文字の大きさ
大
中
小
481 / 2,093
放浪編
勇者の遺物
ダインの案内の元、神殿を抜け出したレナ達は文字通りに「謎の広間」へと到着した。円形型の大きな広場であり、中央部には金色に光り輝く台座と直径が10メートルを超える巨大な金色の金属の輪が浮揚していた。その色合いを見てレナはゴンゾウが装備している「金銀の闘拳」と同じ輝きを放つ事に気付く。
「これがダインの言っていた奴?確かに不思議な光景だな……」
「いや、これ不思議どころじゃないだろ!?こんな大きな物体が浮かんでいるんだぞ!?前にハンゾウが持ってきた浮揚石の類でおかしいと思わないの!?」
「前にハンゾウが持ってきた浮揚石という空に浮かぶ魔石じゃないのか?」
「僕も最初はそう考えたんだけど、ちょっと見てろよ……てりゃっ!!」
「あっ」
ダインは落ちていた石を拾い上げ、広場の台座に向けて投げ込む。そのまま小石は輪の中に潜り抜けようとした瞬間、輪の中心部が光り輝いて投げ込まれた小石を跳ね返す。その光景を見たレナ達は驚き、ダインはため息を吐きながら背中をさする。
「僕が最初に調べようと近づいてみたら、さっきみたいに輪っかが光り輝いて弾き飛ばされたんだよ。でも、不思議な事に結構な勢いで飛ばされたんだけど、吹き飛ばされた時は痛みはなかった……まあ、背中から地面に倒れて腰を痛めたんだけどさ」
「近寄ろうとする物体を反射するというわけか……」
「レナ、ここに何か書いてる」
「え、どれどれ?」
コトミンの言葉にレナは視線を向けると、確かに台座の部分に文字が記されており、しかもこの世界の文字ではなく地球の日本語で記されていた。久しぶりの日本語を見てレナはここが勇者が残した遺跡だと確信する一方、その文章を見て驚愕の事実を確認する。
――地球から転移された人間のためにこの装置の使い方を書き記します。これは「転移門」という別の場所へ転移するための機械です。転移先は別の場所に設置された転移門に固定されますが、この世界を旅するのに便利な道具になるでしょう。
転移門の使用方法は「十字鍵」と呼ばれる鍵を台座に設置する必要があります。設置した十字鍵は転移の際に自動的に転移先に転送されるので失くす心配はありません。これから召喚されるであろう勇者の皆さんの役に立つことを願います。
文章の内容からどうやら転移門と呼ばれる装置を作り出した人間が記した物らしく、一番下の方には名前が記されていた。その名前を見てレナは疑問を抱く。
(霧崎……レア?従弟の兄ちゃんと同じ名前だ)
偶然なのか記された名前には地球で暮らしていた頃のレナの従弟と同じ名前が記されているが、まさか本人ではないのか考えてしまうが、今更確かめる手段はない。
(この文字を残されたのは少なくとも数百年前ぐらいだろうから生きてるとは思えないな……それよりも転移門に十字鍵か。昔の勇者はこれを使って色々な場所に転移していたのか)
過去に召喚された勇者が使用したと思われる「転移門」と呼ばれる機器を前にしてレナは感動を覚え、同じ地球人の作り出した物に興味を抱かざるを得ない。だが、残念な事に十字鍵と呼ばれる道具がなければ機器を発動させる事は出来ないようであり、台座には鍵の差込口と思われる鍵穴が存在した。大きさはかなり大きく、短剣でも這い切れる程の深さは存在した。
「どうやら昔の勇者が使っていた別の場所へ転移するための魔道具みたいだね。でも、今の状態だと発動出来ないみたい」
「マジで!?そんなに凄い代物だったのか……」
「それならどんな場所にでも行けるのか?」
「いや、これと同じ物が世界中にあるみたいだから別の場所に存在する転移門に移動できるだけ。最も今はここに嵌め込む道具がないと発動出来ないみたいだけどね」
「……残念」
レナが指差した鍵穴を覗き込んだコトミンがつまなそうな表情を浮かべ、実際に起動出来たのならば良かったのだが、肝心の十字鍵と呼ばれる鍵が無ければ何も出来ない。広間の存在を確かめる事が出来たのでレナ達は立ち去ろうとした時、不意にレナは頭を抑える。
「うっ……?」
「レナ?どうかした?」
「いや、ちょっと頭痛が……え?」
唐突に襲われた頭痛にレナは頭を抑えると、不意に視界に存在したコトミン達の動作が止まり、まるで時間が止まったように動かなくなる。それを見たレナは懐かしささえ感じる感覚に驚きを隠せず、頭の中に数日ぶりのアイリスの声が響いた。
『レナさ~ん、聞こえますか?』
『この邪心に満ちた声は……アイリスか!!』
『ぶっ飛ばしますよ。生意気な事を言っていると交信を遮断しますからね』
『冗談だよ。でも、久しぶりだなこの感じ……』
――随分と久しぶりに脳内に聞こえてくるアイリスの声を聞いてレナは自分が「交信」の状態に陥っている事に気付き、数日ぶりに夢の世界以外でアイリスの声を耳にして安心感を得る。だが、その一方で随分と早くアイリスと交信出来るようになった事に疑問を抱く。
「これがダインの言っていた奴?確かに不思議な光景だな……」
「いや、これ不思議どころじゃないだろ!?こんな大きな物体が浮かんでいるんだぞ!?前にハンゾウが持ってきた浮揚石の類でおかしいと思わないの!?」
