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最終章 王国編
王国の勝利
――イレアビトを捕縛した直後、裏庭の方から他の仲間達が玉座の間に駆けつけ、倒れ伏しているミドルとダインの影魔法で捕らわれているイレアビトの姿を見て全員が全てを悟る。
「レナ!!無事だったのね……きゃっ!?」
「ウォンッ!!」
「おっと……はは、ウルたちも無事だったのか」
シズネが駆け寄る前にウルが先にレナの元へ駆けつけ、嬉しそうに顔を舐める。レナはすり寄ってくるウルを抑えながら他の仲間の様子を確認して全員が生きている事に安心すると、リンダに肩を貸してもらいながらナオが近寄り、拘束されているイレアビトの姿を見た後、レナに抱き着く。
「レナ……無事だったか」
「ナオも生きててよかった……本当に良かった」
「当たり前だ、私がそんなに簡単に殺されるはずがないだろう」
「あ~……ごほんっ!!姉弟水入らずの所悪いんだけど、まだ終わってないわよ」
涙を流しながらレナを抱き寄せるナオに対してシズネは少し不満そうに咳ばらいを行い、彼女の言葉を聞いてナオも頷くと、影魔法から解放されて手首を縛り付けられたイレアビトと向かい合う。
「サクラ……いや、本名はイレアビトだったな。お前の配下はもう全員取り抑えた、これでお前は終わりだ」
「……全員?フヨとリクはまだ残っているようだけど?」
「そちらの方も間もなく取り抑えられるわ。少し気にくわないけど、最強の剣聖が憂さ晴らしに暴れているわ」
城門の方で革命団と交戦を行っているフヨとリクの元には洗脳から解放されたゴウライが向かい、今頃はその圧倒的な力で二人を取り抑え、兵士達を蹴散らしている頃であろう。他の王妃の直属の配下も既にレナの仲間達が取り抑え、ナオの妹であるシオンとリアナも既に確保している。
これで王都内の王妃の味方は存在せず、あとは彼女を捕らえた事をナオが発表すれば民衆も彼女を支持するだろう。イレアビトは自分が敗れた事を悟り、溜息を吐きながらナオではなくレナに話しかけた。
「貴方の勝ちよ……こんな事になるのならば産まれた時に貴方を殺しておけば良かったわね」
「誉め言葉として受け取るよ」
「親に似て生意気な子供ね……それで、私をこれからどうする気か聞くべきかしら?この場で殺すのか、あるいは見せしめとして大勢の人間の前で処刑するのか……」
「どちらもしない。今はお前に構っている暇はない……後片付けもしないといけないからな。地下牢へ連れていけ!!」
「はいっ!!」
「わぅんっ!!」
ナオの命令を受けた彼女の部隊の女騎士達がイレアビトを拘束し、地下の牢獄へと送り込む。彼女達はナオが信頼している騎士なので裏切られる心配はなく、念のためにリンダとシュンとシズネも後に続く。
「私も同行します。城内の兵士がまだ残っているので邪魔される心配がありますので……」
「俺も行くぜ、まだ捕まった嬢ちゃんの件で色々と聞き出したい事があるからな」
「私も行くわ……この女には色々と聞きたいことがあるから」
「分かった。彼等も連れて行ってくれ」
剣聖の2人と王国四騎士が同行するならば心強く、ナオも承諾してヴァルキュリア騎士団と共に3人を地下牢へ送り込む。立ち去り際、イレアビトはミドルの死体に視線を向け、何か言いたげな表情を浮かべたが結局は何も口にせずに玉座の間から立ち去る。
イレアビトが広間から去った瞬間、残された全員が緊張に解放された様に大きなため息を吐き出し、安心した瞬間にレナは床にへたり込む。
「はあっ……身体全身が痛い。誰か回復してくれない?もう魔力残ってなくて自力で回復する事も出来なくて……」
「レナ、怪我してる……すぐに治療する」
「あ、それなら私も手伝うよ!!」
「ぷるるんっ!!」
「ひゃんっ!?ひ、ヒトミン君、何時の間に僕のポケットに入ってたの!?」
