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最終章 王国編
神速
「流石、だね!!よく、その年齢で、ここまでの強さを……!!」
「それは、どうも!!」
退魔刀とロンギヌスの刃が衝突し、火花を散らしながら二人は玉座の間をかけ続ける。既に剣鬼の力を完全に覚醒させ、身体に帯びた重力の魔力によってレナは限界以上の速度で動いているにも関わらず、ミドルは難なく付いてくる。
(こいつ……間違いなく、俺が今まで戦ってきた誰よりも強い!!)
剣鬼の状態を覚醒させると動体視力が強化され、思考能力が加速し、周囲の光景がまるでスローモーションのように動いてみる。実際にレナの視界の端に存在するイレアビトとダインは時間が停止したかの様に動かないが、ミドルだけはスローモーションの影響を受けていないかの様に動いていた。
現在のレナは「魔鎧術」の応用で土属性の魔力で全身を覆い、身体に掛かる重力を操作して高速移動を行っているのだが、そんなレナに対してミドルは純粋な身体能力だけで渡り合う。既に二人の速度は常人の目では捉える事も出来ず、玉座の間のあちこちで金属音が鳴り響く。
「加速剣撃……旋風!!」
「大車輪!!」
横薙ぎに振り払ったレナの大剣に対してミドルは槍を回転させながら攻撃を受け止め、回転する槍に軌道を変化させられた大剣の刃が近くの柱にめり込む。その隙にミドルはレナの背後から槍を突き刺す。
「刺突!!」
「舐めるな!!」
だが、柱にめり込んだ大剣を逆に利用してレナは柄を握り締めた状態で新体操選手のように跳躍して回避すると、掌を突き出して魔法を放つ。
「風圧!!」
「そんな物……!?」
咄嗟にミドルはレナの魔法をロンギヌスで吸収しようとしたが、レナはミドルの反対方向に向けて魔法を放ち、文字通りに風圧を利用して大剣を柱から引き抜くと空中で切りかかる。
「月光斬!!」
「ぐうっ!?」
シズネから教わった戦技を発動させて三日月を想像させる軌道で刃を振り祓うと、咄嗟にミドルは槍の柄で防ぐ事に成功したが身体が吹き飛ばされる。その隙に着地したレナは退魔刀を振りかざし、カイから教わった最大の一撃を繰り出そうとした。
「一刀……!?」
「はあっ!!」
だが、攻撃を繰り出す前にミドルは掌を突き出した瞬間、レナの顔面に衝撃が走り、集中力を搔き乱されて発動に失敗する。一体何が起きたのかとレナは呆然とした表情を浮かべると、左手を突き出したミドルが笑みを浮かべる。
「遠当て……見るのは初めてかい?」
「くっ……二度と当たるか」
「だろうね、この程度の小細工は一度限りだ」
顔面を叩かれた時は驚いたが、威力に関してはそれほどではなく、軽く鼻血が噴き出したがすぐに拭い取るとレナは退魔刀を掲げる。戦闘を開始してからまだ数十秒程度しか経っていないが、二人の体感では既に数分間は戦っている感覚に陥る。それほどまでに二人と周囲の人間達の時間の感覚が異なり、更に加速してレナとミドルは打ち合う。
「回転撃!!」
「大車輪!!」
全力で大剣を振り回すレナに対してミドルも槍を手元で回転させながら接近し、再び振りぬかれた刃に槍を押し当てて攻撃を受け流す。ミドルの扱う「大車輪」は防御特化の戦技であり、本来は相手の攻撃を受け流す事に特化した戦技だった。
大振りの攻撃ではミドルを仕留められないと判断したレナは体勢を変化させ、今度はミドルを正面に捕らえて刃を放つ。だが、迫りくる刃に対してミドルは槍を突き出し、リーチの長さを生かして先にレナに攻撃を仕掛けた。
「刺突!!」
「ぐうっ!?」
咄嗟に顔を逸らす事で頭部への攻撃を回避する事は出来たが、真紅の槍はレナの頬を切り裂き、その血を吸収するように吸い込む。ミドルは防御から攻撃へと切り替え、次々と槍を繰り出す。
「嵐突き!!」
「うわっ……!?」
乱れ突きの戦技の強化版である戦技を発動させ、10本の槍が同時に突き出されたのではないかと思える程の速度で槍を放つ。咄嗟にレナは大剣で防ぐ事に成功したが、身体の至る箇所に掠り傷を負う。
(不味い……足をやられたらこいつの動きに付いてこれない、どうする!?)
