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放浪編
獣魔の森
――ハンググラインダーに乗り込んだレナは風の聖痕の力で自由自在に空を飛び、上空から地上の様子を伺う。既に街から出発して1時間以上は経過しており、地上の方では川を遡るように移動するコトミンと魚人の姿が存在した。
「シャオオッ!!」
「むう、中々早い……でも、人魚に勝てる魚人なんかいない」
「も、もっとゆっくり移動できないのか?」
レナは「遠視」と「観察眼」のスキルを同時に発動させて川の様子を伺うと、魚人とコトミンが競い合うように水中を泳ぎ、ゴンゾウが振り落とされないようにしがみついていた。既に1時間以上も泳いでいるがどちらも速度を落とす様子はなく、やがて目的地である森が見えてきた。
「あそこが獣魔の森か……深淵の森と少し雰囲気が似ているな」
川を遡った先には大きな森が広がり、街の人間からは「獣魔の森」と恐れられている森にレナ達は辿り着く。森の中には危険性の高い魔獣が多数生息している事から「獣魔」という名前が名付けられ、今現在では国によって立ち入る事が禁止されている危険区域である。
ハンググラインダーを加工させてレナはコトミン達と合流し、森の前で立ち止まる。ここから先は地上から川を遡らなければならず、コトミンが最初に転移したという遺跡まで案内を頼む。
「よし、久しぶりの冒険の気がする。皆、気を引き締めろ!!丸太は持ったか!?」
「お~」
「丸太……?」
「シャアッ?」
レナの言葉に反応したのはコトミンだけでゴンゾウと魚人は首を傾げるが、ここで魚人に名前がないと不便だと判断したレナは名前を付ける事にした。
「お前も名前がないと呼びにくいな……よし、今日からお前はマグロだ!!」
「シャアッ!?」
「美味しそうな名前……でも、不満そう」
「ならシャケにするか……」
「シャ、シャアアッ……」
「嫌がってるようだぞ」
次々と名付けられる名前に対して魚人は嫌がるように背ビレを動かし、3人が色々と名前を考えたが、結局は外見通りの名前を名付けた。
「なら……シャーク、いやまんまだな。シャークを少し変化させて……シークとかは?」
「シャアアッ!!」
「気に入ったみたい」
「シークか……シャアじゃダメなのか?」
「その名前はちょっと……」
シークと名付けられた魚人は嬉しそうに川の中を泳ぎ、自分の背中に乗るように促す。コトミンの話では滝が存在する場所までは川を移動する必要があるため、ゴンゾウは再びシークに乗り込むとコトミンがレナの腕を引く。
「レナも私に乗る……もしくは抱きしめて運んであげようか?」
「どっちも絵面がやばいから遠慮したいな……う~ん、でも川を移動した方が近道なんだよな」
「遠慮する事はない。乗って」
コトミンが若干興奮気味に川の中で腕を広げ、彼女の背中に乗るかあるいは正面から抱きしめて移動させてもらうか選択を迫られたレナは冷や汗を流す。どちらの方法も他人に見られると誤解される恐れがあるが、立ち入り禁止されている森の中ならば他人の目を気にする必要はないかもしれない。
実際の所、川を遡る方法が移籍に到着する最短距離である事は間違いなく、仕方なくレナは無駄な装備を外して異空間に収納すると、水の中に飛び込む。川の深さはレナの胸元まで存在し、水中には魚が泳いでいた。こんな状況でなければ魚釣りでも楽しみたいが、意を決してレナはコトミンの背中にしがみつく。
「よし、頼んだぞコトミン。俺の命はお前に預ける」
「任せて……どさくさに紛れておっぱいを揉んでもいいよ?」
「揉まねえよ」
しっかりとコトミンの身体にしがみつくと、レナはこの状況でコトミンの柔らかな感触を実感し、女の子である事を意識してしまう。コトミンもレナの方から抱き着いてきたことに嬉しそうな表情を浮かべ、アホ毛をぴくぴくと揺らす。
「じゃあ、全速力で向かう。途中で川が分かれているけど間違わずに付いてきて」
「川の中に魔物とかはいないの?」
「大丈夫、ここには人間を襲う水棲の魔物は見かけていない。でも、水を飲むために地上の魔物が川によりつく事はあるから気を付けて」
「最悪の場合は戦闘も考えないといけないのか……ゴンちゃんもシークも気を付けてね」
「分かった」
「シャアッ!!」
全員の準備が整うと川を逆流しての移動が再開され、振り落とされないようにレナとゴンゾウは二人にしがみつく。途中で何度か水を飲みに来た魔獣と遭遇するが、川の上を移動する人間と巨人族を見かけて驚きの声を上げる。
「ギイイッ!?」
「ウォンッ!?」
「キュイッ!?」
「ガアッ!?」
「へえ、本当に色々といるんだな……あれ?でもこいつらって……」
川の水を飲みに来たのはゴブリンやコボルト、一角兎や子供の赤毛熊である事に気付いたレナは違和感を抱き、どれも深淵の森に生息する種である事に気付く。ただの偶然なのか深淵の森と獣魔の森の環境が似通っているらしく、果てには樹精霊まで見かけた。
『おろ?人間さんだ~珍しいな~』
「あ、どうも……」
『じゃあね~』
