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都市崩壊編
地竜討伐戦 その2
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『オアアアアッ!!』
地竜は自分の足元に現れた3人組に向けて右前脚を振り翳し、圧倒的な質量で押し潰そうとした。だが、リンダは前に出ると頭上に両手を構え、自分の得意とする「発徑」と「回し受け」の戦技を組み合わせた複合戦技を発動させる。
「円徑!!」
『ウオッ……!?』
恐らくは体重差が数百倍は存在する地竜の攻撃に対し、円を描くような動作でリンダは頭上から振り下ろされた前脚を弾き、別方向に軌道を変更させる。その光景にアルミナは目を奪われ、エリナも冷や汗を流す。
「ひえっ……流石はリンダの姉さん」
「あの巨体差で攻撃を受け流すとは……だが」
『オオオッ……!!』
攻撃を弾かれた地竜は今度は反対の前脚を横薙ぎに振り払い、3人を薙ぎ払おうとした。それに対して今度はアカイが前に出ると、両腕を交差させて全身に竜巻を身に纏う。密封された地下空間とは異なり、地上ならば精霊魔法の本来の力を扱えるため、即座にアカイを中心に風の精霊が集まり、彼の肉体を竜巻が覆う。
「うおおおおっ!!」
『オアアッ……!?』
今度は側面から迫りくる地竜の攻撃をアカイが生み出した「嵐鎧」によって発生した竜巻が跳ね返し、地竜は体勢を崩して傍に存在した建物を巻き込んで倒れこむ。その光景を確認したシュンは剣を引き抜き、倒れた地竜に向けて駆け出すと、刀身が半ばで折れた剣を振り翳す。
「喰らえ化物がっ!!」
『ッ……!?』
シュンが剣を振るう度に風の斬撃が放たれ、地竜の顔面を切りつける。だが、硬い外殻で全身を覆い込んだ地竜の肉体には掠り傷程度の効果しか与えられず、致命傷には至らない。それでもシュンは攻撃を止めずに一か所に集中して斬撃を繰り出す。
「塵も積もれば……山となるってな!!」
『オオンッ……!?』
全く同じ個所に斬撃を幾度も与える事で損傷を蓄積させ、遂には地竜の額に亀裂が生じた。その様子を確認したアルミナは好機と判断し、両手を構えて魔法の準備を行う。
「離れてくれ!!魔法を撃ち込む!!」
「ちっ、外すなよ!!」
アルミナの言葉にシュンは距離を取ると、彼女は杖を構えてこれまでに最大級の「螺旋氷弾」を誕生させ、地竜の罅割れた顔面に向けて放つ。
「これで……止めだ!!」
巨大な氷塊の砲弾が杖先から発射され、地竜の頭部に接近した瞬間、螺旋氷弾が衝突する寸前に地竜の首が甲羅の中に引っ込み、攻撃を回避した。
「何っ!?」
「避けられた!?」
「もう本物の亀じゃないっすか!?」
『ウオオッ……!!』
甲羅の中に一時的に頭部を避難させた地竜は攻撃を回避すると起き上がり、顎を大きく開く。口内に飲み込んでいた瓦礫を再び吐き出すのかとアルミナは警戒したが、地竜は咆哮を想像させる大声を放つのと同時に強烈な衝撃波を放つ。
――アアアアアアアッ……!!