レナの治療を行おうとした時、ミナの尻ポケットから隠れていたヒトミンが現れ、既に体内の水分を出し切って萎れているスラミンの代わりにヒトミンがコトミンの回復魔法に必要な水を口から吐き出す。
「はんどぱわぁっ」
「ああ、久しぶりにその単語を聞いたな……ありがとう、大分痛みも治まったよ」
「やったなレナ……無事か?」
「うん、大分楽になった……いや、ゴンちゃんの方が大怪我してない!?」
心配するゴンゾウに対してレナは彼の顔を見て驚愕し、全身が血塗れでしかも顔面が腫れて別人にしか見えないゴンゾウの姿に周囲の人間達も後ずさり、慌ててレナの治療を負えたコトミンとティナがゴンゾウの治療を行う。
「兄貴、あたしも活躍したっす!!兄貴が折角作ってくれたボーガンを壊れちゃいましたけど……」
「別にあれぐらいまた作ってあげるよ……そうだ、知り合いの鍛冶師に凄いボーガンを作ってもらおうか?ガジンという人なんだけど……」
「レナ様……この度は迷惑を掛けて申し訳ありません。力になると約束したのにまた助けられる事になるなんて……」
「レミアも無事でよかったよ」
「レナ君!!僕も頑張ったんだけど、結局あんまり役に立てなくて……ごめんなさい!!」
「ミナも十分に戦ってくれたんでしょ?なら謝らなくていいよ……」
「……うちの義弟はモテモテだな」
レナの前に複数の女子が群がり、その光景を目にしたナオは複雑そうな表情を浮かべ、知らない間に子供だと思い込んでいた相手が一気に大人になっていたような感覚に陥る。しばらくの間は全員がお互いの無事を喜び合うが、いつまでもこの場に残るわけにもいかないため、レナは意を決してナオに話す。
「ナオ……父上はもう……」
「そう、か……やはり、死んでいたのか」
ナオはレナの言葉を受けて悲痛な表情を浮かべるが、薄々と予想はしていたのか取り乱さない。国王とナオは複雑な間柄だったが、それでもお互いに嫌い合っていたわけではなく、実の親子のように愛し合っていた。ナオは無意識に涙を流し、そんな彼女の表情を見てレナはいたたまれない気持ちを抱く。
「レナ、すまない……本当はもっと早く、お前と父上を会わせたかったんだ」
「ナオ……」
「すまない……本当にすまない」
涙を流しながらナオはレナを抱き着き、自分が辛いにも関わらずに実の父親を失ったレナを慰めようとする義理の姉に対し、レナも優しく抱き返す。その光景を見た他の人間の何人かが涙を流し、ヨツバ王国の国王であるデブリが天井を仰ぎながら呟く。
「……バルトロス国王よ、お主は道を間違えた。だが、こんなにもお主の事を想う家族が居る。安らかに逝くがいい」
デブリが祈るように胸元に右手を構えると、他の人間も黙って彼と同じように祈り、やがてレナを離したナオも両手を握り締めて養父のために祈る。レナも黙って両手を握り締め、最後に見た父親の表情を思い浮かべながら死後の彼の安寧を祈った――
――この日、王国を裏から支配していたイレアビトは捕まり、彼女に従っていた者達も捉えられ、遂に王国はレナとナオの二人によって平和を取り戻す事が出来た。
「レナ!!無事だったのね……きゃっ!?」
「ウォンッ!!」
「おっと……はは、ウルたちも無事だったのか」
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「レナ……無事だったか」
「ナオも生きててよかった……本当に良かった」
「当たり前だ、私がそんなに簡単に殺されるはずがないだろう」
「あ~……ごほんっ!!姉弟水入らずの所悪いんだけど、まだ終わってないわよ」
涙を流しながらレナを抱き寄せるナオに対してシズネは少し不満そうに咳ばらいを行い、彼女の言葉を聞いてナオも頷くと、影魔法から解放されて手首を縛り付けられたイレアビトと向かい合う。
