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最終章 前編 〈王都編〉
剣聖達の選択
※申し訳ありません!!本当は前章の最後で投稿する話でしたが、予約投稿を間違えました!!後で話を入れ替えます。
――翌日の朝、王城の前には3人の剣士が訪れた。その姿を見た兵士達は慌てふためき、即座に武器を構えて威嚇する。城に訪れたのは王国の中でも最も警戒されている3人の「剣聖」だった。
「き、貴様等!!何をしに現れた!!」
「ここは通さんぞ!!」
「おい、すぐにミドル様を呼んで来い!!カノン様もだ!!」
兵士達は城門の前で集まると、3人の剣士を取り囲む。そんな彼等に対して戦闘を歩いていた漆黒の鎧を身に着けた剣聖が鼻を鳴らす。
『ふんっ!!吾輩たちの所にこんな手紙を送りつけておいて大層な出迎えだな』
「……我々はお前達の主の命令でここへ来た。中へ通してもらうぞ」
破壊剣聖の異名を持つ「ゴウライ」と同じく剣聖の「ロウガ」が前に出ると、兵士達は怯えた表情で引き下がる。そんな彼等の情けない態度を見て二人の後ろから溜息を吐きながら「シュン」は手紙を放り投げる。
「それを読んでさっさと王妃を呼んで来い」
「な、何だこれは!?」
「うるせえ、さっさと読みやがれ!!」
「ひいっ!?」
シュンの言葉に兵士の一人が恐る恐る手紙を受け取って中身を確認すると、驚いた表情を浮かべて兵士長の元へ運ぶ。手紙を読んだ兵士長は目を見開き、何度か3人の剣聖と手紙に視線を交互すると、すぐに王妃の元へ報告するために城門を開く。
「い、今から確認に向かう。それまでお前達は大人しく待機していろ!!下手な真似をすれば許さんぞ!!」
「いいからさっさと行けやっ!!」
怒鳴られた兵士長は慌てて城内へ駆け込み、残された兵士達は警戒を解かずに剣聖達を取り囲む。相手は3人とはいえ、剣聖の称号を得た剣士の実力は凄まじく、特に破壊剣聖と謳われたゴウライに至っては単独で竜種を撃破するという偉業を成し遂げている。彼等の前には数千人の兵士が束で挑もうと勝つ事は出来ないだろう。
しばらくの間は兵士に囲まれた状態で3人の剣聖達は待機していると、やがて城門が再び開かれ、大将軍である「ミドル・シン」と「カノン・カトレア」が現れる。二人の姿を見て兵士達は歓喜の表情を浮かべ、3人の剣聖は表情を険しく変える。
「ようこそおいで下さいました。出迎えに間に合わず、誠に申し訳ございません」
「ふ~ん……本当に来たんだ。王妃様ってすご~いっ」
「何だこの女子は……は、破廉恥な……」
ミドルが作り笑いを浮かべながら招き入れ、隣に立つカノンは相変わらず露出度の多い西部劇のガンマンのような服装をしており、それを見たロウガが恥ずかしそうに頬を赤らめる。そんな彼に見せつけるようにカノンは大きな胸を両腕で挟んで強調した。
「あら、おじ様もしかして恥ずかしがってるの?結構な年齢なのにうぶなのねぇっ」
「き、貴様……愚弄する気なら切り捨てるぞ」
「申し訳ありません、彼女の事は気にしないでください……それと、一応は言っておきますが貴方達も態度は改めてください。マリア殿はこちらの手中にある事をお忘れなく」
「……んだとガキがっ!!調子に乗ってんのはどいつだ!?」
『待て』
自分達を脅す様な言葉を告げたミドルにシュンは剣を引き抜こうとしたが、それをゴウライが抑え込む。シュンは忌々し気にミドルを睨みつけながら手紙に記されていた情報が正しいのかを問い質す。
「てめえらが本当に嬢ちゃんを捕まえたというのなら証拠を見せやがれ!!下手な嘘を吐けばここで全員切り殺してやる!!」
「シュンの言うとおりだ。我々を騙そうとすればお前達の命はない」
『うむ、以下同略!!』
「……ここで貴方達と決着を着けるのも悪くはありませんが、残念ながらマリア殿が我々が保護している事は事実です」
3人の元に送り付けられた王国からの手紙の内容は「マリアの命を惜しければ王都へ赴け」という内容の文章が記され、最初は3人もあのマリアが捕まったなどと信じられなかったが、王都からナオ姫が処刑されるという噂が流れているにも関わらずにマリアが姿を現したという情報が流れない事に疑問を抱いて3人は王都へ訪れた。
ミドルはマライが捕まった事を信じられない3人に対し、王妃から事前に受け取っていた代物を差し出す。それを見たシュンは目を見開き、歯を食いしばる。
「どうぞ、ご確認下さい。マリア様から切り取った髪の毛です」
『っ……!?』
「なん、だと……!?」
「てめえ……これを何処で手に入れた!?」
マリアの金色のように美しく光り輝く髪の毛の束をミドルが差し出すと、シュンはそれを奪い取って観察する。森人族の髪の毛は人間の物と違って非情に有効活用が出来る代物として有名であり、切り取った髪の毛には魔力が宿る。なので魔道具の材料としても愛用されるため、シュンは掌を通して髪の毛の魔力がマリアの物で間違いない事を確信する。
