文字の大きさ
大
中
小
391 / 2,093
放浪編
何が起きたのか
「もしも~し、生きてますか~?」
「うっ……その声、ホネミンか?」
「ある意味惜しいですけど違います。貴方の愛する天使のアイリスですよ」
「アイリス……?」
耳元に聞きなれた声が響いたレナが目を覚ますと、そこには夢の世界でしか遭遇出来ないはずのアイリスの姿が存在した。どうして彼女が見えるのかとレナは驚くが、いつの間にか自分の周囲に白霧のようにぼやけた世界に存在する事に気づく。
「あれ、ここってもしかして……」
「はい、狭間の世界ですよ。あ、正確に言えばそれに模した世界なんですけどね」
「ややこしいな……つまり、夢の世界というわけか」
「そういう解釈で間違ってないです」
過去に何度か訪れた事があり、レナの夢を通して彼女は姿を見せる事が出来る。しかし、この世界にいるという事は現実のレナは意識を失っていることを意味しており、一体何が起きたのかをアイリスに尋ねる。
「アイコン、現状を報告しろ」
「誰がアイコンですか。オ〇コンと名前を合体させないでください」
「待たせたなっ!!」
「その有名な台詞も止めてください。この作品を終わらせる気ですか?」
何故か久しぶりに感じるアイリスとの邂逅にレナは雑談を行いながらも起き上がろうとすると、何故か身体が上手く動かずにアイリスの元へ倒れこむ。
「うわっ!?なんだっ?」
「いやん、そんないきなり人の胸元に飛び込むなんて……レナさんも遂に年齢相応の性欲の虜になったんですか?」
「ちゃうわい……でも、意外と大きいな」
「ああ、いやん……って、天使相手に何をしてるんですか貴方はっ」
アイリスの意外と豊かな乳房に包まれながらもレナは自分の身体を見つめ、特に異変は無いことを確認するが、何故か無重力の空間にいるように上手く身体が動かない事に気づく。以前にこちらに訪れたときは得に身体に異常はなかったが、今回は妙に身体が動きにくい。
「なんか、身体が自由に動かないんだけど……何が起きてるの?」
「その前にちょっといいですか?ああ、やっぱり……急にレナさんとの繋がりが弱まったので不思議に思っていたんですが、やっぱりこれを身に着けていましたか」
「え?どういう事?」
アイリスはレナの右腕を掴むと、彼女が掌を翳した瞬間にレナの右腕に「風の聖痕」が現れる。夢の世界でも聖痕が発言した事にレナは驚くが、アイリスは難しい表情を浮かべる。
「まさかレナさんがこの聖痕を受け継ぐ事になるとは……盲点でしたね」
「どういう意味?この聖痕のせいで俺の身体に異変が起きているの?」
「そういう事ですね。この聖痕はレナさんの物ではなく、もともとはハヅキが宿していた力です。分かりやすく言えば他人から埋め込まれた力です」
「それがどうかしたの?」
「いいですか?基本的に私がこちらの世界に干渉できるのはレナさんのような別世界の人間の魂だけです。あ、勇者のような存在は別ですけど……ともかく、この聖痕は受け継ぐ際に前の所有者の魂の一部を宿します。そのせいでレナさんの魂に影響を受けて上手く交信出来ない状態に陥っているんです」
「魂……」
レナは風の聖痕を発動させた際に脳内に響いたハヅキの言葉を思い出し、あの時の言葉は聖痕に宿っていたハヅキの魂が娘の危機を救うために伝えたのかと考える。しかし、ハヅキの声は別れを告げたので彼女の魂も完全に消えたのかと思い込んでいたが、アイリスによるとレナの宿した聖痕には未だにハヅキの魂の一部が残っているという。
「本来、聖痕を受け継ぐ儀式には順序が存在します。ですけどハヅキはその順序を無視してレナさんに聖痕を渡してしまったんです。だから変な形でハヅキの魂が未だに聖痕の中に宿っていますね」
「じゃあ、御祖母様とはまた話せるの?」
「いえ、残っているといっても魂の残滓程度です。ハヅキの意識を形成するほどの力はないでしょう。問題なのはその魂の残滓がレナさんの魂に付着していることで私との交信が上手くいかないんです」
「そうなのか……どうにもならないの?」
「時間が経過すればいずれはハヅキの魂の残滓も消えるはずです。だけど、私の予想だと一か月ぐらいは掛かると思いますね……何とかレナさんの意識だけをこの世界に呼び寄せる事が出来ましたけど、目が覚めてもしばらくは私との交信が出来ないと思ってください」
「そうなのか……なんか、最近そういう事が多いな」
昔と比べてアイリスと交信出来ない事態が多くなり、それでも夢の世界を通せば彼女と会える事だけは幸いと言える。ここでレナはやっと自分の状況を思い出し、一体何が起きたのかを彼女に問いただす。
「アイリス、俺達の何が起きた?というより、どうして途中から交信出来なくなったの?」
「う~ん……説明したいところなんですが、それほど時間に余裕はないんですよ。もうしばらくすればレナさんは現実世界で目を覚ますでしょうし」
「なら、重要な事だけでいいから教えてよ。皆は無事なの?」
「はい、それは保証します。少なくともレナさんと交流のある方々は生きてますよ……但し、かなり厄介な問題に陥っているようですが」
意味深な発言を行うアイリスにレナは疑問を抱き、普段の彼女ならばどんな質問もはっきりと答えるのに今回のアイリスはどのように説明を行えばいいのか悩んでいる様子だった。
「うっ……その声、ホネミンか?」
「ある意味惜しいですけど違います。貴方の愛する天使のアイリスですよ」
「アイリス……?」
耳元に聞きなれた声が響いたレナが目を覚ますと、そこには夢の世界でしか遭遇出来ないはずのアイリスの姿が存在した。どうして彼女が見えるのかとレナは驚くが、いつの間にか自分の周囲に白霧のようにぼやけた世界に存在する事に気づく。
