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放浪編
女装準備
廃棄場から今度は誰も居ない教室に移動すると、ゴンゾウが外を見張り、その間にレナはネズミが持ってきてくれた化粧品を利用して女装の準備を行う。
「さてと、今回はスラミンもヒトミンもいないから自力で変装しないとな……それにしてもここって化粧品まであるのか」
「女性の囚人は結構身だしなみを気にする人もいるんですよ。男性を相手にするときとかは特に……」
「だからって男しかいない宿舎に化粧品を売るのはおかしくない?」
「贈り物として買う人間もいるんじゃないのか?俺も妹に化粧品を買ったことがあるぞ」
「まあ……中には特別な趣向の人もいますから」
「ああ……身体は男で心は女の人もいるわけね」
手鏡を手にしながらレナはネズミによって化粧を施され、無理に付け過ぎずに自然な形を保ちながら女性らしさを醸し出す。何処で習ったのかネズミはまるで美容師のように見事に化粧を施し、父親よりも母親に似た顔立ちだったのが幸いして化粧を開始してから10分後にはレナは見事にボーイッシュ系の美少女へと変化した。
「ほら、終わりましたよ。どうですか?」
「嘘っ……これが私?なんてふざけている場合じゃないか……でも、結構いい感じじゃない?」
「終わったのか……誰だお前は!?」
「レナだよ」
事情が知っているゴンゾウですらもレナの姿を見た瞬間に他人と間違える程に見事に女装が上手くいき、元々中性的な顔立ちだったことが幸いして初見ではレナの知り合いの人物でもレナ本人だと気づくことはない程に上手く変装出来ていた。しかし、声に関しては男性のままなので気を付けて喋らなければならない。
「確かにこの姿ならレナさんが女囚館に忍び込んでも問題はないでしょうね。ですけど、気を付けてください。正体がばれれば問答無用で処刑ですよ」
「分かってるよ……分かってますわ」
「いや、無理に口調まで変えなくてもいいじゃないですかね……」
「それじゃあ、行ってきますわ」
「……本当に大丈夫なのか?」
出来る限り女性らしく振舞おうとしながらレナは教室の窓から外に身を乗り出し、二人と別れて女囚館に向かう。時刻は既に夜を迎えており、殆どの囚人が仕事を終えて自分達の宿舎に帰還していた。
(……夜でも女囚館は兵士の検査が行われるそうだから表口から中に入る事は出来ないと言ってたな。予定通りにあの場所から入るか)
見事に女装したとはいえ、巨人族の女性兵士が見張りを行っている出入口に向かわず、レナは遠回りをして女囚館の建物の裏側に向かう。その途中、何人かの囚人とすれ違ったが特に目立った反応はされず、正体が気付かれる様子はない。
「おい、見ろよあの子……あんな可愛い子、うちに居たっけ?」
「新入りじゃねえのか?なかなかいい尻してんな」
「胸が小さいのがちょっと残念だがな……」
すれ違った時に聞こえてきた男性の囚人の言葉と視線にレナは背筋が震えるが、どうにか精神を落ち着かせて金網の前に立つ。用心深く周囲の様子を観察し、誰も自分に注目していない事を確認して金網を鷲掴む。
(ふんっ!!)
最初に物質変換の能力を利用して金属の材質を変化させ、金網の一部を柔らかい物質に変換させる。その後は力尽くで金網を引きちぎり、人間が通れる程の穴を作り出す。このまま潜り抜けると堀の中に落ちてしまうため、事前に足場を作り出すために魔法を発動させた。
「氷塊」
堀の中に氷塊の魔法で生み出した氷の円盤を作り出すと、金網を潜り抜けて円盤の上に降り立ち、すぐに作り出した穴を形状高速変化の能力を利用して引き裂いた箇所の接合を行う。無事に金網を修復するとレナは「瞬動術」を発動して円盤の上から跳躍し、無事に堀を飛び越えて地面に着地する。
「よし、侵入成功……後は建物に潜り込むだけだな」
無事に女囚館の敷地内に入り込むと、周囲を警戒しながらレナは建物に向かい、目的地であるパールの部屋に向かう。建物の構造は事前にネズミから詳細を教えて貰っているため、最初にレナは正面入り口へ向かう。
「はあっ……今日も疲れた」
「何言ってるのよ、これから忙しくなるのよ?」
「分かってるよ。あ~あ、偶には汗苦しい男以外の相手がしたいね」
「おおっ……」
正面入り口には大勢の女性が屯しており、年代はバラけているが全員が化粧で美貌を整え、男を刺激する派手な衣装を着込んでいた。女囚館に暮らしている女囚人の殆どは銀貨を支払って訪れる男性囚人の相手をするために身を整えており、まるでキャバ嬢のような恰好をしている女性の集団を見てレナは危うく声を上げそうになった。
(危ない危ない……それにしてもこの人達も囚人なんだよな?どうも恰好を見ていると男達とかなり待遇が違うんだな……)
監獄内にも関わらずに綺麗に身なりを整えている女性の囚人達を見てレナは違和感を覚え、自分が間違ってキャバクラに迷い込んだのではないかと思ってしまう。最も今は目的を果たす事に集中し、目立たないように気を付けながらレナは正面入口から建物の中に入ろうとする。
