」
魔法を跳ね返す性質を持つ反鏡剣ではあるが、氷塊の魔法で生み出した氷は実体が存在するので他の魔法のように上手く跳ね返す事は出来ない。火炎や電撃ならば剣で切り裂くことは出来ても物量が存在する氷を弾き返す事は難しい。
「……あんた、確かアルミナと言ったよな。どうして俺にそこまで拘る?王妃に雇われたから?」
「まあ、君を捕まえるように依頼されているのは事実だが……個人的に君の事が気になっているからさ」
「えっ?」
「むっ……」
アルミナの言葉にコトミンが反応してレナの傍に近寄り、自分の物だとばかりに抱き着く。そんな彼女の反応にアルミナは笑い声をあげる。
「安心してくれ、僕が抱いた興味というのは別に恋愛関係ではない……強いて言えば同族意識とでも言えばいいかな」
「同族意識?」
「君の噂はよく聞くよ。なんでも初級魔法を変わった方法で利用するってね……実際に試合で見せた君の魔法は僕も感心させられたよ。まさか僕も知らない初級魔法の扱い方を知っている人間が居るとは思わなかった」
初級魔術師であるアルミナは職業上の問題で初級魔法しか扱えず、彼女は幼少の頃から初級魔法の応用法を編み出していた。普通の魔術師のように攻撃能力に優れた「砲撃魔法」は覚えられないが、様々な実験を繰り返して攻撃能力が低いと呼ばれる初級魔法でも応用すれば十分に優れた効果を発揮すると信じていた。
実際にアルミナの予想通りに初級魔法には他の魔法には存在しない「万能性」があり、彼女の生み出した魔法は普通の魔術師では到底真似出来ず、様々な効果をもたらしてきた。何時しか彼女は初級魔法の全てを極めたと思い込んでいたが、試合で見せたレナの初級魔法の応用に関しては彼女でさえも考えられなかった方法で戦闘を行う彼に強い興味を抱く。
「わ~いっ!!」
「レナ、私も頑張った」
「分かった分かった、コトミンもおいで」
「わぁいっ」
子供をあやすようにティナとコトミンの頭を撫でながらレナはタザンに振り返り、足首に取り付けられている拘束具を調べる。デザインは髑髏の紋様が刻まれている銀色の足輪としか表現できず、観察眼の能力を発動させると驚くべき事に輪の内側には棘状の突起が存在し、タザンの皮膚を貫いて食い込んでいた。
「なにこれ?拘束具というか、拷問器具みたいだけど……」
「それになんか嫌な感じがしますね……多分、魔道具の類だと思いますけど」
「とりあえず、外してみるか……」
見ているだけでも痛々しいのでレナはタザンの足に食い込んだ拘束具を外そうとするが、接合部は存在するのだがどれだけ力を込めて外れる様子はなく、逆に皮膚に食い込んでいる突起の部分が深く突き刺さってしまう。
「くっ……外れないな。それに触れているだけでなんか気分が悪くなったような気がする」
「無理やり外そうとするとこの人の皮膚が抉れそうですね。兄貴の剣で上手く足輪の部分だけ切れないんですか?」
「流石にそこまでの技量は俺にはない。鍵穴も見つからないし、仕方ないから能力で外すか」
錬金術師の「形状高速変化」と「物質変換」の能力を利用してレナは足輪を掴み、まずは皮膚に突き刺さっている突起物を変形させて皮膚から引き抜く。更に物質変換の能力で接合部の金属を粘土のように変化させ、力尽くで引き剥がす。
「よし、やっと離れた……こいつは何なんだろう?」
「ちょっと見せて貰えますか?」
レナが回収した足輪を観察していると、エリナが掌を差し出して自分が調べようとする。そんな彼女にレナは足輪を渡そうとした瞬間、エリナの背後に存在する建物の屋根の上に人影が視界に移った。
「氷弾」
「危ないっ!!」
「うわっ!?」
咄嗟にレナはエリナを突き飛ばすと、上空から拳銃の弾丸を想像させる大きさの氷塊が接近し、弾丸のように高速回転しながらレナの足元の地面に減り込む。レナは攻撃を仕掛けた人物を睨みつけると、笑みを浮かべながら杖を掲げる。
「やっと見つけたよ。探すのに随分と苦労したよ」
「え、ちょっ……誰っすか?」
「そ、そんなところにいると危ないよ~?」
「……パンツ見えそう」
建物の屋根に存在したのはレナが先ほど撒いたはずの「アルミナ」が立っており、彼女の傍には氷塊の魔法で生成したと思われるボード状の氷の板が存在した。どうやら生成した氷板に乗ってここまで移動してきたらしく、実際にアルミアは氷板に乗り込んでゆっくりと屋根から地上へと下降して降り立つ。
「さあ、勝負の再開だ。次はさっきのような煙幕で逃げられると思わない方がいいね」
「ちっ……バレたか」
両手を後ろに隠して先ほどのように「闇夜」と「風圧」の魔法で煙幕を張ろうとしていたレナは舌打ちし、仕方なく腰に装着している反鏡剣に手を伸ばす。しかし、アルミナもレナの所有する反鏡剣については知っていたのか、余裕の笑みを保ちながら杖を構える。
「そんな剣で僕の魔法に対抗できると思うのかい?」
魔法を跳ね返す性質を持つ反鏡剣ではあるが、氷塊の魔法で生み出した氷は実体が存在するので他の魔法のように上手く跳ね返す事は出来ない。火炎や電撃ならば剣で切り裂くことは出来ても物量が存在する氷を弾き返す事は難しい。
「……あんた、確かアルミナと言ったよな。どうして俺にそこまで拘る?王妃に雇われたから?」
「まあ、君を捕まえるように依頼されているのは事実だが……個人的に君の事が気になっているからさ」
「えっ?」
「むっ……」
アルミナの言葉にコトミンが反応してレナの傍に近寄り、自分の物だとばかりに抱き着く。そんな彼女の反応にアルミナは笑い声をあげる。
「安心してくれ、僕が抱いた興味というのは別に恋愛関係ではない……強いて言えば同族意識とでも言えばいいかな」
「同族意識?」
「君の噂はよく聞くよ。なんでも初級魔法を変わった方法で利用するってね……実際に試合で見せた君の魔法は僕も感心させられたよ。まさか僕も知らない初級魔法の扱い方を知っている人間が居るとは思わなかった」
初級魔術師であるアルミナは職業上の問題で初級魔法しか扱えず、彼女は幼少の頃から初級魔法の応用法を編み出していた。普通の魔術師のように攻撃能力に優れた「砲撃魔法」は覚えられないが、様々な実験を繰り返して攻撃能力が低いと呼ばれる初級魔法でも応用すれば十分に優れた効果を発揮すると信じていた。
実際にアルミナの予想通りに初級魔法には他の魔法には存在しない「万能性」があり、彼女の生み出した魔法は普通の魔術師では到底真似出来ず、様々な効果をもたらしてきた。何時しか彼女は初級魔法の全てを極めたと思い込んでいたが、試合で見せたレナの初級魔法の応用に関しては彼女でさえも考えられなかった方法で戦闘を行う彼に強い興味を抱く。
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