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都市崩壊編
ロンギヌスの力
「――母様っ!?」
「がはぁっ……!?」
マリアの絶叫が響き渡り、全員の視界にレナを庇うために槍で胸元を貫かれたハヅキの姿が映し出される。彼女は自分の心臓を確実に貫いたロンギヌスを握りしめ、膝を崩す。彼女が身代わりとなったことで槍の刃はレナの顔の前で停止したが、ハヅキの血が滴り落ちて額に当たる。自分の盾となって肉体を貫かれたハヅキにレナは茫然とするが、すぐにマリアが彼女の体を抱きかかえた。
「そんなっ……何てことを!!」
「ぐぷっ……まり、あっ……」
「喋らないで!!誰か、早く治療を……!!」
「あっ……コトミン!?」
「んっ!!」
治療という言葉にレナは正気を取り戻してこの場では唯一回復魔法を扱えるコトミンの名前を呼ぶ。彼女は急いでスラミンとヒトミンを握りしめて水を吐き出させて傷口の洗浄と回復魔法を施そうとしたが、それをハヅキは止める。
「止めなさいっ……もう、間に合いません……」
「何を言っているの!?早く治療を受けてっ!?」
「駄目です……もう、何をしても無駄でしょう……」
既に心臓を貫かれた時点で回復魔法は間に合わないと判断したハヅキは自分の治療を止めさせ、顔色を青くしながらもマリアの頬に手を伸ばす。母親の行動にマリアは涙を流しながらも血塗れの掌を握りしめ、彼女を支える。
『貴様っ……婦人に手を出すとは何事だ!!』
「てめえっ……殺してやる!!」
「……やはり一筋縄では行きませんか。ですが……」
ゴウライとシュンは怒りを露わにしてミドルの元へ向かおうとした瞬間、二人が動く前にミドルは掌を構えた瞬間、ハヅキの胸元に突き刺さっていたロンギヌスが勝手に動き出す。
「その槍は返してもらいますよ」
「ああああっ!?」
「母様!?」
まるで見えない力に引き寄せられるように槍はハヅキの肉体から引き抜かれ、主人のミドルの掌に収まる。その直後、槍の刃が光り輝き、付着していたハヅキの血液を吸い上げるように刃の色が真紅に染まる。
「これは……流石ですね。このロンギヌスがここまで力を取り戻すとは……やはり、老いても歴戦の魔術師という事ですか」
「それ以上、減らず口を叩くな!!」
ミドルの言葉に怒り心頭のマリアが睨みつけ、既に魔力を使い果たしているにも関わらずに彼女は杖を構え、最大級の魔法を発動させようとした。その姿を見た人間たちは慌てて射線上から離れ、ミドルも表情を引き締めて槍を構える。
「三重魔法……ライトニングスピア!!」
「ぐうっ!?」
速効性と威力に特化した雷属性の魔法が発動させ、マリアは杖先から魔法陣を生み出すと三つの電光を放つ。自分に迫りくる雷撃に対してミドルは槍を構えた瞬間、真紅に染まった刃に引き寄せられるように光線が衝突した。
「ぐっ……うおおっ!!」
「馬鹿なっ!?」
放たれた電撃に対してロンギヌスは吸収するように全体に電流が流れ込み、ミドルは掌が火傷を起こす感覚に襲われながらも手を放さず、逆に槍を振り上げた瞬間に電撃が上空へと軌道を変更させる。恐らくは世界の中でも最高峰の魔術師であるマリアの砲撃魔法を正面から跳ね返したミドルに全員が目を見開く。
「はあっ、はっ……流石は伝説の武具、これだけの魔法を受けても傷一つ負っていない。あの方が用意してくれたわけですね」
「貴様……!!」
「おっと……今は近づかない方がいいですよ。この槍の力は魔法を吸収するだけじゃないんですから」
魔法では相性が悪いと判断したロウガが接近戦を挑もうとしたとき、先にミドルはロンギヌスを構えると、刃から電流を迸らせる。その光景を見たレナたちはロンギヌスが魔法を吸収するだけではなく、受けた魔法の力を扱えるのかと驚く。
