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最終章 王国編
総力戦 その2
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「おおっ!!嵐の剣聖と暴風の剣聖が来たぞ!!さあ、早くそいつらを殺せ!!」
「うるせえ、てめえら下っ端に指図される謂れはねえよ!!」
「うわぁっ!?」
現れたシュンとジャンヌに兵士長が命令を下すが、シュンは苛立ちを隠さずに剣を振り祓い、兵士長の足元に風の斬撃を放つ。それを見た兵士達は動揺し、慌ててシュンに抗議する。
「き、貴様!!我々に逆らう気か!?」
「下っ端如きが偉そうにするんじゃねえ!!言っておくが俺達は王妃から直々に命令を受けている。てめえ等みたいな雑魚はさっさと消えろ!!巻き込まれて死んでも知らねえぞ!!」
「こ、こいつ……!!」
「ま、まあ、いいではないか……剣聖のお手並みを拝見させてもらおう」
シュンの態度に兵士達は怒りを抱くが、攻撃を仕掛けられた兵士長は顔色を青くしながらも兵士達を下がらせる。その様子を見たレナ達はシュンとジャンヌと向かい合い、二人は神妙な表情を浮かべながら武器を構えた。
「まあ、そういう事だ。悪いな坊主、お前の叔母様を救うために俺達は敵になった」
「……申し訳ありません。ですが、ここで退くわけにはいきません」
「本気、なんだな?」
「ああ、本気だ」
レナの質問に対してシュンは刀身に風の精霊の力を利用して魔力を纏わせ、レナに向けて剣を振るう。だが、その攻撃に対してレナは右手の風の聖痕を構えると、風の斬撃は右手に吸収されるように掻き消える。その光景を見てシュンは頭を掻き、やはり聖痕がレナの手元にある事を知る。
「風の聖痕か……そいつがある限り、俺の剣技は坊主には相性が悪そうだな」
「シュンさん?」
「安心しろ、だからって退く気はねえ……坊主、てめえの相手は俺だ。ジャンヌはそこの厄介そうなデカブツを相手にしろ」
「ぬうっ……!!」
シュンに指名されたゴンゾウは金銀の闘拳を構えると、ジャンヌも両手の旋斧を構え、距離を測る。だが、そんな4人の元にリンダが割って入った。
「待ってください、レナ様……この男の相手は私がします」
「リンダさん?」
「はっ……リンダか、そういえばお前との決着もまだだったな」
レナを庇う様にリンダは前に出ると、彼女は気合を込めるように拳を握り締め、シュンに向けて拳を突きだす。その瞬間、拳から衝撃波のような拳圧が放たれ、シュンの頬を掠めて10メートル以上は離れている城壁にめり込む。その光景を見た兵士達は唖然とした表情を浮かべ、リンダの拳圧で頬に一筋の血が流れたシュンは冷や汗を流す。
「遠当て、か。まさか実物を目にしたのは初めてだぞ」
「自分だけが強くなっていると思わないで下さい。私も50年前、貴方に敗北した時から厳しい鍛錬に励んできました。昔の私と思わないでください」
「そうかよ……おらっ!!」
「はあっ!!」
リンダとシュンが同時に剣と拳を振りぬいた瞬間、風の斬撃と拳圧が衝突し、周囲にかまいたちのような衝撃波が発生した。傍に存在したレナとゴンゾウは吹き飛ばされないように耐え凌ぐ間、ジャンヌも旋斧を翻してゴンゾウの元に向かう。
「参ります!!」
「むっ!!」
「させない!!」
だが、ジャンヌがゴンゾウに攻撃を仕掛ける前に上空から父親の形見である槍を握り締めたミナが飛び掛かり、ジャンヌに対して槍を放つ。
「螺旋槍!!」
「くっ!?」
刃先を高速回転させながら突きだされた槍に対してジャンヌは剣を交差して防ぐが、あまりの威力に刃に火花が発生し、彼女は受け続けるのは危険と判断して攻撃を逸らす。ミナは地面に着地するとジャンヌと向かい合い、ゴンゾウとレナに声を掛ける。
