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最終章 王国編
総力戦 その1
「あいつは闘技祭の……確か、キャノン!!」
「カノンよ!!ちょっと格好良さげな名前だと思ったけど違うわよ!?」
レナの言葉にライフル型の神器「スナイパー」を構えながらカノンは怒鳴り返し、弾丸の形状に削り取った魔石を装弾する。どうやら魔力の塊を撃ち込むのではなく、魔石を弾丸として発射させる武器らしい。カノンが攻撃を仕掛ける前にレナは魔法で迎撃しようとした時、反対方向から殺気を感じて剣を振りぬく。
「おっと」
「なっ……!?」
背後から射抜かれた矢に対してレナは反鏡剣の刃で鏃の部分を弾くと、カノンとは位置的に反対側の城壁で弓矢を構えた少年が存在した。レナは以前にも見かけた事がある顔だと知り、名前は「フヨ」と呼ばれていた王妃の側近である事を思い出す。
カノンに気を取られている間に不意打ちを仕掛けたようだが、意図も容易く自分の矢を弾いたレナにフヨは悔し気な表情を浮かべ、即座に鏃の部分に付与魔法を発動させて次の矢を放つ。
「喰らえっ!!」
「雷属性か」
電撃の力を宿した矢が放たれ、本物の雷の如き速度でレナに放つが、既に矢が射抜かれる前にレナは氷塊から飛び降りて攻撃を回避する。雷属性の魔法は全ての属性の中でも「速効性」に優れてはいるが、その攻撃の起動はほぼ直線的なので攻撃を仕掛ける前に行動すれば簡単に回避できる。
「逃がさないわよ!!今度は確実に……」
「火炎刃!!」
「きゃあっ!?」
カノンがスナイパーを発砲する前にレナは掌を構え、合成魔術を発動させて火炎の刃を放つ。レナの事を剣士だと思い込んでいたのか、まさか攻撃魔法も扱えるとは思わずにカノンは慌てて回避すると、城壁に爆発が生じる。それを確認したレナは裏庭へ着地すると、即座に周囲から接近してくる足音に気付く。
「見つけたぞ!!侵入者だ!!」
「捕らえろ!!いや、殺しても構わん!!」
「迂闊に近づくな!!まずは取り囲め!!」
事前に敵が侵入してくる事を予測していたように裏庭には大勢の兵士が配置され、それを見たレナは予想よりも数が多い事に溜息を吐く。
「面倒だな……おい、ミドルは何処だ?」
「黙れ!!侵入者に答えることはない!!」
「全員で同時に魔法を撃て!!」
レナの質問に答えずに兵士達の中から魔術師と思われる者達が集まると、レナを包囲した状態で杖を構える。包囲した状態で魔法を発動させれば直線軌道上に存在する兵士も巻き込むはずだが、魔術兵は意にも介さずに魔法を発動させる。
『フレイムアロー!!』
「おいおい、マジかっ!?」
味方の被害を考慮しないとばかりに魔術兵は杖を掲げて砲撃魔法を発動させると、四方八方から火属性の魔弾が撃ち込まれたる。それを見たレナは右手の風の聖痕を天に構え、自分の身を守るように精霊魔法を発動させた。
『風よ!!我が身を守れ!!』
「なっ……ば、馬鹿な!?」
「どうなっている!?」
周囲に存在した風の精霊を呼び集め、自分の身を守るように小規模の竜巻をレナは作り出すと魔術兵が生み出した魔弾を全て掻き消す。本来ならば火属性は風属性を吸収する性質を持っているが、精霊魔法の場合は通常の魔法よりも上位互換の魔法のため、幾ら相性が良くとも普通の魔法では及ばない事はレナもアリアとの戦闘で学んでいる。
自身を身を守るように竜巻を生み出したレナは今の内に準備を整えるため、両手を広げて空間魔法を発動させる。レナの目の前に黒渦が誕生した事を見抜いた兵士達は危険を感じ、魔術兵に追撃を加えるように指示した。
「魔法を止めるな!!攻撃を続けろ!!」
「さ、サンダーランス!!」
「ウィンドアロー!!」
「フレイムカノン!!」
魔術兵は次々と砲撃魔法を発動させ、レナの作り出した竜巻を吹き飛ばそうと試みるが、風の聖痕に反応した精霊達が続々と集まり、竜巻は全ての魔法を掻き消す。やがて竜巻の勢いが弱まった頃、竜巻の中心部には大勢の人影が存在した。