ミドルの武器であるロンギヌスは聖剣と同等の力を誇るため、力尽くで破壊する事は難しい。しかし、下手な魔法や魔法剣を使用すればロンギヌスに吸収されてしまうため、敢えてレナは身体能力を強化させる魔法だけを使用しているが、このままでは勝つことが出来ない。
勝負が長引けば長引くほどに技量が勝るミドルが有利に立ち、徐々にレナの太刀筋が読まれ始めていた。このままでは不味いとは思っているが今のレナではミドルを正面から打ち倒す事は難しく、どうにか一瞬でもいいので相手に隙が出来れば一刀両断の戦技で打ち倒す事が出来ると考えているがミドルがそのような隙を見せるはずがない。
(狭間の世界でアイリスの作り出したミドルと何度かやりあったけど、ここまで力の差があるなんて……こいつもまだ成長しているのか)
狭間の世界でレナはアイリスがミドルの情報を頼りに作り出した人形と戦ったが、現在のミドルはアイリスが生み出した人形よりも遥かに手強く、完全に自分の力を扱いこなしていた。成長痛によって一時期は体調の不調に襲われたが、今現在のミドルは全身から力が溢れていた。
(さあ、どうする?君がこの程度で終わるはずがない……次は何をする気だ?)
ミドルは戦闘を楽しみながらもレナに向けて槍を突き出し、次の彼の行動を予測する。数多の戦場を駆け巡って来たミドルだからこそ、相手の戦闘能力を読み取って次の行動を予想する事は容易く、レナの行動を先読みして反撃の暇を与えずに猛攻を仕掛ける。
「刺突・閃!!」
「ぐあっ!?」
「レナ!!」
遂にレナの右肩にミドルが拘束に突き出した槍の刃が衝突し、右肩を貫く。その光景を見てダインは悲鳴をあげ、咄嗟にレナの元へ向かおうとしたがイレアビトが遮る。
「邪魔はさせないわ、男同士の決闘に外野は不要よ」
「くっ……退けよ!!」
ダインはレナを救うために杖を突きさし、影魔法を発動しようとした瞬間、イレアビトは収納石のブレスレットから「カラドボルグ」を取り出す。
「おっと、止めておきなさい……貴方のその魔法は私には通用しない」
「あ、あれ!?くそ、何でだよ!!どうして……!?」
「聖剣には聖属性の魔力が宿っている。装備しているだけでも闇属性の魔法は通用しないのを知らないのかしら?」
イレアビトに放った影の触手が弾かれ、必死にダインは影魔法でイレアビトとミドルを捉えようとしたが、聖剣の力で掻き消されてしまう。その光景を右肩から血を流しながらレナは確認すると、イレアビトの所持する聖剣に視線を向けて目を見開く。
「聖剣……ぐっ!?」
「余所見とは言い度胸だね!!」
レナの注意が二人に向いた瞬間、ミドルは容赦なく槍を突き出し、右腕を負傷したレナの右側から攻撃を繰り出す。肩を貫かれたせいで右腕はまともに動かず、どうにか左手だけで捌きながらレナは退魔刀に視線を向け、最後の賭けに出た。
「それは、どうも!!」
退魔刀とロンギヌスの刃が衝突し、火花を散らしながら二人は玉座の間をかけ続ける。既に剣鬼の力を完全に覚醒させ、身体に帯びた重力の魔力によってレナは限界以上の速度で動いているにも関わらず、ミドルは難なく付いてくる。
(こいつ……間違いなく、俺が今まで戦ってきた誰よりも強い!!)
剣鬼の状態を覚醒させると動体視力が強化され、思考能力が加速し、周囲の光景がまるでスローモーションのように動いてみる。実際にレナの視界の端に存在するイレアビトとダインは時間が停止したかの様に動かないが、ミドルだけはスローモーションの影響を受けていないかの様に動いていた。
現在のレナは「魔鎧術」の応用で土属性の魔力で全身を覆い、身体に掛かる重力を操作して高速移動を行っているのだが、そんなレナに対してミドルは純粋な身体能力だけで渡り合う。既に二人の速度は常人の目では捉える事も出来ず、玉座の間のあちこちで金属音が鳴り響く。
「加速剣撃……旋風!!」
「大車輪!!」
横薙ぎに振り払ったレナの大剣に対してミドルは槍を回転させながら攻撃を受け止め、回転する槍に軌道を変化させられた大剣の刃が近くの柱にめり込む。その隙にミドルはレナの背後から槍を突き刺す。
「刺突!!」
「舐めるな!!」
だが、柱にめり込んだ大剣を逆に利用してレナは柄を握り締めた状態で新体操選手のように跳躍して回避すると、掌を突き出して魔法を放つ。
「風圧!!」
「そんな物……!?」
咄嗟にミドルはレナの魔法をロンギヌスで吸収しようとしたが、レナはミドルの反対方向に向けて魔法を放ち、文字通りに風圧を利用して大剣を柱から引き抜くと空中で切りかかる。
「月光斬!!」
「ぐうっ!?」
シズネから教わった戦技を発動させて三日月を想像させる軌道で刃を振り祓うと、咄嗟にミドルは槍の柄で防ぐ事に成功したが身体が吹き飛ばされる。その隙に着地したレナは退魔刀を振りかざし、カイから教わった最大の一撃を繰り出そうとした。
「一刀……!?」