「ごめんね二人とも……でも、ジャンヌは僕が止める!!」
「ミナさん……いいでしょう、貴方とは一度本気で戦ってみたかった!!」
ミナの言葉にジャンヌは両手の旋斧を構え、戦技を発動させて身体を回転させる。まるでベーゴマのように両手の剣を振り回す事で遠心力を利用して攻撃の速度を加速させ、ジャンヌはミナに切りかかった。
「回転!!」
「うわぁっ!?」
「ぬおっ!?」
「不味い!!」
ジャンヌの攻撃に巻き込まれないようにレナ達は散らばり、時間が経過するごとに回転の速度が上昇して攻撃力を増加させ、ミナが存在する方向へ向かう。その光景を見て兵士達は攻撃に巻き込まれないように慌てて距離を更に取ると、城壁で待機していたカノンとフヨが銃と弓矢を構える。
「ちょっと、私達の事を忘れないでくれる?」
「死ね、王妃様の敵め!!」
「させないっすよ!!」
「んいっ」
発砲される前にエリナがカノンに向けて矢を連射させ、コトミンは右手に抱えた大きな壺から水を掴むと「槍」のように変形させてフヨに放つ。カノンは舌打ちしながら放たれた矢を回避するが、フヨはコトミンの放った水の槍によって弓矢を破壊されてしまう。
「ちっ!!」
「うわっ!?」
「あんたらの相手はあたし達っす!!」
「レナのために頑張る……戦闘は得意じゃないけど」
「わ、私も頑張るよ~!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォオオオッ!!」
「ガアアッ!!」
カノンの相手は彼女と同じく狙撃を得意とするエリナが行い、弓矢を失ったフヨに対してコトミンは満足気に鼻を鳴らす。その間に魔獣達を従えたティナは兵士達の元に突っ込み、彼等を吹き飛ばす。
「ぎゃああっ!?」
「さ、サイクロプスにミノタウロスだと!?どうしてこんな化物が……うわぁっ!?」
「は、白狼種までいるぞ!!」
「キュロロッ!!」
「め、目が回るよ~……!?」
大勢の兵士達に対して魔獣達が圧倒的な力で吹き飛ばし、ティナは暴れるロプスに振り落とされないように必死にしがみつく。その光景をレナとゴンゾウとダインは確認すると、当初の作戦とは大幅に異なるが、敵の注意が他に気を取られている内にレナ達は地下牢に捕まった人間を助けるために動く。
「作戦とはだいぶ違うけど……俺達で他の皆を救いに行こう!!」
「おう!!」
「ま、待てよ!?僕を置いてくなぁっ!?」
レナとゴンゾウが駆け出すと慌ててダインも後に続き、3人は城内を移動してまずは距離的に近いシズネが捕まっている牢獄へ向かう。剣聖である彼女が解放されれば戦力も強化されるため、彼女のために用意した武器を渡すためにもレナは先頭を移動して通路を走る。
流石に城内にも兵士は待機しており、通路を移動するレナ達を発見して大勢の兵士が押し寄せる。その数は数十名を超え、中には巨人族や獣人族の姿も存在した。
「見つけたぞ!!奴等が侵入者だ!!」
「殺せ!!容赦はするな!!」
「邪魔な奴等だな……行くよ二人とも!!」
「おうっ!!」
「う、うおおおおっ!!」
退魔刀と右手に掲げたレナは「加速剣撃」を発動させ、ゴンゾウは右腕に力を込め、ダインも強化された「黒杖」を握り締めながら各々が得意とする技を放つ。
「シャドウ・スリップ!!」
「金剛撃!!」
「兜割り!!」
『うわぁああああっ!?』
最初にダインの魔法によって兵士達は足元を崩し、体勢を乱した兵士達にレナとゴンゾウが容赦なく強烈な一撃を与えて吹き飛ばす。兵士達は反対側の壁まで叩きつけられ、邪魔者を排除したレナ達は地下牢に続く扉を発見する。
「えっと……レナ、地図によればその扉のはずだ!!」
「よし、ゴンちゃん!!」
「任せろ!!」
