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放浪編
ミスリルゴーレム
「今更怖気ついても遅いぞ!!もうお前は逃がさん!!」
『ゴゴゴゴッ……!!』
「ゴーレム……!?」
所長室の巨大な扉が変形し、目元を想像させる窪みが出現すると、眼球を想像させる赤色の二つの光が放たれる。やがて手足までもが出現し、二人の前に体長が2メートル程のゴーレムが現れた。
『ゴゴゴゴッ……!!』
「どうだ!!こいつこそが監獄都市の最強の看守、ミスリルゴーレムだ!!」
「……見た目通りの名前だな」
ミスリルと鋼鉄の合金で構成されたゴーレムがレナの前に立ちはだかり、余裕を取り戻したラルフは笑い声をあげる。過去に数種類のゴーレムを見た事があるレナだが、ミスリル製のゴーレムを見るのは初めてであり、魔法耐性が高いミスリルで構成されているので今のレナでは分が悪い相手だった。
(まさかミスリルで構成されたゴーレムまで存在するなんて……前に深淵の森で遭遇した奴等も厄介だったけど、こいつは武器無しで倒すのは難しそうだな……)
魔法耐性が高いミスリルの合金で構成されているゴーレムが相手だと合成魔術で攻撃を仕掛けても効果はあまり期待できず、かといって肉弾戦で挑めるような相手ではない。体格差や体重は明らかにミスリルゴーレムが有利のため、リンダやアイラのような本場の格闘家でなければ素手で対抗出来る相手ではない。
『ゴゴゴゴッ……?』
「ええい、何をしている!!早くその男を捕まえて懲罰房へ送り込め、この間抜けがっ!!」
「……?」
だが、通常のゴーレムよりも知能はそれほど高くはないのか姿を現したミスリルゴーレムは指示を仰ぐようにラルフの前で首を傾げ、慌ててレナを捕縛するようにラルフが命じると、ゆっくりと首を動かしてレナに視線を向ける。
『ゴゴォッ……!!』
「うわっ!?」
「ふはははっ!!この僕に逆らった罰だ……三日間は懲罰房で過ごせ!!」
ミスリルゴーレムの伸ばした指先がレナの服の裾を掴み、大人が悪戯した子供を抱えるように簡単に持ち上げる。それを見たラルフは馬鹿笑いを行うとミスリルゴーレムにレナを懲罰房へ送り込むように命じた。
『ゴゴゴゴッ……』
「ま、待て!!壁を壊すな、お前が抜け出した穴から出ていけっ……ああっ!?」
「あいてててっ!?」
だが、命令を受けたミスリルゴーレムは自分が抜け出した穴からではなく、別の位置に存在する壁を破壊して階段を上る。その際にミスリルゴーレムに引きずられる形になったレナは段差にお尻をぶつける形となり、子供の頃に悪戯をしてアリアに怒られて引きずられていたことを思い出してしまう――
――それから数十分後、階段から現れたレナを引きずって現れたミスリルゴーレムに看守のミノタウロスと兵士達は驚いたが、後ろから汗だくで追いかけてきたラルフから事情を説明されて状況を理解すると、ミスリルゴーレムも同行させてレナを懲罰房が存在する囚人の宿舎へ移送するために馬車へ乗せる。
最初の時と違い、馬車の中には看守のミノタウロスと待機の命令を下されたミスリルゴーレムと向かい合う形でレナは座り、他の囚人は既に宿舎に送り込まれているので姿は見えない。既に試験場を出発してから30分近くが経過しているが、未だに馬車は監獄都市に到着する様子はない。
「……あの、少しいいですか?」
「…………」
『ゴゴゴゴッ……』
馬車の中の沈黙に耐えかねてレナはミノタウロスとミスリルゴーレムに話しかけるが、片方は無視してもう片方はパソコンのスリープ機能のように反応を示さない。とても彼等から情報を聞き出せる様子はなく、ため息を吐きながらレナは馬車の窓から見える光景を確認する。
(見渡す限りの荒野だな……上手く脱出出来ても長距離を移動する手段を身につけないと人里に辿り着くのも難しそうだ)
馬車は延々と広がる荒野を疾走し、時折魔物の姿が見える以外に代り映えしない風景に見飽きてしまう。だが、遠目に人工物らしき物がレナの視界に映り、すぐに「遠視」と「観察眼」の技能スキルを発動させて人工物の正体を掴む。
(あれは……遺跡か?)
レナの視界に映し出されたのは古代ローマを想像させる建築物が存在し、何故か荒野に1つだけ存在する建物に疑問を抱き、同乗しているミノタウロスに質問する。
「あの、あそこにある建物は……」
「ダマレ」
「……すいません」
しかし、ミノタウロスから返ってきた反応は額に青筋を浮かべて冷たい視線で睨みつけ、不機嫌さを隠さずに一言だけ返す。この様子では情報を得られないと判断したレナは仕方なく遺跡らしき建築物を調べる事は止め、大人しく監獄都市に到着するまで待機する事にした。
(……でもあの建物、何処かで見たような気がする。そうだ、確か深淵の森にあった遺跡と似ているんだ!!)
