文字の大きさ
大
中
小
477 / 2,093
放浪編
ダインの調査
「ダインはずっとここで暮らしてたの?」
「そうだよ。本当に大変だったんだぞ?食べ物も飲み物も碌にないから収納石に収めていた非常食で生き延びてたぐらいだからな……」
「遺跡を出なかったのか?」
「出ようとはしたけど魔術師一人でこんな危険な森を脱出出来るはずがないだろ!!その点、この遺跡の中は魔物が入ってこないから安全だし、それに見ろよこれ!!こんなにいっぱいお宝があるんだぞ!?」
ダインは布袋を開いて大量の魔石や魔水晶を見せつけ、どれも上等品である事は間違いなく、宝石のように綺麗に加工された状態だった。しかもダインが所持していた収納石の中にも大量の魔石が保管されているらしく、ここ数日の間は遺跡の中を探索して魔石を回収し続けていたらしい。
「これほどの魔石をよく集めたな」
「ああ、何でか知らないけどここにはいっぱい魔石があるんだよ!!しかも見ろよこれ、見た事もない魔石も見つけたんだ!!」
「見た事もない魔石?」
興奮を隠せずにダインは服の懐から小袋を取り出すと中身をレナ達に見せつけ、袋の中に入っていたのは赤色に光り輝くダイヤモンドのような魔水晶が入っていた。それを見た瞬間に全員がその美しさと迫力に圧倒され、袋から取り出したダインも身体を震わせる。
「どうだ?凄いだろ?正直、僕もこれを最初に発見したときは身体が震えたよ……これは間違いなく伝説吸の魔石で間違いないって!!」
「凄く綺麗……でも、身体がぞわぞわする」
真紅の魔水晶を掲げたダインは魅入られるように眺める中、レナは魔水晶の形を見てバルトロス王家に伝わる「聖光石」と呼ばれる特殊な魔石の存在を思い出す。聖光石はバルトロス王家が代々受け継ぐ事が許された強力な力を持つ魔石であり、聖剣の力の源でもある。
レナは王家から追放されたので聖光石は受け取っていないが、ナオが冒険都市に訪れた際に彼女が所持していた「聖光石」を預かっており、異空間に預けている聖光石とダインが発見した真紅の魔水晶は色合いは異なるが全く同じ形状をしていた。
「ダイン、この魔水晶は何処で手に入れたの?」
「え!?いや、その……」
魔水晶の存在がどうしても気になったレナはダインに何処で入手したのかを尋ねると、ダインは言いにくそうに視線を逸らし、そんな彼の態度に疑問を抱いた仲間達が問いただす。
「ダイン……もしかして何かやらかした?」
「や、やらかしたって何だよ!?」
「ダイン、正直に話してくれ」
「いや、その……」
「話して」
「……はい」
3人に詰め寄られたダインは観念したように頷き、魔水晶を入手した経緯を話す。時間は数十分前に遡り、いつも通りにダインは遺跡を探索して金目になりそうな物を集めていた。その途中、ダインは神殿のような建物を発見し、中に入って調査を行うと先ほど彼を追いかけ回していた石像を発見した。
この時点では石像は動く様子はなく、本物の石像のように佇んでいただけなのでダインは気にせずに神殿の調査を行っていたのだが、建物の中心に存在した広間に台座に突き刺さる剣を発見したという。台座に刀身が埋まっていたので全体像は分からなかったが、刃の部分は鋼鉄の類ではなく虹色に光り輝く金属で構成されている事からダインは魔法金属の中でもアダマンタイトに次いで希少価値が高い「オリハルコン」と呼ばれる金属だと判断する。
オリハルコン製と思われる剣を発見したダインはどうにか回収を試みたが、台座に突き刺さった剣はびくともせず、刀身が台座から引き抜けないので回収を諦めかけたという。しかし、剣の柄の部分に埋め込まれている真紅の魔水晶に気づき、こちらは傷つけないように気を配りながら短剣を使って剥ぎ取る事に成功したという。
――だが、ダインが真紅の魔水晶を回収した途端に神殿内に存在した甲冑の石像が動き出し、ダインに襲い掛かってきたという。慌ててダインは逃げ出したが何処に隠れても石像は何故かダインの居場所を探し出して始末しようとしてきた。恐らくは真紅の魔水晶を盗み出した事が原因で石像が追跡してきたと考えられたが、折角手に入れた宝を手放す事が出来ず、ダインは必死に逃げ回ったという。
そして体力も限界が訪れてダインは一か八か遺跡の外へ抜け出そうとした時にレナ達と合流したらしく、もしもレナ達がいなければ今頃は石像に殺されていた可能性も高い。
「本当にレナ達と合流出来て良かったよ……あいつ本当にしつこくて何処へ逃げても追いかけてくるから死ぬかと思った」
「どう考えてもその魔水晶を盗み出したのが原因だと思うけど……」
「だが、その剣というのが気になるな。オリハルコンで構成された剣といえば有名なのは「レーヴァティン」だが……」
「レーヴァティン?」
地球の世界にも神話として語り継がれている聖剣の名前が出た事にレナは反応すると、ダインが説明を行う。
「そうだよ。本当に大変だったんだぞ?食べ物も飲み物も碌にないから収納石に収めていた非常食で生き延びてたぐらいだからな……」
「遺跡を出なかったのか?」
「出ようとはしたけど魔術師一人でこんな危険な森を脱出出来るはずがないだろ!!その点、この遺跡の中は魔物が入ってこないから安全だし、それに見ろよこれ!!こんなにいっぱいお宝があるんだぞ!?」
