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外伝 ~ヨツバ王国編~
剣鬼の助太刀
「どのような理由であれ、俺はお前の捕縛命令を受けている!!速やかに降伏しなければ我々は攻撃を始めるぞ!!」
「やはりそうなるか……いいだろう!!ならば俺は自分自身を守るため、そして家族を守るため、この街の民のために戦おう!!」
「民のためを思うのであればお前一人が投降すればいいだけだろう!!そうすれば我々も手出しせん!!」
「生憎だがこちらも先日に南聖将の奴から襲撃を受けたばかりだ!!お前が手を出さずとも俺がいなくなればあの男がこの地を狙うだけだ!!」
「何だと?くそ、レイビの奴め……」
ギンタロウが投降するのであればハシラも矛を収めるつもりだったが、残念ながら先日にレイビに襲撃を受けた時点で東壁街の住民を守るためにはギンタロウの存在が欠かせないというのが住民の判断だった。そのためにギンタロウ一人が投降するような事は認められず、大勢の者が彼を守るために駆けつけてきてくれた。
「ギンタロウ将軍は何も悪い事はしていない!!この御方のお陰で俺達ケンタウロス族は住みやすい街になったんだ!!」
「そうよ!!ギンタロウ将軍は今までの将軍の中で一番優しい御方よ!!」
「間違っているのはお前等の方だ!!俺達は何も悪い事はしていない!!」
兵士達も負けじと大声を張り上げてギンタロウを擁護すると、ハシラが率いる兵士達もお互いの顔を見合わせ、最初に聞いていた話と異なる事に疑問を抱く。事前の説明ではギンタロウが王国に対して謀反を計画していると聞いていたが、実際に彼等と相対して話を聞く限りではギンタロウは南聖将の襲撃を受けて街から守っていると聞いて話が違うのではないかと考える輩も現れ始める。
「将軍、これはどういう事でしょうか?やはりギンタロウ将軍が……」
「……だとしても我々はカレハ様から命令を受けている。既に命令を下された以上、引き下がるわけにはいかん」
「しかし……」
「もういい、俺が合図をしたら攻撃を開始しろ。但し、手筈通りに最初の1発目は威嚇射撃だ」
動揺する兵士達に対してハシラは命令を下し、あくまでも予定通りに作戦を進める事を強要した。ギンタロウが降伏しないのであれば戦闘は避けられず、どうにか戦力差を見せつけて彼一人が投降する事を祈りながらハシラは命令を下そうとした時、ケンタウロス族の中に人間を乗せている兵士が紛れている事に気付く。
(何だあれは……人間か?いや、獣人族も混じっているが……)
前線に現れたケンタウロス族の背中には100人近くの人間や獣人族が乗り込み、小髭族や魔人族らしき姿も見かけた。基本的にギンタロウの配下の兵士はケンタウロス族と森人族だけで統一されているはずだが、この短期間の間に民衆の中から兵士を徴兵したのかと思ったが、それにしては全員が一般人とは思えぬほどの貫録を示していた。
(特にあの先頭に立つ少年……何なんだあいつは!?人間とは思えん!!)
