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放浪編
監獄都市
「あんた達は囚人なのか?」
「他人事みたいに言ってんじゃねえよ!!てめえも同類だろうが!!」
「……まあ、確かに」
レナは自分の取り付けられている枷に視線を向け、不本意ではあるが自分と彼等が同じ立場であることを理解する。しかし、気になるのは何者が自分を捕まえたかであり、そもそもこの馬車は何処に向かっているのかも気にかかる。
「この馬車は何処に向かってる?」
「そんな事も知らねえのか?世界中の悪党が集まる監獄都市だ。名前ぐらいは聞いたことがあるだろ?」
「監獄……都市?」
「海獄島にも負けず劣らずの最悪の監獄だ。送り込まれる人間全員が死刑囚という世界最悪の都市だよ。ぎゃははははっ!!」
監獄都市の名前はレナも何度か聞いたことがあり、過去にバルが酒に酔っ払った時に語った事を思い出す。彼女がまだ冒険者として活躍していた頃、ある事情でバルは仲間と共に監獄都市に逃げ込んだ悪党を追ったことがある。結果を言えば悪党を捕まえる事は成功したが、同業の冒険者が数名程犠牲になったという。
『あの監獄は正に地獄だね……もう二度と立ち寄りたくはない場所さ』
怖いもの知らずと思われたバルでさえも監獄都市の事を思い出すと酔いが覚めてしまう程に恐ろしい場所らしく、そんな監獄に自分が向かっていると知ったレナはすぐに逃げ出そうとしたが、不意に枷に刻まれている紋章を見て疑問を抱く。
「この紋章は……バルトロス王国の物じゃない?」
「あ?何言ってんだ?」
「監獄都市は獣人国が管理してるんだぞ。当たり前だろうが」
「という事は……ここは獣人国の領地なのか?」
「……何言ってんだてめえは?」
「こいつ、頭イカれちまってんのか?」
囚人達の話とバルから聞いた話を思い返したレナは監獄都市はバルトロス王国の管轄下ではなく、隣国の獣人国と呼ばれる獣人族の国家が管理する都市だと知る。よくよく観察すれば乗り込んでいる囚人の殆どが獣人族であり、レナは自分が獣人国の軍隊に捕まった事を知った。
(ちょっと待て……どういう事だ?獣人国にまで飛ばされたのは分かったけど、どうして俺が捕まらなきゃならないんだ?獣人国に恨みを買うような真似をした覚えはないのに……)
バルトロス王国の領地内で捕まったのならば分からなくもないが、どうして隣国の獣人国に飛ばされただけで拘束されて囚人と共に監獄都市に送り込まれた理由が分からず、レナは馬車を運転している者に話を聞こうとした。しかし、囚人が脱走しないように設計されているのか鋼鉄製の馬車は鉄格子が取り付けられた窓しか存在せず、出入り口の扉も鋼鉄製の頑丈な扉だった。
「ねえ、ちょっと聞こえますか!?ここを開けて話を聞いてください!!」
「無駄だ。やめときな坊主……どうせ話なんか聞いちゃくれねえよ」
「くそっ……声ぐらい聞こえるだろ!!何かの間違いだ!!俺は犯罪者じゃない!!」
レナは何度も扉を叩くが馬車を運転している相手からの返事はなく、仕方なく鉄格子が取り付けられた窓を覗いて外の様子を伺う。視界に入ったのは地平線が成り立つほどの果てしない荒野が広がり、いくつかの岩山が存在するだけで他には何も見えない殺風景な光景にレナは唖然とする。
「何だここ……荒野?」
「おいおい、本当にお前ここが獣人国だと知らなかったのか?ヨツバ王国やバルトロス王国と違ってこの国は緑の自然なんて存在しねえんだよ」
基本的には草原地帯が多いバルトロス王国だが、隣国の獣人国は大部分が荒野で構成されており、領地の広さに関してはバルトロス王国に次いで広いのだが決して裕福な国とは言えない。人口は100万人程度、マモウなどの大型の魔物が住み着く国家である。
窓から離れたレナは自分が本当に獣人国に転移した事を認めざる得ず、このままでは犯罪者として監獄に送り込まれてしまうと考えたレナは咄嗟に脱出を考え、起きたばかりだが魔力は回復している事を確認すると錬金術師の能力を生かしてまずは枷を外そうとした。
(魔法金属だろうと今の俺ならこれぐらいの枷なんて……うわっ!?)
