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放浪編
ゴンゾウVSミスリルゴーレム
「な、何をしているこの馬鹿が!!早く立ちあがれ!!」
『ゴゴゴッ……!!』
「ほう、まだ立つか」
胴体に罅割れを生じさせながらもミスリルゴーレムが立ち上がり、ゴンゾウと向かい合う。通常のゴーレムの場合は岩石や土砂を吸収する事で肉体を嗄声する事が出来るが、こちらのミスリルゴーレムは自力での再生は不可能なのか、あるいは再生に必要な素材が存在しないのか罅割れが修復される様子はない。
ゴンゾウは金銀の闘拳の具合を確かめるように握りしめ、今度は自分からミスリルゴーレムに仕掛ける。今度は右拳を振りかざし、亀裂が生じたミスリルゴーレムの胴体に目掛けて突き出す。
「正拳!!」
『ゴガァッ!?』
「ば、馬鹿な!?」
空手の「正拳突き」のように繰り出された拳がミスリルゴーレムの胴体を打ち抜き、亀裂が全体に広がった。ゴンゾウが装備している闘拳の素材はどちらもミスリルを上回る硬度を誇るらしく、強烈な打撃を二発も受けたミスリルゴーレムは地面に膝を着いてしまう。
『ゴゴゴゴッ……!?』
「流石に硬いな……だが、前に森で見かけた奴等程ではないがな」
深淵の森の奥深くに存在する遺跡で遭遇した「戦人形」と比べればミスリルゴーレムは戦闘力が大幅に劣り、速度も力も戦人形には及ばない。ゴンゾウは追撃を加えるためにミスリルゴーレムに近付くと、今度は力尽くで持ち上げる。
「うおおおおっ!!」
『ゴゴォッ……!?』
「そんな、馬鹿な!?そいつの重量がどれほどあると……うげぇっ!?」
「あんた、さっきからうるさい」
ミスリルゴーレムを肩に持ち上げた状態で立ち上がったゴンゾウを見てラルフは驚愕の声を上げるが、いい加減に鬱陶しく思えてきたレナがラルフの頭部に手刀を繰り出して黙らせる。その間にゴンゾウはミスリルゴーレムを持ち上げたまま身体を回転させ、勢いよく地面へと叩きつけた。
「ぬぅんっ!!」
『ゴガァアアアッ……!?』
亀裂が生じていたミスリルゴーレムは肉体に強い衝撃を受けた事で砕け散ってしまい、残されたのは大量のミスリルの残骸とゴーレムの核と思われる翡翠を想像させる緑色の宝石だけが残った。ゴンゾウは宝石を拾い上げると、その輝きを見てレナに渡す。
「レナ、受け取ってくれ。今回は色々と世話になったお礼だ」
「え、いいの?ありがとう……高く売れるかな?」
「ひいいっ!?」
あっさりとミスリルゴーレムを粉砕したゴンゾウに恐怖を抱いたラルフは頭を抑えながら部屋の奥に駆け込み、慌てて机の上にあったベルを鳴らす。必死に他の兵士を呼び寄せようとするが、いくらベルを鳴らしたところで兵士が姿を現す様子はない。
「お、おい!!誰か聞こえないのか!!侵入者だ、侵入者がいるんだぞ!?」
「無駄だよ。さっきも言ったでしょ?もうあんた以外の兵士は全員気絶させたよ」
「ああ、看守と比べれば歯応えのない奴等だったな」
「そ、そんな……」
レナとゴンゾウは侵入した時点で兵士全員を片付けており、現在の試験場にはラルフ以外に動ける人間はいない。その最後の一人であるラルフもレナとゴンゾウに追い詰められ、必死に命乞いを行う。
「ま、待ってくれ……話し合おうじゃないか!!そ、そうだ!!君達に伝えたい事があったんだ……資料を確認したところ、やっぱり君達は囚人じゃない事を改めて確認した!!」
「それは最初に会った時にも言ってただろ」
「ま、待ってくれ!!話を最後まで聞くんだ……君達が囚人じゃないと分かった以上、私は監獄所長として二人を都市から解放する事も出来る。つまり……そう、出所だ!!君達は自由にする事が出来る!!」
「元々俺もレナも囚人じゃないぞ」
「いいから聞いてくれ!!言っておくが私を殺せば君達はこの都市から抜け出す方法はないんだぞ!?獣人国軍の関所を通過するにはこの僕しか発行できない許可証が必要なんだ!!つまり、僕を殺せば君達は一生外の世界に戻る事は出来ないんだぞ!!」
ラルフは自分が生き残るためにそれらしい言い訳を繰り返し、どうにか二人の気を逸らそうとする。だが、実際にラルフの言葉は間違いとは言い切れず、滅多に存在しない事だが監獄都市の囚人が外の世界へ釈放される事もあり、獣人国軍が管理している関所を通過するには監獄所長しか発行できない特別な許可証が必要だった。
最もこちらの許可証が発行するには色々な手続きを行う必要があり、最低でも3年以上は模範囚を務め、更に国の貢献と判断される程の大きな成果を上げた人間にしか発行されない。しかも監獄所長の一存だけでは決められず、必ず許可証の発行には本国の上層部へ報告する必要がある。もしも報告を行わずに許可証を発行すれば監獄所長であろうと罰則は免れず、大きな処罰を受ける。
(誰がお前らのようなガキ共に許可証など発行するか……ここは適当に誤魔化して逃げるしかない)
口では上手い事を言いながらもラルフはレナとゴンゾウを本当に監獄都市から釈放させるつもりはなく、表面上は媚びへつらいながらも決して逃げる好機は見逃さない。しかし、そんなラルフの背後から別の人物の声が聞こえてきた。
