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最終章 王国編
奪還作戦開始
無論、この場に集まった冒険者の殆どは革命団と繋がりのある者ばかりなので大げさに協調して宣言を行っている。それでも兵士達に不満を抱いているのは事実なので彼等の言い分は決して誇張ばかりではなく、実際に革命団が手引きしていない冒険者も含まれていた。
徐々にではあるがナオの処刑に不満を抱く者や、内心では王妃に疑いを持ち始めた人間達が噴水広場に集まり、革命団の用意したサクラによって徐々に民衆は王国に対しての不満を爆発させる。
「腐敗竜が現れたとき、姫様は帰還命令を無視して国民のために冒険者と戦った事を忘れたというのか!!もしも冒険都市で腐敗竜を姫様が冒険者と共に倒さなければこの王都にも脅威が押し寄せていた!!」
「腐敗竜が現れたとき、王国は何をしていた!?防備を固め、援軍も送らず、冒険都市を見捨てたと言っても過言ではないだろう!!それでも腐敗竜が打ち倒す事が出来たのはナオ様が冒険者達に加担して聖剣を携えて勝利したからだ!!」
「国の英雄が処刑されるというのにみすみす黙って諸君らは見捨てるつもりか!!」
『――――!!』
ナオを腐敗竜殺しの英雄である事を強調し、国を救うために戦った彼女が本当に国王の暗殺など企てるのか疑問を抱いていた人々は彼女の処刑が間違っていると判断した。やがて一人一人が覚悟を固めたように前に出ると、処刑を反対する意思を伝えた。
「そうだ!!ナオ姫様は悪くない、きっと嵌められたんだ!!」
「王妃様が黒幕だなんて信じられないけど……でも、ナオ姫様を殺すのは間違っている!!」
「ナオ姫様は英雄だ!!」
「ならば僕達と共に王城へ向かってくれ!!出来る限りの多くの人間を呼び集めて抗議するんだ!!ナオ姫様は決して王国を乗っ取るような御方ではないと証明するんだ!!」
『うおおおおおっ!!』
コタロウの言葉に大勢の民衆が賛同するように冒険者と革命団と共に王城へ向かう。上手く扇動が成功した事にコタロウは安堵する一方、もう作戦は止められない事を悟る。成功すれば王妃による王国の支配を止められるが、失敗すればもう王妃を止められる存在はいない。
あまりに騒ぎ過ぎたせいで城下町を巡回している警備兵にも連絡は伝わっているはずであり、彼等の妨害を受ける前にコタロウは合図を送る。事前に噴水広場の周辺建物の屋上に待機していた魔術師達が砲撃魔法を発動させて合図を伝えた。
「サンダーアロー!!」
「フレイムアロー!!」
「ウォーターランス!!」
「セイントスピア!!」
次々と建物の屋上から上空に目掛けて光線を想像させる砲撃魔法が発射され、それを見た人々は何事かと驚くが、この合図は城下町の廃屋に待機している革命団の人員に火を放つように伝えるための合図である。数分後には街の各所で火災を発生させ、警備兵の動きを行動を攪乱させる手筈は整っていた。
「さあ、僕達に付いてきてくれ!!ナオ姫様を救い出すんだ!!」
『おおっ!!』
作戦の第一段階は成功し、革命団は大勢の民衆を味方に引き入れて彼等と共に王城へ向かう。仮に警備兵がそれを止めようとしても国を守る立場の彼等が民衆に手を出せば逆に印象が悪くなるため、迂闊には手を出せないだろう。コタロウは今日中に作戦を成功させなければいずれ訪れるであろう王都周辺の領地から送り込まれてくるはずの王国の援軍が到着する前に決着を着ける必要があった――
――砲撃魔法が天空に向けて放射されたのを見たのは城下町の人間だけではなく、既に王都の裏門に潜伏していた革命団の隊員達も確認した。作戦の第一段階の成功を知り、彼等も行動を移す。裏門には革命団の主戦力が集まり、その中にはガロ、モリモ、ダイア、さらに王国四騎士のアカイ、ジダンの姿もあった。