髪の毛の長さや感じ取れる魔力の質から最近に切り取られた物で間違いなく、何処で手に入れたのかとシュンが問いただす前にミドルは入手経路を話す。
「こちらの髪の毛はヨツバ王国のカレハ様から贈り物です」
「カレハ……様だと!?」
『何だと……第一王女がどうしてマリアの髪の毛を』
「マリア様はヨツバ王国の新しい王に就任する予定のカレハ様が保護しております。そして同盟国であるバルトロス王国の次期女王様になられる王妃様の贈り物としてお届けしたのです」
「女王だと……何を言っている!?」
「お言葉の通りです、明日の正午に滞在人であるナオ姫を処刑した後、王妃様はこの王国の新しい王として即位します」
「馬鹿な!!何故、ただの王妃が国王の座に就ける!?」
王妃が即位するという話にロウガは信じられず、この国の後継者はナオ以外にも二人の妹や王妃の息子である王子も存在する。それにも関わらずに王妃が即位するという言葉にロウガは動揺を隠せない。しかし、ミドルは至って真面目に答えた。
「ナオ姫以外の御三方はまだ年齢も幼く、国を治める器ではありません。ならば最も優れている人物が国王になる事は当たり前ではありませんか?」
『貴様、それでも将軍か?お前は王国に忠誠を誓っているのではないのか?』
「ええ、その通りです。僕はこの国に忠誠を誓う身……そして今の王妃様は王国その物です。あの方が王位に就く事に何の問題がありましょうか」
「狂ったか……!!」
「ねえ、話が長くなるならもう帰っていい?いい加減に戦うのかはっきりして欲しいんだけど~」
会話に付いてこれないカノンはつまらなそうに背中に背負う新しい銃器に視線を向け、この日のために新調した新しい魔道具の試し撃ちをしたいとばかりに殺気を滲ませる。そんな彼女にシュンは睨みつけ、周囲に視線を向けて何処かで見ているはずの自分の師匠を探す。
「師匠……いや、ハヤテは何処だ?」
「あの方に関しては我々も把握していません。それよりも御三方を呼び寄せたのは手紙の文章に記した通り、王国に仕えるのかお答えください。拒否すればマリア殿の命はありませんが」
「屑が……!!貴様のような奴が王国一の武人ともてはやされていると思うと虫唾が走る!!」
「他人の評価など興味はありません。僕は王国の槍……何者であろうと打ち貫く槍です」
ミドルの言葉に3人は黙り込み、投降を要求してくる彼に対して各々が考え込む。マリアが捕まっている事が事実だと知らされた事で迂闊に歯向かえば彼女の身が危なく、だからといってここで王国に従えば自分達の身が危うい。仮にここで拒否すれば戦闘は避けられず、ミドルとカノンは本気で3人を排除するために動く。
(何を考えてんだよ……師匠!!)
手紙に釣れられて迂闊に王都へ赴いた事をシュンは後悔し、何処かで見ているはずの自分の師匠が何を考えているのか分からずに舌打ちした――
※明日から最終章に入るので本編は1日1話投稿になります。
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カタナヅキ「外伝ではきっと出番があるさ」( ̄ω ̄)ノ
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「うるせえ、さっさと読みやがれ!!」
「ひいっ!?」
シュンの言葉に兵士の一人が恐る恐る手紙を受け取って中身を確認すると、驚いた表情を浮かべて兵士長の元へ運ぶ。手紙を読んだ兵士長は目を見開き、何度か3人の剣聖と手紙に視線を交互すると、すぐに王妃の元へ報告するために城門を開く。
「い、今から確認に向かう。それまでお前達は大人しく待機していろ!!下手な真似をすれば許さんぞ!!」
「いいからさっさと行けやっ!!」
怒鳴られた兵士長は慌てて城内へ駆け込み、残された兵士達は警戒を解かずに剣聖達を取り囲む。相手は3人とはいえ、剣聖の称号を得た剣士の実力は凄まじく、特に破壊剣聖と謳われたゴウライに至っては単独で竜種を撃破するという偉業を成し遂げている。彼等の前には数千人の兵士が束で挑もうと勝つ事は出来ないだろう。
しばらくの間は兵士に囲まれた状態で3人の剣聖達は待機していると、やがて城門が再び開かれ、大将軍である「ミドル・シン」と「カノン・カトレア」が現れる。二人の姿を見て兵士達は歓喜の表情を浮かべ、3人の剣聖は表情を険しく変える。
「ようこそおいで下さいました。出迎えに間に合わず、誠に申し訳ございません」
「ふ~ん……本当に来たんだ。王妃様ってすご~いっ」
「何だこの女子は……は、破廉恥な……」
ミドルが作り笑いを浮かべながら招き入れ、隣に立つカノンは相変わらず露出度の多い西部劇のガンマンのような服装をしており、それを見たロウガが恥ずかしそうに頬を赤らめる。そんな彼に見せつけるようにカノンは大きな胸を両腕で挟んで強調した。