「前にハンゾウが持ってきた浮揚石という空に浮かぶ魔石じゃないのか?」
「僕も最初はそう考えたんだけど、ちょっと見てろよ……てりゃっ!!」
「あっ」
ダインは落ちていた石を拾い上げ、広場の台座に向けて投げ込む。そのまま小石は輪の中に潜り抜けようとした瞬間、輪の中心部が光り輝いて投げ込まれた小石を跳ね返す。その光景を見たレナ達は驚き、ダインはため息を吐きながら背中をさする。
「僕が最初に調べようと近づいてみたら、さっきみたいに輪っかが光り輝いて弾き飛ばされたんだよ。でも、不思議な事に結構な勢いで飛ばされたんだけど、吹き飛ばされた時は痛みはなかった……まあ、背中から地面に倒れて腰を痛めたんだけどさ」
「近寄ろうとする物体を反射するというわけか……」
「レナ、ここに何か書いてる」
「え、どれどれ?」
コトミンの言葉にレナは視線を向けると、確かに台座の部分に文字が記されており、しかもこの世界の文字ではなく地球の日本語で記されていた。久しぶりの日本語を見てレナはここが勇者が残した遺跡だと確信する一方、その文章を見て驚愕の事実を確認する。
――地球から転移された人間のためにこの装置の使い方を書き記します。これは「転移門」という別の場所へ転移するための機械です。転移先は別の場所に設置された転移門に固定されますが、この世界を旅するのに便利な道具になるでしょう。
転移門の使用方法は「十字鍵」と呼ばれる鍵を台座に設置する必要があります。設置した十字鍵は転移の際に自動的に転移先に転送されるので失くす心配はありません。これから召喚されるであろう勇者の皆さんの役に立つことを願います。
文章の内容からどうやら転移門と呼ばれる装置を作り出した人間が記した物らしく、一番下の方には名前が記されていた。その名前を見てレナは疑問を抱く。
(霧崎……レア?従弟の兄ちゃんと同じ名前だ)
偶然なのか記された名前には地球で暮らしていた頃のレナの従弟と同じ名前が記されているが、まさか本人ではないのか考えてしまうが、今更確かめる手段はない。
(この文字を残されたのは少なくとも数百年前ぐらいだろうから生きてるとは思えないな……それよりも転移門に十字鍵か。昔の勇者はこれを使って色々な場所に転移していたのか)
過去に召喚された勇者が使用したと思われる「転移門」と呼ばれる機器を前にしてレナは感動を覚え、同じ地球人の作り出した物に興味を抱かざるを得ない。だが、残念な事に十字鍵と呼ばれる道具がなければ機器を発動させる事は出来ないようであり、台座には鍵の差込口と思われる鍵穴が存在した。大きさはかなり大きく、短剣でも這い切れる程の深さは存在した。
「どうやら昔の勇者が使っていた別の場所へ転移するための魔道具みたいだね。でも、今の状態だと発動出来ないみたい」
「マジで!?そんなに凄い代物だったのか……」
「それならどんな場所にでも行けるのか?」
「いや、これと同じ物が世界中にあるみたいだから別の場所に存在する転移門に移動できるだけ。最も今はここに嵌め込む道具がないと発動出来ないみたいだけどね」
「……残念」
レナが指差した鍵穴を覗き込んだコトミンがつまなそうな表情を浮かべ、実際に起動出来たのならば良かったのだが、肝心の十字鍵と呼ばれる鍵が無ければ何も出来ない。広間の存在を確かめる事が出来たのでレナ達は立ち去ろうとした時、不意にレナは頭を抑える。
「うっ……?」
「レナ?どうかした?」
「いや、ちょっと頭痛が……え?」
唐突に襲われた頭痛にレナは頭を抑えると、不意に視界に存在したコトミン達の動作が止まり、まるで時間が止まったように動かなくなる。それを見たレナは懐かしささえ感じる感覚に驚きを隠せず、頭の中に数日ぶりのアイリスの声が響いた。
『レナさ~ん、聞こえますか?』
『この邪心に満ちた声は……アイリスか!!』
『ぶっ飛ばしますよ。生意気な事を言っていると交信を遮断しますからね』
『冗談だよ。でも、久しぶりだなこの感じ……』
――随分と久しぶりに脳内に聞こえてくるアイリスの声を聞いてレナは自分が「交信」の状態に陥っている事に気付き、数日ぶりに夢の世界以外でアイリスの声を耳にして安心感を得る。だが、その一方で随分と早くアイリスと交信出来るようになった事に疑問を抱く。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『ベルンハルト・フォン・バーデンは平穏に暮らしたい』
GamaFrog男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
クラス全員で異世界召喚されたが、俺だけ教室に取り残されたのでとりあえず帰宅した
中山(ほ) クラス全員で異世界召喚されたが、先生と俺が残っていた。
魔法もチートスキルもステータス画面すら表示されない、ただの「残され損」
異世界に行けなかった俺を待っていたのは、世知辛い現実だった。
AI使用状況
GoogleのGeminiさん使ってます〜
誤字脱字チェックと調べ物お願いしてます
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。