文字の大きさ
大
中
小
371 / 2,093
都市崩壊編
地竜討伐戦 その2
『オアアアアッ!!』
地竜は自分の足元に現れた3人組に向けて右前脚を振り翳し、圧倒的な質量で押し潰そうとした。だが、リンダは前に出ると頭上に両手を構え、自分の得意とする「発徑」と「回し受け」の戦技を組み合わせた複合戦技を発動させる。
「円徑!!」
『ウオッ……!?』
恐らくは体重差が数百倍は存在する地竜の攻撃に対し、円を描くような動作でリンダは頭上から振り下ろされた前脚を弾き、別方向に軌道を変更させる。その光景にアルミナは目を奪われ、エリナも冷や汗を流す。
「ひえっ……流石はリンダの姉さん」
「あの巨体差で攻撃を受け流すとは……だが」
『オオオッ……!!』
攻撃を弾かれた地竜は今度は反対の前脚を横薙ぎに振り払い、3人を薙ぎ払おうとした。それに対して今度はアカイが前に出ると、両腕を交差させて全身に竜巻を身に纏う。密封された地下空間とは異なり、地上ならば精霊魔法の本来の力を扱えるため、即座にアカイを中心に風の精霊が集まり、彼の肉体を竜巻が覆う。
「うおおおおっ!!」
『オアアッ……!?』
今度は側面から迫りくる地竜の攻撃をアカイが生み出した「嵐鎧」によって発生した竜巻が跳ね返し、地竜は体勢を崩して傍に存在した建物を巻き込んで倒れこむ。その光景を確認したシュンは剣を引き抜き、倒れた地竜に向けて駆け出すと、刀身が半ばで折れた剣を振り翳す。
「喰らえ化物がっ!!」
『ッ……!?』
シュンが剣を振るう度に風の斬撃が放たれ、地竜の顔面を切りつける。だが、硬い外殻で全身を覆い込んだ地竜の肉体には掠り傷程度の効果しか与えられず、致命傷には至らない。それでもシュンは攻撃を止めずに一か所に集中して斬撃を繰り出す。
「塵も積もれば……山となるってな!!」
『オオンッ……!?』
全く同じ個所に斬撃を幾度も与える事で損傷を蓄積させ、遂には地竜の額に亀裂が生じた。その様子を確認したアルミナは好機と判断し、両手を構えて魔法の準備を行う。
「離れてくれ!!魔法を撃ち込む!!」
「ちっ、外すなよ!!」
アルミナの言葉にシュンは距離を取ると、彼女は杖を構えてこれまでに最大級の「螺旋氷弾」を誕生させ、地竜の罅割れた顔面に向けて放つ。
「これで……止めだ!!」
巨大な氷塊の砲弾が杖先から発射され、地竜の頭部に接近した瞬間、螺旋氷弾が衝突する寸前に地竜の首が甲羅の中に引っ込み、攻撃を回避した。
「何っ!?」
「避けられた!?」
「もう本物の亀じゃないっすか!?」
『ウオオッ……!!』
甲羅の中に一時的に頭部を避難させた地竜は攻撃を回避すると起き上がり、顎を大きく開く。口内に飲み込んでいた瓦礫を再び吐き出すのかとアルミナは警戒したが、地竜は咆哮を想像させる大声を放つのと同時に強烈な衝撃波を放つ。
――アアアアアアアッ……!!