魔法耐性が存在する金属の枷だろうと「物質変換」と「形状高速変化」を身に着けているレナにとってはただの手錠と大差はなく、即座に枷を外そうとした。しかし、能力を発動させる前に馬車が停車して激しく揺れてしまい、態勢を崩したレナは出入り口の扉にもたれこむ。
「うわっ……な、何だ?」
「おっと……どうやら着いたみたいだな」
「おい、ガキ。そこにいると危ないぞ?」
「えっ?」
扉の前に倒れこんだレナに囚人達は薄気味悪い笑みを浮かべ、彼等の反応が気にかかったレナは扉に視線を向けると、外側から時間をかけて左右に扉が開かれる。
「……デロ、ツイタゾ」
現れたのはレナにとっては嫌に見覚えのある魔人族であり、全身が斑模様で療法の角が折れた「ミノタウロス」が出現した。しかも現れたミノタウロスは発音は片言ではあるが間違いなくレナ達が話す人語を発し、囚人達に外に出るように促す。
※アイリス「一気に投稿すると混乱する方もいるので明日の10時から1時間ごとに公開します(*'ω'*)」
「他人事みたいに言ってんじゃねえよ!!てめえも同類だろうが!!」
「……まあ、確かに」
レナは自分の取り付けられている枷に視線を向け、不本意ではあるが自分と彼等が同じ立場であることを理解する。しかし、気になるのは何者が自分を捕まえたかであり、そもそもこの馬車は何処に向かっているのかも気にかかる。
「この馬車は何処に向かってる?」
「そんな事も知らねえのか?世界中の悪党が集まる監獄都市だ。名前ぐらいは聞いたことがあるだろ?」
「監獄……都市?」
「海獄島にも負けず劣らずの最悪の監獄だ。送り込まれる人間全員が死刑囚という世界最悪の都市だよ。ぎゃははははっ!!」
監獄都市の名前はレナも何度か聞いたことがあり、過去にバルが酒に酔っ払った時に語った事を思い出す。彼女がまだ冒険者として活躍していた頃、ある事情でバルは仲間と共に監獄都市に逃げ込んだ悪党を追ったことがある。結果を言えば悪党を捕まえる事は成功したが、同業の冒険者が数名程犠牲になったという。
『あの監獄は正に地獄だね……もう二度と立ち寄りたくはない場所さ』
怖いもの知らずと思われたバルでさえも監獄都市の事を思い出すと酔いが覚めてしまう程に恐ろしい場所らしく、そんな監獄に自分が向かっていると知ったレナはすぐに逃げ出そうとしたが、不意に枷に刻まれている紋章を見て疑問を抱く。
「この紋章は……バルトロス王国の物じゃない?」
「あ?何言ってんだ?」
「監獄都市は獣人国が管理してるんだぞ。当たり前だろうが」
「という事は……ここは獣人国の領地なのか?」
「……何言ってんだてめえは?」
「こいつ、頭イカれちまってんのか?」
囚人達の話とバルから聞いた話を思い返したレナは監獄都市はバルトロス王国の管轄下ではなく、隣国の獣人国と呼ばれる獣人族の国家が管理する都市だと知る。よくよく観察すれば乗り込んでいる囚人の殆どが獣人族であり、レナは自分が獣人国の軍隊に捕まった事を知った。
(ちょっと待て……どういう事だ?獣人国にまで飛ばされたのは分かったけど、どうして俺が捕まらなきゃならないんだ?獣人国に恨みを買うような真似をした覚えはないのに……)
バルトロス王国の領地内で捕まったのならば分からなくもないが、どうして隣国の獣人国に飛ばされただけで拘束されて囚人と共に監獄都市に送り込まれた理由が分からず、レナは馬車を運転している者に話を聞こうとした。しかし、囚人が脱走しないように設計されているのか鋼鉄製の馬車は鉄格子が取り付けられた窓しか存在せず、出入り口の扉も鋼鉄製の頑丈な扉だった。
「ねえ、ちょっと聞こえますか!?ここを開けて話を聞いてください!!」
「無駄だ。やめときな坊主……どうせ話なんか聞いちゃくれねえよ」
「くそっ……声ぐらい聞こえるだろ!!何かの間違いだ!!俺は犯罪者じゃない!!」
レナは何度も扉を叩くが馬車を運転している相手からの返事はなく、仕方なく鉄格子が取り付けられた窓を覗いて外の様子を伺う。視界に入ったのは地平線が成り立つほどの果てしない荒野が広がり、いくつかの岩山が存在するだけで他には何も見えない殺風景な光景にレナは唖然とする。
「何だここ……荒野?」
「おいおい、本当にお前ここが獣人国だと知らなかったのか?ヨツバ王国やバルトロス王国と違ってこの国は緑の自然なんて存在しねえんだよ」
基本的には草原地帯が多いバルトロス王国だが、隣国の獣人国は大部分が荒野で構成されており、領地の広さに関してはバルトロス王国に次いで広いのだが決して裕福な国とは言えない。人口は100万人程度、マモウなどの大型の魔物が住み着く国家である。
窓から離れたレナは自分が本当に獣人国に転移した事を認めざる得ず、このままでは犯罪者として監獄に送り込まれてしまうと考えたレナは咄嗟に脱出を考え、起きたばかりだが魔力は回復している事を確認すると錬金術師の能力を生かしてまずは枷を外そうとした。
(魔法金属だろうと今の俺ならこれぐらいの枷なんて……うわっ!?)
魔法耐性が存在する金属の枷だろうと「物質変換」と「形状高速変化」を身に着けているレナにとってはただの手錠と大差はなく、即座に枷を外そうとした。しかし、能力を発動させる前に馬車が停車して激しく揺れてしまい、態勢を崩したレナは出入り口の扉にもたれこむ。
「うわっ……な、何だ?」
「おっと……どうやら着いたみたいだな」
「おい、ガキ。そこにいると危ないぞ?」
「えっ?」
扉の前に倒れこんだレナに囚人達は薄気味悪い笑みを浮かべ、彼等の反応が気にかかったレナは扉に視線を向けると、外側から時間をかけて左右に扉が開かれる。
「……デロ、ツイタゾ」
現れたのはレナにとっては嫌に見覚えのある魔人族であり、全身が斑模様で療法の角が折れた「ミノタウロス」が出現した。しかも現れたミノタウロスは発音は片言ではあるが間違いなくレナ達が話す人語を発し、囚人達に外に出るように促す。
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