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放浪編
ネズミと看守長
「ネズミ、どうして看守長の子供だという事を隠していた?」
「別に聞かれなかったから答えなかっただけ……というのはありきたりですかね。まあ、僕としてはこんな奴の子供だと知られたくなかったんですよ」
「ね、ネズミ君!?」
「というか何で親なのに渾名で呼んでるんだよ。本名は別にあるんだろ?」
「ええ、ありますよ。ですけどこの人は絶対に僕の名前を言いません。そういう約束ですから」
「約束?」
「……仕方ありませんね、ここに馬車が来るまで時間が掛かりますからその間に説明しておいてあげますよ」
渋々と言った感じでネズミはレナに拘束されている看守長を指差し、自分との関係を明かす。年齢的にはまだ子供のネズミが死刑囚しか送り込まれない監獄都市で暮らしている理由も関わっているらしく、ネズミは自分の出生から話し始めた。
「僕はこの監獄都市で生まれました。父親はそこの看守長、母親は人間です。ちなみに僕は純粋な人間です」
「そうなんだ?」
この世界にはハーフという概念は存在しないので異種族同士が結婚した場合、生まれてくる子供は必ずどちらかの種族になる。なので吸血鬼の看守長の子供だからといってネズミは吸血鬼の能力を受け継いではいない。
「監獄都市の法律では男女間の子供が生まれた場合、両親から離されて外界に送り込まれます。両親が大罪人であろうと生まれてくる子供に罪はなく、劣悪な環境の監獄都市では子供が育てられないからです」
「でも、ネズミは……」
「はい。僕はこの監獄都市で生まれて育ちました……そこの看守長が自分の立場を利用してね」
「うぐっ……」
看守長はネズミの言葉に顔を逸らし、どうやら話を聞く限りでは自分の子供を外界に送り込まれる事を嫌がった看守長が無理やりにネズミを監獄都市で育てたらしい。
「僕の母親は囚人でした。ですけど非常に優しくて元気な人でした。元々は貴族の令嬢だったんですけど、婚約者がある時に別の女性と浮気をして自分の不義を隠すために母さんを騙して別の男と不倫したと詰め寄ったんです。結局、嵌められた母さんは無実を証明できずに家から追放されて監獄都市に送り込まれました」
「胸糞悪い話だな」
「ええ、ですけど母さんはここでそこの父さん……いや、看守長と出会い、恋に落ちました。そして僕が生まれ、最初は3人で暮らしていたんですが……母さんは他の囚人に殺されてしまったんです」
「何!?どういう事だ?」
「この男が母さんと付き合う前に恋人だった女に殺されたんですよ。ねえ、そうでしょう!?」
「……ああ、その通りだ」
実の息子であるネズミの言葉に看守長は顔色を暗くしながら頷き、話を聞く限りでは看守長の過去に交際関係を結んでいた女囚の一人が逆恨みしてネズミの母親を殺したという。
「この男は母さんと付き合う前から女癖が悪くて、本当なら看守と囚人に手を出すなんて禁止されていたのに看守長の立場を利用して規則まで変えたんですよ?しかも母さんと付き合っている頃から別の女性とも関係を持っていたくそ野郎です。そんな奴を父親とは認められませんよ」
「うわ、酷い……」
「何という事を……」
「ううっ……すまない、本当にすまない」
ネズミの言葉にレナとゴンゾウは蔑みの視線を看守長に向け、最早抗う気力もないのか看守長はその場にへたり込み、延々と謝罪の言葉を呟く。しかし、そんな姿を見てもネズミは一切の同情を示さずに話を続ける。
「一応は僕が生まれた後は他の女性との関係を気って母さんだけを愛してくれました。でも、結局はこいつの事を諦めきれなかった女囚の一人が事故に見せかけて母さんを殺したんです。その女はもう処刑されましたが、基を正せばこいつの女癖のせいで母さんは死ぬ羽目になった……だから僕はこいつの事を父親とは認めないし、自分の名前も言わせません」
「そういう理由があったのか……なんかごめんね、辛い事を思い出させて……」
「辛い思いをしたんだな」
「分かってくれます?僕の気持ちを……」
レナとゴンゾウはネズミの境遇を憐れみ、慰めるように抱きしめる。その光景を見て周囲の兵士達も何とも言えない表情を浮かべ、看守長に至っては両手で顔を隠して涙を堪えていた。
「すまないネズミ君……だが、僕は本当に君の事も、イルミネも事を愛していたんだ!!それだけは信じてくれ!!」
「何が愛していた、ですか!!母さんが死んだあと、あっさりとパールさんと関係を持った癖に!!」
「うぐぅっ!?」
「あらあら……」
「えっ!?」
「何だとっ!?」
ネズミの言葉に看守長は地面に膝を着き、パールも困った表情を浮かべる。二人が交際関係を結んでいたという話にレナもゴンゾウも驚き、特にゴンゾウは衝撃を受けたように冷や汗を流す。
