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最終章 王国編
ゴウライVS革命団
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『いいぞ……来い、かかって来い!!』
「……何だか、前に会った時と雰囲気が違うわね。どことなく禍々しい気配を感じるわ」
「どうしたってんだこいつ……」
「不気味な……邪な気を帯びているように見えるでござる」
ゴウライの様子を見て他の者達も異変を感じ取り、普段のゴウライからは有り得ない程の「邪気」を感じ取った。だが、その反面にゴウライ自身が苦しんでいる様子は見られず、むしろ戦う事を喜ぶように興奮していた。
『さあ、来い!!吾輩を……私を楽しませろっ!!』
「おい、来るぞ!?」
「ちっ……全員下がれ、こいつを痺れさせる」
大剣を構え直したゴウライが刃を振りぬこうとした瞬間、ラナが手元から小袋を取り出してゴウライに投げつける。袋の中身は人間に対しては絶大な効果を誇る麻痺効果を促す粉末が中に入っており、ゴウライの甲冑の隙間から彼女を麻痺させようとしたが、投げつけられた小袋に対してゴウライは大剣の刃で躊躇なく切り裂く。
『ふんっ!!』
「馬鹿め、全員その煙から離れろ!!」
「うわわっ!?」
刃で小袋が切り裂かれた瞬間にゴウライの身体が煙に包み込まれ、慌てて近くに存在した者達は距離を取る。だが、軽く素振りを行うだけでゴウライは煙を振り払い、何事もないように歩み寄る。
『がああああっ!!』
「ば、馬鹿な!?何故、動ける!?」
「毒耐性のスキルを持っていたのでござるか!?」
確実に煙を吸い込んだはずだがゴウライは気にも留めずにラナに向けて駆け抜け、大剣を握り締める。ゴウライの正体は「ダークエルフ」と呼ばれる森人族の中でも希少で変わった存在であり、まずダークエルフには女性しか存在せず、しかも彼女達は森人族でありながら魔法を不得手とするが、その一方で肉体能力の強さは巨人族や獣人族さえも上回る。
ダークエルフの特徴は魔法は扱えない代わりに身体能力が高く、更に毒物や病気に対する強い免疫力を持つ。なので彼女達は普通ならば死ぬような毒でも平然と生き残る事が可能でラナが持ち出した粉末はゴウライには効かなかったのだ。
『ぬぅんっ!!』
「ぐっ……うああっ!?」
「ラナちゃん!!」
咄嗟に短刀を両手に構えてゴウライの攻撃を防ごうとしたラナだが、刃が届かない位置にいたにも関わらずにゴウライが無造作に振りぬいた大剣の剣圧だけで吹き飛ばされ、それを確認したアイラとバルが同時に左右から攻撃を仕掛ける。
「くそ、いい加減にしな!!」
「バルちゃん!!行くわよ!!」
『はっ!!』
バルは全体重と筋力を利用した「撃剣」の戦技を発動させ、アイラも無数の斬撃を繰り出す「剣舞」を繰り出す。だが、全盛期を過ぎて力が衰えている彼女達の攻撃は今現在が全盛期を誇るゴウライには通じず、バルが振りぬいた大剣に対してゴウライは片手で掴み取り、アイラの剣撃は全て大剣で防ぐ。
「なっ!?嘘だろ……うわぁっ!?」
「バルちゃ……あうっ!?」
『邪魔だっ!!』
大剣を握り締めた状態でゴウライはバルに足払いを仕掛け、反対側に存在したアイラに対しては大剣を突き出して彼女の身体を吹き飛ばす。それを目撃したハンゾウが背後から飛び掛かり、ジャンヌとミナも武器を構えて挑む。
「抜刀!!」
「回転!!」
「螺旋槍!!」
『ぐうっ……!?』
3人が得意とする戦技が同時にゴウライの甲冑に衝突し、衝撃が鎧の内部にまで届く。だが、破壊にまでは至らず、それどころか不用意に接近した3人に対してゴウライは大剣を振りぬく。
『回転!!』