凄まじい轟音が街中に響き渡り、同時に衝撃波が周囲に拡散し、アルミナ達に襲い掛かる。その威力は建物を崩壊させ、地竜の付近に存在したアルミナ達を吹き飛ばす。
「うわぁああっ!?」
「きゃああっ!?」
「ぐああっ!?」
「ぐぅっ……お前達!?」
嵐鎧で全身を防御させていたアカイはどうにか衝撃波に耐え切ったが、他の者は抵抗も出来ずに衝撃波を受けてしまい、空中を浮上していたアルミナとエリナに至っては地上に落下してしまう。アカイは二人を救出するために動こうとしたが、そんな彼の頭上から地竜の大きな顎が叩きつけられた。
「ガアアッ!!」
「ぐおおっ!?」
上空から押し付けられた顎によってアカイは真面に防御も出来ずに地面に叩きつけられ、その間にもアルミナとエリナは地上に接近する。どちらも完全に意識を失っているので魔法で落下速度を和らげる事も出来ず、そのまま地面に墜落しようとした時に二人に近づく人影が存在した。
「ぬんっ!!」
「危ないでござる!!」
地面に当たる寸前、黒装束に着替えたハンゾウとカゲマルが二人を受け止める事に成功し、救助に成功した。その一方で吹き飛ばされたリンダとシュンの元にゴンゾウとジャンヌが二人を抱きかかえていた。
「おい、生きているか?」
「うっ……」
「大丈夫ですかシュンさん!?」
「どうにか、な……」
ゴンゾウに抱えられたリンダは意識を失っていたが命に別状はなく、同じギルドの冒険者であるジャンヌに抱えられた脇腹に瓦礫の破片が突き刺さっていた。どちらも急いで治療する必要があり、エリナとアルミナも危険な状態で間違いなく、全員が早急に治療を行わなければ命は危うい状態だった。
『ウオオオオッ……!!』
しかし、地竜は彼等を逃すつもりはなく、今度は新たに現れたゴンゾウ達を標的と定めて睨みつける。その圧倒的な迫力に全員が冷や汗を流し、真面に戦って勝てる相手ではない事は即座に理解した。
「これ程の大物、滅多に出会えないな。俺が時間を稼ぐ、その間にお前達は先に逃げてくれ」
「ゴンゾウ殿の力を信じない訳ではないでござるが、幾らなんでも相手が悪すぎるでござる。ここは拙者達に任せて欲しいでござるよ」
「うむ、時間稼ぎ程度ならば我々だけで十分だ」
ゴンゾウが自分を囮にして残ろうとしたが、先にハンゾウとカゲマルが動く。
地竜は自分の足元に現れた3人組に向けて右前脚を振り翳し、圧倒的な質量で押し潰そうとした。だが、リンダは前に出ると頭上に両手を構え、自分の得意とする「発徑」と「回し受け」の戦技を組み合わせた複合戦技を発動させる。
「円徑!!」
『ウオッ……!?』
恐らくは体重差が数百倍は存在する地竜の攻撃に対し、円を描くような動作でリンダは頭上から振り下ろされた前脚を弾き、別方向に軌道を変更させる。その光景にアルミナは目を奪われ、エリナも冷や汗を流す。
「ひえっ……流石はリンダの姉さん」
「あの巨体差で攻撃を受け流すとは……だが」
『オオオッ……!!』
攻撃を弾かれた地竜は今度は反対の前脚を横薙ぎに振り払い、3人を薙ぎ払おうとした。それに対して今度はアカイが前に出ると、両腕を交差させて全身に竜巻を身に纏う。密封された地下空間とは異なり、地上ならば精霊魔法の本来の力を扱えるため、即座にアカイを中心に風の精霊が集まり、彼の肉体を竜巻が覆う。
「うおおおおっ!!」
『オアアッ……!?』
今度は側面から迫りくる地竜の攻撃をアカイが生み出した「嵐鎧」によって発生した竜巻が跳ね返し、地竜は体勢を崩して傍に存在した建物を巻き込んで倒れこむ。その光景を確認したシュンは剣を引き抜き、倒れた地竜に向けて駆け出すと、刀身が半ばで折れた剣を振り翳す。
「喰らえ化物がっ!!」
『ッ……!?』
シュンが剣を振るう度に風の斬撃が放たれ、地竜の顔面を切りつける。だが、硬い外殻で全身を覆い込んだ地竜の肉体には掠り傷程度の効果しか与えられず、致命傷には至らない。それでもシュンは攻撃を止めずに一か所に集中して斬撃を繰り出す。
「塵も積もれば……山となるってな!!」
『オオンッ……!?』
全く同じ個所に斬撃を幾度も与える事で損傷を蓄積させ、遂には地竜の額に亀裂が生じた。その様子を確認したアルミナは好機と判断し、両手を構えて魔法の準備を行う。
「離れてくれ!!魔法を撃ち込む!!」
「ちっ、外すなよ!!」
アルミナの言葉にシュンは距離を取ると、彼女は杖を構えてこれまでに最大級の「螺旋氷弾」を誕生させ、地竜の罅割れた顔面に向けて放つ。
「これで……止めだ!!」
巨大な氷塊の砲弾が杖先から発射され、地竜の頭部に接近した瞬間、螺旋氷弾が衝突する寸前に地竜の首が甲羅の中に引っ込み、攻撃を回避した。
「何っ!?」
「避けられた!?」
「もう本物の亀じゃないっすか!?」
『ウオオッ……!!』
甲羅の中に一時的に頭部を避難させた地竜は攻撃を回避すると起き上がり、顎を大きく開く。口内に飲み込んでいた瓦礫を再び吐き出すのかとアルミナは警戒したが、地竜は咆哮を想像させる大声を放つのと同時に強烈な衝撃波を放つ。
――アアアアアアアッ……!!