地下牢に繋がる鋼鉄製の扉に対してゴンゾウが体当たりを仕掛け、力尽くで扉を破壊すると地下に続く階段が現れ、一気にレナとゴンゾウは階段を駆け下りようとした。だが、ダインだけは通路に立ち止まってしまう。
「うるせえ、てめえら下っ端に指図される謂れはねえよ!!」
「うわぁっ!?」
現れたシュンとジャンヌに兵士長が命令を下すが、シュンは苛立ちを隠さずに剣を振り祓い、兵士長の足元に風の斬撃を放つ。それを見た兵士達は動揺し、慌ててシュンに抗議する。
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「下っ端如きが偉そうにするんじゃねえ!!言っておくが俺達は王妃から直々に命令を受けている。てめえ等みたいな雑魚はさっさと消えろ!!巻き込まれて死んでも知らねえぞ!!」
「こ、こいつ……!!」
「ま、まあ、いいではないか……剣聖のお手並みを拝見させてもらおう」
シュンの態度に兵士達は怒りを抱くが、攻撃を仕掛けられた兵士長は顔色を青くしながらも兵士達を下がらせる。その様子を見たレナ達はシュンとジャンヌと向かい合い、二人は神妙な表情を浮かべながら武器を構えた。
「まあ、そういう事だ。悪いな坊主、お前の叔母様を救うために俺達は敵になった」
「……申し訳ありません。ですが、ここで退くわけにはいきません」
「本気、なんだな?」
「ああ、本気だ」
レナの質問に対してシュンは刀身に風の精霊の力を利用して魔力を纏わせ、レナに向けて剣を振るう。だが、その攻撃に対してレナは右手の風の聖痕を構えると、風の斬撃は右手に吸収されるように掻き消える。その光景を見てシュンは頭を掻き、やはり聖痕がレナの手元にある事を知る。
「風の聖痕か……そいつがある限り、俺の剣技は坊主には相性が悪そうだな」
「シュンさん?」
「安心しろ、だからって退く気はねえ……坊主、てめえの相手は俺だ。ジャンヌはそこの厄介そうなデカブツを相手にしろ」
「ぬうっ……!!」
シュンに指名されたゴンゾウは金銀の闘拳を構えると、ジャンヌも両手の旋斧を構え、距離を測る。だが、そんな4人の元にリンダが割って入った。
「待ってください、レナ様……この男の相手は私がします」
「リンダさん?」
「はっ……リンダか、そういえばお前との決着もまだだったな」
レナを庇う様にリンダは前に出ると、彼女は気合を込めるように拳を握り締め、シュンに向けて拳を突きだす。その瞬間、拳から衝撃波のような拳圧が放たれ、シュンの頬を掠めて10メートル以上は離れている城壁にめり込む。その光景を見た兵士達は唖然とした表情を浮かべ、リンダの拳圧で頬に一筋の血が流れたシュンは冷や汗を流す。
「遠当て、か。まさか実物を目にしたのは初めてだぞ」
「自分だけが強くなっていると思わないで下さい。私も50年前、貴方に敗北した時から厳しい鍛錬に励んできました。昔の私と思わないでください」
「そうかよ……おらっ!!」
「はあっ!!」
リンダとシュンが同時に剣と拳を振りぬいた瞬間、風の斬撃と拳圧が衝突し、周囲にかまいたちのような衝撃波が発生した。傍に存在したレナとゴンゾウは吹き飛ばされないように耐え凌ぐ間、ジャンヌも旋斧を翻してゴンゾウの元に向かう。
「参ります!!」
「むっ!!」
「させない!!」
だが、ジャンヌがゴンゾウに攻撃を仕掛ける前に上空から父親の形見である槍を握り締めたミナが飛び掛かり、ジャンヌに対して槍を放つ。
「螺旋槍!!」
「くっ!?」
刃先を高速回転させながら突きだされた槍に対してジャンヌは剣を交差して防ぐが、あまりの威力に刃に火花が発生し、彼女は受け続けるのは危険と判断して攻撃を逸らす。ミナは地面に着地するとジャンヌと向かい合い、ゴンゾウとレナに声を掛ける。
「ごめんね二人とも……でも、ジャンヌは僕が止める!!」