「合図が上がったぞ!!我々は5分後に突入する、準備はいいな?」
「ああ、問題ない」
「……なあ、あんたに聞きたいことがあるんだが、どうしてあんたらがこっちにいるんだ?そりゃ王国四騎士のあんた達が味方なら心強いが、今回の作戦の要は城内へ潜入する第三、第四部隊の連中だろ?」
突入前に両手に斧を抱えたダイアが同行しているアカイとジダンに尋ねると、アカイは闘拳を装備し、ジダンは鍵爪を装着して淡々と答える。
「知れた事、我等はそもそも潜入には不向きだ。それにこの裏門にも恐らくだが厄介な敵が配置されているだろう……我々の目的は大将軍をこの裏門に引きつける事だ」
「大将軍ミドルとカトレアか……」
「なあ、ガロはあの噂をどう思う?本当に剣聖の人たちが王国に寝返ったのか……」
「そんなわけねえだろ!!あいつらがマリアさんを裏切るような真似をするはずがないだろうが……!!」
革命団にも王城に氷雨に所属する剣聖達が訪れたという情報は届き、革命団の意思に同調した王国兵士からの報告なので信憑性は高かった。それでも氷雨に所属するガロとモリモは剣聖が裏切ったとは信じられなかったが、彼等の予測は最悪な形で証明されるだろう。
「……時間だ、行くぞ!!」
『うおおおおっ!!』
予定の時間を迎え、遂に革命団の戦闘に特化した職業の人間だけで構成された部隊は裏門に向けて突入する。すると、まるで革命団の動きを予測していたように王城の防壁から弓兵が現れ、接近してくる突入隊に矢の雨を降らせた。
「撃て!!」
『連射!!』
防壁に配置されていた弓兵の全員が戦技を発動させ、次々と矢を放つ。兵士の数は500名程度にも関わらず、その3倍の兵士が同時に矢を射抜いているような数の矢が降り注ぐ。
『うおおおおおっ!!』
それでも突入隊は止まらず、矢の雨を掻い潜って城門へと向かう。数人の隊員が矢に射抜かれて倒れてしまうが、決して振り返らずに他の者達は城門へ向かう。
「矢が無くなった者は魔術兵と交代しろ!!魔術兵は砲撃魔法で奴等を牽制し、弓兵の矢の補充を補え!!」
『はっ!!』
防壁には王妃の配下の一人であるリクの姿も存在し、彼は神器ロッドを握り締めながら的確な指示で弓兵と魔術兵を交互に攻撃を行わせる。弓兵が矢が尽きれば魔術兵がその間に魔法で攻撃し、魔術兵が疲れれば補充を終えた弓兵が矢で敵を射抜く。
矢の類は鎧や盾などの防具で十分に装備できるが、弓兵の中には熟練の兵士も存在し、的確に防御が薄い箇所を狙って射抜く兵士も少なくはない。更に魔術兵の砲撃魔法は直撃を受ければ戦闘不能は免れず、更に攻撃範囲が広いので徐々に突入隊は劣勢を強いられていく。
「隊長!!このままでは……」
「くっ……隊を分散しろ!!拡散して敵の攻撃の隙を狙え!!」
戦闘を走っていた革命団の幹部が指示を出すが、それさえも予測していたように王城の兵士は動き、今度はリクの隣に立っていた「未来視」の能力を持つアマネが指示を出す。
「……的は左右に分かれて城壁を登ろうとしてくる。それと城門に接近する森人族の大男が危険、こいつを集中的に狙って」
「はっ!!おい、聞こえたか!?アマネ様の言う通りにしろ!!」
「おおっ!!」
未来視の能力で突入隊の動きを予測し、事前に対抗策を伝えたアマネに訓練された兵士達は即座に行動を映し、城門に迫っていたアカイに向けて集中的に砲撃魔法を放つ。
「サンダーランス!!」
「フレイムアロー!!」
「アクアカノン!!」
「ぬうっ……!?」