凄まじい轟音が街中に響き渡り、同時に衝撃波が周囲に拡散し、アルミナ達に襲い掛かる。その威力は建物を崩壊させ、地竜の付近に存在したアルミナ達を吹き飛ばす。
「うわぁああっ!?」
「きゃああっ!?」
「ぐああっ!?」
「ぐぅっ……お前達!?」
嵐鎧で全身を防御させていたアカイはどうにか衝撃波に耐え切ったが、他の者は抵抗も出来ずに衝撃波を受けてしまい、空中を浮上していたアルミナとエリナに至っては地上に落下してしまう。アカイは二人を救出するために動こうとしたが、そんな彼の頭上から地竜の大きな顎が叩きつけられた。
「ガアアッ!!」
「ぐおおっ!?」
上空から押し付けられた顎によってアカイは真面に防御も出来ずに地面に叩きつけられ、その間にもアルミナとエリナは地上に接近する。どちらも完全に意識を失っているので魔法で落下速度を和らげる事も出来ず、そのまま地面に墜落しようとした時に二人に近づく人影が存在した。
「ぬんっ!!」
「危ないでござる!!」
地面に当たる寸前、黒装束に着替えたハンゾウとカゲマルが二人を受け止める事に成功し、救助に成功した。その一方で吹き飛ばされたリンダとシュンの元にゴンゾウとジャンヌが二人を抱きかかえていた。
「おい、生きているか?」
「うっ……」
「大丈夫ですかシュンさん!?」
「どうにか、な……」
ゴンゾウに抱えられたリンダは意識を失っていたが命に別状はなく、同じギルドの冒険者であるジャンヌに抱えられた脇腹に瓦礫の破片が突き刺さっていた。どちらも急いで治療する必要があり、エリナとアルミナも危険な状態で間違いなく、全員が早急に治療を行わなければ命は危うい状態だった。
『ウオオオオッ……!!』
しかし、地竜は彼等を逃すつもりはなく、今度は新たに現れたゴンゾウ達を標的と定めて睨みつける。その圧倒的な迫力に全員が冷や汗を流し、真面に戦って勝てる相手ではない事は即座に理解した。
「これ程の大物、滅多に出会えないな。俺が時間を稼ぐ、その間にお前達は先に逃げてくれ」
「ゴンゾウ殿の力を信じない訳ではないでござるが、幾らなんでも相手が悪すぎるでござる。ここは拙者達に任せて欲しいでござるよ」
「うむ、時間稼ぎ程度ならば我々だけで十分だ」
ゴンゾウが自分を囮にして残ろうとしたが、先にハンゾウとカゲマルが動く。
地竜は自分の足元に現れた3人組に向けて右前脚を振り翳し、圧倒的な質量で押し潰そうとした。だが、リンダは前に出ると頭上に両手を構え、自分の得意とする「発徑」と「回し受け」の戦技を組み合わせた複合戦技を発動させる。
「円徑!!」
『ウオッ……!?』
恐らくは体重差が数百倍は存在する地竜の攻撃に対し、円を描くような動作でリンダは頭上から振り下ろされた前脚を弾き、別方向に軌道を変更させる。その光景にアルミナは目を奪われ、エリナも冷や汗を流す。
「ひえっ……流石はリンダの姉さん」
「あの巨体差で攻撃を受け流すとは……だが」
『オオオッ……!!』
攻撃を弾かれた地竜は今度は反対の前脚を横薙ぎに振り払い、3人を薙ぎ払おうとした。それに対して今度はアカイが前に出ると、両腕を交差させて全身に竜巻を身に纏う。密封された地下空間とは異なり、地上ならば精霊魔法の本来の力を扱えるため、即座にアカイを中心に風の精霊が集まり、彼の肉体を竜巻が覆う。
「うおおおおっ!!」
『オアアッ……!?』
今度は側面から迫りくる地竜の攻撃をアカイが生み出した「嵐鎧」によって発生した竜巻が跳ね返し、地竜は体勢を崩して傍に存在した建物を巻き込んで倒れこむ。その光景を確認したシュンは剣を引き抜き、倒れた地竜に向けて駆け出すと、刀身が半ばで折れた剣を振り翳す。
「喰らえ化物がっ!!」
『ッ……!?』
