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放浪編
地下にあった物
地下に続く階段を下りる途中、下の方から奇妙な臭いと人の悲鳴のような物が聞こえたレナは急いで階段を降りると扉を発見する。取っ手の部分に南京錠が取り付けられているが現在は鍵が開け放たれた状態であり、誰かが中に居ると判断したレナは慎重に扉の隙間から内部を覗く。
(ここは……地下牢か?)
扉の内側には無数の檻が存在し、多数の拷問器具が設置されていた。檻の中には子供が手足を鎖で拘束された状態で捕らわれており、まともに食事も与えられていないのか全員が痩せ細っていた。年齢は10~15歳の少年少女が捕まっているらしく、檻の外には先ほど面会したガブと彼に雇われた傭兵の頭が並んでいた。
「ダルンよ。今回は手柄だったな、まさか魚人だけではなくあれほどの上玉を3人も連れてくるとは……」
「は、はあ……どうも」
机を挟んでガブとダルンと呼ばれた男は座り込み、檻の中に入れられた子供達を見ながらワインを味わう。子供が苦しそうな嗚咽を上げる度にガブは薄気味悪い笑みを浮かべ、それを見たダルンは同情するように子供達に視線を向ける。
「領主様……何時までこんな事を続けるつもりですか?ここのガキ共の親が連日うちのギルドに尋ねてくるんですよ。うちの子供はまだ見つからないのかって……」
「ふん、そんな輩は無視すればいい。この子達は既に私の物だ」
「けど、流石にこうも子供ばかりを誘拐すると怪しまれますぜ?お陰で街のガキ共も外に出歩かなくなって誘拐するのも一苦労ですし……」
「だから街の外から訪れた子供を連れて来たのか?全く、高い金を払っているのに文句の多い奴だ」
二人の会話の内容からレナは領主が自分達を歓待してくれた本当の理由を知って背筋が凍り、盗賊団の調査など嘘で本当は自分達を監禁するために屋敷に引き留めようとしている事を知る。しかも傭兵を雇って街の子供達を誘拐しているらしく、檻の中に入れられている子供達の様子を見ても拷問されている事は明白であり、無意識に拳を握り締める。
しかし、不用意に部屋の中に乗り込むのは危険であり、もう少しだけ様子を伺う事にしたレナは扉の隙間から部屋の間取りを確認し、檻に閉じ込められている子供の様子を観察する。全員が痛めつけられた跡が存在し、見ているだけで痛々しいが、その中に一人だけ異様な状態で拘束されている子供が存在した。
「ところで旦那……坊ちゃんの様子はどうですか?」
「うむ、今日は機嫌が悪いのか用意した食事を全て捨ててしまった。全く、これが反抗期という奴かな?まあ、そこが可愛いんだがな……」
「ああ、そうですかい……」
ダルンは部屋の隅に存在する檻に視線を向け、身体全体に鎖を巻きつかれた状態で拘束されている10歳程度の少年を確認して恐怖の表情を浮かべる。扉の隙間から中の様子を伺うレナも檻の中に存在する少年の顔を見て寒気を覚え、ガブだけが何事もないように檻に近付いて話しかける。
「どうしたんだいコブ?今日はやけに静かだね、お腹が空いてないのかい?」
「グウウッ……ガアッ!!」
「はははっ!!そうかそうか、ならいいんだ」
――檻の中に閉じ込められている少年の顔は異常なまでに痩せ細り、髪の毛は抜け落ちていた。鎖で巻き付かれた胴体も細く、しかも皮膚が所々剥がれ落ちた状態だった。胸元の部分には赤色の宝石のような物が埋め込まれており、それを見たレナは少年が普通の人間ではなく、死霊使いが操作する「死霊人形」である事を見抜く。
ガブはアンデッドと化した息子を前にしても顔色一つ変えず、檻越しに自分に噛みつこうとする息子を見て何事もなさげに話しかける。そんな異常な光景にダルンは口元を抑え、そそくさと部屋から抜け出そうとする。
「じゃ、じゃあ旦那……俺はガキどもの様子を見てきます」
「おお、そうか?捕まえるのは奴等が眠った後だ。しくじるなよ」
「へい……」
ダルンが扉に近付くとレナは咄嗟に天井に視線を向け、足音を立てずに跳躍して天井に張り付く。限界強化の魔法で身体能力を上昇させれば指先の力だけで天井を掴んで身体を支える事も難しくはなく、ダルンが部屋を抜け出して階段を上る様子を確認する。
「たくっ……いかれてやがるぜ。事故で死んだ実の子供をアンデッドに変えるなんて……」
階段を上る途中で愚痴るように呟いたダルンの言葉を聞いたレナは天井から降りると、詳しい話を聞くためにダルンの後を追い、階段の出入口が隠された地上の部屋まで移動した。
「あん?なんで隠し扉が開いているんだ?ちゃんと閉めてきたはずなのに……」
「俺が開けたんだよ」
「うおっ!?」
階段を隠す床板が開け放たれていた事に疑問を抱いたダルンは部屋の様子を確認した瞬間、背後からレナがダルンの首筋に反鏡剣の刃を構え、無駄な抵抗をしないように頭を抑えて話しかける。
「騒げばここであんたの首を切り落とす……地下に存在する部屋は何だ?」
「て、てめえ……あの時のガキか?」
「騒げば殺すといっただろ?」
「ひいっ!?ま、待てて……話す、話すから許してくれ!?」
レナの正体に気づいたダルンは騒ぎ立てようとしたが、剣の刃を首筋に軽く食い込ませると血が滲み、顔色を真っ青にしたダルンは慌ててレナの質問に答えた。
(ここは……地下牢か?)