脳裏に刻まれた建物の外見を思い返し、すぐにレナは深淵の森の奥部に存在する遺跡の建築物とデザインが似通っている事に気づく――
『ゴゴゴゴッ……!!』
「ゴーレム……!?」
所長室の巨大な扉が変形し、目元を想像させる窪みが出現すると、眼球を想像させる赤色の二つの光が放たれる。やがて手足までもが出現し、二人の前に体長が2メートル程のゴーレムが現れた。
『ゴゴゴゴッ……!!』
「どうだ!!こいつこそが監獄都市の最強の看守、ミスリルゴーレムだ!!」
「……見た目通りの名前だな」
ミスリルと鋼鉄の合金で構成されたゴーレムがレナの前に立ちはだかり、余裕を取り戻したラルフは笑い声をあげる。過去に数種類のゴーレムを見た事があるレナだが、ミスリル製のゴーレムを見るのは初めてであり、魔法耐性が高いミスリルで構成されているので今のレナでは分が悪い相手だった。
(まさかミスリルで構成されたゴーレムまで存在するなんて……前に深淵の森で遭遇した奴等も厄介だったけど、こいつは武器無しで倒すのは難しそうだな……)
魔法耐性が高いミスリルの合金で構成されているゴーレムが相手だと合成魔術で攻撃を仕掛けても効果はあまり期待できず、かといって肉弾戦で挑めるような相手ではない。体格差や体重は明らかにミスリルゴーレムが有利のため、リンダやアイラのような本場の格闘家でなければ素手で対抗出来る相手ではない。
『ゴゴゴゴッ……?』
「ええい、何をしている!!早くその男を捕まえて懲罰房へ送り込め、この間抜けがっ!!」
「……?」
だが、通常のゴーレムよりも知能はそれほど高くはないのか姿を現したミスリルゴーレムは指示を仰ぐようにラルフの前で首を傾げ、慌ててレナを捕縛するようにラルフが命じると、ゆっくりと首を動かしてレナに視線を向ける。
『ゴゴォッ……!!』
「うわっ!?」
「ふはははっ!!この僕に逆らった罰だ……三日間は懲罰房で過ごせ!!」
ミスリルゴーレムの伸ばした指先がレナの服の裾を掴み、大人が悪戯した子供を抱えるように簡単に持ち上げる。それを見たラルフは馬鹿笑いを行うとミスリルゴーレムにレナを懲罰房へ送り込むように命じた。
『ゴゴゴゴッ……』
「ま、待て!!壁を壊すな、お前が抜け出した穴から出ていけっ……ああっ!?」
「あいてててっ!?」
だが、命令を受けたミスリルゴーレムは自分が抜け出した穴からではなく、別の位置に存在する壁を破壊して階段を上る。その際にミスリルゴーレムに引きずられる形になったレナは段差にお尻をぶつける形となり、子供の頃に悪戯をしてアリアに怒られて引きずられていたことを思い出してしまう――
――それから数十分後、階段から現れたレナを引きずって現れたミスリルゴーレムに看守のミノタウロスと兵士達は驚いたが、後ろから汗だくで追いかけてきたラルフから事情を説明されて状況を理解すると、ミスリルゴーレムも同行させてレナを懲罰房が存在する囚人の宿舎へ移送するために馬車へ乗せる。
最初の時と違い、馬車の中には看守のミノタウロスと待機の命令を下されたミスリルゴーレムと向かい合う形でレナは座り、他の囚人は既に宿舎に送り込まれているので姿は見えない。既に試験場を出発してから30分近くが経過しているが、未だに馬車は監獄都市に到着する様子はない。
「……あの、少しいいですか?」
「…………」
『ゴゴゴゴッ……』
馬車の中の沈黙に耐えかねてレナはミノタウロスとミスリルゴーレムに話しかけるが、片方は無視してもう片方はパソコンのスリープ機能のように反応を示さない。とても彼等から情報を聞き出せる様子はなく、ため息を吐きながらレナは馬車の窓から見える光景を確認する。
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(あれは……遺跡か?)
レナの視界に映し出されたのは古代ローマを想像させる建築物が存在し、何故か荒野に1つだけ存在する建物に疑問を抱き、同乗しているミノタウロスに質問する。
「あの、あそこにある建物は……」
「ダマレ」
「……すいません」
しかし、ミノタウロスから返ってきた反応は額に青筋を浮かべて冷たい視線で睨みつけ、不機嫌さを隠さずに一言だけ返す。この様子では情報を得られないと判断したレナは仕方なく遺跡らしき建築物を調べる事は止め、大人しく監獄都市に到着するまで待機する事にした。
(……でもあの建物、何処かで見たような気がする。そうだ、確か深淵の森にあった遺跡と似ているんだ!!)
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