シュンが剣を振るう度に風の斬撃が放たれ、地竜の顔面を切りつける。だが、硬い外殻で全身を覆い込んだ地竜の肉体には掠り傷程度の効果しか与えられず、致命傷には至らない。それでもシュンは攻撃を止めずに一か所に集中して斬撃を繰り出す。
「塵も積もれば……山となるってな!!」
『オオンッ……!?』
全く同じ個所に斬撃を幾度も与える事で損傷を蓄積させ、遂には地竜の額に亀裂が生じた。その様子を確認したアルミナは好機と判断し、両手を構えて魔法の準備を行う。
「離れてくれ!!魔法を撃ち込む!!」
「ちっ、外すなよ!!」
アルミナの言葉にシュンは距離を取ると、彼女は杖を構えてこれまでに最大級の「螺旋氷弾」を誕生させ、地竜の罅割れた顔面に向けて放つ。
「これで……止めだ!!」
巨大な氷塊の砲弾が杖先から発射され、地竜の頭部に接近した瞬間、螺旋氷弾が衝突する寸前に地竜の首が甲羅の中に引っ込み、攻撃を回避した。
「何っ!?」
「避けられた!?」
「もう本物の亀じゃないっすか!?」
『ウオオッ……!!』
甲羅の中に一時的に頭部を避難させた地竜は攻撃を回避すると起き上がり、顎を大きく開く。口内に飲み込んでいた瓦礫を再び吐き出すのかとアルミナは警戒したが、地竜は咆哮を想像させる大声を放つのと同時に強烈な衝撃波を放つ。
――アアアアアアアッ……!!
凄まじい轟音が街中に響き渡り、同時に衝撃波が周囲に拡散し、アルミナ達に襲い掛かる。その威力は建物を崩壊させ、地竜の付近に存在したアルミナ達を吹き飛ばす。
「うわぁああっ!?」
「きゃああっ!?」
「ぐああっ!?」
「ぐぅっ……お前達!?」
嵐鎧で全身を防御させていたアカイはどうにか衝撃波に耐え切ったが、他の者は抵抗も出来ずに衝撃波を受けてしまい、空中を浮上していたアルミナとエリナに至っては地上に落下してしまう。アカイは二人を救出するために動こうとしたが、そんな彼の頭上から地竜の大きな顎が叩きつけられた。
「ガアアッ!!」
「ぐおおっ!?」
上空から押し付けられた顎によってアカイは真面に防御も出来ずに地面に叩きつけられ、その間にもアルミナとエリナは地上に接近する。どちらも完全に意識を失っているので魔法で落下速度を和らげる事も出来ず、そのまま地面に墜落しようとした時に二人に近づく人影が存在した。
「ぬんっ!!」
「危ないでござる!!」
地面に当たる寸前、黒装束に着替えたハンゾウとカゲマルが二人を受け止める事に成功し、救助に成功した。その一方で吹き飛ばされたリンダとシュンの元にゴンゾウとジャンヌが二人を抱きかかえていた。
「おい、生きているか?」
「うっ……」
「大丈夫ですかシュンさん!?」
「どうにか、な……」
ゴンゾウに抱えられたリンダは意識を失っていたが命に別状はなく、同じギルドの冒険者であるジャンヌに抱えられた脇腹に瓦礫の破片が突き刺さっていた。どちらも急いで治療する必要があり、エリナとアルミナも危険な状態で間違いなく、全員が早急に治療を行わなければ命は危うい状態だった。
『ウオオオオッ……!!』
しかし、地竜は彼等を逃すつもりはなく、今度は新たに現れたゴンゾウ達を標的と定めて睨みつける。その圧倒的な迫力に全員が冷や汗を流し、真面に戦って勝てる相手ではない事は即座に理解した。
「これ程の大物、滅多に出会えないな。俺が時間を稼ぐ、その間にお前達は先に逃げてくれ」
「ゴンゾウ殿の力を信じない訳ではないでござるが、幾らなんでも相手が悪すぎるでござる。ここは拙者達に任せて欲しいでござるよ」
「うむ、時間稼ぎ程度ならば我々だけで十分だ」
ゴンゾウが自分を囮にして残ろうとしたが、先にハンゾウとカゲマルが動く。
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