「ふうっ……やっと出られた」
「作戦は成功したようだな」
「お、おい……何か思っていたより兵士の数が多くない?」
「弱気になっちゃ駄目っすよ!!これぐらいの数なら問題ないっす!!」
「そうだよ!!もうここまで来たら思いっきり暴れるしかないよ!!」
「兵士の数は……推定1000名というところですか。ならば1人頭100名を倒せば十分でしょう」
竜巻が消散した瞬間、裏庭には黒渦からコトミン、ゴンゾウ、ダイン、エリナ、ミナ、リンダが現れ、その姿を見た兵士達は困惑する。先ほどまでは存在しなかった彼等がどうやって現れたのか分からずに混乱している兵士達に対し、更にレナは黒渦から助っ人を呼び出す。
「ほら、出番だぞティナ!!」
「う、うん……ミノ君、アインちゃん、ウル君やっちゃえ!!」
「ブモォオオオッ!!」
「キュロロロッ!!」
「ウォオオオンッ!!」
「ま、魔獣だと!?」
拡大化した黒渦からアインの肩に乗ったティナが現れ、続けて「神器アックス」を握り締めたミノと、この日のために牙と爪を念入りに研ぎ澄ましたウルも現れた。人間だけではなく、魔人族と魔獣を従えた森人族の少女の登場に兵士達は戸惑うが、そんな彼等に対してレナ達はお互いに背中を守るように配置に着いた。
「皆、作戦通りに頼んだよ。ここは俺とゴンちゃんが食い止める!!」
「俺達に任せろ!!」
「わ、分かった!!レナも気を付けろよ!!」
「姫様、私とエリナの傍から離れないでください」
「は、はい!!」
事前に決めた作戦通りにレナはゴンゾウと共に裏庭に残って兵士達の注意を引きつけ、その間に他の面子は地下牢へ向かい、捕らわれている仲間達を救い出すために動く。まずは包囲した兵士達を蹴散らすためにレナは退魔刀を取り出して反鏡剣を握り締めて準備を整えると、ゴンゾウと共に駆け出す。
「行くぞゴンちゃん!!」
「応っ!!」
「ひっ……!?」
自分達に迫るレナとゴンゾウに兵士達は恐怖の表情を浮かべた瞬間、二人が攻撃を仕掛ける前に上空から衝撃波が放たれ、レナ達の前の地面に亀裂が生じる。それを見た二人は足を止め、攻撃を仕掛けた人物が上空から姿を現した
「邪魔だ!!下がってろ雑魚共!!」
「ぬうっ……!?」
「この攻撃は……シュンさん」
兵士達の前に剣聖であるシュンが降り立ち、彼は今までに見た事が無いほどに険しい表情を浮かべながら刀を握り締め、レナ達と向かい合う。シュンが現れた事にレナ以外の者達は驚愕の表情を浮かべ、特にシュンと元同僚であったリンダは声を上げる。
「シュン……!?どうして貴方がここに……いえ、それよりも何故邪魔をするのですか!?」
「……悪いなお前等、ここで死んでくれ」
「そんな……シュンさん!!どうしたんですか!?」
氷雨の冒険者であるミナはシュンの言葉に衝撃を受けるが、彼女の言葉を聞いてもシュンは何も答えず、黙って剣先をレナに向ける。その態度を見てレナは剣を構え、以前に戦った時よりも恐ろしい気迫を放つシュンにレナも剣を握り締める力を強める。
「悪いな坊主……まさかお前とこんな形で決着をつける事になるとはな」
「……そこを退いて下さい」
「無理だ、悪いがここで退くわけにはいかねえ……ジャンヌ!!」
「はああっ!!」
シュンが兵士たちの方向に視線を向けて名前を叫ぶと、兵士達の頭上を飛び越えて「斧」と「剣」を組み合わせたような「旋斧」と呼ばれる武器を掲げたジャンヌもレナ達の前に降り立つ。彼女もシュンと同様にレナ達に武器を構えると、悲痛な表情で謝罪を行う。
「……申し訳ありません」
「そんな……どうしてジャンヌまで!?」
彼女とは同期の冒険者でもあるミナはシュンと共に自分達と敵対するかのように武器を構えたジャンヌに悲し気な表情を浮かべるが、どちらも敵対する理由を説明する気はないのか武器を構えたまま動かない。
※|д゚)チラッ
|д゚)要望にお応えして本当の「ホネミンルート」も夜に投降します!!