「さてと、今回はスラミンもヒトミンもいないから自力で変装しないとな……それにしてもここって化粧品まであるのか」
「女性の囚人は結構身だしなみを気にする人もいるんですよ。男性を相手にするときとかは特に……」
「だからって男しかいない宿舎に化粧品を売るのはおかしくない?」
「贈り物として買う人間もいるんじゃないのか?俺も妹に化粧品を買ったことがあるぞ」
「まあ……中には特別な趣向の人もいますから」
「ああ……身体は男で心は女の人もいるわけね」
手鏡を手にしながらレナはネズミによって化粧を施され、無理に付け過ぎずに自然な形を保ちながら女性らしさを醸し出す。何処で習ったのかネズミはまるで美容師のように見事に化粧を施し、父親よりも母親に似た顔立ちだったのが幸いして化粧を開始してから10分後にはレナは見事にボーイッシュ系の美少女へと変化した。
「ほら、終わりましたよ。どうですか?」
「嘘っ……これが私?なんてふざけている場合じゃないか……でも、結構いい感じじゃない?」
「終わったのか……誰だお前は!?」
「レナだよ」
事情が知っているゴンゾウですらもレナの姿を見た瞬間に他人と間違える程に見事に女装が上手くいき、元々中性的な顔立ちだったことが幸いして初見ではレナの知り合いの人物でもレナ本人だと気づくことはない程に上手く変装出来ていた。しかし、声に関しては男性のままなので気を付けて喋らなければならない。
「確かにこの姿ならレナさんが女囚館に忍び込んでも問題はないでしょうね。ですけど、気を付けてください。正体がばれれば問答無用で処刑ですよ」
「分かってるよ……分かってますわ」
「いや、無理に口調まで変えなくてもいいじゃないですかね……」
「それじゃあ、行ってきますわ」
「……本当に大丈夫なのか?」
出来る限り女性らしく振舞おうとしながらレナは教室の窓から外に身を乗り出し、二人と別れて女囚館に向かう。時刻は既に夜を迎えており、殆どの囚人が仕事を終えて自分達の宿舎に帰還していた。
(……夜でも女囚館は兵士の検査が行われるそうだから表口から中に入る事は出来ないと言ってたな。予定通りにあの場所から入るか)
見事に女装したとはいえ、巨人族の女性兵士が見張りを行っている出入口に向かわず、レナは遠回りをして女囚館の建物の裏側に向かう。その途中、何人かの囚人とすれ違ったが特に目立った反応はされず、正体が気付かれる様子はない。
「おい、見ろよあの子……あんな可愛い子、うちに居たっけ?」
「新入りじゃねえのか?なかなかいい尻してんな」
「胸が小さいのがちょっと残念だがな……」
すれ違った時に聞こえてきた男性の囚人の言葉と視線にレナは背筋が震えるが、どうにか精神を落ち着かせて金網の前に立つ。用心深く周囲の様子を観察し、誰も自分に注目していない事を確認して金網を鷲掴む。
(ふんっ!!)
最初に物質変換の能力を利用して金属の材質を変化させ、金網の一部を柔らかい物質に変換させる。その後は力尽くで金網を引きちぎり、人間が通れる程の穴を作り出す。このまま潜り抜けると堀の中に落ちてしまうため、事前に足場を作り出すために魔法を発動させた。
「氷塊」
堀の中に氷塊の魔法で生み出した氷の円盤を作り出すと、金網を潜り抜けて円盤の上に降り立ち、すぐに作り出した穴を形状高速変化の能力を利用して引き裂いた箇所の接合を行う。無事に金網を修復するとレナは「瞬動術」を発動して円盤の上から跳躍し、無事に堀を飛び越えて地面に着地する。
「よし、侵入成功……後は建物に潜り込むだけだな」
無事に女囚館の敷地内に入り込むと、周囲を警戒しながらレナは建物に向かい、目的地であるパールの部屋に向かう。建物の構造は事前にネズミから詳細を教えて貰っているため、最初にレナは正面入り口へ向かう。
「はあっ……今日も疲れた」
「何言ってるのよ、これから忙しくなるのよ?」
「分かってるよ。あ~あ、偶には汗苦しい男以外の相手がしたいね」
「おおっ……」
正面入り口には大勢の女性が屯しており、年代はバラけているが全員が化粧で美貌を整え、男を刺激する派手な衣装を着込んでいた。女囚館に暮らしている女囚人の殆どは銀貨を支払って訪れる男性囚人の相手をするために身を整えており、まるでキャバ嬢のような恰好をしている女性の集団を見てレナは危うく声を上げそうになった。
(危ない危ない……それにしてもこの人達も囚人なんだよな?どうも恰好を見ていると男達とかなり待遇が違うんだな……)
監獄内にも関わらずに綺麗に身なりを整えている女性の囚人達を見てレナは違和感を覚え、自分が間違ってキャバクラに迷い込んだのではないかと思ってしまう。最も今は目的を果たす事に集中し、目立たないように気を付けながらレナは正面入口から建物の中に入ろうとする。
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