「ぬあっ!?」
「きゃあああっ!?」
「うわぁっ!?」
大剣を一回転させただけで3人を同時に吹き飛ばすゴウライの姿にシュンとリンダも動かざるを得ず、シュンはリンダと目配せを行って同時に攻撃を仕掛けた。
「くそ、仕方ねえ……行くぞリンダ!!」
「はあっ!!」
『うおっ!?』
二人は同時に剣と拳を振りぬいた瞬間、風の斬撃と衝撃波を生み出す。不可視の攻撃に対してゴウライは反応が遅れ、頭部に衝撃を受けて地面に膝を付く。一瞬でも気を引く事が成功すれば十分のため、その間に他の者達は反撃の体勢を整える。
真っ先に動いたの巨人族の血を受け継いで身体が頑丈なバルがゴウライの背後に迫り、羽交い締めを行う。その間に折れた剣を捨てたアイラとリンダが駆け抜け、同時に攻撃を行う。
「大人しくしていな!!このデカブツが!!」
『ぐうっ……!?』
「勁撃!!」
「連勁!!」
リンダは発勁と打撃を組み合わせた一撃に対し、アイラは掌底を何発も加えて連続で発勁を放つ。こちらの世界の発勁は相手の内部に衝撃を与える戦技のため、鎧越しでも彼女達の攻撃は通じたのかゴウライは口元の部分から血が滲む。
『ぐふっ……おおおおっ!!』
「うおおっ!?」
「きゃっ!?」
「うぐっ!?」
だが、羽交い締めしていたバルを力ずくで引き剥がし、そのまま一本背負いの要領で前方に立つ二人に叩きつけると、ゴウライは大剣を握り締めて重ね合う様に倒れた3人に向けて刃を構える。しかし、寸前で顔面に矢が衝突して身体をよろめかせる。
「こっちの事も忘れちゃ困るっす!!」
「エリナ、もっと撃つ」
「ぷるぷるっ……」
城壁の上でボーガンを構えたエリナと大量の矢を回収してきたコトミンが存在し、彼女の頭の上には水分を使い過ぎて萎んでしまったスラミンが休んでいた。それを確認したゴウライは攻撃対象を変更させて刃を構えな治すと、今度は誰にも邪魔を受けずに戦技を発動させた。
『兜割り!!』
「うわぁあああっ!?」
「回避!!」
「ぷるるんっ!?」
強烈な斬撃が繰り出されて城壁が真っ二つに切り裂かれ、慌ててエリナとコトミンは別方向に回避するが、斬撃を受けた城壁の一部が崩れ始める。あまりにも圧倒的な力を誇るゴウライに吹き飛ばされた人間達は冷や汗が止まらず、このままでは全滅してしまう。
世界最強の剣聖がこれほどまで強いとは誰も想像できず、全盛期のアイラやバルでさえも上回る戦闘能力に対し、彼女に対抗出来る程の力を持つ存在はこの場にはいない。連携して倒そうにも全身を覆う甲冑が厄介でまともに損傷を与える事も出来ない。
「くそ、このままだと俺達全員が死ぬぞ……どうにかこいつを仕留める方法はないのかよ」
「そんな方法があれば既に試しています……こんな時にレナ様やシズネ様がいれば……」
「ね、ねえっ……皆、あれを見て!!」
流石のシュンもあまりの戦力差に弱音を吐かずにはいられず、リンダでさえも諦めかけたとき、アインの両腕を繋ぎ治すために回復魔法を行っていたティナが声を上げ、彼女はゴウライの兜を指差す。
「あの頭の部分からすっごい嫌な魔力を感じるの!!だから、もしかしたらその嫌な魔力をなくしちゃえば……!!」
「つまり、奴の兜を引き剥がせばいいのか?」
「ううん、多分だけど頭の部分から魔力を感じるから……そこに私が魔法を掛けたら掻き消せるかもしれない!!」
「本当ですかティナ様!?」
ティナの予想ではゴウライを操作するのは彼女の頭から放たれる嫌な魔力、つまりは「闇属性の魔力」が原因だと考えられ、闇属性に対抗出来る唯一の聖属性の魔法を扱えるのはこの場には彼女しか存在しない。なのでどうにかゴウライから兜を引き剥がし、ティナが回復魔法を頭部に施せば頭部に取り付いた闇属性の魔力を掻き消し、彼女を正気に戻す事が出来るかもしれないという。