ギンタロウの両隣に立つ自分の身の丈に匹敵する大剣を掲げた人間の少年が存在し、この距離からでもハシラは言いようの知れない威圧感を感じ取り、信じられない事に自分の10分の1程度しか生きていないと思われる少年に対してハシラは冷や汗を流す。
(あれを近づけるのは不味い、それに他の者達も只物とは思えん。どうする、ここは予定を変更して攻撃を実行させるか……)
得体の知れぬ集団を目にしたハシラは自分がどうするべきか判断に悩み、その心の迷いを読み取ったようにギンタロウは鉞を掲げると、自軍に命令を下す。
「ケンタウロス隊!!突撃!!」
『うおおおおおっ!!』
ハシラが命令を下すよりも早くケンタウロスだけで構成された部隊が動き出し、一気に距離を詰めていく。両軍は500メートルは離れているが、人間よりも圧倒的に速度が速いケンタウロスならば20秒足らずで距離を詰めてくるだろう。
「将軍!!東聖将軍の方が動き出しましたよ!?」
「くっ……止むを得ん!!全軍、これより攻撃を開始する!!いいか、攻撃を開始しろ!!」
『精霊よ!!』
遂にハシラから正式に攻撃許可が下りた事で兵士達は慌てながらも精霊魔法を発動させ、遠距離攻撃の準備を行う。いくらケンタウロス達が得体の知れぬ集団を乗せいようと北聖将の軍隊はヨツバ王国の中でも精鋭揃いである事は間違いなく、兵士達は弓矢を構えて風の魔力を纏わせた矢を握り締める。
「まずは俺が撃つ!!お前達も続け!!」
最初にハシラが前に身を乗り出すと、先ほどは撃つのを中断した「黒樹」の矢を大弓に番え、先頭を走るギンタロウに向けて構える。この1発で彼を戦闘不能に追い込む事を祈り、数十年、あるいは数百年の年月の魔力を込めた黒樹の矢を放つ。
「喰らえっ……強化射撃!!」
戦技を発動させ、最高速度と威力で矢を放つ。大弓から放たれた黒樹の矢は戦闘を駆け抜けるギンタロウの元へ向かい、彼が両手の鉞を抱えて防ごうとした瞬間、後方からギンタロウを追い抜いて黒樹の矢に目掛けて武器を振り下ろす人影が出現した。
「一刀両断!!」
戦場に轟音が鳴り響き、退魔刀を抱えた「レナ」が自分の最大の戦技を発動させると、あろうことか正面から迫りくる黒樹の矢を粉々に破壊して内部に蓄積していた魔力を左右に拡散させた。暴発した魔力は二つに切り裂かれた事で威力が半減し、しかも左右に逸れた事で他の者が被害を受ける事もなく、衝撃波と化して消散した。
レナは退魔刀を振りぬくと腕が痺れる感覚に襲われながらも特に問題ない事を確認し、背中に戻す。その光景に敵味方誰もが唖然とするが、一番驚いてるのは攻撃を仕掛けたハシラである。
「ば、馬鹿な……有り得ん!!黒樹の矢を破壊しただと……人間の、しかもあんな少年が!?」
「将軍!!て、敵が迫っております!!」
目の前に光景にハシラは理解が追い付かないが、その間にもケンタウロス達との距離は迫り、その距離は半分にまで詰められていた。慌てて冷静になったハシラは兵士達に攻撃の合図を行う。
「いかん!!攻撃しろ、準備が整い次第撃て!!」
『か、風よ、敵を穿て!!』
兵士達も目の前の光景に驚かされたが、ハシラの言葉を聞いて弓矢に集めた風の精霊の力を利用し、矢を放つ。最初の時の様に魔力を帯びた矢が次々と放たれ、地面に衝突する瞬間に衝撃波を生み出す。1つの1つの威力が人間の扱う砲撃魔法の匹敵し、しかもそれが連続で放たれるとなるとケンタウロス隊にも被害が及ぶ。
「うわっ!?」
「ぐあっ!?」
「怯むな!!突っ走れ!!」