「ミナさん……いいでしょう、貴方とは一度本気で戦ってみたかった!!」
ミナの言葉にジャンヌは両手の旋斧を構え、戦技を発動させて身体を回転させる。まるでベーゴマのように両手の剣を振り回す事で遠心力を利用して攻撃の速度を加速させ、ジャンヌはミナに切りかかった。
「回転!!」
「うわぁっ!?」
「ぬおっ!?」
「不味い!!」
ジャンヌの攻撃に巻き込まれないようにレナ達は散らばり、時間が経過するごとに回転の速度が上昇して攻撃力を増加させ、ミナが存在する方向へ向かう。その光景を見て兵士達は攻撃に巻き込まれないように慌てて距離を更に取ると、城壁で待機していたカノンとフヨが銃と弓矢を構える。
「ちょっと、私達の事を忘れないでくれる?」
「死ね、王妃様の敵め!!」
「させないっすよ!!」
「んいっ」
発砲される前にエリナがカノンに向けて矢を連射させ、コトミンは右手に抱えた大きな壺から水を掴むと「槍」のように変形させてフヨに放つ。カノンは舌打ちしながら放たれた矢を回避するが、フヨはコトミンの放った水の槍によって弓矢を破壊されてしまう。
「ちっ!!」
「うわっ!?」
「あんたらの相手はあたし達っす!!」
「レナのために頑張る……戦闘は得意じゃないけど」
「わ、私も頑張るよ~!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォオオオッ!!」
「ガアアッ!!」
カノンの相手は彼女と同じく狙撃を得意とするエリナが行い、弓矢を失ったフヨに対してコトミンは満足気に鼻を鳴らす。その間に魔獣達を従えたティナは兵士達の元に突っ込み、彼等を吹き飛ばす。
「ぎゃああっ!?」
「さ、サイクロプスにミノタウロスだと!?どうしてこんな化物が……うわぁっ!?」
「は、白狼種までいるぞ!!」
「キュロロッ!!」
「め、目が回るよ~……!?」
大勢の兵士達に対して魔獣達が圧倒的な力で吹き飛ばし、ティナは暴れるロプスに振り落とされないように必死にしがみつく。その光景をレナとゴンゾウとダインは確認すると、当初の作戦とは大幅に異なるが、敵の注意が他に気を取られている内にレナ達は地下牢に捕まった人間を助けるために動く。
「作戦とはだいぶ違うけど……俺達で他の皆を救いに行こう!!」
「おう!!」
「ま、待てよ!?僕を置いてくなぁっ!?」
レナとゴンゾウが駆け出すと慌ててダインも後に続き、3人は城内を移動してまずは距離的に近いシズネが捕まっている牢獄へ向かう。剣聖である彼女が解放されれば戦力も強化されるため、彼女のために用意した武器を渡すためにもレナは先頭を移動して通路を走る。
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「殺せ!!容赦はするな!!」
「邪魔な奴等だな……行くよ二人とも!!」
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「金剛撃!!」
「兜割り!!」
『うわぁああああっ!?』
最初にダインの魔法によって兵士達は足元を崩し、体勢を乱した兵士達にレナとゴンゾウが容赦なく強烈な一撃を与えて吹き飛ばす。兵士達は反対側の壁まで叩きつけられ、邪魔者を排除したレナ達は地下牢に続く扉を発見する。
「えっと……レナ、地図によればその扉のはずだ!!」
「よし、ゴンちゃん!!」
「任せろ!!」
地下牢に繋がる鋼鉄製の扉に対してゴンゾウが体当たりを仕掛け、力尽くで扉を破壊すると地下に続く階段が現れ、一気にレナとゴンゾウは階段を駆け下りようとした。だが、ダインだけは通路に立ち止まってしまう。
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