※い、何時の間にかお気に入り登録者が1万人を超えている!?(; ゚Д゚)これも邪神様の導きか……
アイリス「誰が邪神ですかっ」
「……何だか、前に会った時と雰囲気が違うわね。どことなく禍々しい気配を感じるわ」
「どうしたってんだこいつ……」
「不気味な……邪な気を帯びているように見えるでござる」
ゴウライの様子を見て他の者達も異変を感じ取り、普段のゴウライからは有り得ない程の「邪気」を感じ取った。だが、その反面にゴウライ自身が苦しんでいる様子は見られず、むしろ戦う事を喜ぶように興奮していた。
『さあ、来い!!吾輩を……私を楽しませろっ!!』
「おい、来るぞ!?」
「ちっ……全員下がれ、こいつを痺れさせる」
大剣を構え直したゴウライが刃を振りぬこうとした瞬間、ラナが手元から小袋を取り出してゴウライに投げつける。袋の中身は人間に対しては絶大な効果を誇る麻痺効果を促す粉末が中に入っており、ゴウライの甲冑の隙間から彼女を麻痺させようとしたが、投げつけられた小袋に対してゴウライは大剣の刃で躊躇なく切り裂く。
『ふんっ!!』
「馬鹿め、全員その煙から離れろ!!」
「うわわっ!?」
刃で小袋が切り裂かれた瞬間にゴウライの身体が煙に包み込まれ、慌てて近くに存在した者達は距離を取る。だが、軽く素振りを行うだけでゴウライは煙を振り払い、何事もないように歩み寄る。
『がああああっ!!』
「ば、馬鹿な!?何故、動ける!?」
「毒耐性のスキルを持っていたのでござるか!?」
確実に煙を吸い込んだはずだがゴウライは気にも留めずにラナに向けて駆け抜け、大剣を握り締める。ゴウライの正体は「ダークエルフ」と呼ばれる森人族の中でも希少で変わった存在であり、まずダークエルフには女性しか存在せず、しかも彼女達は森人族でありながら魔法を不得手とするが、その一方で肉体能力の強さは巨人族や獣人族さえも上回る。
ダークエルフの特徴は魔法は扱えない代わりに身体能力が高く、更に毒物や病気に対する強い免疫力を持つ。なので彼女達は普通ならば死ぬような毒でも平然と生き残る事が可能でラナが持ち出した粉末はゴウライには効かなかったのだ。
『ぬぅんっ!!』
「ぐっ……うああっ!?」
「ラナちゃん!!」
咄嗟に短刀を両手に構えてゴウライの攻撃を防ごうとしたラナだが、刃が届かない位置にいたにも関わらずにゴウライが無造作に振りぬいた大剣の剣圧だけで吹き飛ばされ、それを確認したアイラとバルが同時に左右から攻撃を仕掛ける。
「くそ、いい加減にしな!!」
「バルちゃん!!行くわよ!!」
『はっ!!』
バルは全体重と筋力を利用した「撃剣」の戦技を発動させ、アイラも無数の斬撃を繰り出す「剣舞」を繰り出す。だが、全盛期を過ぎて力が衰えている彼女達の攻撃は今現在が全盛期を誇るゴウライには通じず、バルが振りぬいた大剣に対してゴウライは片手で掴み取り、アイラの剣撃は全て大剣で防ぐ。
「なっ!?嘘だろ……うわぁっ!?」
「バルちゃ……あうっ!?」
『邪魔だっ!!』
大剣を握り締めた状態でゴウライはバルに足払いを仕掛け、反対側に存在したアイラに対しては大剣を突き出して彼女の身体を吹き飛ばす。それを目撃したハンゾウが背後から飛び掛かり、ジャンヌとミナも武器を構えて挑む。
「抜刀!!」
「回転!!」
「螺旋槍!!」
『ぐうっ……!?』
3人が得意とする戦技が同時にゴウライの甲冑に衝突し、衝撃が鎧の内部にまで届く。だが、破壊にまでは至らず、それどころか不用意に接近した3人に対してゴウライは大剣を振りぬく。
『回転!!』
「ぬあっ!?」
「きゃあああっ!?」
「うわぁっ!?」
大剣を一回転させただけで3人を同時に吹き飛ばすゴウライの姿にシュンとリンダも動かざるを得ず、シュンはリンダと目配せを行って同時に攻撃を仕掛けた。
