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放浪編
看守 〈ハイ・ゴブリン〉
――その一方、地上に抜け出したレナは屋外にて空を飛び回る蝙蝠の大群に気づき、嫌な予感を覚えて身を隠す。他の人間に気づかれないようにスキルを使用しているが、人間よりも感覚が鋭い魔獣には通じない場合もあり、特に蝙蝠のような超音波を発する存在の場合は姿を隠したところで気づかれる恐れがあった。
校舎の壁際に張り付くように身を伏せながらレナは空の様子を伺い、そして蝙蝠を操るパールの存在に気づく。彼女の守護するように大量の蝙蝠がパールを中心に円を描くように行き交い、忙しなく飛び回る。その様子を確認したレナは迂闊に外に出るのは不味いかと考えたが、生憎と校舎内に入れる窓や扉の類は近くには存在しない。
(見つかるとやばそうだな……昼間に会った時と雰囲気が違う。なんか怒ってるみたいだけど……)
昼間に遭遇したときのパールは優しそうな笑顔を常に浮かべていたが、今の彼女はロボットのように無表情を保ったまま蝙蝠達に指示を与える。その姿を見て危機感を感じ取ったレナはパールに見つからないように影の差す場所に移動し、足音を立てずに隠れられる場所を探す。
(やっとあいつを見かけたと思ったのにこの様か……あと少しなのに)
木陰に身を隠しながらもレナの視線の先には校庭に集まった兵士と囚人の集団が存在し、彼等を指揮しているのは全身が緑色の皮膚に覆われ、尖った耳元をしており、その一方で人間に非常に近い体格と顔立ちのゴブリンが号令を行っていた。
「いいか、侵入者は必ずこの区に存在するはずだ!!草の根も分けてでも見つけ出せ!!」
「はい!!」
「おうっ!!」
「見つけたらご褒美が出るんだろうな!?」
ゴブリンの言葉に兵士達だけではなく集まった囚人達も返事を行い、その光景を見てレナはゴブリンの正体が「ハイ・ゴブリン」と呼ばれる種族の最後の看守だと予想する。ネズミから教わった看守の中で今まで顔を合わせていなかった5人目の看守も遂にレナの捜索に参加するらしく、彼は兵士と囚人の集団に大きな袋と羊皮紙を見せつける。
「もしもこの手配書の侵入者を捕まえた者には報酬として銀貨100枚!!更に生け捕りした場合は看守長から追加報酬として200枚が支払われる!!そしてパールから腕輪を取り戻したら直々に夜の相手をする約束を取り付けた!!」
「おいおいマジかよ!?」
「銀貨200枚にパールさんが相手をしてくれるだと……最高だ!!」
「尚、今回限り兵士と囚人の差別は行わない!!兵士だろうと捕まえれば報酬を支払う事を約束されている!!」
「本当ですか!?」
「じゃあ、俺達が捕まえても金は貰えるのか……へへへっ!!」
ハイ・ゴブリンの言葉に囚人だけではなく兵士達も活気づき、侵入者を捕まえるだけで莫大な報酬を受け取れると聞いて全員の顔色が変わる。そんな彼等の顔を見てハイ・ゴブリンは続けて最後の追加報酬を加えた。
「最後に侵入者を捕まえた人間には模範囚の権利を与える!!もしも捕まえた人間が模範囚の場合は権利を別の人間に与える資格を渡そう!!」
「模範囚だって!?」
「そ、それは本当ですかい!?」
「ああ、嘘は言わん。侵入者を捕まえられれば……な」
模範囚という言葉を聞いて囚人の殆どが目を輝かせ、彼等にとって待遇が改善される模範囚の立場が与えれるという話は最も魅力的な報酬であり、そんな彼等に対してハイ・ゴブリンは天空を指差す。
「この地区はパールによって監視されている!!だから侵入者が他の地区に逃げ出すことはない、報酬を得られるのは一人だけだ!!さあ、とっとと探してこい!!」
『うおおおおおっ!!』
号令を受けた兵士と囚人の集団は一目散に駆け出して手配書に描かれたレナの顔を頼りに捜索を開始する。その様子を木陰で見守っていたレナは兵士達に気づかれないように身を隠し、看守の様子を伺う。
(あいつが最後の看守か……なるほど、ゴブリンというよりは肌が緑色の人間のような容姿だな。知性は高いと聞いているけど、完全に人語を話すゴブリンなんて初めて見た)
兵士と囚人に指示を与えたハイ・ゴブリンは校庭から離れる様子はなく、黙って報告を待つつもりなのか数人の兵士と共に待機する。また、ハイ・ゴブリンの傍には「ガルム」と呼ばれる狼型の魔獣が控えており、その背中には片腕が存在しないゴブリンが1匹だけ存在した。
「ギギィッ……」
「大丈夫だ、お前が動く必要はない。ここで大人しくしていろ」
「ガウッ!!」
ガルムに乗り込んだゴブリンが心配した表情を浮かべてハイ・ゴブリンに鳴き声を上げると、彼等を落ち着かせるようにハイ・ゴブリンは2体の頭を軽く叩き、兵士が用意した椅子に座り込む。その様子を見てレナは疑問を抱き、どうして普通のゴブリンが都市内に存在するのか不思議に思う。
(あの看守の部下なのか?それにしてもあのゴブリン、前に何処かで見たような……)
