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放浪編
囚人の都市
※申し訳ありませんが、今後はミノタウロスの会話文は一部のい漢字だけ普通にします。読みにくいと思う方もいらっしゃると思うので……
遺跡らしき建物を見かけてから更に10分ほど経過すると、馬車が唐突に停止する。車内に乗り込んでいたミノタウロスが起き上がり、レナとミスリルゴーレムに声を掛ける。
「到着シタ。降リロ」
淡々と用件だけを伝えるとミノタウロスは扉を開き、外の光景が映し出された。最初にレナの視界に入ったのは巨大な灰色の防壁であり、高度が20メートルは軽く超える巨大な壁が存在した。普通の街の防壁は煉瓦で構成されているのに対し、こちらの防壁はコンクリートのような物質で構成されているのか奇妙な色合いの壁だった。
「ここが……監獄都市?」
「コッチダ。ツイテコイ」
『ゴゴッ』
「うわっ!?」
見たこともない防壁に呆然と見上げていたレナの身体をミスリルゴーレムが持ち上げ、ミノタウロスの元へ運ぶ。この時にレナは防壁の上で人影を発見する。観察眼を発動させて確認すると防壁には兵士が警備をしているらしく、大量の弓兵が配備されていた。
「ココカラサキハ、オレダケデ十分ダ。オマエハカエレ」
『ゴゴゴッ……』
「いてっ!?」
巨大な防壁の扉の前に到着するとミノタウロスはミスリルゴーレムに帰還を命じ、命令を受けたミスリルゴーレムはレナを手放す。ラルフの命令では懲罰房まで彼を送り込むように命じられたはずだが、命令を上書きされると内容を忘れてしまうのかミスリルゴーレムは徒歩で試験場へ向けて歩き始める。
「……あのロボットみたいなゴーレム、歩いて帰る気?」
「夕方マデニハ、タドリツク……ソレヨリモ、ジブンノミヲ心配シロ」
「ご親切にどうも……いてっ!?」
「コンゴ、オレトハナストキハ、ケイゴヲツカエ」
立ち上がったレナに対してミノタウロスは軽く頭を小突くと、扉の前へ連れて行く。全長が15メートルは存在する扉の前でミノタウロスは防壁の前に配備されている兵士に話しかけ、開門するように指示を出す。
「シンイリダ。ナカニイレロ」
「了解しました。おい、開門の準備だ!!急げ!!」
扉の前に立っていた兵士の一人が防壁の上に立っている兵士に合図を出すと、見張りを行っていた弓兵達が内部から扉を開く仕掛けを施しているのか姿を消し、やがて巨大な扉が内側から開かれる。
「ハヤクハイレ」
「ここが……監獄?」
防壁を潜り抜けた先に存在したのはレナが想像した監獄とは遠く掛け離れた光景が映し出され、最初に見えたのは「農場」だった。数百人を超える囚人が農作業を行う光景を見て驚くレナにミノタウロスが説明を行う。
「ココデノセイカツハ、自給自足ダ。国カラオクリコマレル物資ハ、兵士達ノ分ダケダ」
「なるほど……働かなければ食べる物もないわけか」
「水ダケハ豊富ダガナ」
ミノタウロスは農場に存在する大きな井戸を指差し、この監獄では地下水が主流らしく、至る場所に井戸が存在する事を知らせる。また、荒野なので農作物が育ちにくいと思われがちだが、農場から得られる農作物は意外と豊富らしく、少なくとも贅沢な暮らしは出来ないが生き抜くために必要な食料は生産出来るらしい。
「この農作業も囚人に与えられる仕事?ならお金も貰えるの?」
「アア、ソウイウコトダ。タダシ、支給サレル金額ハスベテノシゴトノナカデモ最低ダガナ。1日ニ与エラレル金銭ハ「銅貨1枚」ソノカワリニ毎日ノ食事ガ約束サレル」
「なるほど、働いている人は食事目当ての人もいるのか……」
農作業の仕事は最も過酷な仕事量に対して与えられる金額が低く、その反面に三食の食事が約束されている。体力に自信のある人間は食事の代金を支払わず食べ物を得られるという理由で引き受ける人間も少なくはない。
「食事はどんな物が渡されるの?」
「収穫シタ農作物ヲ調理シタモノダケダ。肉類ハ与エラレナイガ、果物ハモ持チ帰ルコトガユルサレル」
「じゃあ、その果物を売る囚人もいるわけか……」
「……勘ノイイガキダ」
レナの言葉にミノタウロスは否定はせず、農作業で入手した一部の食料を他の囚人に売買する人間も多く、基本的に囚人同士の商売に関しては兵士達も黙認していた。あまりに監獄の雰囲気を乱すような商売は認められないが、食料の売買程度ならば特に咎められる事はない。
「マズハ宿舎ニ向カウ。宿舎ハココノ反対側ニ存在スルカラツイテコイ」
「反対側……そもそもここはどのくらい広いの?」
「ソレハ自分デ確カメロ」
質問に答えずにミノタウロスは先行し、仕方なくレナも後に続く。囚人の数人かが二人に気づいたが特に反応は示さず、他の囚人と違って普通の服装のレナを見ても反応しない当たり、作業に集中していると考えられた。
(……こんなに大勢の囚人がいるのに兵士の数が圧倒的に少ない。反乱を起こされるとは思っていないのかそれとも……)
農作業を行っているのは囚人だけであり、それを見張る兵士の数は十数人にも満たない。それにも関わらずに囚人達は兵士に逆らう様子は見せず、大人しく農作業に没頭する光景にレナは違和感を覚えた。
遺跡らしき建物を見かけてから更に10分ほど経過すると、馬車が唐突に停止する。車内に乗り込んでいたミノタウロスが起き上がり、レナとミスリルゴーレムに声を掛ける。
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「ここが……監獄都市?」
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『ゴゴゴッ……』
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巨大な防壁の扉の前に到着するとミノタウロスはミスリルゴーレムに帰還を命じ、命令を受けたミスリルゴーレムはレナを手放す。ラルフの命令では懲罰房まで彼を送り込むように命じられたはずだが、命令を上書きされると内容を忘れてしまうのかミスリルゴーレムは徒歩で試験場へ向けて歩き始める。
「……あのロボットみたいなゴーレム、歩いて帰る気?」
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立ち上がったレナに対してミノタウロスは軽く頭を小突くと、扉の前へ連れて行く。全長が15メートルは存在する扉の前でミノタウロスは防壁の前に配備されている兵士に話しかけ、開門するように指示を出す。
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