木々の上だの上に人間の子供のような姿をした樹精霊がレナ達に気づくと手を振り、その様子を見たレナ達も手を振り返す。先を急ぐので話す暇はないが、樹精霊が存在する時点でこの森が普通ではない事は確かだった。
「シャオオッ!!」
「むう、中々早い……でも、人魚に勝てる魚人なんかいない」
「も、もっとゆっくり移動できないのか?」
レナは「遠視」と「観察眼」のスキルを同時に発動させて川の様子を伺うと、魚人とコトミンが競い合うように水中を泳ぎ、ゴンゾウが振り落とされないようにしがみついていた。既に1時間以上も泳いでいるがどちらも速度を落とす様子はなく、やがて目的地である森が見えてきた。
「あそこが獣魔の森か……深淵の森と少し雰囲気が似ているな」
川を遡った先には大きな森が広がり、街の人間からは「獣魔の森」と恐れられている森にレナ達は辿り着く。森の中には危険性の高い魔獣が多数生息している事から「獣魔」という名前が名付けられ、今現在では国によって立ち入る事が禁止されている危険区域である。
ハンググラインダーを加工させてレナはコトミン達と合流し、森の前で立ち止まる。ここから先は地上から川を遡らなければならず、コトミンが最初に転移したという遺跡まで案内を頼む。
「よし、久しぶりの冒険の気がする。皆、気を引き締めろ!!丸太は持ったか!?」
「お~」
「丸太……?」
「シャアッ?」
レナの言葉に反応したのはコトミンだけでゴンゾウと魚人は首を傾げるが、ここで魚人に名前がないと不便だと判断したレナは名前を付ける事にした。
「お前も名前がないと呼びにくいな……よし、今日からお前はマグロだ!!」
「シャアッ!?」
「美味しそうな名前……でも、不満そう」
「ならシャケにするか……」
「シャ、シャアアッ……」
「嫌がってるようだぞ」
次々と名付けられる名前に対して魚人は嫌がるように背ビレを動かし、3人が色々と名前を考えたが、結局は外見通りの名前を名付けた。
「なら……シャーク、いやまんまだな。シャークを少し変化させて……シークとかは?」
「シャアアッ!!」
「気に入ったみたい」
「シークか……シャアじゃダメなのか?」
「その名前はちょっと……」
シークと名付けられた魚人は嬉しそうに川の中を泳ぎ、自分の背中に乗るように促す。コトミンの話では滝が存在する場所までは川を移動する必要があるため、ゴンゾウは再びシークに乗り込むとコトミンがレナの腕を引く。
「レナも私に乗る……もしくは抱きしめて運んであげようか?」
「どっちも絵面がやばいから遠慮したいな……う~ん、でも川を移動した方が近道なんだよな」
「遠慮する事はない。乗って」
コトミンが若干興奮気味に川の中で腕を広げ、彼女の背中に乗るかあるいは正面から抱きしめて移動させてもらうか選択を迫られたレナは冷や汗を流す。どちらの方法も他人に見られると誤解される恐れがあるが、立ち入り禁止されている森の中ならば他人の目を気にする必要はないかもしれない。
実際の所、川を遡る方法が移籍に到着する最短距離である事は間違いなく、仕方なくレナは無駄な装備を外して異空間に収納すると、水の中に飛び込む。川の深さはレナの胸元まで存在し、水中には魚が泳いでいた。こんな状況でなければ魚釣りでも楽しみたいが、意を決してレナはコトミンの背中にしがみつく。
「よし、頼んだぞコトミン。俺の命はお前に預ける」
「任せて……どさくさに紛れておっぱいを揉んでもいいよ?」
「揉まねえよ」
しっかりとコトミンの身体にしがみつくと、レナはこの状況でコトミンの柔らかな感触を実感し、女の子である事を意識してしまう。コトミンもレナの方から抱き着いてきたことに嬉しそうな表情を浮かべ、アホ毛をぴくぴくと揺らす。
「じゃあ、全速力で向かう。途中で川が分かれているけど間違わずに付いてきて」
「川の中に魔物とかはいないの?」
「大丈夫、ここには人間を襲う水棲の魔物は見かけていない。でも、水を飲むために地上の魔物が川によりつく事はあるから気を付けて」
「最悪の場合は戦闘も考えないといけないのか……ゴンちゃんもシークも気を付けてね」
「分かった」
「シャアッ!!」
全員の準備が整うと川を逆流しての移動が再開され、振り落とされないようにレナとゴンゾウは二人にしがみつく。途中で何度か水を飲みに来た魔獣と遭遇するが、川の上を移動する人間と巨人族を見かけて驚きの声を上げる。
「ギイイッ!?」
「ウォンッ!?」
「キュイッ!?」
「ガアッ!?」
「へえ、本当に色々といるんだな……あれ?でもこいつらって……」
川の水を飲みに来たのはゴブリンやコボルト、一角兎や子供の赤毛熊である事に気付いたレナは違和感を抱き、どれも深淵の森に生息する種である事に気付く。ただの偶然なのか深淵の森と獣魔の森の環境が似通っているらしく、果てには樹精霊まで見かけた。
『おろ?人間さんだ~珍しいな~』
「あ、どうも……」
『じゃあね~』
木々の上だの上に人間の子供のような姿をした樹精霊がレナ達に気づくと手を振り、その様子を見たレナ達も手を振り返す。先を急ぐので話す暇はないが、樹精霊が存在する時点でこの森が普通ではない事は確かだった。
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