「あれ、ここってもしかして……」
「はい、狭間の世界ですよ。あ、正確に言えばそれに模した世界なんですけどね」
「ややこしいな……つまり、夢の世界というわけか」
「そういう解釈で間違ってないです」
過去に何度か訪れた事があり、レナの夢を通して彼女は姿を見せる事が出来る。しかし、この世界にいるという事は現実のレナは意識を失っていることを意味しており、一体何が起きたのかをアイリスに尋ねる。
「アイコン、現状を報告しろ」
「誰がアイコンですか。オ〇コンと名前を合体させないでください」
「待たせたなっ!!」
「その有名な台詞も止めてください。この作品を終わらせる気ですか?」
何故か久しぶりに感じるアイリスとの邂逅にレナは雑談を行いながらも起き上がろうとすると、何故か身体が上手く動かずにアイリスの元へ倒れこむ。
「うわっ!?なんだっ?」
「いやん、そんないきなり人の胸元に飛び込むなんて……レナさんも遂に年齢相応の性欲の虜になったんですか?」
「ちゃうわい……でも、意外と大きいな」
「ああ、いやん……って、天使相手に何をしてるんですか貴方はっ」
アイリスの意外と豊かな乳房に包まれながらもレナは自分の身体を見つめ、特に異変は無いことを確認するが、何故か無重力の空間にいるように上手く身体が動かない事に気づく。以前にこちらに訪れたときは得に身体に異常はなかったが、今回は妙に身体が動きにくい。
「なんか、身体が自由に動かないんだけど……何が起きてるの?」
「その前にちょっといいですか?ああ、やっぱり……急にレナさんとの繋がりが弱まったので不思議に思っていたんですが、やっぱりこれを身に着けていましたか」
「え?どういう事?」
アイリスはレナの右腕を掴むと、彼女が掌を翳した瞬間にレナの右腕に「風の聖痕」が現れる。夢の世界でも聖痕が発言した事にレナは驚くが、アイリスは難しい表情を浮かべる。
「まさかレナさんがこの聖痕を受け継ぐ事になるとは……盲点でしたね」
「どういう意味?この聖痕のせいで俺の身体に異変が起きているの?」
「そういう事ですね。この聖痕はレナさんの物ではなく、もともとはハヅキが宿していた力です。分かりやすく言えば他人から埋め込まれた力です」
「それがどうかしたの?」
「いいですか?基本的に私がこちらの世界に干渉できるのはレナさんのような別世界の人間の魂だけです。あ、勇者のような存在は別ですけど……ともかく、この聖痕は受け継ぐ際に前の所有者の魂の一部を宿します。そのせいでレナさんの魂に影響を受けて上手く交信出来ない状態に陥っているんです」
「魂……」
レナは風の聖痕を発動させた際に脳内に響いたハヅキの言葉を思い出し、あの時の言葉は聖痕に宿っていたハヅキの魂が娘の危機を救うために伝えたのかと考える。しかし、ハヅキの声は別れを告げたので彼女の魂も完全に消えたのかと思い込んでいたが、アイリスによるとレナの宿した聖痕には未だにハヅキの魂の一部が残っているという。
「本来、聖痕を受け継ぐ儀式には順序が存在します。ですけどハヅキはその順序を無視してレナさんに聖痕を渡してしまったんです。だから変な形でハヅキの魂が未だに聖痕の中に宿っていますね」
「じゃあ、御祖母様とはまた話せるの?」
「いえ、残っているといっても魂の残滓程度です。ハヅキの意識を形成するほどの力はないでしょう。問題なのはその魂の残滓がレナさんの魂に付着していることで私との交信が上手くいかないんです」
「そうなのか……どうにもならないの?」
「時間が経過すればいずれはハヅキの魂の残滓も消えるはずです。だけど、私の予想だと一か月ぐらいは掛かると思いますね……何とかレナさんの意識だけをこの世界に呼び寄せる事が出来ましたけど、目が覚めてもしばらくは私との交信が出来ないと思ってください」
「そうなのか……なんか、最近そういう事が多いな」
昔と比べてアイリスと交信出来ない事態が多くなり、それでも夢の世界を通せば彼女と会える事だけは幸いと言える。ここでレナはやっと自分の状況を思い出し、一体何が起きたのかを彼女に問いただす。
「アイリス、俺達の何が起きた?というより、どうして途中から交信出来なくなったの?」
「う~ん……説明したいところなんですが、それほど時間に余裕はないんですよ。もうしばらくすればレナさんは現実世界で目を覚ますでしょうし」
「なら、重要な事だけでいいから教えてよ。皆は無事なの?」
「はい、それは保証します。少なくともレナさんと交流のある方々は生きてますよ……但し、かなり厄介な問題に陥っているようですが」
意味深な発言を行うアイリスにレナは疑問を抱き、普段の彼女ならばどんな質問もはっきりと答えるのに今回のアイリスはどのように説明を行えばいいのか悩んでいる様子だった。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『ベルンハルト・フォン・バーデンは平穏に暮らしたい』
GamaFrog男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
クラス全員で異世界召喚されたが、俺だけ教室に取り残されたのでとりあえず帰宅した
中山(ほ) クラス全員で異世界召喚されたが、先生と俺が残っていた。
魔法もチートスキルもステータス画面すら表示されない、ただの「残され損」
異世界に行けなかった俺を待っていたのは、世知辛い現実だった。
AI使用状況
GoogleのGeminiさん使ってます〜
誤字脱字チェックと調べ物お願いしてます
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。