「くそ、仕方ねえ……行くぞリンダ!!」
「はあっ!!」
『うおっ!?』
二人は同時に剣と拳を振りぬいた瞬間、風の斬撃と衝撃波を生み出す。不可視の攻撃に対してゴウライは反応が遅れ、頭部に衝撃を受けて地面に膝を付く。一瞬でも気を引く事が成功すれば十分のため、その間に他の者達は反撃の体勢を整える。
真っ先に動いたの巨人族の血を受け継いで身体が頑丈なバルがゴウライの背後に迫り、羽交い締めを行う。その間に折れた剣を捨てたアイラとリンダが駆け抜け、同時に攻撃を行う。
「大人しくしていな!!このデカブツが!!」
『ぐうっ……!?』
「勁撃!!」
「連勁!!」
リンダは発勁と打撃を組み合わせた一撃に対し、アイラは掌底を何発も加えて連続で発勁を放つ。こちらの世界の発勁は相手の内部に衝撃を与える戦技のため、鎧越しでも彼女達の攻撃は通じたのかゴウライは口元の部分から血が滲む。
『ぐふっ……おおおおっ!!』
「うおおっ!?」
「きゃっ!?」
「うぐっ!?」
だが、羽交い締めしていたバルを力ずくで引き剥がし、そのまま一本背負いの要領で前方に立つ二人に叩きつけると、ゴウライは大剣を握り締めて重ね合う様に倒れた3人に向けて刃を構える。しかし、寸前で顔面に矢が衝突して身体をよろめかせる。
「こっちの事も忘れちゃ困るっす!!」
「エリナ、もっと撃つ」
「ぷるぷるっ……」
城壁の上でボーガンを構えたエリナと大量の矢を回収してきたコトミンが存在し、彼女の頭の上には水分を使い過ぎて萎んでしまったスラミンが休んでいた。それを確認したゴウライは攻撃対象を変更させて刃を構えな治すと、今度は誰にも邪魔を受けずに戦技を発動させた。
『兜割り!!』
「うわぁあああっ!?」
「回避!!」
「ぷるるんっ!?」
強烈な斬撃が繰り出されて城壁が真っ二つに切り裂かれ、慌ててエリナとコトミンは別方向に回避するが、斬撃を受けた城壁の一部が崩れ始める。あまりにも圧倒的な力を誇るゴウライに吹き飛ばされた人間達は冷や汗が止まらず、このままでは全滅してしまう。
世界最強の剣聖がこれほどまで強いとは誰も想像できず、全盛期のアイラやバルでさえも上回る戦闘能力に対し、彼女に対抗出来る程の力を持つ存在はこの場にはいない。連携して倒そうにも全身を覆う甲冑が厄介でまともに損傷を与える事も出来ない。
「くそ、このままだと俺達全員が死ぬぞ……どうにかこいつを仕留める方法はないのかよ」
「そんな方法があれば既に試しています……こんな時にレナ様やシズネ様がいれば……」
「ね、ねえっ……皆、あれを見て!!」
流石のシュンもあまりの戦力差に弱音を吐かずにはいられず、リンダでさえも諦めかけたとき、アインの両腕を繋ぎ治すために回復魔法を行っていたティナが声を上げ、彼女はゴウライの兜を指差す。
「あの頭の部分からすっごい嫌な魔力を感じるの!!だから、もしかしたらその嫌な魔力をなくしちゃえば……!!」
「つまり、奴の兜を引き剥がせばいいのか?」
「ううん、多分だけど頭の部分から魔力を感じるから……そこに私が魔法を掛けたら掻き消せるかもしれない!!」
「本当ですかティナ様!?」
ティナの予想ではゴウライを操作するのは彼女の頭から放たれる嫌な魔力、つまりは「闇属性の魔力」が原因だと考えられ、闇属性に対抗出来る唯一の聖属性の魔法を扱えるのはこの場には彼女しか存在しない。なのでどうにかゴウライから兜を引き剥がし、ティナが回復魔法を頭部に施せば頭部に取り付いた闇属性の魔力を掻き消し、彼女を正気に戻す事が出来るかもしれないという。
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