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都市崩壊編
最悪の敵
――完全に氷像と化した地竜の巨体を見上げ、レナ達は同時に地面にへたり込む。全員が魔力を使い果たし、もう発つ事さえ出来ない程に消耗していた。しかし、竜種を倒したという確かな充実感は存在し、無意識に笑みを浮かべる。
「まさかこの年齢でこれほどの大物を相手にするとは思いませんでしたが……よくやりましたね二人とも」
「私もここまで魔力を使ったのは久しぶりよ……よくやったわねレナ」
「ううっ……一瞬だけアリアの顔が浮かんだ」
「アリア?」
魔力を使い果たした影響で3人とも体力も同時に失っており、そんなレナ達の元に離れて様子を伺っていた剣聖達が近寄る。彼等も危うくレナ達の合成魔術に巻き込まれかけ、中には身体を震わせながら鼻水を垂れ流しする人間もいた。
「おい、無事か3人とも!?」
「へっくしょん!!ま、マリア様……くしゅんっ!!」
「ご、ご無事で何よりです……」
『ふははははっ!!やったなお前達!!』
「レナ!!無事ね!?」
「大丈夫か!!」
周囲の警戒を行っていた全員が駆け寄り、レナ達の身体を抱き起す。マリアはジャンヌに肩を貸してもらい、ハヅキはシュンが肩を貸す。レナは最初はシズネが起き上げようとしたが、ゴンゾウが片腕だけで持ち上げる。
「よし、じゃあ勝利の凱旋と行こうか……と言いたいところだが、まだ問題は残ってるんだよな」
「当然よ。地竜は倒しても、まだ敵の残党は残っているはずよ」
「アルン王子の奪還もまだです。緑影を捜索に向かわせていますが……」
「王国軍の動きも気になるな。おい、誰か闘技場の様子を調べてこいよ」
「仕方あるまい……ここは儂が行こう」
「……その必要もないかも知れません」
闘技場に残っている王妃達の動向を探るためにロウガが偵察を名乗り上げるが、彼が動く前にレナの耳に聞きなれた足音が響き渡り、顔を向けるとそこにはレナの元に向けて駆け出すウルの姿が見えた。
「ウォンッ!!」
「お、お~いレナ!!」
「無事っすかぁっ!?」
「レナた~ん!!」
「レナ!!」
背中にダイン、エリナ、ティナ、コトミンを乗せたウルが姿を現すと、レナはゴンゾウの肩の上で両手を振る。どうやら地竜が死亡した事でウルも平気に動けるようになったらしく、急いで主人の元へ向かう。
「良かった、皆も無事だったんだ!!」
「お、王女様!?どうしてこちらに……」
「賑やかな子供達ね」
「全く、この緊急時にバカ騒ぎをしおって……!?」
駆けつけてくる4人と1匹を見てレナ達はすぐに駆け付けようとするが、獣人族であるロウガだけは異変を感じ取り、背後に視線を向ける。そこには氷像の上に立つ人影が存在し、その人物は完全に凍り付いた地竜の甲羅の上に存在した。
「貴様はっ――!?」
ロウガの声が響き渡り、他の人間も異変に気付いて氷像に視線を向けた瞬間、その人物は身に付けていた「身隠しのマント」を脱ぎ捨て、闘技場で見せなかった「紅色の槍」を掲げて甲羅に突き刺す。
「――地突!!」
王妃の腹心にして恐らくはバルトロス王国最強の大将軍である「ミドル」は甲羅に向けて地面を突き刺した瞬間、槍の柄が半分以上も食い込み、甲羅全体に亀裂が生じた。その光景を見たレナは目を見開き、ミドルは気合の咆哮を上げて甲羅を破壊した。
「はあああああああっ!!」
普段のミドルからは想像も出来ない雄たけびを放ちながら彼は槍を引き抜くと、その槍の先端にはレナが甲羅の内部に入り込んだ時に見つけた地竜の「核」が突き刺さっていた。死亡したかと思われた地竜だが、核その物は残されていたらしく、灰色の魔結晶を天に掲げた。
「王妃様……貴方の読み通りです」
「貴様、何の真似だ!!」
「降りやがれ!!」
『精霊よ!!』
「このっ!!」
唐突に現れたミドルに対してシュンは風の斬撃、ハヅキは風の精霊を呼び寄せ、エリナも即座に矢を放つ。だが、三方向から放たれた攻撃がミドルの元に届く前に彼の突き刺した槍の刃が地竜の核を完全に破壊した瞬間、ミドルの肉体に異変が起きる。
「ぐ、うおおおおおおっ!?」
「これは……!?」
「馬鹿なっ!?」
ミドルの全身の血管が浮き上がり、地竜の力の源と呼ぶべき核を破壊した事で彼の中に膨大な経験値が流れ込む。その直後に3人の攻撃が衝突し、ミドルの肉体に鮮血が舞う。シュンの斬撃は喉を切り裂き、エリナの矢は肩に突き刺さり、ハヅキの精霊魔法によって浮き上がった。
「ぐあっ……!?」
「くたばったか!?」
血を舞い上げながら地面に向けて落下するミドルの姿を見てシュンは声を上げるが、衝突の瞬間にミドルは目を見開き、右手のみで地面を掴む。片腕のみで逆立ちした状態に陥り、何事もないように片腕のみで跳躍して無事に着地する。
「ふうっ……はあっ……ああっ!!」
「そんなっ……!?」
確実に切り裂いたはずの喉の傷が消えており、エリナの矢を引き抜いた瞬間に傷跡の周囲の筋肉が凝縮し、やがて完全に血が止まる。自分の変化にミドル自身も戸惑ったように両手に視線を向け、やがて何かを確信したように地面に落ちていた槍を拾い上げた。
