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放浪編
ネズミの依頼人
――ネズミに連れられてレナ達は囚人区の宿舎内へ存在する食堂へ案内される。食堂と言っても1000人以上の人間が座れる程の長机と椅子が並べられており、昼時という事もあって大勢の囚人が食事を行っていた。
「へえ、監獄の食堂と聞いたから何となく暗い雰囲気の場所だと思ったけど、意外と綺麗な場所なんだ」
「清掃の仕事を引き受けた囚人のお陰ですね。結構給料が高いので人気がありますよ」
「食事に関しても各種族に分かれているのか」
「僕のような人間と巨人族の方では食事量が違いますからね。値段によっては普通の監獄ではあり得ない程の豪華な食事も頼めますよ」
3人は銀貨を支払うと料理を行う兵士から各自の食事を渡され、周りに誰も居ない席に座る。ゴンゾウのはちゃんと巨人族用の食事が用意されており、レナやネズミよりも圧倒的に量が多かった。それでも1度の食事で銀貨1枚を支払わなければならず、1日に朝昼晩の食事を行うと考えた場合は月に銀貨90枚を稼がなければならない。だが、ネズミの話によれば一番報酬が高い仕事でさえも支給されるのは月に50~60枚程度なので普通に働くだけでは3食の食事生活は送れないという。
その代わりに食事に関しては種類も豊富で栄養バランスも考えられており、人間よりも食事の量を多く必要とする巨人族や獣人族の場合は他の種族よりも量が優遇されている。また、清掃班の仕事を引き受けた人間には1日に1度だけ食事が無料で提供されるため、監獄都市内の中でも指折りに人気の高い仕事らしい。
「僕は結構この監獄の食事は好きなんですよ。ここの食事と比べたら他の監獄の料理なんてただの犬の餌ですね」
「へえっ……ネズミは他の監獄に居た事があるの?」
「まあ、色々とやらかしましてね。聞きたいですか?僕がどんな罪を犯してここにやってきたのか……」
「興味ない」
「釣れない方ですね」
ネズミの言葉にレナは冷たく返すと昼食のシチューを味わい、味に関しては確かに悪くはなく、一緒に付いてきたパンも焼き立てなのか温かくて美味しかった。
「ちなみに食堂の食材はここで作り出されている食物だけで作り出されているんです。あ、調味料の類に関しては流石に外部から輸入しているようですけど」
「そうなのか?」
「ちなみに料理を行っている兵士は全員が料理人の職業です。だから味に関してはうるさい方々ばかりです」
「何でも知ってるね君……」
情報屋という渾名は伊達ではないらしく、監獄の食堂に関する情報まで網羅しているネズミに対してレナは警戒心を抱きながらも本題に入る。
「それで、お前に俺達の事を調べるように依頼人について話を聞こうか」
「気になりますか?まあ、当然ですよね。自分の命を狙う相手が居ると知れば安心できるはずがない……」
「回りくどい事は嫌いだから、用件だけを答えてくれ」
話をはぐらかそうとするネズミに対してレナは先ほど稼いだ銀貨が入った小袋を差し出し、依頼人の情報を渡すように促す。しかし、差し出された銀貨に対してネズミは首を振って押し返す。
「申し訳ありませんがその質問には答えられません。残念ですが、情報料が不足しています」
「何?でも、さっきは……」
「銀貨50枚、それが今回の依頼人から受け取った前金です。依頼の内容を果たせば追加報酬として50枚、合計で100枚の銀貨を受け取れる約束です」
「銀貨100枚!?」
ネズミの言葉にゴンゾウは驚きの声を上げ、レナも予想外の高額な報酬に動揺し、手持ちの銀貨の10倍近くの報酬をネズミは依頼人から受け取る約束をしている事を知る。それだけの大金を用意できる依頼人の情報をたかが10枚程度の銀貨で売り渡すはずがなく、ネズミは笑顔を浮かべる。
「ですので依頼人の情報が知りたいというのであればそうですね……依頼人から引き渡される報酬の1.5倍、つまりは銀貨150枚という所でどうでしょうか?」
「150枚だと……そんな大金、払えるはずがないだろう」
「待って」
1日に3食の食事を行ったとしても一か月半以上の生活を過ごせる程の大金を要求され、ゴンゾウはすぐに否定しようとしたが、レナはそれを引き留めて考え込む。
「……ねえ、この銀貨ってちょっと変わった形をしてるけど、素材は普通の銀貨と変わらないの?」
「えっ?えっと、同じ素材が使われているはずですけど……?」
「分かった。なら、ここで待ってて」
「レナ?」
唐突なレナの質問にネズミは戸惑いながら答えると、監獄都市の扱う銀貨も一般的に広まっている銀貨と同じ素材だと確認できれば十分だった。
(この囚人銀貨、普通の銀貨よりも小さいし、重量も普通の銀貨の3分の1ぐらいだな。貯金が一気に減ると思うけど、仕方ないか)