ダインは布袋を開いて大量の魔石や魔水晶を見せつけ、どれも上等品である事は間違いなく、宝石のように綺麗に加工された状態だった。しかもダインが所持していた収納石の中にも大量の魔石が保管されているらしく、ここ数日の間は遺跡の中を探索して魔石を回収し続けていたらしい。
「これほどの魔石をよく集めたな」
「ああ、何でか知らないけどここにはいっぱい魔石があるんだよ!!しかも見ろよこれ、見た事もない魔石も見つけたんだ!!」
「見た事もない魔石?」
興奮を隠せずにダインは服の懐から小袋を取り出すと中身をレナ達に見せつけ、袋の中に入っていたのは赤色に光り輝くダイヤモンドのような魔水晶が入っていた。それを見た瞬間に全員がその美しさと迫力に圧倒され、袋から取り出したダインも身体を震わせる。
「どうだ?凄いだろ?正直、僕もこれを最初に発見したときは身体が震えたよ……これは間違いなく伝説吸の魔石で間違いないって!!」
「凄く綺麗……でも、身体がぞわぞわする」
真紅の魔水晶を掲げたダインは魅入られるように眺める中、レナは魔水晶の形を見てバルトロス王家に伝わる「聖光石」と呼ばれる特殊な魔石の存在を思い出す。聖光石はバルトロス王家が代々受け継ぐ事が許された強力な力を持つ魔石であり、聖剣の力の源でもある。
レナは王家から追放されたので聖光石は受け取っていないが、ナオが冒険都市に訪れた際に彼女が所持していた「聖光石」を預かっており、異空間に預けている聖光石とダインが発見した真紅の魔水晶は色合いは異なるが全く同じ形状をしていた。
「ダイン、この魔水晶は何処で手に入れたの?」
「え!?いや、その……」
魔水晶の存在がどうしても気になったレナはダインに何処で入手したのかを尋ねると、ダインは言いにくそうに視線を逸らし、そんな彼の態度に疑問を抱いた仲間達が問いただす。
「ダイン……もしかして何かやらかした?」
「や、やらかしたって何だよ!?」
「ダイン、正直に話してくれ」
「いや、その……」
「話して」
「……はい」
3人に詰め寄られたダインは観念したように頷き、魔水晶を入手した経緯を話す。時間は数十分前に遡り、いつも通りにダインは遺跡を探索して金目になりそうな物を集めていた。その途中、ダインは神殿のような建物を発見し、中に入って調査を行うと先ほど彼を追いかけ回していた石像を発見した。
この時点では石像は動く様子はなく、本物の石像のように佇んでいただけなのでダインは気にせずに神殿の調査を行っていたのだが、建物の中心に存在した広間に台座に突き刺さる剣を発見したという。台座に刀身が埋まっていたので全体像は分からなかったが、刃の部分は鋼鉄の類ではなく虹色に光り輝く金属で構成されている事からダインは魔法金属の中でもアダマンタイトに次いで希少価値が高い「オリハルコン」と呼ばれる金属だと判断する。
オリハルコン製と思われる剣を発見したダインはどうにか回収を試みたが、台座に突き刺さった剣はびくともせず、刀身が台座から引き抜けないので回収を諦めかけたという。しかし、剣の柄の部分に埋め込まれている真紅の魔水晶に気づき、こちらは傷つけないように気を配りながら短剣を使って剥ぎ取る事に成功したという。
――だが、ダインが真紅の魔水晶を回収した途端に神殿内に存在した甲冑の石像が動き出し、ダインに襲い掛かってきたという。慌ててダインは逃げ出したが何処に隠れても石像は何故かダインの居場所を探し出して始末しようとしてきた。恐らくは真紅の魔水晶を盗み出した事が原因で石像が追跡してきたと考えられたが、折角手に入れた宝を手放す事が出来ず、ダインは必死に逃げ回ったという。
そして体力も限界が訪れてダインは一か八か遺跡の外へ抜け出そうとした時にレナ達と合流したらしく、もしもレナ達がいなければ今頃は石像に殺されていた可能性も高い。
「本当にレナ達と合流出来て良かったよ……あいつ本当にしつこくて何処へ逃げても追いかけてくるから死ぬかと思った」
「どう考えてもその魔水晶を盗み出したのが原因だと思うけど……」
「だが、その剣というのが気になるな。オリハルコンで構成された剣といえば有名なのは「レーヴァティン」だが……」
「レーヴァティン?」
地球の世界にも神話として語り継がれている聖剣の名前が出た事にレナは反応すると、ダインが説明を行う。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『ベルンハルト・フォン・バーデンは平穏に暮らしたい』
GamaFrog男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
クラス全員で異世界召喚されたが、俺だけ教室に取り残されたのでとりあえず帰宅した
中山(ほ) クラス全員で異世界召喚されたが、先生と俺が残っていた。
魔法もチートスキルもステータス画面すら表示されない、ただの「残され損」
異世界に行けなかった俺を待っていたのは、世知辛い現実だった。
AI使用状況
GoogleのGeminiさん使ってます〜
誤字脱字チェックと調べ物お願いしてます
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。