『ゴゴゴッ……!!』
「ほう、まだ立つか」
胴体に罅割れを生じさせながらもミスリルゴーレムが立ち上がり、ゴンゾウと向かい合う。通常のゴーレムの場合は岩石や土砂を吸収する事で肉体を嗄声する事が出来るが、こちらのミスリルゴーレムは自力での再生は不可能なのか、あるいは再生に必要な素材が存在しないのか罅割れが修復される様子はない。
ゴンゾウは金銀の闘拳の具合を確かめるように握りしめ、今度は自分からミスリルゴーレムに仕掛ける。今度は右拳を振りかざし、亀裂が生じたミスリルゴーレムの胴体に目掛けて突き出す。
「正拳!!」
『ゴガァッ!?』
「ば、馬鹿な!?」
空手の「正拳突き」のように繰り出された拳がミスリルゴーレムの胴体を打ち抜き、亀裂が全体に広がった。ゴンゾウが装備している闘拳の素材はどちらもミスリルを上回る硬度を誇るらしく、強烈な打撃を二発も受けたミスリルゴーレムは地面に膝を着いてしまう。
『ゴゴゴゴッ……!?』
「流石に硬いな……だが、前に森で見かけた奴等程ではないがな」
深淵の森の奥深くに存在する遺跡で遭遇した「戦人形」と比べればミスリルゴーレムは戦闘力が大幅に劣り、速度も力も戦人形には及ばない。ゴンゾウは追撃を加えるためにミスリルゴーレムに近付くと、今度は力尽くで持ち上げる。
「うおおおおっ!!」
『ゴゴォッ……!?』
「そんな、馬鹿な!?そいつの重量がどれほどあると……うげぇっ!?」
「あんた、さっきからうるさい」
ミスリルゴーレムを肩に持ち上げた状態で立ち上がったゴンゾウを見てラルフは驚愕の声を上げるが、いい加減に鬱陶しく思えてきたレナがラルフの頭部に手刀を繰り出して黙らせる。その間にゴンゾウはミスリルゴーレムを持ち上げたまま身体を回転させ、勢いよく地面へと叩きつけた。
「ぬぅんっ!!」
『ゴガァアアアッ……!?』
亀裂が生じていたミスリルゴーレムは肉体に強い衝撃を受けた事で砕け散ってしまい、残されたのは大量のミスリルの残骸とゴーレムの核と思われる翡翠を想像させる緑色の宝石だけが残った。ゴンゾウは宝石を拾い上げると、その輝きを見てレナに渡す。
「レナ、受け取ってくれ。今回は色々と世話になったお礼だ」
「え、いいの?ありがとう……高く売れるかな?」
「ひいいっ!?」
あっさりとミスリルゴーレムを粉砕したゴンゾウに恐怖を抱いたラルフは頭を抑えながら部屋の奥に駆け込み、慌てて机の上にあったベルを鳴らす。必死に他の兵士を呼び寄せようとするが、いくらベルを鳴らしたところで兵士が姿を現す様子はない。
「お、おい!!誰か聞こえないのか!!侵入者だ、侵入者がいるんだぞ!?」
「無駄だよ。さっきも言ったでしょ?もうあんた以外の兵士は全員気絶させたよ」
「ああ、看守と比べれば歯応えのない奴等だったな」
「そ、そんな……」
レナとゴンゾウは侵入した時点で兵士全員を片付けており、現在の試験場にはラルフ以外に動ける人間はいない。その最後の一人であるラルフもレナとゴンゾウに追い詰められ、必死に命乞いを行う。
「ま、待ってくれ……話し合おうじゃないか!!そ、そうだ!!君達に伝えたい事があったんだ……資料を確認したところ、やっぱり君達は囚人じゃない事を改めて確認した!!」
「それは最初に会った時にも言ってただろ」
「ま、待ってくれ!!話を最後まで聞くんだ……君達が囚人じゃないと分かった以上、私は監獄所長として二人を都市から解放する事も出来る。つまり……そう、出所だ!!君達は自由にする事が出来る!!」
「元々俺もレナも囚人じゃないぞ」
「いいから聞いてくれ!!言っておくが私を殺せば君達はこの都市から抜け出す方法はないんだぞ!?獣人国軍の関所を通過するにはこの僕しか発行できない許可証が必要なんだ!!つまり、僕を殺せば君達は一生外の世界に戻る事は出来ないんだぞ!!」
ラルフは自分が生き残るためにそれらしい言い訳を繰り返し、どうにか二人の気を逸らそうとする。だが、実際にラルフの言葉は間違いとは言い切れず、滅多に存在しない事だが監獄都市の囚人が外の世界へ釈放される事もあり、獣人国軍が管理している関所を通過するには監獄所長しか発行できない特別な許可証が必要だった。
最もこちらの許可証が発行するには色々な手続きを行う必要があり、最低でも3年以上は模範囚を務め、更に国の貢献と判断される程の大きな成果を上げた人間にしか発行されない。しかも監獄所長の一存だけでは決められず、必ず許可証の発行には本国の上層部へ報告する必要がある。もしも報告を行わずに許可証を発行すれば監獄所長であろうと罰則は免れず、大きな処罰を受ける。
(誰がお前らのようなガキ共に許可証など発行するか……ここは適当に誤魔化して逃げるしかない)
口では上手い事を言いながらもラルフはレナとゴンゾウを本当に監獄都市から釈放させるつもりはなく、表面上は媚びへつらいながらも決して逃げる好機は見逃さない。しかし、そんなラルフの背後から別の人物の声が聞こえてきた。
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