だが、2人や3人が倒れようとケンタウロス隊は止まる事はなく、なんとしても距離を詰めるために移動を行う。正面から攻撃を仕掛けられている事は十分予測できたため、先頭を走る部隊は大盾を装備して後列の部隊を守り、次々と放たれる矢を防ぐ。
「レナ君、俺の背中に乗れ!!」
「あ、どうも」
先頭を走っていたレナもギンタロウの腕を借りて彼の背中に跨ると、腰に装備していた「反鏡剣」を引き抜き、次々と放たれる矢を斬り掃う。この状況で魔法の力を跳ね返す反鏡剣の存在は有難く、この剣ならば精霊魔法であろうと関係なく対抗出来る。
「あと少しだぞ!!行くぞレナ君!!」
「お願いします!!」
反鏡剣でギンタロウに迫りくる矢を全て振り払い、遂に距離が100メートルを詰めるとレナは退魔刀を引き抜き、二刀流で挑む。その様子を見たハシラは前方を走るレナに危険を察知し、兵士達に標的をレナに変えるように命じた。
「やはりそうなるか……いいだろう!!ならば俺は自分自身を守るため、そして家族を守るため、この街の民のために戦おう!!」
「民のためを思うのであればお前一人が投降すればいいだけだろう!!そうすれば我々も手出しせん!!」
「生憎だがこちらも先日に南聖将の奴から襲撃を受けたばかりだ!!お前が手を出さずとも俺がいなくなればあの男がこの地を狙うだけだ!!」
「何だと?くそ、レイビの奴め……」
ギンタロウが投降するのであればハシラも矛を収めるつもりだったが、残念ながら先日にレイビに襲撃を受けた時点で東壁街の住民を守るためにはギンタロウの存在が欠かせないというのが住民の判断だった。そのためにギンタロウ一人が投降するような事は認められず、大勢の者が彼を守るために駆けつけてきてくれた。
「ギンタロウ将軍は何も悪い事はしていない!!この御方のお陰で俺達ケンタウロス族は住みやすい街になったんだ!!」
「そうよ!!ギンタロウ将軍は今までの将軍の中で一番優しい御方よ!!」
「間違っているのはお前等の方だ!!俺達は何も悪い事はしていない!!」
兵士達も負けじと大声を張り上げてギンタロウを擁護すると、ハシラが率いる兵士達もお互いの顔を見合わせ、最初に聞いていた話と異なる事に疑問を抱く。事前の説明ではギンタロウが王国に対して謀反を計画していると聞いていたが、実際に彼等と相対して話を聞く限りではギンタロウは南聖将の襲撃を受けて街から守っていると聞いて話が違うのではないかと考える輩も現れ始める。
「将軍、これはどういう事でしょうか?やはりギンタロウ将軍が……」
「……だとしても我々はカレハ様から命令を受けている。既に命令を下された以上、引き下がるわけにはいかん」
「しかし……」
「もういい、俺が合図をしたら攻撃を開始しろ。但し、手筈通りに最初の1発目は威嚇射撃だ」
動揺する兵士達に対してハシラは命令を下し、あくまでも予定通りに作戦を進める事を強要した。ギンタロウが降伏しないのであれば戦闘は避けられず、どうにか戦力差を見せつけて彼一人が投降する事を祈りながらハシラは命令を下そうとした時、ケンタウロス族の中に人間を乗せている兵士が紛れている事に気付く。
(何だあれは……人間か?いや、獣人族も混じっているが……)
前線に現れたケンタウロス族の背中には100人近くの人間や獣人族が乗り込み、小髭族や魔人族らしき姿も見かけた。基本的にギンタロウの配下の兵士はケンタウロス族と森人族だけで統一されているはずだが、この短期間の間に民衆の中から兵士を徴兵したのかと思ったが、それにしては全員が一般人とは思えぬほどの貫録を示していた。
(特にあの先頭に立つ少年……何なんだあいつは!?人間とは思えん!!)