「サクラ……いや、本名はイレアビトだったな。お前の配下はもう全員取り抑えた、これでお前は終わりだ」
「……全員?フヨとリクはまだ残っているようだけど?」
「そちらの方も間もなく取り抑えられるわ。少し気にくわないけど、最強の剣聖が憂さ晴らしに暴れているわ」
城門の方で革命団と交戦を行っているフヨとリクの元には洗脳から解放されたゴウライが向かい、今頃はその圧倒的な力で二人を取り抑え、兵士達を蹴散らしている頃であろう。他の王妃の直属の配下も既にレナの仲間達が取り抑え、ナオの妹であるシオンとリアナも既に確保している。
これで王都内の王妃の味方は存在せず、あとは彼女を捕らえた事をナオが発表すれば民衆も彼女を支持するだろう。イレアビトは自分が敗れた事を悟り、溜息を吐きながらナオではなくレナに話しかけた。
「貴方の勝ちよ……こんな事になるのならば産まれた時に貴方を殺しておけば良かったわね」
「誉め言葉として受け取るよ」
「親に似て生意気な子供ね……それで、私をこれからどうする気か聞くべきかしら?この場で殺すのか、あるいは見せしめとして大勢の人間の前で処刑するのか……」
「どちらもしない。今はお前に構っている暇はない……後片付けもしないといけないからな。地下牢へ連れていけ!!」
「はいっ!!」
「わぅんっ!!」
ナオの命令を受けた彼女の部隊の女騎士達がイレアビトを拘束し、地下の牢獄へと送り込む。彼女達はナオが信頼している騎士なので裏切られる心配はなく、念のためにリンダとシュンとシズネも後に続く。
「私も同行します。城内の兵士がまだ残っているので邪魔される心配がありますので……」
「俺も行くぜ、まだ捕まった嬢ちゃんの件で色々と聞き出したい事があるからな」
「私も行くわ……この女には色々と聞きたいことがあるから」
「分かった。彼等も連れて行ってくれ」
剣聖の2人と王国四騎士が同行するならば心強く、ナオも承諾してヴァルキュリア騎士団と共に3人を地下牢へ送り込む。立ち去り際、イレアビトはミドルの死体に視線を向け、何か言いたげな表情を浮かべたが結局は何も口にせずに玉座の間から立ち去る。
イレアビトが広間から去った瞬間、残された全員が緊張に解放された様に大きなため息を吐き出し、安心した瞬間にレナは床にへたり込む。
「はあっ……身体全身が痛い。誰か回復してくれない?もう魔力残ってなくて自力で回復する事も出来なくて……」
「レナ、怪我してる……すぐに治療する」
「あ、それなら私も手伝うよ!!」
「ぷるるんっ!!」
「ひゃんっ!?ひ、ヒトミン君、何時の間に僕のポケットに入ってたの!?」
レナの治療を行おうとした時、ミナの尻ポケットから隠れていたヒトミンが現れ、既に体内の水分を出し切って萎れているスラミンの代わりにヒトミンがコトミンの回復魔法に必要な水を口から吐き出す。
「はんどぱわぁっ」
「ああ、久しぶりにその単語を聞いたな……ありがとう、大分痛みも治まったよ」
「やったなレナ……無事か?」
「うん、大分楽になった……いや、ゴンちゃんの方が大怪我してない!?」
心配するゴンゾウに対してレナは彼の顔を見て驚愕し、全身が血塗れでしかも顔面が腫れて別人にしか見えないゴンゾウの姿に周囲の人間達も後ずさり、慌ててレナの治療を負えたコトミンとティナがゴンゾウの治療を行う。
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「レナ様……この度は迷惑を掛けて申し訳ありません。力になると約束したのにまた助けられる事になるなんて……」
「レミアも無事でよかったよ」
「レナ君!!僕も頑張ったんだけど、結局あんまり役に立てなくて……ごめんなさい!!」
「ミナも十分に戦ってくれたんでしょ?なら謝らなくていいよ……」
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