「まさかこの年齢でこれほどの大物を相手にするとは思いませんでしたが……よくやりましたね二人とも」
「私もここまで魔力を使ったのは久しぶりよ……よくやったわねレナ」
「ううっ……一瞬だけアリアの顔が浮かんだ」
「アリア?」
魔力を使い果たした影響で3人とも体力も同時に失っており、そんなレナ達の元に離れて様子を伺っていた剣聖達が近寄る。彼等も危うくレナ達の合成魔術に巻き込まれかけ、中には身体を震わせながら鼻水を垂れ流しする人間もいた。
「おい、無事か3人とも!?」
「へっくしょん!!ま、マリア様……くしゅんっ!!」
「ご、ご無事で何よりです……」
『ふははははっ!!やったなお前達!!』
「レナ!!無事ね!?」
「大丈夫か!!」
周囲の警戒を行っていた全員が駆け寄り、レナ達の身体を抱き起す。マリアはジャンヌに肩を貸してもらい、ハヅキはシュンが肩を貸す。レナは最初はシズネが起き上げようとしたが、ゴンゾウが片腕だけで持ち上げる。
「よし、じゃあ勝利の凱旋と行こうか……と言いたいところだが、まだ問題は残ってるんだよな」
「当然よ。地竜は倒しても、まだ敵の残党は残っているはずよ」
「アルン王子の奪還もまだです。緑影を捜索に向かわせていますが……」
「王国軍の動きも気になるな。おい、誰か闘技場の様子を調べてこいよ」
「仕方あるまい……ここは儂が行こう」
「……その必要もないかも知れません」
闘技場に残っている王妃達の動向を探るためにロウガが偵察を名乗り上げるが、彼が動く前にレナの耳に聞きなれた足音が響き渡り、顔を向けるとそこにはレナの元に向けて駆け出すウルの姿が見えた。
「ウォンッ!!」
「お、お~いレナ!!」
「無事っすかぁっ!?」
「レナた~ん!!」
「レナ!!」
背中にダイン、エリナ、ティナ、コトミンを乗せたウルが姿を現すと、レナはゴンゾウの肩の上で両手を振る。どうやら地竜が死亡した事でウルも平気に動けるようになったらしく、急いで主人の元へ向かう。
「良かった、皆も無事だったんだ!!」
「お、王女様!?どうしてこちらに……」
「賑やかな子供達ね」
「全く、この緊急時にバカ騒ぎをしおって……!?」
駆けつけてくる4人と1匹を見てレナ達はすぐに駆け付けようとするが、獣人族であるロウガだけは異変を感じ取り、背後に視線を向ける。そこには氷像の上に立つ人影が存在し、その人物は完全に凍り付いた地竜の甲羅の上に存在した。
「貴様はっ――!?」
ロウガの声が響き渡り、他の人間も異変に気付いて氷像に視線を向けた瞬間、その人物は身に付けていた「身隠しのマント」を脱ぎ捨て、闘技場で見せなかった「紅色の槍」を掲げて甲羅に突き刺す。
「――地突!!」
王妃の腹心にして恐らくはバルトロス王国最強の大将軍である「ミドル」は甲羅に向けて地面を突き刺した瞬間、槍の柄が半分以上も食い込み、甲羅全体に亀裂が生じた。その光景を見たレナは目を見開き、ミドルは気合の咆哮を上げて甲羅を破壊した。
「はあああああああっ!!」
普段のミドルからは想像も出来ない雄たけびを放ちながら彼は槍を引き抜くと、その槍の先端にはレナが甲羅の内部に入り込んだ時に見つけた地竜の「核」が突き刺さっていた。死亡したかと思われた地竜だが、核その物は残されていたらしく、灰色の魔結晶を天に掲げた。
「王妃様……貴方の読み通りです」
「貴様、何の真似だ!!」
「降りやがれ!!」
『精霊よ!!』
「このっ!!」
唐突に現れたミドルに対してシュンは風の斬撃、ハヅキは風の精霊を呼び寄せ、エリナも即座に矢を放つ。だが、三方向から放たれた攻撃がミドルの元に届く前に彼の突き刺した槍の刃が地竜の核を完全に破壊した瞬間、ミドルの肉体に異変が起きる。
「ぐ、うおおおおおおっ!?」
「これは……!?」
「馬鹿なっ!?」
ミドルの全身の血管が浮き上がり、地竜の力の源と呼ぶべき核を破壊した事で彼の中に膨大な経験値が流れ込む。その直後に3人の攻撃が衝突し、ミドルの肉体に鮮血が舞う。シュンの斬撃は喉を切り裂き、エリナの矢は肩に突き刺さり、ハヅキの精霊魔法によって浮き上がった。
「ぐあっ……!?」
「くたばったか!?」
血を舞い上げながら地面に向けて落下するミドルの姿を見てシュンは声を上げるが、衝突の瞬間にミドルは目を見開き、右手のみで地面を掴む。片腕のみで逆立ちした状態に陥り、何事もないように片腕のみで跳躍して無事に着地する。
「ふうっ……はあっ……ああっ!!」
「そんなっ……!?」
確実に切り裂いたはずの喉の傷が消えており、エリナの矢を引き抜いた瞬間に傷跡の周囲の筋肉が凝縮し、やがて完全に血が止まる。自分の変化にミドル自身も戸惑ったように両手に視線を向け、やがて何かを確信したように地面に落ちていた槍を拾い上げた。
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