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放浪編
スライムの重要性
「全く、アイリスと交信できればもっと楽な潜入方法を教えて貰えたかもしれないのに……うん、誰も居ないな」
気配感知の能力を発動させて室内に人間の気配を感じ取れない事を確認すると、窓から中に移動したレナは水槽を確認して苦笑いを浮かべた。本来は泳ぐ目的で作り出されたプールの水槽には緑色のお湯が溜められており、恐らくは数種類の薬草の粉末を混ぜて入浴剤代わりに利用している事が伺えた。
試しに指で触れてみると本物の温泉のように熱く、大人には丁度いい温度が保たれていた。周囲を観察すると桶や身体を洗う石鹸の類も完備されており、女性の囚人は毎日この場所で身体を清めているらしい。
(話は聞いていたけど、まさか本当に温水プールを銭湯代わりに利用されているとは……でも、この水って何処から引き寄せてるんだろう?排水溝はあるみたいだけど、水はどうやって用意しているんだ?)
浴槽のお湯を何処から用意しているのか気になったレナは観察眼の能力を発動させて様子を調べると、水を追加する蛇口の部分に水属性と火属性の魔石が取り付けられている事に気づき、どうやら水属性の魔石に蓄積させていた水を火属性の魔石で加熱して流し込み、お湯を生み出している事を知る。
(でも、これだけの大きさの浴槽だと掃除も大変そうだな……ん?何だ?)
水面に視線を向けると何かが浮かんでいる事に気づいたレナは浴槽に近寄ると、浮かんでいる物体の正体が全身が緑色の「スライム」である事に気づく。しかも1体や2体ではなく、大量のスライムが湯舟に浸かっていた。
「ぷるぷるっ……」
「ぷるるんっ」
「ぷるんっ?」
「こいつらは……ペットじゃなさそうだな」
大量のスライムが浴槽に浮かんでいる事にレナは驚くが、その中の1体が浴槽から抜け出すと、排水溝の前にまで移動して口を開く。
「ぶるるるっ……」
「うわ、吐いた!?大丈夫か?」
抜け出したスライムは排水溝の前で口を開くと黒色の液体を吐き出し、心配したレナが慌ててスライムの元に駆け寄ろうとしたが、吐き出した物体の中に人間の髪の毛と思われる物が混じっている事に気づいて立ち止まる。やがて体内の遺物を全て吐き出したのかスライムは何事もなかったように浴槽に戻った。
「こいつは……うっ、なるほどそう言う事か。浴槽の汚れをこいつらが吸い取って吐き出しているんだな」
排水溝にこびり付いた液体の正体はどうやら浴槽内部に交じっていた「汚れ」らしく、この大量のスライムは浴槽の内部のお湯を洗浄するために飼育されている事が判明した。どうやらスライムが吐き出したのは汚水らしく、定期的に浴槽内部の汚れを吸収して吐き出しているらしい。
「そういえば前にダインが汚物を処理してくれるスライムもいるとか言ってたけど、こいつらの事だったのか……よし、今日から君達はセイソウミンだ」
『ぷるぷるっ?』
勝手に名前を付けられたスライム達は湯舟の中で頭を傾げる動作を行うが、レナの姿を見ても特に大きな反応を示さないのでスラミンやヒトミンほど知能が高いわけではないらしく、窓から入ってきたレナに興味すら抱かない。
「一匹ぐらいは連れて帰りたいけど、今は余裕もないしな……お腹を壊さないように気を付けろよ」
『ぷるぷるっ……』
大量のスライムと別れを告げてレナはパールの部屋を探し出し、そして室内に存在する部屋を見つけた。恐らくは元々は用具室として利用されていたのだろうが、扉に掲げられている表札には「看守室」と記されていた。
「ここだな……鍵はかかってないな」
取っ手を掴んで簡単に扉が開くことに気づいたレナは用心しながら中の様子を覗き、誰も居ない事を確認する。部屋の中は意外と広く、大量のぬいぐるみや人形が並べられていた。まるで小さな女の子の部屋に入ったような気分に陥りながらもレナは部屋の中に入って目当ての物を探す。
「随分と可愛いらしい部屋だな……さてと、魔法腕輪はありますかね」
タンスやクローゼットの中には様々な衣装が収められ、子供から大人用の下着も存在した。意外と日用品の類は少なく、自分が寛ぐというよりも衣裳部屋のように利用されている節があった。物色する時は後でパールが部屋に戻って来た時に気づかれないように気を配り、彼女が身に着けていたという魔法腕輪を探す。
「ここじゃない、ここでもない……あった!!ここに隠してたのか……」
化粧箱の中から複数の希少な魔石が取り付けられた銀色の腕輪を発見したレナは喜びの声を上げ、自分の魔法腕輪である事を確認するとすぐに空間魔法を発動して異空間に収める。これで退魔刀と魔法腕輪を取り戻し、急いで部屋を抜け出そうとした。しかし、レナが抜け出す前に外側から扉がノックされ、聞きなれない男性の声が響き渡る。
「パール、ここに居るのかい?中に入ってもいいかな?」
「っ……!?」
扉を開けようと手を伸ばした瞬間に聞こえてきた男性の声にレナは焦り、慌てて隠れる場所を探す。しかし、相手は返事も待たずに扉を開き、中に入り込んできた。
気配感知の能力を発動させて室内に人間の気配を感じ取れない事を確認すると、窓から中に移動したレナは水槽を確認して苦笑いを浮かべた。本来は泳ぐ目的で作り出されたプールの水槽には緑色のお湯が溜められており、恐らくは数種類の薬草の粉末を混ぜて入浴剤代わりに利用している事が伺えた。
試しに指で触れてみると本物の温泉のように熱く、大人には丁度いい温度が保たれていた。周囲を観察すると桶や身体を洗う石鹸の類も完備されており、女性の囚人は毎日この場所で身体を清めているらしい。
(話は聞いていたけど、まさか本当に温水プールを銭湯代わりに利用されているとは……でも、この水って何処から引き寄せてるんだろう?排水溝はあるみたいだけど、水はどうやって用意しているんだ?)