|彡 サッ
「カノンよ!!ちょっと格好良さげな名前だと思ったけど違うわよ!?」
レナの言葉にライフル型の神器「スナイパー」を構えながらカノンは怒鳴り返し、弾丸の形状に削り取った魔石を装弾する。どうやら魔力の塊を撃ち込むのではなく、魔石を弾丸として発射させる武器らしい。カノンが攻撃を仕掛ける前にレナは魔法で迎撃しようとした時、反対方向から殺気を感じて剣を振りぬく。
「おっと」
「なっ……!?」
背後から射抜かれた矢に対してレナは反鏡剣の刃で鏃の部分を弾くと、カノンとは位置的に反対側の城壁で弓矢を構えた少年が存在した。レナは以前にも見かけた事がある顔だと知り、名前は「フヨ」と呼ばれていた王妃の側近である事を思い出す。
カノンに気を取られている間に不意打ちを仕掛けたようだが、意図も容易く自分の矢を弾いたレナにフヨは悔し気な表情を浮かべ、即座に鏃の部分に付与魔法を発動させて次の矢を放つ。
「喰らえっ!!」
「雷属性か」
電撃の力を宿した矢が放たれ、本物の雷の如き速度でレナに放つが、既に矢が射抜かれる前にレナは氷塊から飛び降りて攻撃を回避する。雷属性の魔法は全ての属性の中でも「速効性」に優れてはいるが、その攻撃の起動はほぼ直線的なので攻撃を仕掛ける前に行動すれば簡単に回避できる。
「逃がさないわよ!!今度は確実に……」
「火炎刃!!」
「きゃあっ!?」
カノンがスナイパーを発砲する前にレナは掌を構え、合成魔術を発動させて火炎の刃を放つ。レナの事を剣士だと思い込んでいたのか、まさか攻撃魔法も扱えるとは思わずにカノンは慌てて回避すると、城壁に爆発が生じる。それを確認したレナは裏庭へ着地すると、即座に周囲から接近してくる足音に気付く。
「見つけたぞ!!侵入者だ!!」
「捕らえろ!!いや、殺しても構わん!!」
「迂闊に近づくな!!まずは取り囲め!!」
事前に敵が侵入してくる事を予測していたように裏庭には大勢の兵士が配置され、それを見たレナは予想よりも数が多い事に溜息を吐く。
「面倒だな……おい、ミドルは何処だ?」
「黙れ!!侵入者に答えることはない!!」
「全員で同時に魔法を撃て!!」
レナの質問に答えずに兵士達の中から魔術師と思われる者達が集まると、レナを包囲した状態で杖を構える。包囲した状態で魔法を発動させれば直線軌道上に存在する兵士も巻き込むはずだが、魔術兵は意にも介さずに魔法を発動させる。
『フレイムアロー!!』
「おいおい、マジかっ!?」
味方の被害を考慮しないとばかりに魔術兵は杖を掲げて砲撃魔法を発動させると、四方八方から火属性の魔弾が撃ち込まれたる。それを見たレナは右手の風の聖痕を天に構え、自分の身を守るように精霊魔法を発動させた。
『風よ!!我が身を守れ!!』
「なっ……ば、馬鹿な!?」
「どうなっている!?」
周囲に存在した風の精霊を呼び集め、自分の身を守るように小規模の竜巻をレナは作り出すと魔術兵が生み出した魔弾を全て掻き消す。本来ならば火属性は風属性を吸収する性質を持っているが、精霊魔法の場合は通常の魔法よりも上位互換の魔法のため、幾ら相性が良くとも普通の魔法では及ばない事はレナもアリアとの戦闘で学んでいる。
自身を身を守るように竜巻を生み出したレナは今の内に準備を整えるため、両手を広げて空間魔法を発動させる。レナの目の前に黒渦が誕生した事を見抜いた兵士達は危険を感じ、魔術兵に追撃を加えるように指示した。
「魔法を止めるな!!攻撃を続けろ!!」
「さ、サンダーランス!!」
「ウィンドアロー!!」
「フレイムカノン!!」
魔術兵は次々と砲撃魔法を発動させ、レナの作り出した竜巻を吹き飛ばそうと試みるが、風の聖痕に反応した精霊達が続々と集まり、竜巻は全ての魔法を掻き消す。やがて竜巻の勢いが弱まった頃、竜巻の中心部には大勢の人影が存在した。
「ふうっ……やっと出られた」
「作戦は成功したようだな」
「お、おい……何か思っていたより兵士の数が多くない?」
「弱気になっちゃ駄目っすよ!!これぐらいの数なら問題ないっす!!」
「そうだよ!!もうここまで来たら思いっきり暴れるしかないよ!!」