ギンタロウの両隣に立つ自分の身の丈に匹敵する大剣を掲げた人間の少年が存在し、この距離からでもハシラは言いようの知れない威圧感を感じ取り、信じられない事に自分の10分の1程度しか生きていないと思われる少年に対してハシラは冷や汗を流す。
(あれを近づけるのは不味い、それに他の者達も只物とは思えん。どうする、ここは予定を変更して攻撃を実行させるか……)
得体の知れぬ集団を目にしたハシラは自分がどうするべきか判断に悩み、その心の迷いを読み取ったようにギンタロウは鉞を掲げると、自軍に命令を下す。
「ケンタウロス隊!!突撃!!」
『うおおおおおっ!!』
ハシラが命令を下すよりも早くケンタウロスだけで構成された部隊が動き出し、一気に距離を詰めていく。両軍は500メートルは離れているが、人間よりも圧倒的に速度が速いケンタウロスならば20秒足らずで距離を詰めてくるだろう。
「将軍!!東聖将軍の方が動き出しましたよ!?」
「くっ……止むを得ん!!全軍、これより攻撃を開始する!!いいか、攻撃を開始しろ!!」
『精霊よ!!』
遂にハシラから正式に攻撃許可が下りた事で兵士達は慌てながらも精霊魔法を発動させ、遠距離攻撃の準備を行う。いくらケンタウロス達が得体の知れぬ集団を乗せいようと北聖将の軍隊はヨツバ王国の中でも精鋭揃いである事は間違いなく、兵士達は弓矢を構えて風の魔力を纏わせた矢を握り締める。
「まずは俺が撃つ!!お前達も続け!!」
最初にハシラが前に身を乗り出すと、先ほどは撃つのを中断した「黒樹」の矢を大弓に番え、先頭を走るギンタロウに向けて構える。この1発で彼を戦闘不能に追い込む事を祈り、数十年、あるいは数百年の年月の魔力を込めた黒樹の矢を放つ。
「喰らえっ……強化射撃!!」
戦技を発動させ、最高速度と威力で矢を放つ。大弓から放たれた黒樹の矢は戦闘を駆け抜けるギンタロウの元へ向かい、彼が両手の鉞を抱えて防ごうとした瞬間、後方からギンタロウを追い抜いて黒樹の矢に目掛けて武器を振り下ろす人影が出現した。
「一刀両断!!」
戦場に轟音が鳴り響き、退魔刀を抱えた「レナ」が自分の最大の戦技を発動させると、あろうことか正面から迫りくる黒樹の矢を粉々に破壊して内部に蓄積していた魔力を左右に拡散させた。暴発した魔力は二つに切り裂かれた事で威力が半減し、しかも左右に逸れた事で他の者が被害を受ける事もなく、衝撃波と化して消散した。
レナは退魔刀を振りぬくと腕が痺れる感覚に襲われながらも特に問題ない事を確認し、背中に戻す。その光景に敵味方誰もが唖然とするが、一番驚いてるのは攻撃を仕掛けたハシラである。
「ば、馬鹿な……有り得ん!!黒樹の矢を破壊しただと……人間の、しかもあんな少年が!?」
「将軍!!て、敵が迫っております!!」
目の前に光景にハシラは理解が追い付かないが、その間にもケンタウロス達との距離は迫り、その距離は半分にまで詰められていた。慌てて冷静になったハシラは兵士達に攻撃の合図を行う。
「いかん!!攻撃しろ、準備が整い次第撃て!!」
『か、風よ、敵を穿て!!』
兵士達も目の前の光景に驚かされたが、ハシラの言葉を聞いて弓矢に集めた風の精霊の力を利用し、矢を放つ。最初の時の様に魔力を帯びた矢が次々と放たれ、地面に衝突する瞬間に衝撃波を生み出す。1つの1つの威力が人間の扱う砲撃魔法の匹敵し、しかもそれが連続で放たれるとなるとケンタウロス隊にも被害が及ぶ。
「うわっ!?」
「ぐあっ!?」
「怯むな!!突っ走れ!!」
だが、2人や3人が倒れようとケンタウロス隊は止まる事はなく、なんとしても距離を詰めるために移動を行う。正面から攻撃を仕掛けられている事は十分予測できたため、先頭を走る部隊は大盾を装備して後列の部隊を守り、次々と放たれる矢を防ぐ。
「レナ君、俺の背中に乗れ!!」
「あ、どうも」
先頭を走っていたレナもギンタロウの腕を借りて彼の背中に跨ると、腰に装備していた「反鏡剣」を引き抜き、次々と放たれる矢を斬り掃う。この状況で魔法の力を跳ね返す反鏡剣の存在は有難く、この剣ならば精霊魔法であろうと関係なく対抗出来る。
「あと少しだぞ!!行くぞレナ君!!」
「お願いします!!」
反鏡剣でギンタロウに迫りくる矢を全て振り払い、遂に距離が100メートルを詰めるとレナは退魔刀を引き抜き、二刀流で挑む。その様子を見たハシラは前方を走るレナに危険を察知し、兵士達に標的をレナに変えるように命じた。
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