「とはいえ、僕も流石に限界が近い。今日の所はここで引き揚げさせて貰いますよ」
「逃がすと思ってんのかてめえっ!?」
「マリア様の大切なお方にこのような事をしておいて、我々が逃がすと思っているのですか?」
「そ、そうだぞ!!いくら大将軍だからって、怖がると思うなよ!!シャドウ・バインド!!」
槍を肩に乗せて堂々と退散の宣言を行うミドルに対し、シュンとジャンヌは剣を構えて駆け出すと、同時にダインも何とか影魔法を発動させる。しかし、迫りくる二人と影に対してミドルは槍を構えると、その場で回転させて槍から迸る電流を解き放つ。
「風車」
「ぐああっ!?」
「あぐっ!?」
「うわあっ!?」
『何だと!?』
ミドルが槍を前方に向けて回転した瞬間、突風が発生して3人の身体を吹き飛ばすのと同時に電流を放ち、電撃と衝撃を同時に受けた3人は吹き飛ぶ。その様子を確認したミドルは槍を止めると、最後に自分の事を睨みつけるレナに語り掛ける。
「今日はここまでだ……だが、次に会うときは君と僕のどちらかは確実に死ぬことになるだろうね」
「お前っ……!!」
「……また会おう」
剣鬼の力を一瞬でも発動させたことで体力を消耗しているレナは立ち上がることもままならず、そんな彼の様子を見てミドルは最後に薄い笑みを浮かべ、その場を跳躍して崩壊を免れた建物の上に立ち去った。その後姿を誰もが悔し気に見つめ、今すぐに追いかけたいところだが、この場にいる全員は既に体力と魔力も消耗しているので返り討ちにされる可能性が高い。
このままミドルを逃がせば確実に良くない状況に陥ることは確かだが、今のレナ達にミドルを止めることも出来ない。今はミドルの事よりも今は心臓を貫かれたハヅキの様子を見るのが先であり、レナは振り返ると既にマリアがハヅキの肉体を地面にゆっくりと下ろしていた。
「がはぁっ……!?」
マリアの絶叫が響き渡り、全員の視界にレナを庇うために槍で胸元を貫かれたハヅキの姿が映し出される。彼女は自分の心臓を確実に貫いたロンギヌスを握りしめ、膝を崩す。彼女が身代わりとなったことで槍の刃はレナの顔の前で停止したが、ハヅキの血が滴り落ちて額に当たる。自分の盾となって肉体を貫かれたハヅキにレナは茫然とするが、すぐにマリアが彼女の体を抱きかかえた。
「そんなっ……何てことを!!」
「ぐぷっ……まり、あっ……」
「喋らないで!!誰か、早く治療を……!!」
「あっ……コトミン!?」
「んっ!!」
治療という言葉にレナは正気を取り戻してこの場では唯一回復魔法を扱えるコトミンの名前を呼ぶ。彼女は急いでスラミンとヒトミンを握りしめて水を吐き出させて傷口の洗浄と回復魔法を施そうとしたが、それをハヅキは止める。
「止めなさいっ……もう、間に合いません……」
「何を言っているの!?早く治療を受けてっ!?」
「駄目です……もう、何をしても無駄でしょう……」
既に心臓を貫かれた時点で回復魔法は間に合わないと判断したハヅキは自分の治療を止めさせ、顔色を青くしながらもマリアの頬に手を伸ばす。母親の行動にマリアは涙を流しながらも血塗れの掌を握りしめ、彼女を支える。
『貴様っ……婦人に手を出すとは何事だ!!』
「てめえっ……殺してやる!!」
「……やはり一筋縄では行きませんか。ですが……」
ゴウライとシュンは怒りを露わにしてミドルの元へ向かおうとした瞬間、二人が動く前にミドルは掌を構えた瞬間、ハヅキの胸元に突き刺さっていたロンギヌスが勝手に動き出す。
「その槍は返してもらいますよ」
「ああああっ!?」
「母様!?」
まるで見えない力に引き寄せられるように槍はハヅキの肉体から引き抜かれ、主人のミドルの掌に収まる。その直後、槍の刃が光り輝き、付着していたハヅキの血液を吸い上げるように刃の色が真紅に染まる。