「兵士の数は……推定1000名というところですか。ならば1人頭100名を倒せば十分でしょう」
竜巻が消散した瞬間、裏庭には黒渦からコトミン、ゴンゾウ、ダイン、エリナ、ミナ、リンダが現れ、その姿を見た兵士達は困惑する。先ほどまでは存在しなかった彼等がどうやって現れたのか分からずに混乱している兵士達に対し、更にレナは黒渦から助っ人を呼び出す。
「ほら、出番だぞティナ!!」
「う、うん……ミノ君、アインちゃん、ウル君やっちゃえ!!」
「ブモォオオオッ!!」
「キュロロロッ!!」
「ウォオオオンッ!!」
「ま、魔獣だと!?」
拡大化した黒渦からアインの肩に乗ったティナが現れ、続けて「神器アックス」を握り締めたミノと、この日のために牙と爪を念入りに研ぎ澄ましたウルも現れた。人間だけではなく、魔人族と魔獣を従えた森人族の少女の登場に兵士達は戸惑うが、そんな彼等に対してレナ達はお互いに背中を守るように配置に着いた。
「皆、作戦通りに頼んだよ。ここは俺とゴンちゃんが食い止める!!」
「俺達に任せろ!!」
「わ、分かった!!レナも気を付けろよ!!」
「姫様、私とエリナの傍から離れないでください」
「は、はい!!」
事前に決めた作戦通りにレナはゴンゾウと共に裏庭に残って兵士達の注意を引きつけ、その間に他の面子は地下牢へ向かい、捕らわれている仲間達を救い出すために動く。まずは包囲した兵士達を蹴散らすためにレナは退魔刀を取り出して反鏡剣を握り締めて準備を整えると、ゴンゾウと共に駆け出す。
「行くぞゴンちゃん!!」
「応っ!!」
「ひっ……!?」
自分達に迫るレナとゴンゾウに兵士達は恐怖の表情を浮かべた瞬間、二人が攻撃を仕掛ける前に上空から衝撃波が放たれ、レナ達の前の地面に亀裂が生じる。それを見た二人は足を止め、攻撃を仕掛けた人物が上空から姿を現した
「邪魔だ!!下がってろ雑魚共!!」
「ぬうっ……!?」
「この攻撃は……シュンさん」
兵士達の前に剣聖であるシュンが降り立ち、彼は今までに見た事が無いほどに険しい表情を浮かべながら刀を握り締め、レナ達と向かい合う。シュンが現れた事にレナ以外の者達は驚愕の表情を浮かべ、特にシュンと元同僚であったリンダは声を上げる。
「シュン……!?どうして貴方がここに……いえ、それよりも何故邪魔をするのですか!?」
「……悪いなお前等、ここで死んでくれ」
「そんな……シュンさん!!どうしたんですか!?」
氷雨の冒険者であるミナはシュンの言葉に衝撃を受けるが、彼女の言葉を聞いてもシュンは何も答えず、黙って剣先をレナに向ける。その態度を見てレナは剣を構え、以前に戦った時よりも恐ろしい気迫を放つシュンにレナも剣を握り締める力を強める。
「悪いな坊主……まさかお前とこんな形で決着をつける事になるとはな」
「……そこを退いて下さい」
「無理だ、悪いがここで退くわけにはいかねえ……ジャンヌ!!」
「はああっ!!」
シュンが兵士たちの方向に視線を向けて名前を叫ぶと、兵士達の頭上を飛び越えて「斧」と「剣」を組み合わせたような「旋斧」と呼ばれる武器を掲げたジャンヌもレナ達の前に降り立つ。彼女もシュンと同様にレナ達に武器を構えると、悲痛な表情で謝罪を行う。
「……申し訳ありません」
「そんな……どうしてジャンヌまで!?」
彼女とは同期の冒険者でもあるミナはシュンと共に自分達と敵対するかのように武器を構えたジャンヌに悲し気な表情を浮かべるが、どちらも敵対する理由を説明する気はないのか武器を構えたまま動かない。
※|д゚)チラッ
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
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アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
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