浴槽のお湯を何処から用意しているのか気になったレナは観察眼の能力を発動させて様子を調べると、水を追加する蛇口の部分に水属性と火属性の魔石が取り付けられている事に気づき、どうやら水属性の魔石に蓄積させていた水を火属性の魔石で加熱して流し込み、お湯を生み出している事を知る。
(でも、これだけの大きさの浴槽だと掃除も大変そうだな……ん?何だ?)
水面に視線を向けると何かが浮かんでいる事に気づいたレナは浴槽に近寄ると、浮かんでいる物体の正体が全身が緑色の「スライム」である事に気づく。しかも1体や2体ではなく、大量のスライムが湯舟に浸かっていた。
「ぷるぷるっ……」
「ぷるるんっ」
「ぷるんっ?」
「こいつらは……ペットじゃなさそうだな」
大量のスライムが浴槽に浮かんでいる事にレナは驚くが、その中の1体が浴槽から抜け出すと、排水溝の前にまで移動して口を開く。
「ぶるるるっ……」
「うわ、吐いた!?大丈夫か?」
抜け出したスライムは排水溝の前で口を開くと黒色の液体を吐き出し、心配したレナが慌ててスライムの元に駆け寄ろうとしたが、吐き出した物体の中に人間の髪の毛と思われる物が混じっている事に気づいて立ち止まる。やがて体内の遺物を全て吐き出したのかスライムは何事もなかったように浴槽に戻った。
「こいつは……うっ、なるほどそう言う事か。浴槽の汚れをこいつらが吸い取って吐き出しているんだな」
排水溝にこびり付いた液体の正体はどうやら浴槽内部に交じっていた「汚れ」らしく、この大量のスライムは浴槽の内部のお湯を洗浄するために飼育されている事が判明した。どうやらスライムが吐き出したのは汚水らしく、定期的に浴槽内部の汚れを吸収して吐き出しているらしい。
「そういえば前にダインが汚物を処理してくれるスライムもいるとか言ってたけど、こいつらの事だったのか……よし、今日から君達はセイソウミンだ」
『ぷるぷるっ?』
勝手に名前を付けられたスライム達は湯舟の中で頭を傾げる動作を行うが、レナの姿を見ても特に大きな反応を示さないのでスラミンやヒトミンほど知能が高いわけではないらしく、窓から入ってきたレナに興味すら抱かない。
「一匹ぐらいは連れて帰りたいけど、今は余裕もないしな……お腹を壊さないように気を付けろよ」
『ぷるぷるっ……』
大量のスライムと別れを告げてレナはパールの部屋を探し出し、そして室内に存在する部屋を見つけた。恐らくは元々は用具室として利用されていたのだろうが、扉に掲げられている表札には「看守室」と記されていた。
「ここだな……鍵はかかってないな」
取っ手を掴んで簡単に扉が開くことに気づいたレナは用心しながら中の様子を覗き、誰も居ない事を確認する。部屋の中は意外と広く、大量のぬいぐるみや人形が並べられていた。まるで小さな女の子の部屋に入ったような気分に陥りながらもレナは部屋の中に入って目当ての物を探す。
「随分と可愛いらしい部屋だな……さてと、魔法腕輪はありますかね」
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「パール、ここに居るのかい?中に入ってもいいかな?」
「っ……!?」
扉を開けようと手を伸ばした瞬間に聞こえてきた男性の声にレナは焦り、慌てて隠れる場所を探す。しかし、相手は返事も待たずに扉を開き、中に入り込んできた。
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