正面から迫っていたアカイに次々と魔術兵が砲撃魔法を放ち、それらの攻撃を回避しながらアカイは後退する。流石に王国四騎士と言えど、複数人の魔術師の砲撃魔法を受け止める事は出来ず、敵の中に優れた指揮官が居る事に感心する。
徐々にではあるがナオの処刑に不満を抱く者や、内心では王妃に疑いを持ち始めた人間達が噴水広場に集まり、革命団の用意したサクラによって徐々に民衆は王国に対しての不満を爆発させる。
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「腐敗竜が現れたとき、王国は何をしていた!?防備を固め、援軍も送らず、冒険都市を見捨てたと言っても過言ではないだろう!!それでも腐敗竜が打ち倒す事が出来たのはナオ様が冒険者達に加担して聖剣を携えて勝利したからだ!!」
「国の英雄が処刑されるというのにみすみす黙って諸君らは見捨てるつもりか!!」
『――――!!』
ナオを腐敗竜殺しの英雄である事を強調し、国を救うために戦った彼女が本当に国王の暗殺など企てるのか疑問を抱いていた人々は彼女の処刑が間違っていると判断した。やがて一人一人が覚悟を固めたように前に出ると、処刑を反対する意思を伝えた。
「そうだ!!ナオ姫様は悪くない、きっと嵌められたんだ!!」
「王妃様が黒幕だなんて信じられないけど……でも、ナオ姫様を殺すのは間違っている!!」
「ナオ姫様は英雄だ!!」
「ならば僕達と共に王城へ向かってくれ!!出来る限りの多くの人間を呼び集めて抗議するんだ!!ナオ姫様は決して王国を乗っ取るような御方ではないと証明するんだ!!」
『うおおおおおっ!!』
コタロウの言葉に大勢の民衆が賛同するように冒険者と革命団と共に王城へ向かう。上手く扇動が成功した事にコタロウは安堵する一方、もう作戦は止められない事を悟る。成功すれば王妃による王国の支配を止められるが、失敗すればもう王妃を止められる存在はいない。
あまりに騒ぎ過ぎたせいで城下町を巡回している警備兵にも連絡は伝わっているはずであり、彼等の妨害を受ける前にコタロウは合図を送る。事前に噴水広場の周辺建物の屋上に待機していた魔術師達が砲撃魔法を発動させて合図を伝えた。
「サンダーアロー!!」
「フレイムアロー!!」
「ウォーターランス!!」
「セイントスピア!!」
次々と建物の屋上から上空に目掛けて光線を想像させる砲撃魔法が発射され、それを見た人々は何事かと驚くが、この合図は城下町の廃屋に待機している革命団の人員に火を放つように伝えるための合図である。数分後には街の各所で火災を発生させ、警備兵の動きを行動を攪乱させる手筈は整っていた。
「さあ、僕達に付いてきてくれ!!ナオ姫様を救い出すんだ!!」
『おおっ!!』
作戦の第一段階は成功し、革命団は大勢の民衆を味方に引き入れて彼等と共に王城へ向かう。仮に警備兵がそれを止めようとしても国を守る立場の彼等が民衆に手を出せば逆に印象が悪くなるため、迂闊には手を出せないだろう。コタロウは今日中に作戦を成功させなければいずれ訪れるであろう王都周辺の領地から送り込まれてくるはずの王国の援軍が到着する前に決着を着ける必要があった――
――砲撃魔法が天空に向けて放射されたのを見たのは城下町の人間だけではなく、既に王都の裏門に潜伏していた革命団の隊員達も確認した。作戦の第一段階の成功を知り、彼等も行動を移す。裏門には革命団の主戦力が集まり、その中にはガロ、モリモ、ダイア、さらに王国四騎士のアカイ、ジダンの姿もあった。
「合図が上がったぞ!!我々は5分後に突入する、準備はいいな?」
「ああ、問題ない」