※ゴンちゃんの好みのタイプはパールのように包容力がある女性です。
「別に聞かれなかったから答えなかっただけ……というのはありきたりですかね。まあ、僕としてはこんな奴の子供だと知られたくなかったんですよ」
「ね、ネズミ君!?」
「というか何で親なのに渾名で呼んでるんだよ。本名は別にあるんだろ?」
「ええ、ありますよ。ですけどこの人は絶対に僕の名前を言いません。そういう約束ですから」
「約束?」
「……仕方ありませんね、ここに馬車が来るまで時間が掛かりますからその間に説明しておいてあげますよ」
渋々と言った感じでネズミはレナに拘束されている看守長を指差し、自分との関係を明かす。年齢的にはまだ子供のネズミが死刑囚しか送り込まれない監獄都市で暮らしている理由も関わっているらしく、ネズミは自分の出生から話し始めた。
「僕はこの監獄都市で生まれました。父親はそこの看守長、母親は人間です。ちなみに僕は純粋な人間です」
「そうなんだ?」
この世界にはハーフという概念は存在しないので異種族同士が結婚した場合、生まれてくる子供は必ずどちらかの種族になる。なので吸血鬼の看守長の子供だからといってネズミは吸血鬼の能力を受け継いではいない。
「監獄都市の法律では男女間の子供が生まれた場合、両親から離されて外界に送り込まれます。両親が大罪人であろうと生まれてくる子供に罪はなく、劣悪な環境の監獄都市では子供が育てられないからです」
「でも、ネズミは……」
「はい。僕はこの監獄都市で生まれて育ちました……そこの看守長が自分の立場を利用してね」
「うぐっ……」
看守長はネズミの言葉に顔を逸らし、どうやら話を聞く限りでは自分の子供を外界に送り込まれる事を嫌がった看守長が無理やりにネズミを監獄都市で育てたらしい。
「僕の母親は囚人でした。ですけど非常に優しくて元気な人でした。元々は貴族の令嬢だったんですけど、婚約者がある時に別の女性と浮気をして自分の不義を隠すために母さんを騙して別の男と不倫したと詰め寄ったんです。結局、嵌められた母さんは無実を証明できずに家から追放されて監獄都市に送り込まれました」
「胸糞悪い話だな」
「ええ、ですけど母さんはここでそこの父さん……いや、看守長と出会い、恋に落ちました。そして僕が生まれ、最初は3人で暮らしていたんですが……母さんは他の囚人に殺されてしまったんです」
「何!?どういう事だ?」
「この男が母さんと付き合う前に恋人だった女に殺されたんですよ。ねえ、そうでしょう!?」
「……ああ、その通りだ」
実の息子であるネズミの言葉に看守長は顔色を暗くしながら頷き、話を聞く限りでは看守長の過去に交際関係を結んでいた女囚の一人が逆恨みしてネズミの母親を殺したという。
「この男は母さんと付き合う前から女癖が悪くて、本当なら看守と囚人に手を出すなんて禁止されていたのに看守長の立場を利用して規則まで変えたんですよ?しかも母さんと付き合っている頃から別の女性とも関係を持っていたくそ野郎です。そんな奴を父親とは認められませんよ」
「うわ、酷い……」
「何という事を……」
「ううっ……すまない、本当にすまない」
ネズミの言葉にレナとゴンゾウは蔑みの視線を看守長に向け、最早抗う気力もないのか看守長はその場にへたり込み、延々と謝罪の言葉を呟く。しかし、そんな姿を見てもネズミは一切の同情を示さずに話を続ける。
「一応は僕が生まれた後は他の女性との関係を気って母さんだけを愛してくれました。でも、結局はこいつの事を諦めきれなかった女囚の一人が事故に見せかけて母さんを殺したんです。その女はもう処刑されましたが、基を正せばこいつの女癖のせいで母さんは死ぬ羽目になった……だから僕はこいつの事を父親とは認めないし、自分の名前も言わせません」
「そういう理由があったのか……なんかごめんね、辛い事を思い出させて……」
「辛い思いをしたんだな」
「分かってくれます?僕の気持ちを……」
レナとゴンゾウはネズミの境遇を憐れみ、慰めるように抱きしめる。その光景を見て周囲の兵士達も何とも言えない表情を浮かべ、看守長に至っては両手で顔を隠して涙を堪えていた。
「すまないネズミ君……だが、僕は本当に君の事も、イルミネも事を愛していたんだ!!それだけは信じてくれ!!」
「何が愛していた、ですか!!母さんが死んだあと、あっさりとパールさんと関係を持った癖に!!」
「うぐぅっ!?」
「あらあら……」
「えっ!?」
「何だとっ!?」
ネズミの言葉に看守長は地面に膝を着き、パールも困った表情を浮かべる。二人が交際関係を結んでいたという話にレナもゴンゾウも驚き、特にゴンゾウは衝撃を受けたように冷や汗を流す。
※ゴンちゃんの好みのタイプはパールのように包容力がある女性です。
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