凄まじい轟音が街中に響き渡り、同時に衝撃波が周囲に拡散し、アルミナ達に襲い掛かる。その威力は建物を崩壊させ、地竜の付近に存在したアルミナ達を吹き飛ばす。
「うわぁああっ!?」
「きゃああっ!?」
「ぐああっ!?」
「ぐぅっ……お前達!?」
嵐鎧で全身を防御させていたアカイはどうにか衝撃波に耐え切ったが、他の者は抵抗も出来ずに衝撃波を受けてしまい、空中を浮上していたアルミナとエリナに至っては地上に落下してしまう。アカイは二人を救出するために動こうとしたが、そんな彼の頭上から地竜の大きな顎が叩きつけられた。
「ガアアッ!!」
「ぐおおっ!?」
上空から押し付けられた顎によってアカイは真面に防御も出来ずに地面に叩きつけられ、その間にもアルミナとエリナは地上に接近する。どちらも完全に意識を失っているので魔法で落下速度を和らげる事も出来ず、そのまま地面に墜落しようとした時に二人に近づく人影が存在した。
「ぬんっ!!」
「危ないでござる!!」
地面に当たる寸前、黒装束に着替えたハンゾウとカゲマルが二人を受け止める事に成功し、救助に成功した。その一方で吹き飛ばされたリンダとシュンの元にゴンゾウとジャンヌが二人を抱きかかえていた。
「おい、生きているか?」
「うっ……」
「大丈夫ですかシュンさん!?」
「どうにか、な……」
ゴンゾウに抱えられたリンダは意識を失っていたが命に別状はなく、同じギルドの冒険者であるジャンヌに抱えられた脇腹に瓦礫の破片が突き刺さっていた。どちらも急いで治療する必要があり、エリナとアルミナも危険な状態で間違いなく、全員が早急に治療を行わなければ命は危うい状態だった。
『ウオオオオッ……!!』
しかし、地竜は彼等を逃すつもりはなく、今度は新たに現れたゴンゾウ達を標的と定めて睨みつける。その圧倒的な迫力に全員が冷や汗を流し、真面に戦って勝てる相手ではない事は即座に理解した。
「これ程の大物、滅多に出会えないな。俺が時間を稼ぐ、その間にお前達は先に逃げてくれ」
「ゴンゾウ殿の力を信じない訳ではないでござるが、幾らなんでも相手が悪すぎるでござる。ここは拙者達に任せて欲しいでござるよ」
「うむ、時間稼ぎ程度ならば我々だけで十分だ」
ゴンゾウが自分を囮にして残ろうとしたが、先にハンゾウとカゲマルが動く。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ
異世界に召喚されたその日、巻き込まれた青年に俺が得るはずだったスキルを奪われた。
お詫びとしてチートスキルを授かった俺は、第二の人生くらい好きに生きようと旅に出る。
行き着いた先は、寂れた町の場末の酒場だ。
なぜか客は男ばかりだが、日雇い冒険者や恐妻家の肉屋たちとの気楽な毎日は悪くない。
……ただ一人、どう見ても貴族のような美青年がこの地味な酒場へ通ってくる理由だけは、さっぱりわからない。
「お前らツケはやめろ」
そんな穏やかな日々を送っていたはずなのに、ある日、酒場へ厄介な依頼が舞い込んできた――。
他サイトでも掲載しています。
不定期更新です。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
祝 書籍化決定!!
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
コミカライズ企画進行中です!!
3巻発売です!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&3巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(3巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
夏にはいよいよコミカライズ連載開始予定です!乞うご期待!!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)