「……なあ、あんたに聞きたいことがあるんだが、どうしてあんたらがこっちにいるんだ?そりゃ王国四騎士のあんた達が味方なら心強いが、今回の作戦の要は城内へ潜入する第三、第四部隊の連中だろ?」
突入前に両手に斧を抱えたダイアが同行しているアカイとジダンに尋ねると、アカイは闘拳を装備し、ジダンは鍵爪を装着して淡々と答える。
「知れた事、我等はそもそも潜入には不向きだ。それにこの裏門にも恐らくだが厄介な敵が配置されているだろう……我々の目的は大将軍をこの裏門に引きつける事だ」
「大将軍ミドルとカトレアか……」
「なあ、ガロはあの噂をどう思う?本当に剣聖の人たちが王国に寝返ったのか……」
「そんなわけねえだろ!!あいつらがマリアさんを裏切るような真似をするはずがないだろうが……!!」
革命団にも王城に氷雨に所属する剣聖達が訪れたという情報は届き、革命団の意思に同調した王国兵士からの報告なので信憑性は高かった。それでも氷雨に所属するガロとモリモは剣聖が裏切ったとは信じられなかったが、彼等の予測は最悪な形で証明されるだろう。
「……時間だ、行くぞ!!」
『うおおおおっ!!』
予定の時間を迎え、遂に革命団の戦闘に特化した職業の人間だけで構成された部隊は裏門に向けて突入する。すると、まるで革命団の動きを予測していたように王城の防壁から弓兵が現れ、接近してくる突入隊に矢の雨を降らせた。
「撃て!!」
『連射!!』
防壁に配置されていた弓兵の全員が戦技を発動させ、次々と矢を放つ。兵士の数は500名程度にも関わらず、その3倍の兵士が同時に矢を射抜いているような数の矢が降り注ぐ。
『うおおおおおっ!!』
それでも突入隊は止まらず、矢の雨を掻い潜って城門へと向かう。数人の隊員が矢に射抜かれて倒れてしまうが、決して振り返らずに他の者達は城門へ向かう。
「矢が無くなった者は魔術兵と交代しろ!!魔術兵は砲撃魔法で奴等を牽制し、弓兵の矢の補充を補え!!」
『はっ!!』
防壁には王妃の配下の一人であるリクの姿も存在し、彼は神器ロッドを握り締めながら的確な指示で弓兵と魔術兵を交互に攻撃を行わせる。弓兵が矢が尽きれば魔術兵がその間に魔法で攻撃し、魔術兵が疲れれば補充を終えた弓兵が矢で敵を射抜く。
矢の類は鎧や盾などの防具で十分に装備できるが、弓兵の中には熟練の兵士も存在し、的確に防御が薄い箇所を狙って射抜く兵士も少なくはない。更に魔術兵の砲撃魔法は直撃を受ければ戦闘不能は免れず、更に攻撃範囲が広いので徐々に突入隊は劣勢を強いられていく。
「隊長!!このままでは……」
「くっ……隊を分散しろ!!拡散して敵の攻撃の隙を狙え!!」
戦闘を走っていた革命団の幹部が指示を出すが、それさえも予測していたように王城の兵士は動き、今度はリクの隣に立っていた「未来視」の能力を持つアマネが指示を出す。
「……的は左右に分かれて城壁を登ろうとしてくる。それと城門に接近する森人族の大男が危険、こいつを集中的に狙って」
「はっ!!おい、聞こえたか!?アマネ様の言う通りにしろ!!」
「おおっ!!」
未来視の能力で突入隊の動きを予測し、事前に対抗策を伝えたアマネに訓練された兵士達は即座に行動を映し、城門に迫っていたアカイに向けて集中的に砲撃魔法を放つ。
「サンダーランス!!」
「フレイムアロー!!」
「アクアカノン!!」
「ぬうっ……!?」
正面から迫っていたアカイに次々と魔術兵が砲撃魔法を放ち、それらの攻撃を回避しながらアカイは後退する。流石に王国四騎士と言えど、複数人の魔術師の砲撃魔法を受け止める事は出来ず、敵の中に優れた指揮官が居る事に感心する。
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