「はあっ!!」
だが、攻撃を繰り出す前にミドルは掌を突き出した瞬間、レナの顔面に衝撃が走り、集中力を搔き乱されて発動に失敗する。一体何が起きたのかとレナは呆然とした表情を浮かべると、左手を突き出したミドルが笑みを浮かべる。
「遠当て……見るのは初めてかい?」
「くっ……二度と当たるか」
「だろうね、この程度の小細工は一度限りだ」
顔面を叩かれた時は驚いたが、威力に関してはそれほどではなく、軽く鼻血が噴き出したがすぐに拭い取るとレナは退魔刀を掲げる。戦闘を開始してからまだ数十秒程度しか経っていないが、二人の体感では既に数分間は戦っている感覚に陥る。それほどまでに二人と周囲の人間達の時間の感覚が異なり、更に加速してレナとミドルは打ち合う。
「回転撃!!」
「大車輪!!」
全力で大剣を振り回すレナに対してミドルも槍を手元で回転させながら接近し、再び振りぬかれた刃に槍を押し当てて攻撃を受け流す。ミドルの扱う「大車輪」は防御特化の戦技であり、本来は相手の攻撃を受け流す事に特化した戦技だった。
大振りの攻撃ではミドルを仕留められないと判断したレナは体勢を変化させ、今度はミドルを正面に捕らえて刃を放つ。だが、迫りくる刃に対してミドルは槍を突き出し、リーチの長さを生かして先にレナに攻撃を仕掛けた。
「刺突!!」
「ぐうっ!?」
咄嗟に顔を逸らす事で頭部への攻撃を回避する事は出来たが、真紅の槍はレナの頬を切り裂き、その血を吸収するように吸い込む。ミドルは防御から攻撃へと切り替え、次々と槍を繰り出す。
「嵐突き!!」
「うわっ……!?」
乱れ突きの戦技の強化版である戦技を発動させ、10本の槍が同時に突き出されたのではないかと思える程の速度で槍を放つ。咄嗟にレナは大剣で防ぐ事に成功したが、身体の至る箇所に掠り傷を負う。
(不味い……足をやられたらこいつの動きに付いてこれない、どうする!?)
ミドルの武器であるロンギヌスは聖剣と同等の力を誇るため、力尽くで破壊する事は難しい。しかし、下手な魔法や魔法剣を使用すればロンギヌスに吸収されてしまうため、敢えてレナは身体能力を強化させる魔法だけを使用しているが、このままでは勝つことが出来ない。
勝負が長引けば長引くほどに技量が勝るミドルが有利に立ち、徐々にレナの太刀筋が読まれ始めていた。このままでは不味いとは思っているが今のレナではミドルを正面から打ち倒す事は難しく、どうにか一瞬でもいいので相手に隙が出来れば一刀両断の戦技で打ち倒す事が出来ると考えているがミドルがそのような隙を見せるはずがない。
(狭間の世界でアイリスの作り出したミドルと何度かやりあったけど、ここまで力の差があるなんて……こいつもまだ成長しているのか)
狭間の世界でレナはアイリスがミドルの情報を頼りに作り出した人形と戦ったが、現在のミドルはアイリスが生み出した人形よりも遥かに手強く、完全に自分の力を扱いこなしていた。成長痛によって一時期は体調の不調に襲われたが、今現在のミドルは全身から力が溢れていた。
(さあ、どうする?君がこの程度で終わるはずがない……次は何をする気だ?)
ミドルは戦闘を楽しみながらもレナに向けて槍を突き出し、次の彼の行動を予測する。数多の戦場を駆け巡って来たミドルだからこそ、相手の戦闘能力を読み取って次の行動を予想する事は容易く、レナの行動を先読みして反撃の暇を与えずに猛攻を仕掛ける。
「刺突・閃!!」
「ぐあっ!?」
「レナ!!」
遂にレナの右肩にミドルが拘束に突き出した槍の刃が衝突し、右肩を貫く。その光景を見てダインは悲鳴をあげ、咄嗟にレナの元へ向かおうとしたがイレアビトが遮る。
「邪魔はさせないわ、男同士の決闘に外野は不要よ」
「くっ……退けよ!!」
ダインはレナを救うために杖を突きさし、影魔法を発動しようとした瞬間、イレアビトは収納石のブレスレットから「カラドボルグ」を取り出す。
「おっと、止めておきなさい……貴方のその魔法は私には通用しない」
「あ、あれ!?くそ、何でだよ!!どうして……!?」
「聖剣には聖属性の魔力が宿っている。装備しているだけでも闇属性の魔法は通用しないのを知らないのかしら?」
イレアビトに放った影の触手が弾かれ、必死にダインは影魔法でイレアビトとミドルを捉えようとしたが、聖剣の力で掻き消されてしまう。その光景を右肩から血を流しながらレナは確認すると、イレアビトの所持する聖剣に視線を向けて目を見開く。
「聖剣……ぐっ!?」
「余所見とは言い度胸だね!!」
レナの注意が二人に向いた瞬間、ミドルは容赦なく槍を突き出し、右腕を負傷したレナの右側から攻撃を繰り出す。肩を貫かれたせいで右腕はまともに動かず、どうにか左手だけで捌きながらレナは退魔刀に視線を向け、最後の賭けに出た。
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