「あら、おじ様もしかして恥ずかしがってるの?結構な年齢なのにうぶなのねぇっ」
「き、貴様……愚弄する気なら切り捨てるぞ」
「申し訳ありません、彼女の事は気にしないでください……それと、一応は言っておきますが貴方達も態度は改めてください。マリア殿はこちらの手中にある事をお忘れなく」
「……んだとガキがっ!!調子に乗ってんのはどいつだ!?」
『待て』
自分達を脅す様な言葉を告げたミドルにシュンは剣を引き抜こうとしたが、それをゴウライが抑え込む。シュンは忌々し気にミドルを睨みつけながら手紙に記されていた情報が正しいのかを問い質す。
「てめえらが本当に嬢ちゃんを捕まえたというのなら証拠を見せやがれ!!下手な嘘を吐けばここで全員切り殺してやる!!」
「シュンの言うとおりだ。我々を騙そうとすればお前達の命はない」
『うむ、以下同略!!』
「……ここで貴方達と決着を着けるのも悪くはありませんが、残念ながらマリア殿が我々が保護している事は事実です」
3人の元に送り付けられた王国からの手紙の内容は「マリアの命を惜しければ王都へ赴け」という内容の文章が記され、最初は3人もあのマリアが捕まったなどと信じられなかったが、王都からナオ姫が処刑されるという噂が流れているにも関わらずにマリアが姿を現したという情報が流れない事に疑問を抱いて3人は王都へ訪れた。
ミドルはマライが捕まった事を信じられない3人に対し、王妃から事前に受け取っていた代物を差し出す。それを見たシュンは目を見開き、歯を食いしばる。
「どうぞ、ご確認下さい。マリア様から切り取った髪の毛です」
『っ……!?』
「なん、だと……!?」
「てめえ……これを何処で手に入れた!?」
マリアの金色のように美しく光り輝く髪の毛の束をミドルが差し出すと、シュンはそれを奪い取って観察する。森人族の髪の毛は人間の物と違って非情に有効活用が出来る代物として有名であり、切り取った髪の毛には魔力が宿る。なので魔道具の材料としても愛用されるため、シュンは掌を通して髪の毛の魔力がマリアの物で間違いない事を確信する。
髪の毛の長さや感じ取れる魔力の質から最近に切り取られた物で間違いなく、何処で手に入れたのかとシュンが問いただす前にミドルは入手経路を話す。
「こちらの髪の毛はヨツバ王国のカレハ様から贈り物です」
「カレハ……様だと!?」
『何だと……第一王女がどうしてマリアの髪の毛を』
「マリア様はヨツバ王国の新しい王に就任する予定のカレハ様が保護しております。そして同盟国であるバルトロス王国の次期女王様になられる王妃様の贈り物としてお届けしたのです」
「女王だと……何を言っている!?」
「お言葉の通りです、明日の正午に滞在人であるナオ姫を処刑した後、王妃様はこの王国の新しい王として即位します」
「馬鹿な!!何故、ただの王妃が国王の座に就ける!?」
王妃が即位するという話にロウガは信じられず、この国の後継者はナオ以外にも二人の妹や王妃の息子である王子も存在する。それにも関わらずに王妃が即位するという言葉にロウガは動揺を隠せない。しかし、ミドルは至って真面目に答えた。
「ナオ姫以外の御三方はまだ年齢も幼く、国を治める器ではありません。ならば最も優れている人物が国王になる事は当たり前ではありませんか?」
『貴様、それでも将軍か?お前は王国に忠誠を誓っているのではないのか?』
「ええ、その通りです。僕はこの国に忠誠を誓う身……そして今の王妃様は王国その物です。あの方が王位に就く事に何の問題がありましょうか」
「狂ったか……!!」
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「あの方に関しては我々も把握していません。それよりも御三方を呼び寄せたのは手紙の文章に記した通り、王国に仕えるのかお答えください。拒否すればマリア殿の命はありませんが」
「屑が……!!貴様のような奴が王国一の武人ともてはやされていると思うと虫唾が走る!!」
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ミドルの言葉に3人は黙り込み、投降を要求してくる彼に対して各々が考え込む。マリアが捕まっている事が事実だと知らされた事で迂闊に歯向かえば彼女の身が危なく、だからといってここで王国に従えば自分達の身が危うい。仮にここで拒否すれば戦闘は避けられず、ミドルとカノンは本気で3人を排除するために動く。
(何を考えてんだよ……師匠!!)
手紙に釣れられて迂闊に王都へ赴いた事をシュンは後悔し、何処かで見ているはずの自分の師匠が何を考えているのか分からずに舌打ちした――
※明日から最終章に入るので本編は1日1話投稿になります。
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