扉の内側には無数の檻が存在し、多数の拷問器具が設置されていた。檻の中には子供が手足を鎖で拘束された状態で捕らわれており、まともに食事も与えられていないのか全員が痩せ細っていた。年齢は10~15歳の少年少女が捕まっているらしく、檻の外には先ほど面会したガブと彼に雇われた傭兵の頭が並んでいた。
「ダルンよ。今回は手柄だったな、まさか魚人だけではなくあれほどの上玉を3人も連れてくるとは……」
「は、はあ……どうも」
机を挟んでガブとダルンと呼ばれた男は座り込み、檻の中に入れられた子供達を見ながらワインを味わう。子供が苦しそうな嗚咽を上げる度にガブは薄気味悪い笑みを浮かべ、それを見たダルンは同情するように子供達に視線を向ける。
「領主様……何時までこんな事を続けるつもりですか?ここのガキ共の親が連日うちのギルドに尋ねてくるんですよ。うちの子供はまだ見つからないのかって……」
「ふん、そんな輩は無視すればいい。この子達は既に私の物だ」
「けど、流石にこうも子供ばかりを誘拐すると怪しまれますぜ?お陰で街のガキ共も外に出歩かなくなって誘拐するのも一苦労ですし……」
「だから街の外から訪れた子供を連れて来たのか?全く、高い金を払っているのに文句の多い奴だ」
二人の会話の内容からレナは領主が自分達を歓待してくれた本当の理由を知って背筋が凍り、盗賊団の調査など嘘で本当は自分達を監禁するために屋敷に引き留めようとしている事を知る。しかも傭兵を雇って街の子供達を誘拐しているらしく、檻の中に入れられている子供達の様子を見ても拷問されている事は明白であり、無意識に拳を握り締める。
しかし、不用意に部屋の中に乗り込むのは危険であり、もう少しだけ様子を伺う事にしたレナは扉の隙間から部屋の間取りを確認し、檻に閉じ込められている子供の様子を観察する。全員が痛めつけられた跡が存在し、見ているだけで痛々しいが、その中に一人だけ異様な状態で拘束されている子供が存在した。
「ところで旦那……坊ちゃんの様子はどうですか?」
「うむ、今日は機嫌が悪いのか用意した食事を全て捨ててしまった。全く、これが反抗期という奴かな?まあ、そこが可愛いんだがな……」
「ああ、そうですかい……」
ダルンは部屋の隅に存在する檻に視線を向け、身体全体に鎖を巻きつかれた状態で拘束されている10歳程度の少年を確認して恐怖の表情を浮かべる。扉の隙間から中の様子を伺うレナも檻の中に存在する少年の顔を見て寒気を覚え、ガブだけが何事もないように檻に近付いて話しかける。
「どうしたんだいコブ?今日はやけに静かだね、お腹が空いてないのかい?」
「グウウッ……ガアッ!!」
「はははっ!!そうかそうか、ならいいんだ」
――檻の中に閉じ込められている少年の顔は異常なまでに痩せ細り、髪の毛は抜け落ちていた。鎖で巻き付かれた胴体も細く、しかも皮膚が所々剥がれ落ちた状態だった。胸元の部分には赤色の宝石のような物が埋め込まれており、それを見たレナは少年が普通の人間ではなく、死霊使いが操作する「死霊人形」である事を見抜く。
ガブはアンデッドと化した息子を前にしても顔色一つ変えず、檻越しに自分に噛みつこうとする息子を見て何事もなさげに話しかける。そんな異常な光景にダルンは口元を抑え、そそくさと部屋から抜け出そうとする。
「じゃ、じゃあ旦那……俺はガキどもの様子を見てきます」
「おお、そうか?捕まえるのは奴等が眠った後だ。しくじるなよ」
「へい……」
ダルンが扉に近付くとレナは咄嗟に天井に視線を向け、足音を立てずに跳躍して天井に張り付く。限界強化の魔法で身体能力を上昇させれば指先の力だけで天井を掴んで身体を支える事も難しくはなく、ダルンが部屋を抜け出して階段を上る様子を確認する。
「たくっ……いかれてやがるぜ。事故で死んだ実の子供をアンデッドに変えるなんて……」
階段を上る途中で愚痴るように呟いたダルンの言葉を聞いたレナは天井から降りると、詳しい話を聞くためにダルンの後を追い、階段の出入口が隠された地上の部屋まで移動した。
「あん?なんで隠し扉が開いているんだ?ちゃんと閉めてきたはずなのに……」
「俺が開けたんだよ」
「うおっ!?」
階段を隠す床板が開け放たれていた事に疑問を抱いたダルンは部屋の様子を確認した瞬間、背後からレナがダルンの首筋に反鏡剣の刃を構え、無駄な抵抗をしないように頭を抑えて話しかける。
「騒げばここであんたの首を切り落とす……地下に存在する部屋は何だ?」
「て、てめえ……あの時のガキか?」
「騒げば殺すといっただろ?」
「ひいっ!?ま、待てて……話す、話すから許してくれ!?」
レナの正体に気づいたダルンは騒ぎ立てようとしたが、剣の刃を首筋に軽く食い込ませると血が滲み、顔色を真っ青にしたダルンは慌ててレナの質問に答えた。
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