「これは……流石ですね。このロンギヌスがここまで力を取り戻すとは……やはり、老いても歴戦の魔術師という事ですか」
「それ以上、減らず口を叩くな!!」
ミドルの言葉に怒り心頭のマリアが睨みつけ、既に魔力を使い果たしているにも関わらずに彼女は杖を構え、最大級の魔法を発動させようとした。その姿を見た人間たちは慌てて射線上から離れ、ミドルも表情を引き締めて槍を構える。
「三重魔法……ライトニングスピア!!」
「ぐうっ!?」
速効性と威力に特化した雷属性の魔法が発動させ、マリアは杖先から魔法陣を生み出すと三つの電光を放つ。自分に迫りくる雷撃に対してミドルは槍を構えた瞬間、真紅に染まった刃に引き寄せられるように光線が衝突した。
「ぐっ……うおおっ!!」
「馬鹿なっ!?」
放たれた電撃に対してロンギヌスは吸収するように全体に電流が流れ込み、ミドルは掌が火傷を起こす感覚に襲われながらも手を放さず、逆に槍を振り上げた瞬間に電撃が上空へと軌道を変更させる。恐らくは世界の中でも最高峰の魔術師であるマリアの砲撃魔法を正面から跳ね返したミドルに全員が目を見開く。
「はあっ、はっ……流石は伝説の武具、これだけの魔法を受けても傷一つ負っていない。あの方が用意してくれたわけですね」
「貴様……!!」
「おっと……今は近づかない方がいいですよ。この槍の力は魔法を吸収するだけじゃないんですから」
魔法では相性が悪いと判断したロウガが接近戦を挑もうとしたとき、先にミドルはロンギヌスを構えると、刃から電流を迸らせる。その光景を見たレナたちはロンギヌスが魔法を吸収するだけではなく、受けた魔法の力を扱えるのかと驚く。
「とはいえ、僕も流石に限界が近い。今日の所はここで引き揚げさせて貰いますよ」
「逃がすと思ってんのかてめえっ!?」
「マリア様の大切なお方にこのような事をしておいて、我々が逃がすと思っているのですか?」
「そ、そうだぞ!!いくら大将軍だからって、怖がると思うなよ!!シャドウ・バインド!!」
槍を肩に乗せて堂々と退散の宣言を行うミドルに対し、シュンとジャンヌは剣を構えて駆け出すと、同時にダインも何とか影魔法を発動させる。しかし、迫りくる二人と影に対してミドルは槍を構えると、その場で回転させて槍から迸る電流を解き放つ。
「風車」
「ぐああっ!?」
「あぐっ!?」
「うわあっ!?」
『何だと!?』
ミドルが槍を前方に向けて回転した瞬間、突風が発生して3人の身体を吹き飛ばすのと同時に電流を放ち、電撃と衝撃を同時に受けた3人は吹き飛ぶ。その様子を確認したミドルは槍を止めると、最後に自分の事を睨みつけるレナに語り掛ける。
「今日はここまでだ……だが、次に会うときは君と僕のどちらかは確実に死ぬことになるだろうね」
「お前っ……!!」
「……また会おう」
剣鬼の力を一瞬でも発動させたことで体力を消耗しているレナは立ち上がることもままならず、そんな彼の様子を見てミドルは最後に薄い笑みを浮かべ、その場を跳躍して崩壊を免れた建物の上に立ち去った。その後姿を誰もが悔し気に見つめ、今すぐに追いかけたいところだが、この場にいる全員は既に体力と魔力も消耗しているので返り討ちにされる可能性が高い。
このままミドルを逃がせば確実に良くない状況に陥ることは確かだが、今のレナ達にミドルを止めることも出来ない。今はミドルの事よりも今は心臓を貫かれたハヅキの様子を見るのが先であり、レナは振り返ると既にマリアがハヅキの肉体を地面にゆっくりと下ろしていた。
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