銀貨を握り締めたレナはネズミの要求した金額を用意するため、二人を残して食事を中断して人気のない場所へ向かう。
※久々に錬金術師の能力のメイン回になりそうです。
「へえ、監獄の食堂と聞いたから何となく暗い雰囲気の場所だと思ったけど、意外と綺麗な場所なんだ」
「清掃の仕事を引き受けた囚人のお陰ですね。結構給料が高いので人気がありますよ」
「食事に関しても各種族に分かれているのか」
「僕のような人間と巨人族の方では食事量が違いますからね。値段によっては普通の監獄ではあり得ない程の豪華な食事も頼めますよ」
3人は銀貨を支払うと料理を行う兵士から各自の食事を渡され、周りに誰も居ない席に座る。ゴンゾウのはちゃんと巨人族用の食事が用意されており、レナやネズミよりも圧倒的に量が多かった。それでも1度の食事で銀貨1枚を支払わなければならず、1日に朝昼晩の食事を行うと考えた場合は月に銀貨90枚を稼がなければならない。だが、ネズミの話によれば一番報酬が高い仕事でさえも支給されるのは月に50~60枚程度なので普通に働くだけでは3食の食事生活は送れないという。
その代わりに食事に関しては種類も豊富で栄養バランスも考えられており、人間よりも食事の量を多く必要とする巨人族や獣人族の場合は他の種族よりも量が優遇されている。また、清掃班の仕事を引き受けた人間には1日に1度だけ食事が無料で提供されるため、監獄都市内の中でも指折りに人気の高い仕事らしい。
「僕は結構この監獄の食事は好きなんですよ。ここの食事と比べたら他の監獄の料理なんてただの犬の餌ですね」
「へえっ……ネズミは他の監獄に居た事があるの?」
「まあ、色々とやらかしましてね。聞きたいですか?僕がどんな罪を犯してここにやってきたのか……」
「興味ない」
「釣れない方ですね」
ネズミの言葉にレナは冷たく返すと昼食のシチューを味わい、味に関しては確かに悪くはなく、一緒に付いてきたパンも焼き立てなのか温かくて美味しかった。
「ちなみに食堂の食材はここで作り出されている食物だけで作り出されているんです。あ、調味料の類に関しては流石に外部から輸入しているようですけど」
「そうなのか?」
「ちなみに料理を行っている兵士は全員が料理人の職業です。だから味に関してはうるさい方々ばかりです」
「何でも知ってるね君……」
情報屋という渾名は伊達ではないらしく、監獄の食堂に関する情報まで網羅しているネズミに対してレナは警戒心を抱きながらも本題に入る。
「それで、お前に俺達の事を調べるように依頼人について話を聞こうか」
「気になりますか?まあ、当然ですよね。自分の命を狙う相手が居ると知れば安心できるはずがない……」
「回りくどい事は嫌いだから、用件だけを答えてくれ」
話をはぐらかそうとするネズミに対してレナは先ほど稼いだ銀貨が入った小袋を差し出し、依頼人の情報を渡すように促す。しかし、差し出された銀貨に対してネズミは首を振って押し返す。
「申し訳ありませんがその質問には答えられません。残念ですが、情報料が不足しています」
「何?でも、さっきは……」
「銀貨50枚、それが今回の依頼人から受け取った前金です。依頼の内容を果たせば追加報酬として50枚、合計で100枚の銀貨を受け取れる約束です」
「銀貨100枚!?」
ネズミの言葉にゴンゾウは驚きの声を上げ、レナも予想外の高額な報酬に動揺し、手持ちの銀貨の10倍近くの報酬をネズミは依頼人から受け取る約束をしている事を知る。それだけの大金を用意できる依頼人の情報をたかが10枚程度の銀貨で売り渡すはずがなく、ネズミは笑顔を浮かべる。
「ですので依頼人の情報が知りたいというのであればそうですね……依頼人から引き渡される報酬の1.5倍、つまりは銀貨150枚という所でどうでしょうか?」
「150枚だと……そんな大金、払えるはずがないだろう」
「待って」
1日に3食の食事を行ったとしても一か月半以上の生活を過ごせる程の大金を要求され、ゴンゾウはすぐに否定しようとしたが、レナはそれを引き留めて考え込む。
「……ねえ、この銀貨ってちょっと変わった形をしてるけど、素材は普通の銀貨と変わらないの?」
「えっ?えっと、同じ素材が使われているはずですけど……?」
「分かった。なら、ここで待ってて」
「レナ?」
唐突なレナの質問にネズミは戸惑いながら答えると、監獄都市の扱う銀貨も一般的に広まっている銀貨と同じ素材だと確認できれば十分だった。
(この囚人銀貨、普通の銀貨よりも小さいし、重量も普通の銀貨の3分の1ぐらいだな。貯金が一気に減ると思うけど、仕方ないか)
銀貨を握り締めたレナはネズミの要求した金額を用意するため、二人を残して食事を中断して人気のない場所へ向かう。
※久々に錬金術師の能力のメイン回になりそうです。
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