片腕が存在しないゴブリンは不安そうな表情を浮かべながらガルムの背中に捕まり、その様子を見たレナは過去に何処かでゴブリンと出会ったような気がしたが、いつどこで会ったのか思い出せなかった。
校舎の壁際に張り付くように身を伏せながらレナは空の様子を伺い、そして蝙蝠を操るパールの存在に気づく。彼女の守護するように大量の蝙蝠がパールを中心に円を描くように行き交い、忙しなく飛び回る。その様子を確認したレナは迂闊に外に出るのは不味いかと考えたが、生憎と校舎内に入れる窓や扉の類は近くには存在しない。
(見つかるとやばそうだな……昼間に会った時と雰囲気が違う。なんか怒ってるみたいだけど……)
昼間に遭遇したときのパールは優しそうな笑顔を常に浮かべていたが、今の彼女はロボットのように無表情を保ったまま蝙蝠達に指示を与える。その姿を見て危機感を感じ取ったレナはパールに見つからないように影の差す場所に移動し、足音を立てずに隠れられる場所を探す。
(やっとあいつを見かけたと思ったのにこの様か……あと少しなのに)
木陰に身を隠しながらもレナの視線の先には校庭に集まった兵士と囚人の集団が存在し、彼等を指揮しているのは全身が緑色の皮膚に覆われ、尖った耳元をしており、その一方で人間に非常に近い体格と顔立ちのゴブリンが号令を行っていた。
「いいか、侵入者は必ずこの区に存在するはずだ!!草の根も分けてでも見つけ出せ!!」
「はい!!」
「おうっ!!」
「見つけたらご褒美が出るんだろうな!?」
ゴブリンの言葉に兵士達だけではなく集まった囚人達も返事を行い、その光景を見てレナはゴブリンの正体が「ハイ・ゴブリン」と呼ばれる種族の最後の看守だと予想する。ネズミから教わった看守の中で今まで顔を合わせていなかった5人目の看守も遂にレナの捜索に参加するらしく、彼は兵士と囚人の集団に大きな袋と羊皮紙を見せつける。
「もしもこの手配書の侵入者を捕まえた者には報酬として銀貨100枚!!更に生け捕りした場合は看守長から追加報酬として200枚が支払われる!!そしてパールから腕輪を取り戻したら直々に夜の相手をする約束を取り付けた!!」
「おいおいマジかよ!?」
「銀貨200枚にパールさんが相手をしてくれるだと……最高だ!!」
「尚、今回限り兵士と囚人の差別は行わない!!兵士だろうと捕まえれば報酬を支払う事を約束されている!!」
「本当ですか!?」
「じゃあ、俺達が捕まえても金は貰えるのか……へへへっ!!」
ハイ・ゴブリンの言葉に囚人だけではなく兵士達も活気づき、侵入者を捕まえるだけで莫大な報酬を受け取れると聞いて全員の顔色が変わる。そんな彼等の顔を見てハイ・ゴブリンは続けて最後の追加報酬を加えた。
「最後に侵入者を捕まえた人間には模範囚の権利を与える!!もしも捕まえた人間が模範囚の場合は権利を別の人間に与える資格を渡そう!!」
「模範囚だって!?」
「そ、それは本当ですかい!?」
「ああ、嘘は言わん。侵入者を捕まえられれば……な」
模範囚という言葉を聞いて囚人の殆どが目を輝かせ、彼等にとって待遇が改善される模範囚の立場が与えれるという話は最も魅力的な報酬であり、そんな彼等に対してハイ・ゴブリンは天空を指差す。
「この地区はパールによって監視されている!!だから侵入者が他の地区に逃げ出すことはない、報酬を得られるのは一人だけだ!!さあ、とっとと探してこい!!」
『うおおおおおっ!!』
号令を受けた兵士と囚人の集団は一目散に駆け出して手配書に描かれたレナの顔を頼りに捜索を開始する。その様子を木陰で見守っていたレナは兵士達に気づかれないように身を隠し、看守の様子を伺う。
(あいつが最後の看守か……なるほど、ゴブリンというよりは肌が緑色の人間のような容姿だな。知性は高いと聞いているけど、完全に人語を話すゴブリンなんて初めて見た)
兵士と囚人に指示を与えたハイ・ゴブリンは校庭から離れる様子はなく、黙って報告を待つつもりなのか数人の兵士と共に待機する。また、ハイ・ゴブリンの傍には「ガルム」と呼ばれる狼型の魔獣が控えており、その背中には片腕が存在しないゴブリンが1匹だけ存在した。
「ギギィッ……」
「大丈夫だ、お前が動く必要はない。ここで大人しくしていろ」
「ガウッ!!」
ガルムに乗り込んだゴブリンが心配した表情を浮かべてハイ・ゴブリンに鳴き声を上げると、彼等を落ち着かせるようにハイ・ゴブリンは2体の頭を軽く叩き、兵士が用意した椅子に座り込む。その様子を見てレナは疑問を抱き、どうして普通のゴブリンが都市内に存在するのか不思議に思う。
(あの看守の部下なのか?それにしてもあのゴブリン、前に何処かで見たような……)
片腕が存在しないゴブリンは不安そうな表情を浮かべながらガルムの背中に捕まり、その様子を見たレナは過去に何処かでゴブリンと出会ったような気がしたが、いつどこで会ったのか思い出せなかった。
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